プレゼント 書評こぼれ話

  この時期、図書館は盛況だ。
  学生たちの自習コーナーだけでなく
  今や社会人の席も
  開館たちまちにして埋まる。
  家では暑いからというのもあるだろう。
  エコの観点からいえば
  みんなが集まって
  冷房を分散させないことは
  悪いことではない。
  児童書のコーナーも多い。
  小さい子どもたちに
  父親母親おじいちゃんおばあちゃん。
  みんな絵本が好きなのだ。
  だから、多くの絵本が貸し出されている。
  そんな中、
  いい絵本に出会いました。
  みやざきひろかずさんの『ワニくんのえにっき』。
  これ、いいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  こんなワニ、見たことない                   

 みやざきひろかず(宮崎博和)さんのことも、「ワニくん」シリーズも知らなかったのですが、シリーズというぐらいですから、かわいいワニくんを主人公にした作品がいっぱい出ていますから人気の高さがわかります。
 もともとみやざきさんは1984年に「ワニくん」シリーズの最初となる『ワニくんのおおきなあし』が第1回ニッサン童話と絵本のグランプリ絵本大賞を受賞して、それをきっかけに絵本作家となったぐらいですから、「ワニくん」への思いは深いのではないでしょうか。

 この絵本はそんな「ワニくん」シリーズの一冊で、長い休みにはいったワニくんがつける絵日記の形式で進んでいきます。
 このワニ、ちっともこわくありません。顔が長くて、目は上の方についているのでワニには見えますが、何しろ体は肌色。それにワニのゴツゴツがありません。
 だから、とっともなつっこい。
 そんなワニくんが自分で設計図を書いて、自分でトントンして船を作ってしまいます。
 この船の上で「のんびり」長い休みを過ごすつもりが、あれ? 突然雨と風、嵐に巻き込まれて、あらら大変、海に流されてしまいました。

 でも、ワニくんには長い休みがあります。
 そのうちに港に着くだろうと思っていたのですが、なんと今度は大きなクジラに襲われてしまいます。
 さあて、ワニくんはどうなるのでしょう?
 長い休みだと油断していたら、ワニくんのようになってしまいますよ。
 まさか絵日記の宿題にワニくんのを丸うつしなんて、ナシですよ。
  
(2017/08/13 投稿)

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  昭和20年の今日、
  8月6日の朝
  広島を悲劇が襲う。

    梯子にゐる屍もあり雲の峰   原 民喜

  その三日あとには
  長崎でも。
  その日が来るたびに
  原爆の悲劇が語られるのだが
  この世界から
  核は消えない。
  昨日、
  井上ひさしさんの『父と暮せば』を紹介したが
  今日は
  山田洋次監督が映画化した『母と暮せば』の
  絵本版を紹介します。
  ぜひ映画も観て下さい。

  

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この絵本のあとはDVDで                   

 山田洋次監督がメガホンをとった『母と暮せば』は、2015年12月に公開された。
 第89回キネマ旬報ベストテンでは日本映画部門9位、主演した人気グループ嵐の二宮和也さんはこの作品で主演男優賞を受賞した。この年の表彰式はファンの若い女性たちの熱気で大変だったそうだ。
 タイトルでもわかるが、この作品は井上ひさしさんの『父と暮せば』にリスペクトした形で描かれている。
 場所はナガサキ。1945年8月9日の原爆投下によって命を失った医学生浩二が3年後母(吉永小百合さんが演じた)をたずねてこの世界に舞い戻ってくる。
 井上さんの戯曲ではヒロシマが舞台で、亡くなったのは父親で、残った娘の恋の応援団としてこの世界にやってくるのであるから、関係性が反転している。
 丁寧に作られた映画であるが、やはり井上さんの戯曲の方が奥が深いと思う。絞り込んだ世界観だから生まれた名作だ。

 そして、この絵本は山田洋次監督の作品を絵本化したもの。
 二時間以上ある作品を絵本にするわけであるから、浩二の恋人である町子(映画では黒木華さんがいつもながら好演)のことや母に何かと世話を焼く「上海のおじさん」などがほとんど描かれていないのは残念だ。
 特に「上海のおじさん」は母との関係など重要な役どころだけに、彼を描けないのはつらい。

 この絵本をもって『母と暮せば』を鑑賞したことにはなかなかならない。
 ぜひ映画『母と暮せば』を観てもらいたい。
  
(2017/08/06 投稿)

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  先週に続いて
  今日も「怪談えほん」からの
  紹介です。
  『おんなのしろいあし』。
  書いたのは岩井志麻子さん。
  絵は寺門孝之さん。
  岩井志麻子さんは
  『ぼっけい、きょうてえ』で日本ホラー小説大賞
  受賞したくらいですから
  怪談噺はお手のもの。
  それに官能話も得意ですから
  この絵本は
  大人が読んでも十分楽しめます。
  暑い夏、
  女の白い足でチョコチョコされたら
  もっと暑くなる・・・かも?

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  幽霊は女性詞?                   

