さいたま市には
 重要な文化資源が4つあります。
 盆栽、漫画、人形、鉄道です。
 人形というのは人形の町岩槻があるからですし
 鉄道は鉄道博物館があるくらいですし、
 盆栽は世界に誇るくらいです。
 そして、漫画は日本の漫画の父とも呼ばれる
 北沢楽天が生前暮した街で
 今もその旧住居はさいたま市立漫画会館として
 親しまれています。

 今、そこで
 「ギャグ漫画の殿堂 赤塚不二夫展」が開催されていて
 9月30日に
 記念のトークショーがあったので
 行ってきました。

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 今回のトークショーは
 「週刊少年サンデー」で赤塚不二夫さんの担当編集者だった
 武居俊樹さんで
 当時のことを聞き出す聞き手は
 赤塚不二夫さんの娘・赤塚りえ子さん。

 トークショーの前に
 今回展示されている作品を見ておこうと
 結構前に漫画会館に到着。
 お出迎えしてくれるのは
 黄金のイヤミ像

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 まさにシェー! ザンス。
 私は昭和30年生まれですが
 その頃生まれた子供って
 きっとみんなシェー! してたんザンス。
 それぐらいすごかった。

 展示品は
 「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」「天才バカボン」といった
 赤塚漫画の傑作の原画がずらり。
 しかも、赤塚漫画の全集まで置いてあったので
 しばし「天才バカボン」なんか読んでいました。
 赤塚不二夫さんのたくさんいるキャラクターで
 私は「レレレのおじさん」なんか
 好きですね。

 トークショーは「赤塚不二夫のつくりかた」と題されて
 行われました。
 武居俊樹さんといえば
 「少年サンデー」で連載された「レッツラゴン」に登場するぐらい
 赤塚不二夫さんから信頼されていた編集者で
 娘の赤塚りえ子さんが大絶賛の漫画です。
 もともと「少年マガジン」で人気を博していた「天才バカボン」を
 「少年サンデー」にひっぱり
 「モーレツア太郎」とW連載という快挙をなしとげ
 その後「天才バカボン」は再び「少年マガジン」へ移るというような
 漫画史に残る逸話もあります。
 そんな武居俊樹さんは
 赤塚不二夫さんのことを
 なんでも徹底してやった天才と
 称賛されていました。

 タモリとの交友の話もあったりして
 あっという間の100分でした。
 この展覧会、
 11月12日まで開催されています。
 ちなみに入館料は
 無料ザンス。
 シェー!!

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 三谷幸喜さんと阿川佐和子さんが
 イラストレーターの和田誠さんについて対談するなんて
 とっても魅力的なトークイベント。
 定員90名。
 しかも抽選。
 一体それにどれくらいの応募者があったのだろう。
 100倍ぐらいはあったかも。
 三谷幸喜さんですよ。
 阿川佐和子さんですよ。
 見事、その抽選にはずれ、
 がっくり。
 でも、せっかくなので
 そのトークショーが開催されるもとになった
 「和田誠と日本のイラストレーション」展に
 行ってきました。

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 場所は墨田区にある
 たばこと塩の博物館

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 スカイツリーの真下、押上駅から
 行きました。
 たばこと塩の博物館
 もともと渋谷にあったのですが
 そこが手狭になってここに移設したそうです。
 渋谷の時代にも
 和田誠展が何回か開催されて
 そこで和田誠さん本人もお見かけしました。

 和田誠さんとたばこといえば
 もちろんハイライトのデザインを和田誠さんが
 手掛けたことで有名で、
 この展覧会でも
 コンペ用に考えられた作品も
 展示されています。

 今回の展覧会の主旨を
 チラシから引用しておくと

   日本において、「イラストレーション」「イラストレーター」という言葉は、
   戦後、とくに1960年代以降に広く知られるようになりました。
   (略)
   日本のイラストレーションの発展の中心にいたのが、
   「ハイライト」や「週刊文春」の表紙デザインなどで知られる
   和田誠さんです。


 そうそう和田誠さんが手掛ける「週刊文春」の表紙は
 1977年5月が最初で
 以来今年2017年7月には
 2000号めを迎えたそうです。
 今回の展覧会では
 入り口にその表紙がズラリ。

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 あまり興奮しすぎて
 カメラの手元も
 揺れてしまいました。

 和田誠さんだけでなく
 今回の展覧会では
 多くのイラストレーターの作品も展示されていて
 1964年に創刊された平凡パンチ
 今では伝説のようになった大橋歩さんの
 イラストの表紙が
 印象に残りました。

