プレゼント 書評こぼれ話

  先週谷川俊太郎さんと和田誠さんの
  『ともだち』という絵本を
  紹介しましたが
  あれがとっても健康的な絵本だとしたら
  こちらは不健康? な
  ともだちの絵本になるのかな。
  本当はこちらも健康的ですよ。
  直木賞作家恩田陸さんが書いた
  『おともだち できた?』。
  絵は石井聖岳さん。
  まずが表紙から
  この絵本の不健康な? ところを
  さがしてみて下さい。
  えーっ!! って
  ちょっとびっくりしますよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この絵本は、ちょっと怖い                   

 『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞を受賞した恩田陸さんが文を書いた、少しぶきみな絵本。
 どう不気味かというと、石井聖岳さんが描いた絵の表紙のどこかにそのヒントが隠れていますから、表紙だっておろそかにしないで。

 初めての町に引っ越してきた女の子の一家。
 外を見ると、なんだかぼんやり、どろっとしている町並みが続いています。
 パパもママも「ともだちと遊んで」とかいいますが、この町には子どもの姿も声もありません。
 ただ隣の犬がよく吠えるだけ。
 そんな町でも女の子にともだちができます。
 どんな?
 ママには見えない。パパは気づかない。隣の犬だけにはわかっているような、そんなともだち。
 この絵本は、ちょっと怖い。

 でも、ともだちってつくらないといけないのだろうか。
 ともだちができないことがまるでいけないことのようにいう人たちもいるけど、無理やりにつくることはないんじゃないかな。
 まして、できたともだちがこの絵本の女の子のようにとっても不思議なともだちだってあるだろうし、そして、そのことでママは泣いたり(この絵本の中でもママは本当に泣いている)するけれど、そういうことが当たり前だと思うこと自体、なんだか怖い感じさえする。

 この絵本はそんな当たり前の怖さを描いた、恩田陸さんの、ちょっと怖い話だ。
  
(2017/10/15 投稿)

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  昨日紹介した
  『どんな絵本を読んできた?』で
  お二人の方が
  今日紹介する
  中川李枝子さんの『ももいろのきりん』を
  あげていました。
  なかむらるみさんと長嶋有さん。
  長嶋有さんは
  この作品に人間の友達が出てこないことで
  この作品がひっそりしていると
  書いていましたが、
  わたしはそうは感じませんでした。
  ここは
  主人公の女の子の独占場。
  だからこそ
  人気があると思いましたが
  どうでしょう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  女の子に愛されて半世紀                   

 名作『ぐりとぐら』の作者中川李枝子さんが書いた絵本というより児童書の範疇にはいるだろう作品。
 そうはいっても、さし絵はあって、描いているのは中川李枝子さんの夫中川宗弥さん。
 1965年に初版というから半世紀も経っているが、読んだのは2014年に発行された112刷のもの。
 ここまでくれば、りっぱな古典といえそう。

 ある日るるこというちょっとわがままな女の子はお母さんからとても大きなもも色の紙をもらいます。ピンクと書かないのがいいですが、1965年当時はピンクとはあまり言わなかったのかもしれません。
 るるこはこの紙で大きなそしてりっぱなきりんをつくりました。
 最初はのりが乾いてなくてぐったりしていたきりんですが、るるこは洗濯ものといっしょに乾かします。
 すると、きりんはしっかりと動けるようになりました。
 でも、夜には長い首がじゃまをして、るるこの部屋に入り切りません。
 首だけ外に出していたら、今度は雨にやられてしまいます。
 また洗濯ばさみのお世話になって、きりんは元気になります。ところが、雨で少し色が落ちてしまいました。
 るることきりんはクレヨンの山に向かって冒険の旅にでていきます。

 ファンタジーといえばそうですが、この物語のるるこという女の子がとっても元気いっぱいなのが、この本の大きな魅力です。
 読者は女の子だと思いますが、るるこを見て、彼女みたいになりたいって思うんじゃないでしょうか。
 この物語には男の子は出てきませんが、男の子以上に元気はつらつのるるこが人気が続いている理由だと思います。
  
(2017/10/12 投稿)

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  今日は
  「この絵本が好き!」編集部編
  『どんな絵本を読んできた?』を
  紹介します。
  この本は57人の絵本好きが
  自分の好きだった絵本を
  熱く語っています。
  どんな人がいるかというと
  いせひでこさんとか山崎ナオコーラさんとか
  角野栄子さんとか吉田篤弘さんとか
  ほかたくさんの人です。
  中で、森絵都さんがこんなことを
  書いていました。

    子どもが残した指紋の数こそが絵本の勲章だ。

  うまいことを
  いいますね、さすがに。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私を育ててくれた本のこと                   

 子どもの頃に絵本など読まなかった。
 そもそも絵本があるような家ではなかった。
 作家や漫画家、あるいはミージシャンといった著名な(といっても名前の知らない人も多いのだが)57人の人たちが絵本の思い出を綴ったこの本の、最後に登場する翻訳家の柴田元幸さんの「どんな絵本も読んできてません」は、だからいっそう小気味いい。
 柴田さんは1954年でまさに同時代人で、「母親が枕元で絵本を読み聞かせてくれた」とか「児童書室でどれにしよーかなー」と迷ったことはないという。
 私もまさにそう。家には一冊の絵本もなかった。

