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プレゼント 書評こぼれ話

  世の中にはイヌ派? ネコ派? を問う
  派閥闘争があるもので
  それならご飯派? パン派? というのも
  あってもおかしくありません。
  私は断然パン派。
  東海林さだおさんはおそらくご飯派じゃないかな。
  ちゃんと数えたわけではありませんが
  「丸かじり」シリーズでも
  ご飯の方がたくさん取り上げられているのじゃないかしらん。
  そして、極めつけが「丸かじり」シリーズの最新刊、46巻目。
  『丼めしの丸かじり』。
  これをもって、東海林さだおさんのご飯派か確定!

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私はパン派ですが、それが何か                   

 出世魚ってありますよね。
 成長するのしたがって名前が変わる魚。
 ブリがそう。
 子どもの頃はワカナゴ、それからハマチ、メジロ、それからブリ。
 そもそもは、幼少期から成人まで名前が変わる武士の風習からきているそうで、
 大河ドラマにもなっている徳川家康の場合、
 幼少の頃は竹千代、それから松平元信、元康となって最後は家康。
 えらい人はそうやって名前を変える。
 東海林さだおさんの食べ物エッセイがまさにそれ。
 出世エッセイ。
 雑誌掲載時は「あれも食いたいこれも食いたい」、
 単行本になって「〇〇の丸かじり」、
 文庫本になって、これは名前変わらず。
 うーん、出世エッセイと書いたけれど、2つか。
 けっこうしょぼい出世。
 サラリーマンでいえば、平社員から課長どまりか。
 でも、きっとこういう人たちに愛されているんでしょうね、このエッセイ。
 だって、46巻めのタイトルは『丼めしの丸かじり』。
 社長は「丼めし」食べないでしょ、やっぱり。

 今回の巻の特長は、なんといっても雑誌掲載時期。
 2020年12月から2022年2月。
 この時期何があったか、そうコロナ。
 世界がコロナ。みんなホームステイしちゃったコロナ。
 そんな時期であっても、
 わが東海林さだおさんは「丸かじり」めざして、
 あっちへコロ、こっちへコロ、コロコロ。
 何十年か経って、コロナの時代を振り返った頃、
 このエッセイはコロナに果敢に闘った一冊として評価される(はず)。
  
(2023/09/13 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、夏至
  一年中で一番昼が長い日。
  この時期、食べたくなるのが冷麦。

    冷麦を水に放つや広がれる      篠原 温亭

  なんといってものど越しがいい。
  ギンギンに冷えたビールもいいけれど、
  ここは冷酒でいただきましょう。

    青笹の一片沈む冷し酒        綾部 仁喜

  こんなおいしいこぼれ話を綴ったのも
  今日紹介するのは
  東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ
  文春文庫版の最新刊『パンダの丸かじり』だから。
  おいしいエッセイを読みながら、
  おいしいものを食するのも
  なんとも贅沢。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文庫解説文の書評 - 座布団一枚!                   

  おなじみ東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの文春文庫版の最新巻。
 2020年に単行本となったシリーズ43作目。
 このシリーズを文春文庫版で読む楽しみでもある文庫本についている「解説」。
 毎回誰が書くのか、ワクワクします。
 あれ? この感じ、何かに似てます。
 そうそう、あれ。
 日曜夕方の人気番組「笑点」の大喜利メンバーの新規加入の時。
 それまでレギュラーだった六代目三遊亭円楽さんが突然逝去されて、しばらく空きとなっていたレギュラーの座。
 そこに誰が座るのか、多くのファンが喧々諤々しているところに現れたのが
 春風亭一之輔さんでした。
 あ、今会場ざわつきましたね。
 そりゃそうだ。
 春風亭一之輔さんといえば、今や「最もチケットの取れない落語家」として、人気実力ともにダントツのお人。
 そんなお人が毎週これから見られるなんて、と泣きわめいた人も多かったとか。(想像)
 その春風亭一之輔さん、
 今度は東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの「解説」にも登場。
 春風亭一之輔さんが「解説」を書いたということで、文庫売上げが倍増したとは、さすがに聞きませんが。

 その一之輔さん、東海林さんのエッセイについて、こう書いてます。
 「うまくも何ともない、ワケのわからない食べ物でも、先生が書けば思わず食べたくなる。」
 思わず、座布団あげたくなりました。
  
(2023/06/21 投稿)

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 思い起こせば、1988年にシリーズ第1作となる『タコの丸かじり』以来、
 苦節35年、
 2022年にシリーズ45作めとなる『町中華の丸かじり』まで
 一体作者の東海林さだおさんはどれだけの食べ物を食してきたのか。
 そのヒントが、シリーズ40作めの『焼き鳥の丸かじり』の文春文庫の
 荻原浩さんの「解説」の中にある。
 荻原さんによれば、一冊だいたい36篇の食べ物エッセイが収められているから
 そこに刊行された巻数をかけるというもの。
 つまり、45×36。1620。
 これだけの食べ物が、口から入り、喉を通過し、
 胃で消化され、腸からお尻を経て、流れていくのが普通の人。
 でも、わが東海林さんはそれらを脳に蓄え、名エッセイとして
 読者を堪能させるだから、すごいというしかない。

  

 この『大盛り!さだおの丸かじり』は、これまで書いて、読まれて、
 読者を大笑いさせてきたエッセイから選りかじったものを集めた
 文庫傑作選だ。
 単行本時には味わえない文春文庫ならではの名解説も5篇再録されている。
 それになんといっても、
 この文庫の表紙にでんと書かれた東海林さだおさんのお顔。
 南伸坊さん、渾身の一枚に、
 本屋さんで見かけたら、つい手が出てしまうのではないだろうか。

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 食のエッセイスト東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズでは、
 これまでにもさまざまなものを「丸かじり」してきました。
 バナナとかどら焼きとか「丸かじり」に適した? ものもありますが、
 ワニとかタヌキとなればどう「丸かじり」するのか、
 さらにはパンダの「丸かじり」ともなれば、黒柳徹子さんが黙っていない。
 それでも、これらはなんとか「丸かじり」できそう(できません!)だが、
 今回ばかりはいくら東海林さんでも無理でしょう、と言いたい。
 『町中華の丸かじり』。
 何しろ、町中華、ですよ。
 これって、食べ物ではないですよね。
 建物ものでもない。
 しいていうなら、職業?!
 それを、どう「丸かじり」するっていうんだ!

  

 そもそも「町中華」って何か。
 東海林さん曰く、「昔のラーメン屋」。「昭和の終わりあたりまでのラーメン屋」。
 ラーメン屋といっても、チャーハン、ヤキソバ。レバニラ炒め、天津丼、と
 まあ中華全般を扱っていたお店。
 昔、出前でよく利用していました。
 今、「出前」と書きましたが、この言葉あまり使われていない。
 「デリバリー」と、今ではいうのかな。
 でも、町中華では「出前」。

 「丸かじり」シリーズも45冊めとなると、
 昭和の匂いがプンプン。
 東海林さんもそれが悪いか、もっと匂え! くさやのように臭え! とばかりに
 そこかしこに「昭和」という言葉が登場します。
 そして、この巻こそ
 後世にはこう伝わるにはちがいない、コロナ禍時代の「丸かじり」。
 初出の「週刊朝日」の連載が、2019年9月から2020年11月で
 世の中コロナ一色だった頃。
 せっかくだから「コロナの丸かじり」とすればよかったかというと、
 感染しそうで、やはりボツ。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  文春文庫の4月の新刊として出た
  東海林さだおさんの『サクランボの丸かじり』の
  紹介です。
  「丸かじり」シリーズ文春文庫版の紹介は
  「文庫本解説」を紹介することに決めていて
  今回「解説」を書いているのは
  漫画家の丸岡九蔵さん。
  文春文庫の担当さんから
  今度東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ
  「解説」を書いてくれませんか、なんて
  頼まれたら、
  うれしいやらおっかないやら
  汗どぉーっと、涙ぽろりには
  なるのではないかな。
  それぐらい、これは名誉なお仕事ですゾ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文庫解説文の書評 - これからも読んでいく所存です                   

 おなじみ東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの文春文庫版の最新巻。
 2019年に単行本となったシリーズ42作目。
 このシリーズを文春文庫版で読む楽しみのひとつが、文庫本についている「解説」。
 これまでにも多士済々、いろんな人が「東海林さだを讃」を書いてきましたが、今回は東海林さだおさんの母校早稲田大学の漫画研究会の後輩にあたる漫画家丸岡九蔵さんの登場です。
 後輩といっても、東海林さんが漫研に入部したのが1958年で、丸岡さんは2001年といいますから、丸岡さんは東海林さんにとって雲の上の人のような存在。
 そうはいっても丸岡さんの代表作が近未来SF立ち飲み屋漫画『陋巷酒家』というぐらいですから、50年近い時を隔てながらも、東海林イズムはつながっているのかもしれません。

 それに、丸岡さんの「解説」がとてもいい。
 まず、東海林さんが1976年に出した『ショージ君の青春期』をテキストに、大先輩の大学生活と自身のそれとを重ね合わせるところから始まります。
 そのあとに、本巻のエッセイからいくつか引用し、東海林さんの「観察眼・発想力・描写力」をみごとにまとめ上げるなど、なかなかなもの。
 最後は「東海林先生が切り開いている道をはるか後ろから追いかけてゆく所存」と、謙虚にまとめあげたのも点数アップにつながる。
 東海林さんもいい後輩をもって、うれしいだろうな。
 何しろ「所存」なんて、なかなかいえません。
  
(2022/06/22 投稿)

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