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 昨日紹介した
 須賀敦子さんの記憶の中の本を綴ったエッセイ、
 『遠い朝の本たち』に
 「父の鷗外」という一篇があります。
 須賀さんが大学生になってまもなく
 文学好きでもあった父から
 「おい、おまえ、鷗外が読んだか」と声をかけられます。
 続いて、父親は
 「鷗外は史伝を読まなかったら、なんにもならない。」と言って
 その場を去っていったと、須賀さんは綴っています。
 それから、須賀さんの鷗外との悪戦苦闘が楽しく描かれていきます。
 おそらく、明治期に育った人にとって
 森鷗外という存在は知のシンボルでもあったのではないでしょうか。

 その森鷗外
 2022年の今年、生誕160年、没後100年にあたります。
 亡くなったのは1922年7月9日。
 まだ60歳でした。
 東京・文京区千駄木にはかつて鷗外が暮らした
 「観潮楼(かんちょうろう)」と呼ばれた家があって、
 今そこは森鷗外記念館になっています。

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 文京区では「鷗外100年の森へ」という一年間にわたるイベントを
 続けていて、
 記念館を訪れた9月最後の日には
 「鷗外の東京の住まい」という企画展が
 開催されていました。(~10月16日まで)

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 この記念館ができたのは2012年。
 建物の設計は陶器二三雄氏によるものだそうで
 かなり珍しい作りになっています。

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 入口をはいると、エントランスに鷗外の横顔のレリーフが
 飾ってあります。

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 写真の右に写っているのが、それ。
 地下が企画展の展示室になっています。

 ここは団子坂を登りきった高台にあって
 このあたりの地域は「汐見」と呼ぶそうですから
 明治の頃はここから東京湾が見えていたのでしょう。
 今はスカイツリーが見えます。

 館内には
 スタッフがおすすめする鷗外作品や
 鷗外に関連したブックリストもあって
 これから鷗外を読んでみようという人にはオススメ。
 須賀敦子さんのお父さんにならって
 鷗外の史伝ものを今度読んでみようかな。

 ちなみに
 森鷗外記念館の入館料は300円。
 1階にはカフェもあって
 大イチョウのある庭園を見ながら
 ドイツ製の紅茶も楽しめます。

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 東京の、というか多分全国のミュージアムガイドに
 必ず載っている有名なミュージアムが
 東京・駒込にある
 東洋文庫ミュージアムではないかしらん。
 いつか行きたいと思っていたそのミュージアムに
 五月の雨の金曜日(5月13日)
 行くことができました。

 JRの駒込駅から歩いて10分ほど
 そんなに華々しくあるわけではありませんが
 東洋文庫ミュージアム
 「時空を超える本の旅」はここから始まります。

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 なんといっても圧巻は
 「モリソン書庫」と呼ばれる
 膨大な本の数々。

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 以下、東洋文庫ミュージアムのHPの説明です。

   1917年、東洋文庫の創設者、岩崎久彌は
   北京駐在のオーストラリア人G. E. モリソン博士から
   東アジアに関する欧文の書籍・絵画・冊子等約2万4千点を
   まとめて購入しました。

 ここには人類の英知が収まっているのですが
 なんといっても
 その美しさに息をのみます。
 本というのは美しい。
 だから、ここの本には足元に及ばなくても
 本を自分の本棚に並べたくなる気持ちもわかります。

 ただ、ここに収まられている書物のレベルの高さには
 たじたじです。
 ちょうど今、「シルクロードの旅」展をしていましたが
 そこに展示されている書籍が難解すぎて
 頭が砂漠で迷子になったようでした。

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 そんな時は
 ミュージアムから出て
 「知恵の小径」と名付けられた
 素敵な小径をたどれば
 小岩井農場がプロデュースしている
 オリエント・カフェで
 休むこともできます。

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 東洋文庫ミュージアムの入場料は
 900円。
 ただし、65歳以上は800円。
 こういう時はシニアでよかったと思います。

 少し歩けば
 六義園もあります。

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 なんといっても、六義園東洋文庫
 元々は三菱の三代目社長の岩崎久彌氏から寄付されたもので
 同じ敷地だったとか。
 なんだかとてつもない話です。

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 4月にはいった最初の日、
 東京の桜の名所のひとつ、
 北区にある飛鳥山公園に行ってきました。
 ここは徳川吉宗の時代、
 享保の改革の一環として造成が行われたところで
 明治になってから
 日本で最初の公園のひとつとして指定されたところです。

 この日は朝まで雨が降っていて
 桜もかなり散りつつありました。

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 まあそれはそれで風情があります。

    中空にとまらんとする落花かな       中村 汀女

 この日、飛鳥山公園に来たのは
 お花見もそうですが
 もうひとつ見にいくところがありました。
 それが、
 近代日本の経済社会の基礎を作った
 渋沢栄一の記念館(渋沢史料館)の見学です。

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 渋沢栄一といえば
 昨年(2021年)のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公。
 本当は放送されていた昨年行きたかったのですが
 コロナ禍で予約制、
 しかも人気スポットで予約も取れませんでした。
 ようやく、
 予約制ではなくなって自由見学となりました。
 でも、やはりコロナがおさまっていないので
 館内の入場者数を制限していて
 入口で順番待ちとなりました。

 この日は飛鳥山のお花見もかねてでしょうか
 結構見学者もいましたが
 それほど待たずに入館できました。

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 展示は渋沢栄一の誕生から亡くなるまでを
 実際の手紙などの展示とパネル説明で
 順にたどることができます。
 昨年大河ドラマを見たおかげで
 エピソードがとてもわかりやすく理解できました。