 フランス語には男性詞女性詞があると聞いたことがあります。だとしたら、幽霊はさしずめ女性詞でしょうね。ちがうかしら。
 幽霊って青白く細面の美人が似合う。髪なんか長く垂らして、細い手首から手のひらをそっと差し出して、「うらましや~」でないといけない。
 これが男性だと、大きな体で筋肉隆々太い声で「うらめしいぞ」なんて言われても、それはそれで怖いけれど、怖さの質が違う。
 怪談噺では断然女性だ。

 そもそも幽霊にが足がないというのがお決まりであるが、岩井志麻子さんが書いた「怪談えほん」は、女の白い足が怖さの源なので、そう言われてみれば、少年と呼ばれる年頃の男の子にとっては「女の白い足」はどきどきの対象であるに違いない。
 つまり、岩井志麻子さんが書いた「怪談」話は、官能に満ちたお話になっている。
 そういう話を絵本にしてもいいのかと思ってしまうが、岩井志麻子さんの作品群を見ていくと、彼女にそういう「怪談」を書かそうという意図が編集の東雅夫さんにはあったのかもしれない。

 そして、岩井志麻子さんが描いた官能を見事に絵にしたのが寺門孝之さん。
 ラスト近く、ベッドで眠る少年の身体に「女の白い足」がチョコチョコといたずらしている図なんて、官能×官能みたいになっている。
 でも、そんな風に読んでしまうのは、少年をとっくに過ぎてしまったからで、本当の少年ならただ怖い絵本と思うだけのような気もするが、どうだろうか。
  
(2017/07/30 投稿)

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  今日は
  二十四節気のひとつ、大暑
  一年で最も暑さが厳しい頃。

    兎も片耳垂るる大暑かな      芥川 龍之介

  昔から暑さをしのぐために
  色々な工夫がされてきました。
  打ち水とか縁台、
  うちわとか風鈴。
  そして、怪談話。
  肝試しなんてものもありました。
  そこで今日は怪談えほんを
  紹介しましょう。
  加門七海さん文、
  軽部武宏さん絵の
  『ちょうつがいきいきい』。
  怖いですよ。

  じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  怖くなる音がある                   

 夏になると全国のあちこちで「おばけ屋敷」がオープンする。
 どうしてあんな怖いものをわざわざお金を払ってまで見に行くのか、臆病な私には理解できない風物詩だ。
 いや「おばけ屋敷」だけではない。
 怪談話にホラー映画、身も凍るような仕掛けにこの世は満ちている。
 そして、「怪談えほん」だ。
 絵本くらい、明るく夢のあるものがいいのに、どうして「怪談」なのだよと思いつつ、暑い夏くらいはせめて絵本でも身も凍りたくなるものかな。

 この絵本も怖い。
 ここでは聴覚は怖さを生み出している。
 ちょうつがいの「きいきい」いう音である。
 恐怖というのは五感に訴えてくるから始末が悪い。
 この絵本の主人公の少年はちょうつがいの「きいきい」いう音から見たこともないおばけを見つけてしまう。
 聴覚から視覚へと恐怖が移っていく。
 その点では物語よりは絵本の方が恐怖感を生み出しやすいかもしれない。

 「おばけ屋敷」などはこのあと触感などの移るケースが多いが、絵本だとそこまではいかない。
 むしろ視覚が煽る。
 この絵本でも恐怖の源泉は「きいきい」鳴るところにあるが、よく見ると、描かれている家も部屋も街もみんな怪しさに満ちている。
 どころか、まわりの人がすでに異界のものたちだ。
 となれば、この絵本の絵を描いた軽部武宏さんの技量を評価すべきだろう。
 暗い部屋で、ぺたぺたと赤い絵の具を塗っている。
 そう思えば、それだけで怖くなる。
  
(2017/07/23 投稿)

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  今日大相撲名古屋場所
  中日です。
  横綱稀勢の里をはじめ
  横綱、大関の休場が相次ぐ
  この場所ですが
  これでもっぱらの興味は
  白鵬の通算勝ち星更新の
  大記録達成なるかどうかに
  なりましたね。
  おそらく
  この場所で達成するのじゃないかな。
  あとは新大関高安の巻き返し。
  優勝を狙えるところには
  いるのですが、
  どうでしょう。
  そこで今日は
  相撲の絵本、
  やまもとななこさんの『はっきょい どーん』。

  じゃあ、みあって、みあって。

  

sai.wingpen  スー女が描いた相撲絵本                   

 最近「スー女」なるものが街に繁殖していると聞く。
 「スー女」、つまり相撲好きの女性のこと。
 それほどに相撲人気はいま高い。
 この絵本、タイトルや表紙絵を見れば、大相撲のお話だとわかるが、描いたやまもとななこさんは大の相撲好きで、まさに「スー女」が描いた絵本。
 そして、この絵本がやまもとさんの初土俵、ちがった、デビュー作だという。

 優勝を決める大一番に土俵に上るのは小兵の明の海。
 迎え撃つは横綱武留道山(ぶるどうざん)。
 ここからはど迫力の絵がつづく。
 ほとんど白と黒の世界で描かれて、それでも次第に力のはいってきた明の海の体が赤くなって・・・。
 勝敗のゆくえは絵本をごらん頂くとして、決まり手は「うっちゃり」。
 この技、やまもとさんの好きな技だとか。

 表紙裏には大相撲の「決まり手」八十二手がイラストで紹介されています。
 きっと「スー女」の皆さんには自分の好きな決まり手があるんでしょうね。実際目にすることのない珍しい決まり手もあります。
 それと、やってはいけない「禁じ手八手」というのもあって、例えば「まげをつかまない」とか「キックしない」とかあります。
 中には「まえぶくろをつかまない」という禁じ手もあるのですが、この意味がよくわからない。
 「スー女」の人に、今度聞いてみたいと思います。
  
(2017/07/16 投稿)

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