プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  昭和48年刊行の
  『24時間利用法』という本を紹介しましたが
  これなんかりっぱに古本と
  いっていい。
  しかも昭和の匂いがぷんぷん。
  その続きのような一冊を
  今日は紹介します。
  岡崎武志さんの
  『ご家庭にあった本』。
  副題が
  「古本で見る昭和の生活」というぐらいですから
  懐かしい。
  といっても昭和のうんと初めの本もあったりします。
  結構、昭和の本って面白いかも。

  じゃあ、読もう。

 

sai.wingpen  本箱の隅っこの昭和                   

 古本は安いというイメージがあるが、確かに本を売ろうとすると安く買い叩かれるが、けっしてそんなことはない。
 場合によっては当時の定価よりうんと高い値段がついていたりする。
 その一方で、投げ売りのような一冊100円みたいな価格がついていたりする。
 読む側との需要と供給が歴然としている世界だろう。
 そんな古本の世界から昭和の生活を振り返ろうとした一冊が、この本。

 書いたのは、古本といえばこの人、岡崎武志さん。
 この本の初出が「月刊教員養成セミナー」の連載だということにまずは驚く。(他にも日本経済新聞の連載も入っている)
 「教員養成セミナー」なる雑誌があることもびっくりだし、教員になろうとする人に古本がしかも昭和を振り返るのは、どういう編集意図であったのだろう。
 しかも岡崎さんは教育とかの本を取り上げているわけではなく、「大人の男」とか当時の「東京」とか「旅と娯楽」とか「暮らしの片すみ」とかのジャンルがほとんどで、唯一「科学とリクツ」という項目が教員をめざす人には近いだろうか。
 昭和を知ることで人間の深みがでるのかどうかわからないが、そんな世界を楽しんでいる保護者は多いということかしら。

 一つどうしても書いておきたいのが昭和50年の『ジャズ日本列島50年版』を紹介したエッセイのこと。
 これはあの『二十歳の原点』を書いた高野悦子の描いた多くの文章の中でも秀逸だろう。
 その最後の一節、「死は選ばなかったものの、無数の高野悦子が、六〇年代末から七〇年代にかけて、全国の学生街のジャズ喫茶にたむろしていたのではないか」に、じんと来た。
  
(2018/01/13 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  出版不況がとまらないらしい。
  特に雑誌の落ち込みがひどく
  今や店頭に並んだあと
  4割以上が返品されるとか。
  さらには
  漫画も以前のような力強さはない。
  雑誌にしろ
  漫画にしろ
  今やスマホやタブレットで読む時代で
  しかもそういう読み方を
  推奨している点もある。
  だとしたら、紙の媒体が売れなくなるのは
  当たり前のような気がするのだが。
  ただ、紙の本のやさしさは
  いつまでも残ってほしい。
  特に今日紹介するような
  一冊は、特に。
  ジョン・アガードさんの
  『わたしの名前は「本」』。
  いい本ですよ、とっても。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  抱きしめたくなる一冊                   

 やさしいことをさも難しくいうことは簡単だが、逆に難しいことや複雑なことをやさしく語るのはなかなか出来ることではない。
 さしずめ本については、紙や文字の誕生、印刷機の大発明、さらには現代の電子書籍に至る歴史にしろ考え方にしろすでに多くの本で語られてきているが、本書はそのどれにも似ていないし、どれよりもやさしく、それでいてきっちりと説明がなされている。
 著者のジョン・アガード氏は詩人でもあり、児童書作家ということで、言葉を大事にしている人なんだろうと想像できる。
 また彼の言葉をさらに美しく飾るように、版画風のイラストを添えてくれたニール・パッカーの画も素敵だ。
 日本語に翻訳してくれた金原瑞人氏にも感謝だし、この本を出版してくれた出版社にも拍手をおくりたい。
 まさに一冊の本が誕生するのは、誰か一人の力ではなく、さまざまな人たちの努力の結晶だと、この本を手にして改めて思う。

 この本には本についての至言がたくさん収められている。
 著者のそれもあるし、有名な人たちの文章の引用もある。
 例えば、イギリスの詩人のグレイス・ニコルズはこんな風に詩っている。
 「大好きな本はキスして、抱きしめて 胸におしつけるの。」という風に。
 あるいは、ボルヘスのこんな言葉、「わたしは昔から、天国とは図書館のような場所だと想像していた」。
 そうだ、この本は図書館のこともやさしく綴られているのだ。

 ニコルズではないが、この素敵な本は胸におしつけたくなるにちがいない。
  
(2017/12/27 投稿)

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  今年もどうやら
  終りの方が見えてきましたが
  今年も色々な本を読んできて
  さて何がよかったか
  振り返り始めたこの頃です。
  そんな時
  読んだのが
  橋本大三郎さんの『正しい本の読み方』。
  どうも
  私はこの手のタイトルには
  弱い。
  ついひっぱられてしまう。
  この本、結構難しかったですが。
  そんな基準で
  今年の本を選べるか、
  そうはいかないのが
  読書の面白さ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本を読むのも大変だ                   

 本書の著者橋本大三郎さんは気鋭の社会学者で、さすがに「本の読み方」を書いても結構難しい。
 文章はそうでもない。わかりやすく書かれているし、読みやすい。けれど、その内容は一筋縄ではいかない。
 まあそのあたりは飛ばしながらでもしっかり読むこと。
 何故なら、「正しい本の読み方」は「人間と付き合っていくように、本と付き合う」ことで、小難しいことを話す人があっても付き合っているうちにとてもイイ奴だと思うことがよくある。
 この本はそんな本だと思えばいい。