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 この史料館の入館料は300円ですが、
 この券があれば
 隣接する晩香蘆(ばんこうろ)青淵(せいえん)文庫
 見物できます。
 晩香蘆渋沢栄一の喜寿を祝って清水組から贈られた洋風茶室で
 お客様をもてなすところとして使われたそうです。

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 青淵文庫はその名前のとおり
 書庫として使われていたといいます。

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 ちなみに史料館は
 かつて渋沢栄一が住んでいた邸宅のあとに建っています。
 きっとここで
 渋沢栄一は毎年飛鳥山の桜を愛でていたんでしょうね。
 その渋沢栄一
 でっかいことを成し遂げましたが
 人物としてはとても小柄だったようで、
 150センチあまりしかなかったそうです。

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 ドラマのタイトルのように
 「青天」とはいきませんでしたが
 まあ、「曇天を衝け」ぐらいでした。

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 年に一度、
 毎年この時期に開催されている
 「図書館と県民のつどい埼玉」
 昨日12月11日と今日12日の2日間
 開催されています。
 「みんなが図書館とつながる日」と題された
 埼玉県内最大級の図書館イベントです。
 いつもなら会場で講演会とか企画展示とかあるのですが
 コロナ禍ということもあって
 オンラインのみでの開催です。
 講演会はともかく
 展示はどんな感じになるのかと思っていましたが
 WEB展示でも
 図書館の魅力がよく伝わってきました。
 これは全国どなたでも参加できるので
 興味のある方はのぞいてみて下さい。

 15回めとなる今回のイベントでは
 講演会もオンラインで開催されます。
 昨日は絵本作家の鈴木まもるさんの講演があって
 それに参加しました。
 演題は
 「絵本と鳥の巣の不思議 -鳥の巣が教えてくれることー」。
 鈴木まもるさんは
 絵本作家であるとともに
 鳥の巣研究家としても有名で
 今回の講演でもご自身がもっている鳥の巣を
 いくつも見せていただきました。
 この講演会もZOOMを使ってのもので
 鈴木まもるさんの伊豆のアトリエからの
 LIVE配信でした。
 少し前には考えられなかった取り組みです。

 鈴木まもるさんは
 昨年星野道夫さん原案の『あるヘラジカの物語』で
 第2回親子で読んでほしい絵本大賞で大賞を受賞。

  

 自身の活動のひとつである鳥の巣を題材にした
 『ぼくの鳥の巣日記』や
 のりものシリーズの絵本も数多く描いています。
 この講演の中でも
 子どもたちに乗り物絵本が人気なのは
 子どもたちがテリトリーを広げたいとか自分の生活を守るとか
 社会活動に向き始めた兆候だと語っていました。

 今回の講演は2時間ほどありましたが
 鳥の巣は
 鳥たちが命を守るために
 誰に教えてもらうわけでもなく身につけてできあがっていて
 人間も命の大切さをもっと大事にしないといけないこと、
 鳥の品種によって巣の形状が違うように
 人も画一的ではなく
 それぞれの個性を大事にしないといけないことなど
 その場でホワイトボードに絵を描きつつ
 貴重なお話が聴けました。

 絵本作家さんが絵を描くところなど
 あまり見る機会がありませんが
 さすがにうまい。
 そういえば、絵がうまくなるには? と訊かれて
 対象を愛することと
 答えておられました。

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 和田誠さんが亡くなったのが
 2019年10月7日。
 もう2年経つのだな、としみじみしている場合じゃないですよ。
 今東京・初台にある東京オペラシティのアートギャラリー
 和田誠さんの展覧会が開催されています。
 題して、
 「和田誠展」

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 タイトルはいたってシンプルですが
 この展覧会は和田誠さんの膨大で多岐にわたる仕事の全貌に迫る
 初めての展覧会なんです。
 これまでにも
 何度か和田誠さんの展覧会に行きましたが、
 これほどの規模のものは初めて。
 最初に書いておきますが、
 きっとこれほどのものはなかなか見れませんよ。

 会場入り口の案内に

    知っているようで 知らなかった
    ―あれもこれもそれも

 とありましたが、
 まさにそう。
 知らなかった和田誠さんに出会えるんです、ここで。

 会場に入ると
 まず壁一面に和田誠さんが描いた似顔絵の数々。

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 もうこれだけでテンションあがりました。
 今回の展覧会では
 4歳から83歳までの活動が俯瞰できるようになっていて
 会場内に
 年代毎に立った柱に
 主だった活動がピックアップされています。

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 私が和田誠さんのイラストを
 和田誠さんの名前として意識したのは
 やはり映画雑誌「キネマ旬報」に
 「お楽しみはこれからだ」の連載があった頃。
 1973年、
 和田誠さん、37歳。
 私、18歳。
 それから、どれだけたくさんの和田誠作品と
 接してきたことか。
 映画本、スターたちの似顔絵、
 絵本、本の装丁、映画作品、雑誌の表紙…。
 私のまわりにはいつも
 和田誠さんの作品がありました。

 会場は写真撮影もできるということで。
 これは
 和田誠さんが若い頃に描いていた新宿日活名画座のポスター。

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 そして、これはおなじみ「週刊文春」の表紙。

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 会場最後には
 和田誠さんの素敵な写真も。

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 また会おうな、といってくれているよなうな。

 そして、「和田誠展」の公式図録を購入。

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 この本、なんと4400円という豪華版。
 でも、これがあれば
 いつだって和田誠さんに会える気がします。

 展覧会は12月19日まで。
 会場には若い女性の姿も多く、
 和田誠さんのファン層の厚さにも
 納得の一日でした。

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