01/24/2010 新しい風が吹いてくる - 「さいたまブッククラブ」1月の定例会に行ってきました

今年最初の定例会に行ってきました。
今回は初参加の3人を含む9人です。

初参加の人はやはり緊張するんでしょうね。
本について話すといってもどんなことを皆さん話すのかわからないし、
どう話せばいいかもわからない。
そのうちなじむでしょうし、早い人なら
会の進行で、ははん、こんな雰囲気なんだってわかって
発言(というほどのものではないので、これから参加しようと
思っている人はビビらないでください)される。
せっかくの機会ですから、どうぞ、どうぞ。

今回もすてきな古本、
昭和14年の英語のお勉強雑誌「1年の英語」。
彼女はいつもなかなかユニークな古本を紹介してくれるので
会の楽しみのひとつです。
次月あたりは、昔の「保健体育」あたりが見たいなぁ。

今回手堅く、『忘却の整理学』(外山滋比古)と『ワークショップ』(中野民夫)。
今回はOさんの静かで落ち着いた朗読が聞けなかったのが残念。
会の中堅メンバーのSさん(♀)は
三浦しおんさんの駅伝小説『風が強く吹いている』。
同じく中堅メンバーY君(♂)は、『大河の一滴』(五木寛之)。
皆さん、会の雰囲気がわかっているから、
紹介もそれぞれの個性を出しつつ、うまいものです。

まず、元エンジニアだというSさん(♂)は、
『スローライフのために「しないこと」』(辻信一)、
若いAさん(♂)は『成功者の告白』(神田昌典)。
夢中でやってきたことにちょっとひと呼吸おいてみる生き方と
夢中で目指すものに進もうという元気。
こういう組み合わせが「さいたまブッククラブ」の面白いところかもしれません。
そして、さりげなく物語の面白さをサマセット・モームの短編『蟻とキリギリス』に
託したMさん(♀)。
新しい人はいつも新鮮な風をくれます。
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開高健の『オーパ!』。
明日はその本を紹介しますね。

こういったブッククラブでたくさんの人が、
本について話し合える空間を持てたら
いいですよね。
そのときには、最初にやっぱりこういうのかな。
じゃあ、読もう。

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12/28/2009 「さいたまブッククラブ」12月例会に行ってきました

なんといっても政権交代。
さすがに100日以上経つと、不安も目立ってきましたが、
まあ今年のビッグニュースですよね。
私個人的には、
「さいたまブッククラブ」の参加は結構高位置にあるかな。
本を読む人っていうのは、どちらかというと孤独というか、
あまり本の話をしても聞いてくれないというか、
話してもわかってくれないみたいな雰囲気がありますよね。
そんな時こそ「ブッククラブ」。

自由な時間を手にいれた時期だったので、
さいたま市内で開催されていた「さいたまブッククラブ」に
初参加したのが、春、4月。
まだ会そのものは2回めの開催で、
参加者は私を含めて、4人でした。

先日(12.26)行われた例会には、
新しい人も含めて12人の参加がありました。
この「さいたまブッククラブ」というのは、
参加者がそれぞれ感銘を受けた本を紹介しあう形式をとっていて、
その性別も年齢層もばらばら。
紹介する本もばらばら。
たとえば、今回の例会でいえば、
宮本輝さんの今年の話題作『骸骨ビルの庭』もあれば、
須賀敦子さんの秀作『遠い朝の本たち』もあれば、
三島由紀夫も太宰治もあったりするし、
ビジネス本に歴史書、あるいは写真集もあったりする。
外国文学、これは『メモリーキーパーの娘』(キム・エドワーズ)という本で
Oさん(♂)が紹介してくれたのですが今月一番興味を持ちました。
今度読もうっと。
さらに現代の教科書と昭和13年の「算術書」を比較して
教科書問題やゆとり教育まで。

まさにその通りですね。
あるいは、S青年(♂)が今回紹介した細野晴臣さんの『分福茶釜』ではないですが、
本からもらえた幸福を分けてくれる、
そんな集まりともいえます。
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そして、新しい仲間との出会いもまた楽しみです。

