FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  阪神淡路大震災から
  今年で25年になります。
  1995年1月17日5時46分ですから
  まだ朝の明けない時間でした。
  その当時大阪の豊中に住んでいて
  激しい揺れに飛び起きました。
  あれから四半世紀の時が流れました。
  幸い私の周りで犠牲になった人はいませんでしたが
  それでもあの日と
  あの日から続く何十日のことは
  鮮明に記憶に残っています。
  今日は
  ゴフスタインさんが絵を描いた
  『あなたのひとり旅』という絵本を紹介します。
  あの日犠牲になった
  多くの人に
  そして愛する人を亡くされた
  多くの人が
  癒されることを祈って。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  特別な別れの日のための                   

 この絵本のことは、末盛千枝子さんの『小さな幸せをひとつひとつ数える』という絵本を巡るエッセイで知りました。
 末盛さんのこの本には一冊ごとのエッセイにタイトルがついていて、ゴフスタインがローザ・リー&ドク・ワトソンの歌に絵を描いたこの絵本にはこんなタイトルがついていました。
 「別れの悲しみの向こうに」。
 そして、エッセイではこの本の出版化を勧めてくれた夫のことやまるでこの絵本の登場人物のようであった両親のことが綴られています。

 この絵本はゴフスタインが他人の文章に絵を付けた初めての作品だということです。
 登場人物は一人のおばあさん。
 おばあさんには「何年も何年も幸せ」に暮らしたパートナーがいました。
 けれど、彼は亡くなって、彼女は一人っきりになってしまいます。
 絵本の中に何度も出てくる「ああ あなた!」という言葉が、彼女の悲痛をよく表しています。
 彼女は一人、部屋にいます。
 「私の心はずたずた」と嘆きます。
 けれど、こうも思うのです。
 「大好きな思い出はなくならない」、そして「私がそっちへ行ったら また手をつないで歩こうね」と。

 愛した人との悲しい別れは誰にも訪れます。
 逝ってしまった者と残された者と、どちらが悲しいのではなく、一人っきりでの旅が悲しいのです。
 できるとしたら、いつまでも想い続けること。
 肉体はこちらになくても、思いだけは二人で一緒に歩くこと。

 末盛千枝子さんは「いつかはわからないけれど、きっと訪れる愛する人との特別な別れの日のための一冊」と綴っています。
  
(2020/01/12 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  ねずみ年だった父が亡くなって
  8年になります。
  生きていれば
  今年96歳の年男。
  ねずみ年だけあって
  こまねずみのように
  よく動く父でした。
  今年はねずみ年なので
  最初の絵本はねずみが主人公のお話しを
  選びました。
  なかえよしをさん作、
  上野紀子さん絵の
  『ねずみくんのチョッキ』。
  この絵本などは
  絵本の古典のような名作ですから
  かつて読んだという人も多いのでは
  ないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ねずみ絵本といえば、これ!!                   

 同じネズミの仲間でもハムスターのようにペットとして可愛がられるのもいるが、ドブネズミのようなしっぽの長いネズミたちは嫌われることが多い。
 ところが、絵本や物語の世界になれば事情が変わる。
 しっぽが長くて、耳の大きなネズミであっても、あの世界的に有名なネズミだけでなく、愛されていることが多い。
 この絵本の、チョッキを着たねずみくんだってそうだ。
 何しろこの絵本の初版は1974年というから、50年近くにわたって愛され読まれていることになる。

 まず最初は、おかあさんが編んでくれた赤いチョッキを着て、少しおすまししているねずみくんがいる。
 そこに、ねずみくんより少し大きいあひるくんがやってきて、「いい チョッキだね ちょっと きせてよ」と頼まれたので、ねずみくんは貸してあげることにした。
 あひるくんが着たチョッキを見て、今度はサルくんが来て、やっぱり着せてよとお願いする。
 ねずみくんの赤いチョッキは次から次へと動物たちの貸されていって、しかもその動物たちはどんどん体が大きくなっていく。
 そして、最後はなんとあのゾウくんまで。
 ねずみくんにぴったりだったあのチョッキがどんなことになってしまったか、想像できますよね。

 話自体はとってもシンプルだが、きっとそのシンプルさがいつまでも子供たちに読まれる理由のような気がする。
 ページを開くたびに、次はどんな動物がねずみくんのチョッキを着るのか、子供たちにはたまらない魅力だろう。
 そういう話の展開こそ、物語の面白さの核のような気がする。
  
(2020/01/05 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  村上春樹さんの初期のエッセイなんかに
  よく出てくる言葉。
  「やれやれ」。
  実はこの絵本、
  シェル・シルヴァスタインの『はぐれくん、おおきなマルにであう』にも
  この「やれやれ」が出てきて、
  きっと村上春樹ファンにとっては
  喝采をあげているのではないかと
  思います。
  この絵本は
  かつて倉橋由美子さん訳で
  『ビッグ・オーとの出会い』として出版されたことがあります。
  1982年のことです。
  その訳と比べてみるのも
  面白いかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  何度も読まないといけない絵本                   

 シェル・シルヴァスタインの作品で村上春樹さんが翻訳といえば『おおきな木』が有名です。
 またシェル・シルヴァスタインの作品で有名といえば、倉橋由美子さんが翻訳して日本でもベストセラーになった『ぼくを探しに』が知られていて、倉橋さんはその続編の『ビッグ・オーとの出会い』も翻訳しています。
 今回村上春樹さんが翻訳したのは続編の方で、原題は「The missing piece meets the Big O」です。
 原題からすれば、村上春樹さんの方が直訳に近い。
 ただ「「The missing piece」の訳について説明が必要かもしれません。
 この絵本の最後に村上春樹さんによる「訳者あとがき」(これがとってもわかりやすく、この絵本を読むにあたってはまずここから読むのもアリかな)にこうあります。
 「missing pieceというのは「あるべきなのに欠けている部分」ということ」で、この絵本では「くさびのような形」をしていて、倉橋由美子さんは「かけら」、村上春樹さんは「はぐれくん」と訳していて、村上春樹さんは「はぐれくんの方がなんとなくこのお話には合っている気がした」と記しています。
 おそらく村上春樹さんは「missing」に重点を置いたのでしょう。

