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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  谷川俊太郎さんが文を書いて
  あべ弘士さんが絵を描いた
  『えほん なぞなぞうた』を
  紹介します。
  2020年5月に出たばかりですが
  和田誠さんが生きておられたら
  もしかしたらこの絵本の絵は
  和田誠さんが描いていたかもと
  つい思ってしまいます。
  谷川俊太郎さんの絵本に
  和田誠さんはたくさん絵を描いていますし
  こういう謎解きのような絵は
  和田誠さん結構好きでしたから。
  もちろん、
  あべ弘士さんの絵も素敵です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  解けないなぞをサラリと解いて                   

 子供の頃に読んでいた雑誌にはよくなぞなぞが載っていました。
 例えば、こんな問題。
 「上は洪水、下は大火事、なーんだ?」。
 答えは「お風呂」ですが、昔は薪でお風呂を沸かしていましたから、当時の子供たちにはイメージしやすかったかもしれません。
 なぞなぞは大昔からあって、有名なのはスフィンクスが旅人に問いかけたものといいますから、まさに人類の歴史と重なります。
 ちなみにスフィンクスのなぞなぞは「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。なーんだ?」。
 答えは「人間」。
 朝は赤ん坊のハイハイの姿で、夕方の三本足は杖をついている姿です。
 こんなふうに、うまいなぞなぞはウィットに富んでいます。

 この絵本は詩人の谷川俊太郎さんがこしらえてなぞなぞ集。
 奇数のページに問題があって、偶数のページには答えが載っています。
 例えば、こんな問題。
 「せかいじゅう どこにいっても よっつある/かせいにいっても あるのかな?」
 なぞなぞとしては、前段だけで成立していますが、後半をつけることで谷川さんの柔らかな文章になっているのがいい。
 なぞなぞ的には「なーんだ?」といれたいところですが。
 答えを書いてしまうのはよくないですが、よくできたなぞなぞなので、これだけは(文末に)書いておきます。

 ひとつひとつのなぞなぞとその答えに、あべ弘士さんの絵がついています。
 もちろん、問いについたあべさんの絵を見ても、残念ながら答えはわかりません。
 (文中のなぞなぞの答え:東西南北)
  
(2020/07/12 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  前川恒雄といっても
  知らない人が多いかもしれません。
  図書館学を勉強した人なら
  知っているでしょうが。
  私は何故かこの人の名前だけは目にしていたことがあって
  なので
  その訃報には少し心が痛みました。
  4月10日のことです。
  前川恒雄さんは89歳でした。
  今日紹介する
  『移動図書館ひまわり号』は
  前川恒雄さんが図書館開設に向けて
  奮闘する話ですが
  それよりも現在の図書館の姿を牽引する姿に
  感動します。

    図書館は、人々が本と出合い本を利用することによって、
    自分の可能性を発見し育てていく所

  この本の一節です。
  図書館で働く人たち、
  図書館を利用する私たちが
  忘れてはならない言葉だと思います。

  ご冥福をお祈りします。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  追悼・前川恒雄さん - あなたに感謝                   

 新型コロナウイルスが急速に広がり始めていた2020年4月10日、一人の図書館学者が亡くなった。
 その後の4月23日の朝日新聞「天声人語」に「戦後日本の図書館のありようを大転換してくれた先人」と記されたその人こそ、前川恒雄、この本の著者であり、この本に描かれているように東京日野市立図書館の初代館長である。

 私たちが現在使っている公共図書館は本の所蔵数にしろ館の広さにしろ館内の明るさにしろ、なんとも快適な施設である。
 しかし、前川さんが日野市の図書館に関わるようになった昭和40年当時は図書館は暗くかび臭い印象がつきまとった施設であった。
 何しろ当時の図書館員は胸を張って自分の仕事が言えないほどであったという。
 前川さんが迎えられた日野市にしても、図書館があったわけではない。
 前川さんはじめスタッフが一から図書館作りを始め、その最初が「ひまわり号」と名付けられた移動図書館だった。