 とっても素敵な展覧会は
 10月22日まで。
 入館料がたった100円というのも
 いいですね。

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 今日から8月
 子どもたちは夏休みの真っ最中。
 もちろん、大学生も同じで
 それでも大学の構内は
 オープンキャンパスとか構内見学とか
 結構人がいるものです。

    下宿屋の西日の部屋や夏休み     高浜 虚子

 この俳句のような「下宿屋」も
 今では少なくなったのでは。

 そんな夏休み期間中の
 早稲田大学に行ってきました。

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 行ったのは
 大学の構内にある
 演劇博物館

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 ここで「大テレビドラマ博覧会」と「山田太一展」が
 開催されているのです。
 この演劇博物館
 あの村上春樹さんも通ったという
 時代を感じる建物で
 歩くと
 廊下とか階段がギシギシいいます。
 でも、なかなか風情があります。

 まずは「大テレビドラマ博覧会」。

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 案内のチラシに
 「ドラマがテレビの見る夢」とありますが
 ここではテレビ創世記の
 『七人の刑事』とかの台本とか
 当時の映像とかが
 昔のチャンネル付のテレビを使って
 うまく展示されています。
 テレビが庶民の暮らしに入り込んでいったのは
 1960年前後だと思いますが
 こうやって時代順にテレビドラマが並べられると
 自分がいかに
 テレビを見ていたか、
 当時「テレビっ子」という呼び方がありましたが
 まさにそんな風にして
 大きくなったもの。
 ところが
 ある年齢のところから
 ぱったりドラマを見ていないことに
 気づきます。
 ちょうど働きだして
 仕事に追いまくられている頃。
 1990年前後のドラマは
 ほとんど見ていません。

 それが最近の朝ドラでもそうですが
 再び私の「テレビっ子」時代がやってきています。
 ちなみにこの展覧会では
 朝ドラ「カーネーション」で主演をつとめた
 尾野真千子さんの講演や
 脚本家野木亜紀子さんのトークショーもあったようで
 残念ながら
 機会を逸しました。

 これと同時開催されている
 「山田太一展」は
 山田太一さんが早稲田大亜額芸術功労者を受賞され
 それを記念して開催されたもの。

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 山田太一さんは早稲田大学の卒業で
 大学であの寺山修司と知り合い、
 「手あたり次第本を読み本の話ばかりしているような時間」を
 過ごしたそうです。
 いつまでも
 そしてここまでも
 評価される脚本家も
 珍しいのではないでしょうか。

 どちらもいい企画でしたが
 もっと大々的にやってもよかったように
 感じました。
 こんなに面白いのに、惜しい。
 この展覧会、
 8月6日(日)までですから
 興味ある人は急いで、いそいで。
 しかも、
 入場無料ですよ。

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 作家司馬遼太郎さんが72歳で亡くなったのが
 1996年.
 2016年に没後20年を迎え、
 それにちなんで
 司馬遼太郎展
 先日まで横浜そごうで開催されていました。
 題して

    21世紀”未来の街角”で

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 全国巡回の展覧会ですが
 首都圏では横浜のここだけで
 7月9日に終了しました。
 その前日、
 大急ぎで展覧会に駆けつけました。
 
 今回の展覧会のキャッチ・コピーは

    司馬さんにあう。
    本にあう。

 いいでしょ、まったく。

 はいってまず驚いたのは
 1962年6月から1966年5月まで
 産経新聞に連載されていた
 『竜馬がゆく』がずらり。

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 まさに圧巻。
 今回の横浜展では
 先日見つかった
 司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』の自筆原稿も
 展示されていました。

 そこから
 戦国時代の諸々の作品や
 それに関連した初版本や自筆原稿、
 あるいは当時の武将たちの手紙や
 当時の合戦図なども展示されていて
 単に作家の回顧展という以上の
 奥の深い展覧会になっていました。

 戦国のあとは
 幕末と明治。
 坂本竜馬が姉乙女に送った手紙(複製でしたが)があったり
 土方歳三が使った鉢金があったり
 司馬遼太郎さんが創造した世界観と
 実際に存在した事実が
 うまく合わさっていました。

 そして、
 『街道をゆく』の世界です。
 大きな日本地図に
 司馬遼太郎さんが歩いた街道がしるされています。
 司馬さんの文章を支えた
 須田剋太さんや安野光雅さんの挿絵も
 展示されていました。