応援よろしくお願いします。


12/01/2009 「さいたまブッククラブ」11月例会に行ってきました

早いもので、今年(2009年)もあと1ヶ月です。
先生が走り出すかどうかはわかりませんが、
世の中にはたくさんの「先生」と呼ばれる人たちがいるのも事実で、
その筆頭がお医者さんでしょうか。
ところが、いつの間にか、そのお医者さんが少なくなっていることに
驚いてしまいます。
きっと、もっと割りのいい「先生」という職業があるのかも
しれませんね。

「さいたまブッククラブ」の例会で、
主宰者のNさん(♂)が紹介してくれた本が
まさにそんな医療現場の本、『医療崩壊の真実』(勝又健一)。
Nさんはこの本の著者の講演会に、
私もよく利用する丸善丸の内店まで行ったようです。
本当に手塚治虫さんのブラック・ジャックみたいなお医者さんは
いないのでしょうか。
今回の「さいたまブッククラブ」は少し参加者が少なくて、
6人の参加でした。
でも、最初からちょっと熱気のある話となりました。
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生誕100年も残り少なくなってきた、
太宰治の『お伽草紙』。
Oさんお気に入りの一節を朗読してくれましたが、
声に出してみると、太宰の魅力がよくわかります。

自閉の当事者であるニキリンコさんたちの対談本ですが、
これは私の反省ですが、
私はほとんど知らない世界なんですよね。
Iさんは「共存できるようになりたい」と紹介していましたが、
本当にそのとおり。

山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』。
これはちょっと読みたいなという気分になります。
Sさんが丁寧に紹介してくれたので得した気分。
こういう大作が話題になるのもいいですね。

今回もきましたよ。昭和30年出版の、
『日本民族の進路』(石村幸一郎)。
山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』も象徴的ないい題名でしたが、
昭和30年のこの本も、当時の悩める日本人を描いたいい書名。
今なら、さしずめ、「全人類の進路」とでもなるのでしょうか。

やはりこの国の、この地球の「進路」は気になります。
もしかしたら、戦争中に『お伽草紙』を書いた太宰治の
心のありようが未来に光をしめしているのかもしれません。
今回の私の紹介は横尾忠則さんの『憂魂・高倉健』。
この書評はまた別の機会に書くとします。

応援よろしくお願いします。


10/26/2009 「さいたまブッククラブ」10月定例会に行ってきました

「さいたまブッククラブ」の10月の定例会に行ってきました。
今回の参加者は10名。
男女別にいえば、7対3で、男子の勝ち。
(勝ってどうするの?というつっこみはいれないでください)
さて、今回は会の始まる前から、
「本を読んで泣けるのか」みたいなことが雑談のねたにあがっていたのですが、
それが見事に実感できる、いい会になりました。

『大不況で世界はこう変わる!』。
つづく、若いYさん((♂)は半藤一利さんや保阪正康さんの
『あの戦争になぜ負けたのか』。
政治とか国の話とかはやはり信念がないとなかなかできませんね。
話が戦争とかになってしまうと、いいかげんな気持ちではできません。
だって、前の戦争で犠牲になった人たちが現にいるわけですし、
そういう人たちがいて私たちはあるわけで、
そういうことを理解せずに、いいかげんには語れないと思います。

遠藤周作さんの『深い河』では、宗教について話が盛り上がりました。
若いS君は無類の読書家なのですが、
ここで「芹沢光治良」の名前がでてきたのには驚きとともに感服しました。
S君は本当によく本を読んでいます。
このあと、S君に事件が起こるのですが、そのことはまだ知るよしもありません。
宗教といえば、今回Sご夫妻の奥様が紹介したのが
五木寛之さんと帯津良一さんの対談集『生きる勇気、死ぬ元気』。
考えてみれば、最近の五木寛之さんこそ、宗教作家といえるのではないでしょうか。

こういう本だとやっぱりホッとします。

出し物じゃないな、紹介本ですが、
デフォーの『ペスト』。
『ペスト』といえば、カミュじゃないですか。
それをデフォーですからね。さすがM嬢。
しかも、彼女が今回持参したのは、昭和26年の創元社版の
カミュの『ペスト』上下2冊本。
これには驚きました。
私はカミュといえば新潮社とばかり思っていましたからね。
いやぁ、よくぞ見つけてこられました。