 そもそも何故橋本さんが「読書論」のような本を書くことになったか。
 そのあたりのことは「はじめに」で丁寧に書かれているが、要は世の中に流通しているたくさんの本から何をどう読んだらいいのか、それが現代ではわからなくなっているのではないか。
 あるいはどうして本を読まなければならないか、それすらわからなくなっているのではないか。
 橋本さんは本を読むのは「頭の栄養」を摂ることと書いている。
 この本を読み進めていくなかで、ちょっとしんどいと感じても最後まで読むのは「頭の栄養」とも関係する。
 読み終わったあと、頭が少し疲れたと感じたとすれば、それは頭を使ったということ、栄養を摂ったということ。

 中盤あたりに「特別付録」として「必ず読むべき「大著者一〇〇人」リストがついている。
 これを見ていると、自分がまだまだいい読書が出来ていないとも思わないでもないが、これも橋爪さんならではのひとひねりかもしれないと、横目で読むことにした。
  
(2017/11/21 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から読書週間が始まります。(~11月9日)
  今年の標語は
 
    本に恋する季節です!

  そのポスターがこれです。

  2017poster4c[1]_convert_20171024164452

  なんか初々しくて
  いいですよね。
  そして、今日から
  神田神保町では
  恒例の古本まつりが始まります。
  今年、ビッグサイトでいつも開催されていた
  東京国際ブックフェアが中止となって
  やはり出版業界は苦しいのでしょうが
  せっかくの読書週間ですから
  普段本を読まない人も
  ぜひこの機会に読んでみて下さい。
  今日はそんな日にぴったりの
  井上理津子さんの『すごい古書店変な図書館』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この本持って、街に出よう                   

 出版業界が不況といわれるし、町から小さな本屋さんが消えていくという話を聞く一方で、若い人が新しいタイプの本屋さんや古本屋さんを始めたといううれしい話も耳にする。
 本は読まれなくなったといわれるが、頑固に本の世界を愛する人たちがいることは間違いない。
 そんな中、生まれたのが女性ルポライター井上理津子さんが書いたこの本では85軒の「すごい古書店」と32館の「変な図書館」が紹介されている。
 もともとが「日刊ゲンダイ」に連載されていたというから、そちらの方が驚き(失礼!)だが、街歩きレポートだと思えばそれもまたありかな。

 古書店といえば神田神保町や早稲田界隈を思い出すが、もちろんこの本でもそれらの町の古書店が多くはいっているけれど、住みたい街として人気の高い吉祥寺や西荻窪、下北沢などの古書店もいくつも紹介されている。
 町というのは昔ながらの珈琲店と小さな花屋とさっぱりした本屋さんと静かな古本屋さんがあれば成り立ちそうな気がする。
かなり個人的な感想ではあるが。

 一方図書館に目を移すと、「変な」といわれるだけあって専門図書館の紹介がほとんどだ。
 中でも目をひいたのが飯田橋にある「風俗資料館」。何しろ日本唯一のSM・フェティシズム専門図書館だそうで「日刊ゲンダイ」っぽい図書館といえそう。

 もっともこの本で残念なのは紹介されている古書店にしろ図書館にしろ東京が主になっている点で、全国的にはもっと過激に「すごい」や「変な」古書店や図書館があるにちがいない。
 ぜひ続編続々篇を期待したい。
  
(2017/10/27 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  同時代という言い方を
  よくしましたが
  最近あまり使われないような気がします。
  そもそも
  同時代っていうのは
   どれぐらいの時代の幅を指すのでしょうか
  生きてきた生活の違いなんかでも
  変わってきそうです。
  今日紹介するのは
  初見健一さんの『昭和こども図書館』。
  この本を読んで
  きっと懐かしいと感じるのは
  私より少し年が若い年代では
  ないかな。
  いやいや、それよりも
  初見健一さんのように
  本をたくさん読んできた人は
  年齢に関係なく
  同時代人なんでしょうね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本はタイムマシン                   

 「今でも読める思い出の児童書ガイド」と副題のついたこの本にはたくさんの児童書が色鮮やかなカラー図版の書影付で紹介されている。
 なかにはすでに絶版となっている本もあるから、この書影のもとになった本は著者の所有している本から撮られてものかもしれない。
 文章のはしばしに子供時代にたくさんの本を買ってもらった感じがある著者の初見健一さんだが、巻末の著者略歴によれば「1967年東京生まれ」とある。昭和42年生まれである。
 だから、昭和30年生まれの私からは少し時代がちがう。
 わずか12年とはいえ、読書の経験とかかなり違うものだ。

 なんといっても「オカルト本」だ。
 オカルトブーム全盛だった70年代に少年期を迎えた著者ならではの面白い本が満載なのだ。
 『ゆうれい船なぞふしぎ』『四次元の世界をさぐる』『円盤と宇宙人』等々といった次第である。
 おそらく初見さんより10年以上先の世代でいえば「怪獣もの」がはいってくるだろうし、それ以上前だと「戦記もの」だったり「ロボットもの」だったりするのではないか。

 そんな初見さんの読書体験だが、そんな「オカルト本」だけでなく、石井桃子の『ノンちゃん雲にのる』や『クマのプーさん』あるいは北杜夫の『船乗りクプクプの冒険』といった大人が好きそうな児童書もしっかり読んでいる。
 そういう本との出会いのきっかけは親の本棚からの拝借というから、やはり読書好きの子どもには本がある環境が必要なんだなと思える。

 この本、パラパラと眺めているだけでも楽しくなる一冊である。
  
(2017/10/19 投稿)

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