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 この春から半年かけてラジオでの朗読番組として
 オンエアされるということで今また話題になっているのが
 沢木耕太郎さんの『深夜特急』だ。
 最初に「第一便」として刊行されたのは1986年5月で、
 沢木さんの26歳のユーラシア大陸をめぐる旅行記は
 全3巻としてまとめられた。
 その後、新潮文庫に6分冊になって刊行。
 それらの総出版部数は600万部にもなるというからすごい。

  

 私が持っているのは単行本の3巻ものだが、
 現在購入しやすいだろう新潮文庫版にそって
 もういちど沢木さんと旅に出ようと思う。
 もしかしたら最初にこの本を読んだ30歳になったばかりの私に出会えるだろうか。

 インドのデリーからロンドンまでおよそ2万キロを
 乗合いバスで旅してみようと思い立ったのは、26歳の時。
 沢木さんはこの時すでにルポライターとして
 いくつかの仕事をしていたという。
 それを捨てて沢木さんが旅に出た、そういうこと自体が
 若い読者の感銘を誘うのだろう。

 文庫版第1巻では、旅の発端となる「朝の光」、
 香港での奇妙でそれでいて熱におかされるほどまでの暮らしぶりを描いた「黄金宮殿」、
 そしてマカオでの博打にはまりこむ「賽の踊り」が収められている。
 なんといっても、「黄金宮殿」が面白いが、まだ旅は始まったばかり。
 まずは、前に進んでみようではないか。

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 今年(2023年)の初め、NHKEテレで放映された「趣味どきっ!」という番組は、
 「読書の森へ 本の道しるべ」と題した、8人の著名人による読書ガイドでした。
 そのうちの一人が、料理愛好家の平野レミさんで、
 番組で、2019年に亡くなった夫・和田誠さんの多くの著作で一番好きだと語っていたのが、
 この『わたくし大画報』でした。
 この本はおそらく和田誠さんの著作の中でも結構初期のもので、
 1982年に出版されています。
 初出は小説誌で、1974年から2年季刊連載された「家庭大画報」と、
 1979年から隔月連載された「渋谷大画報」での構成になっています。

  

 タイトルは違いますが、ともにエッセイで、
 仕事のことや和田さん得意の映画や芝居のことなどが、
 和田さんのイラストとともに自由に描かれていることは同じです。
 そして、おそらくここが平野レミさんの大好きな点だと思いますが、
 家庭で起こったあれこれが軽妙に描かれていて、
 今読むと思い出のアルバムのようになっています。

 「家庭大画報」では初めての出産、続く「渋谷大画報」では子供は2人に増えて、
 まさに新米パパママの奮闘ぶりがほほえましい。
 こんな小さな子供たちも今はすっかり大人(おじさん?)になり、
 新しい家庭を持っているのだから、
 他人の家のこととはいえ、なんだかちょっとうれしくなります。
 レミさんがこの本が大好きな理由、それは大好きな家族が描かれているからでしょう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  川上弘美さんの『東京日記7 館内すべてお雛さま。』は、
  書名に「7」とあるように、
  シリーズ7冊めの作品です。
  最初に刊行されたのは、2005年ですから、
  もう18年も前になります。
  このブログでもちゃんと全巻紹介しています。
  このシリーズを読んで
  タメになるとか感動するとかないのですが、
  なんでしょうね、
  つい読みたくなります。
  それって、おいしい水みたいかな。
  味ってあまりないのに、
  とってもおいしく感じる時ありますよね。
  あんな感じの作品です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  コロナ禍であっても彼女は彼女                   

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、インフルエンザと同様の「5類」に変更されたのは、2023年5月。
 だからといって、ウイルスが消えた訳ではないのに、なんだか気分が違う。
 コロナが騒がれだしたのが、2020年はじめだから、実に3年という長い期間、私たちの生活はあっちにいったりこっちに追いやられたしたことになる。
 日記をつけている習慣の人にとっては、貴重な3年の記録として残っているのではないだろうか。