彼が紹介したのは、本田宗一郎とともに世界のホンダを作った
藤沢武夫さんの『経営に終わりはない』。
会社を去る本田宗一郎との最後の場面を朗読しようとして、
S君、感極まりました。
泣けてきました。
そう、本を読んで泣けるのです。
いいなぁ、若いって。
いいなぁ、本って。

山本一力さんの『あかね空』。
ご夫妻のブログのなかでも、いい書評書いておられます。
今回進行役をしていただいたOさん(♂)は、
カフカの『審判』。
丁寧な紹介で、私にはとっても懐かしかったです。

「作家を育てた日活ロマンポルノシナリオ選集」。
この雑誌のことは、また別の機会に。

今回も充実の三時間近い会合でした。

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09/28/2009 11人いる! - 「さいたまブッククラブ」9月例会に行ってきました

大江健三郎さんの小説がありましたが、
読書会「さいたまブッククラブ」でも「新しい人」が目覚めたようで、
先日(9.26)行われた例会では、
初参加の人が5人もいて、11人の盛況ぶりでした。
私が初参加したときは、4人でしたから、
今は倍増どころか、3倍近い。
今後の人口増加の問題にどう対処していくか、
さっそく国連総会に議事にかかるとか(そんな話はありませんが)。

語るというスタイルは変わらずに、
今月も始まりました。
11人もいますから、
そういえば、萩尾望都さんに『11人いる!』という名作漫画があったっけ、
テキパキといきましょう。
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『彩雪に舞う・・・』(楠勝平)、分厚い漫画作品集。
S青年、最初から消える魔球できましたね。
楠勝平さんは30歳で夭逝した劇画家ですが、
S青年が持ってきてくれた本をみると、いい画を描いています。
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つづいて、Oさん(♂)。
大江健三郎さんの『遅れてきた青年』。
夜の河の場面がいい、とか。
相変わらずに、Oさんの読み方はうまい。
次は、初参加のOさん(♂)。
Oさんが続きますが、Oの頭文字が一緒ということだけです。
村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』が面白かったと。
「人と人とはわかりあえるのだろうか」と問い、その可能性をさぐっておられます。
主宰者のNさん(♂)は、池田晶子さんの『14歳からの哲学』。

Sさん(♂)は『生命40億年全史』(リチャード・フォーティ)。
読書の幅がどんどん広くなります。
つづく、Mさん(♀)は毎度おなじみ古本シリーズ? で、
大正8年の『陸軍兵器学校の真髄』。
うーむ。
またまたすごい本を見つけてきたものです。
「兵器学校」の学校案内と入学試験の過去問題が収められていて、
今で言う、「赤本」みたいなものかしら。
古くて、「茶本」になっていましたが。

女性の人は美しく、男性はたくましく。
Sさん(♀)は、『抱擁』(ティク・ナット・ハン)。
Uさん(♀)は、『朝型人間になれる本』(美波紀子)。
Iさん(♀)は、宮尾登美子さんの『櫂』。
三人のお話を聞いていると、本当の本の世界って
たくさんあるなぁと思います。
そして、それぞれの本の魅力を、みなさん、じょうずに話される。
読書会のいいところは、人の話をきいて、また本が読みたくなる。
そういうことではないでしょうか。
さらに、一つの本を媒介にして、意見を交し合えること。
そのいい例が、「新しい人」Y君(♂)が紹介してくれた、
野中広務さんと辛淑玉さんの『差別と日本人』。
読書会のメンバーがそれぞれの意見や疑問を出し合う、
濃厚な時間です。
今回残念だったのは、あまり時間がありませんでしたから、
少し中途半端だったかもしれません。
差別というのは、それほど深い問題です。

次の例会までには未読の本を何冊か読みたいところです。
案外、萩尾望都さんの『11人いる!』だったりして。
私(♂)が今回紹介したのは、
谷川俊太郎さんの詩集『詩の本』。
明日、その書評を書きますね。
私としては、一篇の詩を朗読できたから、
いい土曜の昼下がりでした。

応援よろしくお願いします。

