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 毎年2月上旬に発売される「文藝春秋」3月号は、
 芥川賞の発表号で受賞作の全文掲載で話題となります。
 今回は第170回の芥川賞で、
 九段理江さんの『東京都同情塔』が受賞しました。
 それはいいのですが、
 今号の目次を見て驚いたことがあります。
 驚いた、というより落胆という方があたっているかもしれません。
 それは、この号のどこにも
 2024年の元旦に起こった能登地震の記事がないことです。
 あれだけの大きな災害があって、
 そのことに関して一篇の記事も載らないことの驚き。

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 もちろん雑誌の発行には締め切りがあることもわかります。
 しかし、この号でいえば、
 1月2日の夕刻に起こった羽田空港での衝突事故について
 ノンフィクション作家の柳田邦男氏の記事
 「JAL乗務員緊迫の証言」が載っています。
 であれば、何故その前日に起こった大災害のことを
 記事にできなかったのでしょう。

 自民党の裏金問題も大きな政治問題でしょう。
 松本人志についてのさまざまな報道も
 またもや「文春砲」として賑わしているから話題となるでしょう。
 しかし、この号で扱われないといけなかったのは
 間違いなく能登地震ではなかったでしょうか。

 総合雑誌の雄としての「文藝春秋」は
 ある意味では報道する姿勢を明確に持つ立場にあるはずです。
 私は今でもこの号の目次を見ながら、
 どこかに記事の落丁があるのではないかと
 思ったりしています。
 あるいは、記事ひとつ載せられなかった大きなミスがあったのでしょうか。
 とても違和感が残る
 「文藝春秋」三月特別号でした。

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 年の暮が近づくと、
 今年一年を振り返ることが多くなります。
 本でいえば、
 今年のベストセラーも先日発表されて、
 1位が『小学生がたった一日で19×19までかんぺきに暗算できる本』で
 2位が『大ピンチずかん』と、
 子供向けの本だというのも親のひたむきさを感じさせます。
 さらには、識者による今年のベスト3なんかも発表されたりしますが
 そのほとんどが書名さえも知らない本だったりします。

 一年間に出版される点数はおよそ7万冊。
 たぶん結構読んでいる方だと思う私でさえ、読むのはせいぜい200冊。
 つまりはほとんどの本は知らないままということです。
 そのことにため息ついても仕方ありませんので、
 では一体どんな本がこの一年でオススメなのか、
 「本の雑誌」1月特大号
 特集「本の雑誌が選ぶ2023年度ベスト10」を探ってみましょう。

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 「本の雑誌」が選んだベスト10の1位が
 塩田武士さんの『存在のすべてを』。
 2位が金原ひとみさんの『腹を空かせた勇者ども』、
 3位が武内涼さんの『厳島』。
 ここでも、10位のうちで私が読んでいたのは
 藤野千夜さんの『じい散歩 妻の反乱』(9位でした)ただ一冊。

 この号の「本の雑誌」では
 SF部門やミステリー部門、あるいは時代小説部門と
 それぞれのジャンル毎にベスト10で発表されています。
 そして、その部門別でも私が読んだ本は少し。
 そこで考えました。
 こういう年の暮に発表される「○○ベスト10」は
 今後の参考にして下さいという指針なんだということに。
 どんな本を読んでいいか、困っている人こそ
 「本の雑誌」1月特大号を買って、
 来年の読書の参考にしたらどうでしょう。

 あれもこれも読みたい本ばかりで困りますが。

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 夏は昼寝がいい。
 寝苦しく夜、睡眠不足になりがちのところ
 昼寝で帳尻を合わせている。
 昼寝は夏の季語にもなっているぐらいだから、
 そう感じている人も多いのだろう。

    何はともあれと昼寝の枕出す       島谷 征良

 そういえば、「金魚の昼寝」という童謡もあった。
 「赤いべべ着た 可愛い金魚」という歌詞。
 その二番に「昼寝うとうと 夢から覚めた」と
 昼寝の気分そのままの歌詞がいい。

  

 そんな夏の昼寝に見る夢のよう、と思ったのが
 今月発売された「文藝春秋」9月特別号に載った
 沢木耕太郎さんの「特別エッセイ」を読んだ時。
 ご存じのように
 この号の「文藝春秋」は芥川賞受賞作の全文掲載の特別号で
 第169回芥川賞受賞作、市川沙央さんの『ハンチバック』が載っている。
 この作品の場合は2段組みで活字が組まれているが、
 「文藝春秋」のほとんどの記事は3段組となっている。
 ところが、今回沢木さんのエッセイは
 普通の書籍のような活字の組み方、つまり段組みではなく、
 しかも活字のポイントも他の記事より大きい。

 エッセイのタイトルは「夢ノ町本通り」。
 沢木さんが暮らす街の商店街から本屋さんがなくなっていく姿を描いて、
 では自分なら商店街にどんな店舗を置くだろうかと夢想する。