 物語は、「はぐれくん」が自分と一緒になるべき相手を探す姿を描いています。
 最後に出会うのが「Big O」で、村上春樹さんはシェル・シルヴァスタインの絵のままに「おおきなマル」と訳しています。
 「おおきなマル」に自分が変わることも必要と教えられる「はぐれくん」。
 やがて、彼は「missing」でなくなっていきます。

 線だけの単調な絵ですが、その中身はかなり深い。
 そんな絵本です。
  
(2019/12/29 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

   サンタクロースっていつ来るのでしょうか。
  どうも24日の夜らしいので
  このブログを見ている時には
  もうサンタクロースは来たあとみたい。
  サンタさんからの贈り物ありましたか。

     あれを買ひこれを買ひクリスマスケーキ買う       三村 純也

  今日はクリスマスの絵本の二日目、
  ヘレン・ウォード作、
  ウエイン・アンダースン絵の
  『12月通り25番地』を
  お届けします。
  この絵本にも
  あの人が登場しますので
  お楽しみに。
  それでは素敵なクリスマスを。

  メリークリスマス  

  

sai.wingpen  そこに行けば、あの人に会えるの                   

 世界にクリスマスにまつわるお話はどれだけあるのでしょう。
 雪の季節、サンタクロースのキヤラクター、子供が登場、暖かい灯り、などなど、お話が生まれる素地がたくさんあるから、作り手側の創造力をかきたてるにちがいない。
 イギリスで生まれたこの絵本は2004年に出ているが、日本では翌2005年にもう刊行されているから出版社としては力が入った一冊だったのだろう。

 なんといっても、このタイトルが素敵だ。
 「12月通り25番地」、もちろん12月25日にひっかけてつけられたタイトルだが、なんだかそこに夢があるように誰もが思う。
 一体、そこに何があるの?

 主人公はひとりの女の子。赤いコートを着て、まるで赤ずきんちゃんのよう。
 この子にはどうしても贈り物をしたい相手がいるのですが、その子にぴったりの贈り物が見つからないのです。
 クリスマス・イブの夜、女の子は贈り物を探しに町へと出ます。
 そこで迷い込んだのがとってもさびしい「12月通り」。
 ところが、一軒灯りのついているお店があって、のぞくとたくさんのおもちゃが並んでいます。
 そこは「25番地」にあるお店。
 女の子はそこで買い物をしようとしますが、先客がいて、おもちゃを片っ端から袋に詰めています。
 この絵本を見ると、その先客がもしかしてあの人かとわかります。
 それに、女の子が探していた贈り物をくれたのですから、その人はやっぱり…!!

 ウエイン・アンダースンの幻想的な絵が素敵です。
  
(2019/12/25 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
プレゼント 書評こぼれ話

  今日はクリスマスイブ 

    子へ贈る本が箪笥に聖夜待つ     大島 民郎

  この俳句のように
  絵本を子どもたちに贈るサンタさんは
  世界中にたくさんいるでしょうね。
  今日と明日
  私から絵本のプレゼント。
  まず、今日は
  ルドウィッヒ・ベーメルマンス
  『マドレーヌのクリスマス』。
  訳は江國香織さん。
  この絵本は2000年に出たものです。
  原作はもっと古いです。
  それでも
  きっと今でも本屋さんや図書館には
  並んでいるのではないかしら。
  そんな人気の絵本です。

  じゃあ、読もう。 

  

sai.wingpen  クリスマスの奇跡を呼ぶには                   

 この絵本には「クリスマス」とついていますが、どちらかというと「マドレーヌ」シリーズの中の一冊といった方がいいかもしれません。
 それほど「マドレーヌ」シリーズは世界中の子供たちに愛されてきた女の子だからです。
 作者の¬ルドウィッヒ・ベーメルマンスは1898年にオーストリアで生まれています。16歳でアメリカに渡って絵の勉強をして、パリで「マドレーヌ」シリーズのインスピレーションを得たと、この絵本の巻末には書かれています。
 1962年に亡くなっていますから、もう随分昔の人ですが、今でも絵本作家として人気があります。

 人気の秘密はその絵の独特なタッチでしょう。
 現代のコミックエッセイに描かれるような軽い線描のタッチが国籍を超えた人気を生んだともいえます。
 きっと彼のタッチで勉強した現代のイラストレーターも多いのではないかしら。

 さて、物語はクリスマスの前の夜のことです。
 マドレーヌが暮らしている古い屋敷には12人の女の子が一緒に暮らしていますが、なんとその夜にはみんな風邪をひいて寝込んでいます。ただ「おちびで、ゆうかんな」マドレーヌだけが元気で、みんなの世話をしてあげています。
 そこに絨毯売りがやってきます。彼はなんと魔術師でもあるんです。
 なので、この魔術師の術で女の子たちは魔法の絨毯にのって家族のところに行ったりします。
 クリスマスの夜って、なんだかそういうミラクルなことが起こりそうな気がします。
 マドレーヌという「おちびで、ゆうかんな」女の子の魔法かもしれませんが。
  
(2019/12/24 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス