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 食のエッセイスト東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズでは、
 これまでにもさまざまなものを「丸かじり」してきました。
 バナナとかどら焼きとか「丸かじり」に適した? ものもありますが、
 ワニとかタヌキとなればどう「丸かじり」するのか、
 さらにはパンダの「丸かじり」ともなれば、黒柳徹子さんが黙っていない。
 それでも、これらはなんとか「丸かじり」できそう(できません!)だが、
 今回ばかりはいくら東海林さんでも無理でしょう、と言いたい。
 『町中華の丸かじり』。
 何しろ、町中華、ですよ。
 これって、食べ物ではないですよね。
 建物ものでもない。
 しいていうなら、職業?!
 それを、どう「丸かじり」するっていうんだ!

  

 そもそも「町中華」って何か。
 東海林さん曰く、「昔のラーメン屋」。「昭和の終わりあたりまでのラーメン屋」。
 ラーメン屋といっても、チャーハン、ヤキソバ。レバニラ炒め、天津丼、と
 まあ中華全般を扱っていたお店。
 昔、出前でよく利用していました。
 今、「出前」と書きましたが、この言葉あまり使われていない。
 「デリバリー」と、今ではいうのかな。
 でも、町中華では「出前」。

 「丸かじり」シリーズも45冊めとなると、
 昭和の匂いがプンプン。
 東海林さんもそれが悪いか、もっと匂え! くさやのように臭え! とばかりに
 そこかしこに「昭和」という言葉が登場します。
 そして、この巻こそ
 後世にはこう伝わるにはちがいない、コロナ禍時代の「丸かじり」。
 初出の「週刊朝日」の連載が、2019年9月から2020年11月で
 世の中コロナ一色だった頃。
 せっかくだから「コロナの丸かじり」とすればよかったかというと、
 感染しそうで、やはりボツ。

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  今日は
  文春文庫の4月の新刊として出た
  東海林さだおさんの『サクランボの丸かじり』の
  紹介です。
  「丸かじり」シリーズ文春文庫版の紹介は
  「文庫本解説」を紹介することに決めていて
  今回「解説」を書いているのは
  漫画家の丸岡九蔵さん。
  文春文庫の担当さんから
  今度東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ
  「解説」を書いてくれませんか、なんて
  頼まれたら、
  うれしいやらおっかないやら
  汗どぉーっと、涙ぽろりには
  なるのではないかな。
  それぐらい、これは名誉なお仕事ですゾ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文庫解説文の書評 - これからも読んでいく所存です                   

 おなじみ東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの文春文庫版の最新巻。
 2019年に単行本となったシリーズ42作目。
 このシリーズを文春文庫版で読む楽しみのひとつが、文庫本についている「解説」。
 これまでにも多士済々、いろんな人が「東海林さだを讃」を書いてきましたが、今回は東海林さだおさんの母校早稲田大学の漫画研究会の後輩にあたる漫画家丸岡九蔵さんの登場です。
 後輩といっても、東海林さんが漫研に入部したのが1958年で、丸岡さんは2001年といいますから、丸岡さんは東海林さんにとって雲の上の人のような存在。
 そうはいっても丸岡さんの代表作が近未来SF立ち飲み屋漫画『陋巷酒家』というぐらいですから、50年近い時を隔てながらも、東海林イズムはつながっているのかもしれません。

 それに、丸岡さんの「解説」がとてもいい。
 まず、東海林さんが1976年に出した『ショージ君の青春期』をテキストに、大先輩の大学生活と自身のそれとを重ね合わせるところから始まります。
 そのあとに、本巻のエッセイからいくつか引用し、東海林さんの「観察眼・発想力・描写力」をみごとにまとめ上げるなど、なかなかなもの。
 最後は「東海林先生が切り開いている道をはるか後ろから追いかけてゆく所存」と、謙虚にまとめあげたのも点数アップにつながる。
 東海林さんもいい後輩をもって、うれしいだろうな。
 何しろ「所存」なんて、なかなかいえません。
  
(2022/06/22 投稿)

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  最近、平成〇年に起こった災害です、なんていわれても
  はて、今から何年前のことなんだ
  すぐにはわからなくなりました。
  ぜひ西暦で統一してほしいな。
  今日は
  2021年11月に出たばかりの
  東海林さだおさんの
  『干し芋の丸かじり』を紹介します。
  これで「丸かじり」シリーズ
  44作め。
  すごいな。
  りっぱだな。
  ここまできたら歴史書ですね。
  この本で「平成」の最後を味わって下さい。
  あれ? 何年前だったっけ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  懐かしいなあ、「平成」                   

 東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズも、本作で44作めとなりました。
 実に、慶賀。
 多くの読者はご存じだと思いますが、この食べ物エッセイはまず「週刊朝日」に「あれも食いたいこれも食いたい」とタイトルで連載し、そろそろ数も集まったから「丸かじり」というタイトルをつけて単行本化されるという工程を進んでいきます。
 その後、数年したら、そろそろみんな「忘れてっぺ」と文庫に収まるのも、周知のこと。
 では、44作めの本作はそもそもいつの連載の頃のものかということであります。
 2018年10月から2019年8月とあります。
 2018年? といわれて、あああの頃とピンとくる人ってどれくらいいるのかな。
 では、2019年といわれて、ははんとわかった人は手をあげて。
 そうです、2019年4月に「平成」が終わって、翌日には「令和」になったその頃。
 あの時、「令和」の額を掲げた政治家もその後数奇な政治生活を送りましたよね。

