08/12/2013 読書は涼しいところで - 奥日光紀行

多いでしょうが、
それにしても暑いですね。
日本列島、猛暑です。
ですので、少しは涼しいお話をということで
週末に行った


もちろん歩いてではなく、バスで登りましたが、
中禅寺湖まで行ってきました。
さすがにここまで来れば
下界はこの夏一番の猛暑でしたが、
ここは暑いといってもそれほどではなく

中禅寺湖の遊覧船にでも乗れば
ひんやりとした湖上の風が心地よく、
左の写真は湖面から望む男体山です。
日本百名山のひとつだけあって
さすがに姿のいい山です。
標高は2,486m。
なだらかな稜線がいいですね。
男のなで肩というところでしょうか。
秋暑く男体山の肩にのる 夏の雨
あ、これ、私の一句でした。
おそまつ。

華厳の滝。
華厳の滝といえば日本三名瀑のひとつ。
ちなみに、残りの二つは袋田の滝(茨城県)と那智の滝(和歌山県)。

多分、若い人は知らないでしょうが。
彼が残した遺書の中に
萬有の真相は唯だ一言にして悉す、
曰く「不可解」。
とあって
当時若い人たちに影響を与えたといいます。
今の人からすれば、
この文章そのものが「不可解」かもしれませんね。

エレベーターがあって滝壺近くまで降りることが
できます。
そこで、撮ったのが左の写真。
どうですか、
少しは涼しくなりましたか。

中禅寺湖周辺は
朝晩ともに少し肌さむいくらい。
こんなところで
何日もいれば
読書もすすむのでしょうが、
さすがにそうはいかず、
次の日には下界に下りてきました。
今や世界遺産となった
日光東照宮のお馴染み定番、
「見ざる言わざる聞かざる」の三猿や
左甚五郎の作品といわれる「眠り猫」をしっかりみて


帰ってくれば、
いやあ、暑いこと、暑いこと。

少しばかり都会人なのかもしれませんね。

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03/30/2013 雑誌を歩く - NHK テレビ おとなの基礎英語 4月号 :今年のチャレンジ

本屋さんの一角は4月から開講される
NHKテキストで賑わいます。
私は花粉症ではないのですが
このNHKテキストの花粉には毎年やられてしまいます。
ムズムズ。
ムズムズ。
今年は何をしようかな。
去年は、ラジオの「ハングル講座」にチャレンジしたのですが
見るも無惨、
ラジオですから聞くも無惨かな。
わずか数週間で挫折。
やれやれ。

といっても、
私の過去の英語学習は死屍累々の惨憺たるありさま。
思い起こせば、
中学1年生、(一体何十年前のことか)
クラブ活動から帰ってきてラジオのチューナーを合わせて
「基礎英語」を聴いていたものの、
いつの間に、かうつらうつら。
中学2年生、(一体何十年前のことか9
テキストだけは「基礎英語2」に格上げしたものの
やっぱりうつらうつら。

私にNHKの語学テキストあり。
途中途中に
ラジオだからダメなんだとテレビ講座に移ってみたが
やはりダメ。
どこでも聴かなくちゃとCD付きにしても
やはりダメ。
それでも、毎年この季節になると
うずうず蠢く勉強熱。
我ながら、あきれるばかり。
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NHKテレビの「おとなの基礎英語」。
レベル的には「基礎英語3」程度。
中学3年生です。
放送時間は月曜から木曜(!!)
夜10:50から10分間。
たかが10分。
されど10分。


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01/22/2013 父、断章(辻原 登):書評「作家とはそういうものです。」

父が亡くなって1年になります。
冬が始まる前に大阪の実家に帰った際に
形見わけというほどのことはありませんが
父が生前着ていた何着かの服を
もらって帰りました。
父の体型に合うのは
私しかなく、
それも驚くくらいぴったりと合います。
父の遺影で着ている服も
今は私が着ています。
それもなんだか妙な気分ですが。
晩年自分で着るのも何十分もかかるようになった
父でしたが、
あまり好みを口に出すことはありませんでした。
それでもお気に入りはあったようで
何日も続けて着ている姿も
たびたび見ました。
今日紹介するのは
辻原登さんの『父、断章』という短編集ですが
私にとっては
お気に入りの服を着て
だまってテーブルに座って
はにかむように笑っていた父の姿も
断章のひとつなのです。
じゃあ、読もう。
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父が亡くなって、一年になります。
父のことを、この作品集の表題となった短編『父、断章』のように書くことはないでしょうが、それを描ける技術をもった作家という人たちをうらやましく思わないでもありません。
あるいは、この短編集に同時に収められた『母、断章』にあるような幼い頃の家族の小旅行を描ける贅沢も作家だけに与えられた特権かもしれません。
父があることで騙されて苦汁をなめたことや父に叱られたことなど、どんな家族にも経験があるでしょう。あるいはせっかくの家族旅行に怪我をして父母を落胆させるようなことも珍しいことではありません。
家族によってはもっと劇的な話を秘めていることもあります。
書くということは、感傷だけではなく、普遍化し、伝えることです。
作家とはそういうものです。
辻原登のこの短編集には私小説的な『父、断章』、『母、断章』だけでなく、幻想的な作品『午後四時までのアンナ』や脱獄犯の事実を巧みに重ね、最後にはドンデン返しまで用意された『チパシリ』、歴史小説『虫王』など、7つの短編が収められています。
そのどれもが、作家としての企みに満ちた名品だといえます。
作家であることは、どのような題材にしろ、それを読ませる技量が必要です。辻原はそれを見事に実践してみせてくれます。
書くということは、あきさせてはいけません。先に何があるのだろうかと期待させなければなりません。
作家とはそういうものです。
これらの作品を読みながら、昨年亡くなった丸谷才一のことが頭をよぎりました。
丸谷は徹底して生きている人間を描き続けました。ゴシップといわれるようなこともうまく混ぜ合わせて、登場人物の息遣いを描こうとしました。あるいは、作品の中に知的企みをいれることを愉しみのようにしていました。
神戸にある一軒のバーを舞台に谷崎潤一郎と佐藤春夫の微妙な関係を浮き彫りにした『夏の帽子』は、丸谷才一が得意とした物語作りによく似ています。
丸谷才一という大きな損失は、辻原登という後継者で埋められていくような気がします。
書くということは、知的な作業を読者と共有させなければなりません。
作家とはそういうものです。
(2013/01/22 投稿)

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