 そんな劣悪な読書環境で育ったと思ってきた。
 だから、この本の中で何人かの人が「通ってた幼稚園では毎月絵本がもらえた」と書いていてなんと恵まれた子どももいたものだとうらやましくもあった。
 そういえば、私の場合、絵本ではなかったが小学館の学年誌を毎月購読してもらっていたことをふいに思い出した。
 毎月決まった日に本屋さんが配達してくれる雑誌をどれだけ楽しみにしていたか。
 それは絵本ではなかったが、その頃の学年誌には漫画だけでなく小さな物語もあっただろうし、それは特定の物語ではないにしろ、今の私を作ってくれた宝物のような存在であった。

 さて57人の世代も性別も違う人たちの、思い出の絵本といってもほとんど重なることがないが、人気の絵本作家がそれでもいる。
それが加古里子さん。「だるまちゃん」シリーズの絵本作家である。
 それと中川李枝子さんの『ももいろのきりん』を複数の人があげていたのが印象に残った。
  
(2017/10/11 投稿)

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  今日は二十四節気のひとつ、
  寒露

    水底を水の流るる寒露かな     草間 時彦

  秋が深まる時候です。
  今日は先週に続いて
  和田誠さん絵、
  谷川俊太郎さん文の、
  『ともだち』を紹介します。
  和田誠さんたちの絵本は
  たくさんあって
  この作品も読んだかもしれませんが
  どうもあやしい。
  それくらい
  お二人のコンビはたくさんの絵本を
  つくっています。
  きっと和田誠さんと谷川俊太郎さんは
  いいともだちなんでしょうね。
  今日が運動会という子どもたちも多いでしょうが
  おともだちと仲良く
  してくださいね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「ともだち」といっしょに読みたい絵本                   

 なんだか読んだことがあるとずっと思ってきた。
 きっと谷川俊太郎さんと和田誠さんがコンビの絵本がたくさんあるせいだろう。
 この本だって、そう。
 最初はいつもの感じで、「ともだち」の魅力が語られていく。
 「ともだちって いっしょに かえりたくなるひと。」とか「ともだちなら たんじょうびを おぼえていよう」といったように。
 そして、谷川さんの短い文章に和田さんの素敵な絵があって、それは何ページもつづく。

 ところが、途中でトーンが少しずつ変わっていく。
 「しかられた ともだちは どんなきもちかな」とか「ないしょばなしを されたら どんなきもとかな」といったように。
 そういった変調のあと、「すきなものが ちがっても ともだちは ともだち。」みたいな文章に変わっていく。
 そして、最後は和田さんの絵ではなく、障害を持った子や世界のどこかの貧しい国の子の写真に変わる。
 その時、この本は初めて読むんだと気がついた。

 そして、思った。
 この絵本は読者に考えさせる絵本なんだ。
 谷川さんはいろんな「ともだち」についてのことを書いてはいるけれど、きっと読んでいる私たち自身が「ともだち」ってどんな人のことなんだろうかとか、いじめをしたりいじわるをしたりすることはどんな気持ちなんだろうかとか、自分たちのまわりだけでなく世界中にいるだろうたくさんの人たちとどうしたら「ともだち」になれるんだろうといったことを、考える絵本なんだ。

 だから、きっとこの絵本は「ともだち」と読んだら、いい本にちがいない。
  
(2017/10/08 投稿)

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  今日から10月

    十月の明るさ踏んで小松原     鷲谷 七菜子

  この句のような
  秋らしい10月になればいいなぁ。
  今日は
  谷川俊太郎さん文、
  和田誠さん絵の
  童話『とおるがとおる』を
  紹介します。
  書影がなかったので
  この作品が収められている
  『ワッハワッハハイのぼうけん』を
  載せておきます。
  書評にある和田誠さんの言葉は
  先日行った
  「和田誠と日本のイラストレーション」展で
  書かれていたものを
  引用しました。
  本当に
  素敵なコンビですよね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  これぞ名コンビ!                   

  この本で絵を担当している和田誠さんが名コンビの谷川俊太郎さんについて、こんな風に話しています。
 「絵本のテキストとしての谷川さんの文章は、人物にしても、風景にしてもあまり微細な説明がない。それで、絵の方もかなり自由な表現で描けるんですね」。
 この本は絵本ではなく、谷川俊太郎さんの童話にあたるわけですが、基本は同じような気がします。

 「とおるくん」という男の子がいて、これが少し変な子で、大きな白い紙を欲しがったり、大きな石を持ちたがったり。
 「おかあさん」からも「あんたって、ちょっとかわってるわね」なんて言われたりする。
 そんな男の子をどんな顔、どんな姿で描くか。
 谷川さんと和田さんが話し合ったわけではないにちがいない。
 きっとこの本で描かれる「とおるくん」も「おかあさん」も「おとうさん」も、和田さんが谷川さんの奇妙な、それでいてリズムのある生きた日本語で表現されるお話から浮かんだ「とおるくん」たちなのだ。

 だから、もし、この童話から和田さんの絵が消えてしまえば、読者は自分で自分だけの「とおるくん」を描けばいい。
 和田さんの絵はそれをじゃまするものではない。
 ただ、和田さんの「とおるくん」に会ってしまったからには、その「とおるくん」がやっぱり谷川さんの書く「とおるくん」に思えてしまうから、困ったものだ。

 和田さんは谷川さんのことを「憧れの絵本の仕事がたくさんできるようになったきっかけを作ってくれた人」と感謝してました。
  
(2017/10/01 投稿)

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