 移動図書館こそ「本当の図書館とは何かを、市民に肌で分かってもらうための唯一の方法」だった、とこの本に記した前川さんにとって、「本当の図書館」とは市民の求めに応じてしっかりと本を貸し出すところということだろう。
 今ではどこの図書館も当たり前のようにやっている「予約(リクエスト)サービス」も日本では前川さんたちの日野の図書館が最初だったそうだ。

 移動図書館から中央図書館の開館まで、この本に描かれているのは単に日野市の図書館の歩みではなく、この国の図書館の歩みでもある。
  
(2020/07/11 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  私が初めて
  東京に出てきたのは1975年頃だったが
  その当時すでに東京は
  十分大きな街で
  もうそれ以上人の住むところなど
  増えそうにないように
  思ったものです。
  ところが、そのあとも
  東京はどんどん大きく
  高くなっていって
  その当時からすれば
  未来都市にでもなったようでもあります。
  門井慶喜さんの
  『東京、はじまる』は
  まさに最初のスタート地点を描いた
  面白い作品です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  空に向かって                   

 門井慶喜さんには『家康、江戸を建てる』という傑作連作集があるが、徳川家康が開いた江戸から200年超を経て、明治となり、江戸はその名も東京へと名前を改める。
 だから、この長編歴史小説は気分は『家康、江戸を建てる』に近いが、東京駅を設計したことで有名な建築家辰野金吾の生涯を描いて、これもまた読み応え十分だ。

 辰野金吾は明治維新前の1854年肥前唐津藩の下級武士の家に生まれている。
 明治期の著名人の多くがそうであったように、辰野も維新がなければその後の人生はまったく違ったものであっただろう。
 とにかく維新があって、江戸が終わった。
 辰野は東京と変わった街に出、現在の東大工学部の前身である学校に第一期生として入学する。
 そこで英国人の建築家コンドルで出会うことになる。
 辰野はその生涯で200件以上の建造物を造ったが、この作品では彼の名を最初に高めた日本銀行本店と東京駅に関わる事柄がメインに描かれていく。

 東京という巨大な街は一朝一夕で出来上がった訳ではない。
 政治も社会も文化も明治維新をはさんで生まれ変わったといえる。
 そして、それらを容れる建物も街づくりも。
 江戸が東京に生まれ変わるにあたって、辰野のような人物がいた、あるいは生まれたことこそがこの国の素晴らしさだったといえる。
 門井さんはそんな人物を実に颯爽と描いている。
 主人公である辰野は時折建造中の骨組みを昇り、空へと向かう。
 明治から大正にかけて、まさに人々がそんな気分であったのだろう。
 原題の「空を拓く」というのもわるくない。
  
(2020/07/10 投稿)

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 コロナ禍で外出自粛要請が出ていた頃は
 図書館も休館だし
 本屋さんにも行かない日々が
 続いていました。
 自粛解除が出て
 本屋さんにしばらくぶりに出掛けた時には
 砂漠でオアシスを見つけたみたいな
 気分になりました。

 その時に見つけたのが
 この雑誌、
 「ぼくたちのスパイ映画大作戦」(近代映画社・1601円)。

  

 ちょうど
 昨日も書いたように
 映画専門チャンネル「ムービープラス」
 「007」シリーズの一挙放送が始まったところだったので
 (ちなみにこの雑誌の裏表紙がその広告です)
 買おうかどうしようか迷って
 その時はがまんしたのですが、
 そういうがまんの時は
 やっぱり買いたい時で
 数日して買う気まんまんで同じ本屋さんに行ったら
 もう店頭から消えていました。