 なので、今回のエッセイには「平成最後の〇〇」がいくつもはいっています。
 今から思えば、まだわずか数年のことなのに、懐かしいな「平成」。
 コロナもなかったから、飲食店も大いにはやっていた、うらやましいな「平成」。
 今回の中で「平成は「ラーメンの時代」でもあった」って書かれるくらい、行列ができたな「平成」。
 でも、そんな「平成」どころか「昭和」から延々と描き続けている東海林さんはえらいな。すでに、この本の中で「令和」を迎えた東海林さんに拍手。
 実に、慶賀。
  
(2021/12/23 投稿)

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  一年前の春に読んだ
  東海林さだおさんの文庫版「丸かじり」シリーズ
  ブログを読むと、
  コロナ禍で飲食店がテイクアウトで
  頑張っていると書いていました。
  2020年4月21日の記事です。
  それから一年が過ぎても
  結局コロナ禍が収まらず
  ワクチンでさえまだまだ普及していません。
  飲食店の苦境は深刻さを増すばかり。
  コロナが収まったら、ぜひ支援の対策を実施してあげて欲しい。
  今日は
  東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ
  文春文庫版の最新巻
  『バナナの丸かじり』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文庫解説文の書評 - この人の演技の巧さは「丸かじり」が作ったかも                   

 おなじみ東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの文春文庫版の最新巻。
 2018年に単行本となったシリーズ41作目。
 思い起こせばちょうど1年前、『焼き鳥の丸かじり』の文庫装丁が、今までずっと担当してきた和田誠さんが亡くなったあとの刊行ながら「和田誠事務所」となんとかつながっていたが、なんと! この巻では「デザイン 中川真吾」となっているではないか。
 もう読んでやらないものネ! なんて心の狭いことはいわないが、さびしい・・・(涙)。

 気分を変えて、今回の文庫本の解説は俳優の柄本佑さん。
 柄本佑さんといえば、お父さんが柄本明さんで、お母さんは女優の角替和枝さん、弟は柄本時生さんという芸能一家で有名。さらにお嫁さんは安藤サクラさんというのだから、野球でいえば全員四番バッターみたいなおうち。
 そんなお家の佑さんに東海林さだおさんの「丸かじり」を勧めたのがお母さんの和枝さんというから素晴らしい。
 祐さんが17、8歳の頃だというが、夏目漱石とかトルストイではなく東海林さだおさんを勧めたというから、さすがお母さん。息子の気質をわかっていたのにちがいない。
 そこから佑さんの「丸かじり」愛、東海林さだお愛はとまらない。
 だからこそ、東海林さんの文章の魅力もよく読み解いていらっしゃる。
 「表面上は軽くて酒脱で、一瞬、誰にも書けるんじゃないかと思わせるような近しさがある。けれど絶対にムリ」という東海林さんの文章の魅力は、演技の世界にも共通しているように思う。
 いい解説文でした。
  
(2021/05/25 投稿)

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  新型コロナに揺れた2020年でしたが
  そのおわり
  12月になって
  上野のパンダシャンシャンのうれしいニュースが
  入ってきました。
  本当なら昨年の12月末をもって
  中国に返還される予定でしたが
  コロナの影響で
  返還の時期が今年の5月末まで
  延期されたというもの。
  パンダ好きの
  よい子の皆さん
  よかったですね。
  パンダ好きの東海林さだおさんも
  よろこんでいるでしょうね。
  何しろ
  「丸かじり」シリーズの43作めは
  『パンダの丸かじり』ですもの。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ゆく年ばかりかな                   

 「丸かじり」シリーズも43冊めとなれば、さすがの東海林さだおさんもネタが尽きたか、いくらなんでもパンダは丸かじりできないでしょ!?
 いや、食のエッセイの達人東海林さんならパンダでも丸かじりしそうだし、街のパン屋さんを覗けばパンダの顔をした菓子パンはきっとあるだろうから、丸かじりできないわけではない。
 ところが、なんと冒頭からいきなり「パンダはかわいい。」ときたから、びっくりした。
 続けて、「シャンシャンは特にかわいい。」とくるから、これは黒柳徹子さんが東海林さんを騙ったかと思う人もいるだろうが、ついている絵は東海林さんのタッチだし、一体どうなっているのだ!?

 その理由はこのエッセイの連載時期と大いに関係がある。
 この本には、「週刊朝日」の「あれも食いたいこれも食いたい」の連載分2018年1月から10月分までが収められているが、上野のパンダに待望の赤ちゃんが誕生したのが2017年6月。そのパンダこそ、シャンシャンで、加熱する人気に初お目見えとなったのがその年の12月も半ば。
 すなわち、東海林さんは時事ネタとしてパンダを丸かじりしたという訳。

 「丸かじり」シリーズは単においしかっただけの食のエッセイではなくて、時事ネタもあったりして社会問題にもしっかり取り組んでいる。
 パンダの他にも「いきなり!ステーキ」なんかのエッセイがあったりする。
 あ、この頃脚光を浴びてたんだ、なんて、すでに懐古的。

 時の過ぎるのが早すぎて、丸かじりするとのどにつかえそう。
  
(2021/01/07 投稿)

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