 最後は
 司馬遼太郎さんが小学6年生たちに残したメッセージ
 「二十一世紀に生きる君たちへ」が
 どーんと大きなパネルで。
 そして、
 その時の司馬遼太郎さんの色鉛筆で
 さまざまに書き、削られ、加筆された
 美しい原稿が。

 司馬遼太郎さんに
 私たちは今生きているこの時代のことを
 どう説明したらいいでしょう。
 政治的な問題、
 地政学的なリスク、
 あるいは天災や戦争、
 司馬遼太郎さんに
 いい時代になりましたよと
 言えるでしょうか。

 展覧会図録を2000円で購入しました。

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 本としては高いですが
 展覧会でしか買えないものだし
 中身もとっても素敵。
 巻末につけられた
 司馬遼太郎さんの文庫本一覧の
 書影を見て
 うっとりしています。

 ちなみにこの展覧会、
 首都圏では終了しましたが
 9月から松山で
 10月から姫路で開催されるそうです。

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 昨日紹介した
 津村節子さんの『時の名残り』というエッセイ集のなかに
 「ひぐらしの里」という文章があります。
 それを読んで
 ハッとさせられました。
 このエッセイには
 津村節子さんの夫吉村昭さんの生前に
 荒川区長であった西川太一郎さんが訪ねてきて
 吉村昭文学館を建てたいと申し出られたことが書かれています。
 その時は吉村昭さんは固辞したそうです。
 その後も西川区長は熱心で、ついに計画が実行されることになります。
 津村節子さんのエッセイから引用します。

   文学に親しみ、文化を育む空間として、図書館、文学館、子ども施設の
   三つの機能を持つ複合施設設立が進められた。資料を整理管理する学芸員の方たちも
   充実している。
   平成29年3月に開館する複合施設「ゆいの森あらかわ」の中の
   「吉村昭記念文学館」となり、
   吉村が愛してやまなかったふるさとに、
   かれは帰ってくるのである。


 この日付に「ハッと」させられたわけです。
 吉村昭さんの文学館ができるって話を耳にしていて
 すっかり忘れていたわけで
 そうか、ついに出来たか、
 ならば行くしかないと
 初夏の陽気のような
 5月12日に行ってきました。

 もよりの駅は
 地下鉄千代田線の「町屋」駅。
 もちろん京成線の「町屋」でも
 都電荒川線でも大丈夫。
 ちょうど都電の線路脇ではバラが見頃を迎えていました。
 そこへ都電がやってきたので、
 思わずパチリ。

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 そこから歩いて10分たらずで
 「ゆいの森あらかわ」に着きます。

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 「ゆい」というのは
 漢字で書くと「」。

   人と人、本と人、地域と人、文化と人が結びつき、…

 と、その名前の由来があります。
 津村節子さんのエッセイにあるように
 ここは荒川区の中央図書館吉村昭記念文学館、それに子どもひろば
 併設されています。
 たまたま裏の方から入ったのですが
 いきなりえほん館
 柳田邦男さんの薦める絵本がずらり。
 荒川区では柳田邦男絵本大賞という企画もしています。
 それに吹き抜けになったホールがあって
 その壁面にも絵本がずらり。
 きっとこういう環境だったら
 子どもたちも本が大好きになるだろうな。

 吉村昭記念文学館
 2階にあります。
 こちらが入り口。

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 常設展示のコーナーでは
 吉村昭さんの足跡を順にたどることができます。
 奥に吉村昭さんの書斎が復元されています。
 奥さんの津村節子さんが書いた「開館に寄せて」という文章に
 この書斎のことも綴られています。

   机は資料を置くために長い板を窓の前に設置したもので、
   その右手脇にカルテ棚を設け、取材ノートや書き上げた原稿を
   納めていた。


 ちなみにこの机の前の椅子には座れますよ。
 気分は
 すっかり吉村昭です。

 吉村昭さんの作品草稿や原稿の復元品もあるのですが
 実に細かい字でびっしり書かれています。
 作家吉村昭さんの真摯な精神に触れる感じです。
 今開館記念企画展として
 「映像化された吉村作品の世界」が展示されています。
 こちらは7月23日までの企画です。
 そうそうこの文学館の入場は無料というのもいいですよね。
 あっぱれ! 荒川区。

 実はこの図書館には
 「現代俳句センター」というコーナーもあって
 現代俳人の句集や結社誌もずらりと並んでいます。
 こういう空間に一日いたら
 どんなに幸せでしょうか。

 今度また行ってみたい
 ゆいの森あらかわでした。

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