 実はこの雑誌、
 SCREEN5月号増刊になっていて
 本屋さんで見つけた時には
 すでに発売からだいぶ経っていたのです。
 雑誌は書籍と違って
 ある期間が過ぎると
 返品することになっているようです。
 もちろん売れてしまったということも
 考えられるのですが、
 そうなると
 俄然欲しくなるのが不思議です。
 釣りでいう、
 逃した魚は大きいと同じ。
 それから
 何軒か本屋さんをめぐって
 ようやく手にすることができました。

 さて、ここからが
 007、ジェームズ・ボンドの話です。
 表紙にあるように
 今年の秋に公開予定の
 シリーズ25作目の
 「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の速報記事が
 載っています。
 噂では
 この作品でダニエル・クレーグがボンド役を退くという話ですが
 どうなることか。

 この雑誌には
 これまでの全24作のストーリーや裏話も
 満載。
 もちろん、豪華絢爛ボンド・ガールのピンナップもあったりして
 満足満足。
 「ジェームズ・ボンド大百科」という記事もあって
 それが2ページというのも
 面白すぎ。

 秋の新作が公開される頃には
 コロナ禍も
 落ち着いていたらいいのですが。

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プレゼント 書評こぼれ話

  先月から
  映画専門チャンネル「ムービープラス」
  6ヶ月にかけて
  映画「007」シリーズ全24作
  放映する企画が始まりました。
  6月は9作品。
  私の大好きな
  2006年公開のダニエル・クレイグ主演の
  「カジノ・ロワイヤル」も
  またまた観ました。

  

  やっぱり エヴァ・グリーンのボンドガールは
  最高です。
  せっかくなので
  2012年9月に書いた 
  その作品の原作
  イアン・フレミング
  『007/カジノ・ロワイヤル』を
  今日は再録書評で紹介します。
  あと5ヶ月
  「007」で楽しみます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  まずは仕事、そのあとに美女                   

 007のボンド映画シリーズではダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンド役を演じた『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)が好きだ。
 話の展開のスピーディさ、ド派手なアクション、それになによりもエヴァ・グリーンが演じたボンド・ガールがいい。
 おそらく彼女は歴代のボンド・ガールの中でも屈指の美しさだ。
 しかも、この作品はイアン・フレミングの原作として初めてボンドが登場した原作の映画化であるので(時代背景は大きく変えられているが)、まさに正統007映画といっていい。

 フレミングがこの作品を発表したのは1953年で、そのあとすぐに映像化されているがボンド初登場作としてはあまりめぐまれない経緯をたどっている(そのあたりのことは本書の解説の中で詳しく書かれている)。
 そういう意味ではダニエル・クレイグのボンド映画までこの原作を堪能できる映像が作られなかったということだ。
 ボンド像は、初代ボンド役のショーン・コリーの印象が強い。タフでしかも女性にもてる諜報部員。歴代のボンド俳優たちもそれを踏襲してきたといえる。
 しかし、原作のボンドはそれほどスマートとはいえない。
 仕事のコンビを組むことになったヴェスパーという女性を最初は嫌う。しかも、彼女の上司はボンドのことを「仕事一本槍の男」と評している。男ぶりは「ちょっといい男」だが、「やさしい気持ちなんてあまりないだろう」とみている。
 つまり、原作に初めて登場した時のボンドは日本人も驚く、「仕事の鬼」だったのだ。

 この作品ではソ連(こういう呼び方も今では懐かしいが)の大物工作員がカジノでの大勝負で使いこんだ資金を回収しようとしている。
 それを阻止すべく派遣されたのがイギリスの諜報部員ジェームズ・ボンド。ボンドを支援するために送られたのがヴェスパーという美女。ボンドは最後の土壇場で辛くも勝負に勝つが・・・。
 カジノでの勝負のあとがこの作品の読みどころといっていい。
 果たしてヴェスパーは味方か敵か。「仕事の鬼」のボンドが大仕事を終えたあと、この美女にどう迫っていくのか。
 やはり、ボンドには美女は欠かせない。
  
(2012/09/18 投稿)

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