 では、この人の場合はどうだろう。
 「WEB平凡」で長期連載となっている川上弘美さんの『東京日記』の7巻目が出た。
 連載期間は2019年3月から2022年1月までで、世界中がコロナ禍で暗澹としている時期である。
 「新型コロナが日本にもしだいに広がりつつあり、外出や集会の自粛が要請される毎日」と書かれているのは、「三月某日 晴」とあるが、おそらく2020年の3月のことだろう。
 続く、「四月某日 晴」、「新型コロナ感染による緊急事態宣言が発出される。」とある。
 この時期、世の中はかなり神経質になっているが、川上さんの文章はあまりそう感じない。
 それが、この『東京日記』の良さであり、面白さといえる。
 何しろ、こんな大事な時期の日記ながら、書名は『館内すべてお雛さま。』なんですから。

 それで、一冊の本としてまとめあげられた「2023年初春」、川上さんは「あとがき」にこう書いている。
 「それほどに「日常」は強いものであるという驚きがありますが、反対にいえば、「日常」がまだ続いていることのありがたさも、身にしみます。」
 なんだかんだあっても、やはり川上弘美さんも緊張していたのかもしれない。
  
(2023/05/30 投稿)

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レビュープラス
 昨日荒井真紀さんの『トマト』という絵本を紹介しましたが、
 その表紙に描かれていたのは
 実のなりかたとか大きさからいうと
 大玉トマトだと思います。
 トマトもその種類によって実のつきかたが違います。
 これは今育てているミニトマト

  20230527_152244_convert_20230528082456.jpg

 中玉トマトもこれとよく似たつきかたをしますが、
 少し大きめに育つように摘果したりします。

 土曜日(5月27日)見つけて、面白いと思ったのが
 モロッコインゲンの莢のつきかた。
 まるで音符が並んでいるようです。

  20230527_140740_convert_20230528082215.jpg

 そのモロッコインゲンを収穫しました。

  20230527_155319_convert_20230528082552.jpg

 収穫の目安は莢の長さが14、5㎝とか。
 まずまずの大きさです。

 この日、ニンニクのあとにラッカセイの種を蒔きました。

  20230527_141916_convert_20230528082358.jpg

 左手前の4つの蒔き穴にあるのがラッカセイ
 そのうえに葉が見えるのが、サトイモ
 台所に転がっていたサトイモを植えたのですが、
 ここまで大きくなりました。

 ソラマメのあとの区画は次の栽培のための畝作り。
 手前の畝がこの日作ったもの。

  20230527_152630_convert_20230528082525.jpg

 黒マルチを貼ってあるところに
 モロヘイヤを栽培する予定。
 左、白く見えているのは太陽熱消毒をしています。
 このあと、ニンジンを育てます。

 畑では夏野菜の収穫はまだですが、
 今は野菜たちの花が楽しめます。
 これはキュウリ

  20230527_140140_convert_20230528082137.jpg

 これはピーマン

  20230526_093227_convert_20230528081929.jpg

 ナスの花も写したかったのですが、
 ナスは恥ずかしがり屋で下を向いたまま。
 まあ、野菜にも個性があるのでしょう。

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 家庭菜園を始めて、今年(2023年)で9年めになります。
 夏野菜の栽培に欠かせないのが、トマトです。
 トマトは実の大きさで、大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトと分かれますが、
 これまでその全部を育ててきました。
 どのトマトもそうですが、栽培は苗から始めてきました。
 なので、荒井真紀さんの『トマト』という絵本を開いて、
 種から(この絵本には実物大の種も描かれています)育てているのを見て、
 感心しました。
 時々、畑のすみっこで一年前に実からこぼれ落ちたのでしょう、
 種から芽を出したトマトを見かけることもあるので育つことは知っていましたが、
 実際に栽培したい時は苗からの方がやりやすいでしょう。

  

 この絵本ではトマトの花がどんなふうに咲いて、
 その中の様子も、荒井さんの細かくて丁寧な絵で表現されています。
 もし実際にトマトを育てているなら、
 この絵本を持ってじっくり観察すると面白いでしょう。
 荒井さんの素晴らしいのはそれだけではありません。
 収穫したトマトから種を全部取り出してみるほどの観察好きなのです。
 ちなみに、荒井さんが取り出した種は、272個だったそうです。

 トマトにはたくさんの種類があって、おしまいにそれらも
 名前とともに描かれています。
 「ももたろう」とか「アイコ」なんかは有名です。
 園芸店に行けば、たくさんの種類のトマトの苗が売られています。
 それらの苗がどんな実をつけるのか、
 この絵本で確かめることもできます。

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