   私の夢の商店街には、新刊の書店と古書店が存在してほしい ―

 わずか9ページの短いエッセイながら、
 分厚い「文藝春秋」のたくさんの記事の中で
 もっとも目をひいた作品だった。
 まるで夏の日の短い昼寝に見た夢のようであった。
 このエッセイを読めただけでも、
 「文藝春秋」を購入した価値があるかも。

    はるかまで旅してゐたり昼寝覚       森 澄雄

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 NHKの連続テレビ小説(通称 朝ドラ)「らんまん」
 植物学者牧野富太郎博士をモデルにした作品ですが、
 高知篇から活躍の舞台が東京へと移っていくところです。
 ちなみに「らんまん」という言葉、
 漢字で書くと「爛漫」、
 意味は「花の咲き乱れるさま」と『広辞苑』に出ています。
 「らんまん」なのは朝ドラのタイトルだけではありません。
 本屋さんに行くと、牧野富太郎博士の関連本が
 それこそ、らんまん。
 そんな中、先日発売になった「絵本のある暮らし[月刊モエ]MOE」6月号も
 表紙にドーンと

   らんまんな人生をドラマと楽しむ  牧野富太郎

 とあります。
 さっそく「[月刊モエ]MOE」6月号(930円)を歩いてみましょう。

  

 この号の巻頭大特集は「牧野富太郎 I LOVE💛植物」です。
 何しろ、「草木が好きであることが私の一生涯の幸福であった」と
 語ったくらいの牧野博士ですから。
 まず登場するのが、朝ドラ「らんまん」で主人公の槙野万太郎を演じている
 神木隆之介さんのインタビュー。
 のっけから読ませます。
 牧野富太郎という人物についてよく知らないという人には、
 「キーワードで知りたい牧野富太郎のAtoZ」が役に立ちます。
 例えば、「B」の項目では朝ドラに出てきた「バイカオウレン」という花のことだったり、
 「D」では「Drawing 植物図」といったように
 各項目ごとに図版がついてよくわかります。
 「植物図」に関していえば、
 牧野博士の偉業のひとつが「正確で緻密な植物図を描く」ですから
 見ごたえがあります。

 「花あればこそ我もあり 牧野富太郎伝」という記事では
 簡単な略歴を紹介しています。 
 94歳まで生きた牧野博士の波乱万丈な人生を辿ることができます。

 さらに特集では牧野博士をめぐる旅の誘いとして
 牧野植物園のある「高知の旅」と
 先日私も訪れた東京・練馬の「牧野記念庭園」が紹介されています。

 さらにうれしいことにこの号には
 「牧野富太郎の植物図クリアファイル」が付録として付いています。
 しかも、このクリアファイルの裏面は
 牧野博士が少年時代につくった15の勉強心得が載っています。
 例えば、こんなふう。

   一 忍耐を要す  忍耐強くあること
   二 精密を要す  正確であること
   三 草木の博覧を要す 草や木をたくさん観察すること

 といったように、15ヵ条になっています。

 知れば知るほど面白い、牧野富太郎博士。
 今月号の「[月刊モエ]MOE」は、絶対お買い得です。

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 創刊100年を迎えた月刊誌「文藝春秋」。
 さまざまな記事で世の中の動きを伝えてきた雑誌ですが、
 忘れてはならないのが、
 創刊から続く企画「巻頭随筆」。

   名文は、時を越えていく。

 これは、先ごろ出版された『巻頭随筆 百年の百選』の
 キャッチコピー。
 さすがに、うまいなぁ。

 芥川賞の発表号でもある
 「文藝春秋」三月特別号(1300円)の「巻頭随筆」も
 読み応え十分。

  

 私の興味のあるものが多かったということでもあるのですが。
 先日の2月12日が司馬遼太郎さんの忌日だった菜の花忌でしたが、
 司馬遼太郎記念館館長上村洋行さんが書いた
 「司馬遼太郎生誕100年からの連想」。
 この随筆の中で、昨年の秋に行われた「私の好きな司馬作品」の
 アンケート結果に触れられています。
 1位が『坂の上の雲』、2位が『竜馬がゆく』、3位が『燃えよ剣』。

 これも気になる随筆で、
 元「週刊朝日」編集長の森下香枝さんの「「週刊朝日」休刊に寄せて」。
 「週刊朝日」が今年5月に休刊というニュースに
 驚いたばかりですので
 まさにズバッときた一篇でした。
 それにしても、「週刊朝日」の東海林さだおさんの連載がどうなるのか、
 気にかかります。

 さらに気になる随筆。
 写真家立木義浩さんの「矢崎泰久さんの思い出」。
 先日亡くなった矢崎泰久さんは、和田誠さんとともに
 雑誌「話の特集」を創刊させた編集者。

 その他、『最後の無頼派作家 梶山季之』を上梓したばかりの
 大下栄治さんの随筆や
 『拾われた男』で話題となった俳優松尾諭さんの随筆など
 芥川賞もいいけれど、
 「巻頭随筆」だけで語れてしまう「文藝春秋」って
 やっぱり、すごい。

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