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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  長田弘さんの
  『誰も気づかなかった』という詩集を
  紹介します。
  長田弘さんは福島市の出身で
  福島といえば
  現在放送中の朝ドラ「エール」のモデルとなった
  作曲家古関裕而さんもそうで
  結構素敵な人がたくさん出ているのだなと
  思います。
  そのあたりをうまく活用すれば
  観光地としても
  活性化できるように思うのですが。
  そういえば、
  JRの福島駅での新幹線ホームの
  発車メロディーは
  古関裕而さんの「栄冠は君に輝く」だそうです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  詩を読むという贅沢な時間                   

 詩人長田弘さんが亡くなったのは、2015年5月だから、もう5年が過ぎたことになる。
 それでもこうして新しい詩集が出版されるのだから、長田さんのことを好きな読者がたくさんいるということだろう。
 長田さんは1939年福島市に生まれた。
 この詩集の巻末に掲載されている「著者略歴」によれば、65年に「われら新鮮な旅人」という詩集でデビューしたとある。
 私が長田さんの詩を初めて読んだのはいつだったろう。
 「世界は一冊の本」や「幸いなるかな本を読む人」といったような、本をテーマにした詩集が出たあたりだったろうか。

 今回の新しい詩集には2004年から2010年にかけて、学校関係の新聞に連載されていた詩と、宗教関係の雑誌に掲載された5篇の「散文詩」が収められている。
 詩を読むということは、言葉に心をゆだねることだ。
 散文とちがって、多くの言葉が書き連ねられている訳ではない。
 文字と文字の間に潜む時間を読む解くというような感じすらする。
 詩人たちは言葉によって世界を変えられると思わなかったにちがいない。
 世界は変わらないかもしれないが、自身は少し動く。
 その小さな動きが、風になるかもしれない。そんなことを思ったかもしれない。

 詩を読むというのは、現代では贅沢な時間の過ごし方のような気もするが、それぐらいの贅沢は残したいものだ。
  
(2020/06/20 投稿)

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  昨日は宇多喜代子さんという
  れっきとした俳人の本を
  紹介しましたが、
  今日は俳優小倉一郎さんの
  俳句の本
  『小倉一郎のゆるりとたのしむ俳句入門』を
  紹介します。
  俳優が書いた俳句の本ということで
  ちょっと油断してました。
  これはしっかりした
  俳句入門書で
  俳句をこれから始めようという人には
  おススメです。
  俳優の余興とはけっしていえない
  これはもう俳人の本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  俳人としてもすごい人                   

 朝ドラの第102作めとなる「エール」は作曲家古関裕而氏がモデルとなった作品だが、主人公を演じているのは窪田正孝さん。引っ込み思案でどこか頼りない、けれど優しい主人公をうまく演じている。
 そんな窪田さんの演技を見ていて、どことなく吉岡秀隆さんを思い出した。「男はつらいよ」の満男を演じた俳優だ。
 窪田さんにしても吉岡さんにしても青春期の青年のナイーブな様をうまく演じている。
 いや、そういう意味でいえば、彼らの先輩俳優として小倉一郎さんがいるではないか。
 市川崑監督の「股旅」という映画で気の弱い青年を演じて秀逸であった小倉さん。
 俳優として年を重ねても、どことなくダメな男役が多い。
 その小倉一郎さんが書いたこの本は、正統な俳句入門書だったことにまずは驚いた。

 小倉さんが俳句を始めたのはもう20年以上前だという。
 脚本家早坂暁氏命名による「蒼蛙(そうあ)」という俳号をもつ俳人でもあり、テレビだけでなくカルチャー教室で俳句も教えているという。
 すでに句集も何冊か上梓しているという。
 この本は「俳句入門」とあるように、きちんとした俳句の入門書で、俳優によるエッセイとは趣きが違う。それでいて、時に自身が世話になった脚本家の話などがはいってきたりして読みやすい。
 自身の俳句だけでなく先人の俳人の名句を織り交ぜながらの説明はていねいでやさしい。

 「早春や恋もしなくちゃなんないし」、あのナイーブな元青年の小倉さんならではの一句である。
  
(2020/06/18 投稿)

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  今日紹介する
  宇多喜代子さんの
  『暦と暮らす 語り継ぎたい季語と知恵』は
  俳句の本でもありますから
  当然たくさんの秀句も
  掲載されています。
  作者の宇多喜代子さんの俳句に限って
  紹介させてもらいます。

     日本のここが要の福寿草

  これは表紙カバーの折り返しで
  紹介されていた句ですが
  この本の核心のような一句になっています。

     ありなしの嵩の懐炉を旅の荷に

  ここでの懐炉は近年の使い捨てカイロでしょう。
  この本の表紙や中で
  写真家武藤盈(みつる)さんの
  『写真で綴る 昭和30年代 農山村の暮らし』が使われていて
  これがまたいいんです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「歳時記」とともに暮らす                   

 日曜の早朝に放送されている「NHK俳句」では4人の選者が担当しています。
 昨年(2019年)の4人の選者のうちの1人が、この本の著者俳人の宇多喜代子さんでした。その時のテーマが「昭和のくらしと俳句」で、番組に宇多さん自身が使っていた懐かしい昭和の生活用品が並べられることもありました。
 宇多さんは昭和10年生まれ。御両親は大正生まれ、祖父母が明治生まれと三代同居の生活であったそうです。
 そんな宇多さんは、番組放送中の令和元年に文化功労者にも選ばれています。

 本書は「NHK俳句」のテキストに連載されていたものを暦の順に編集されたものです。
 この中で、「歳時記」のことがしばしば語られています。
 「日本の季節と自然現象、それに準じた風土と人の暮らしのさまざま、これを知るのにもっともふさわしい書物」と、「はじめに」の冒頭に書かれています。
 「歳時記」を開くと、「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」とわかれていますが、その「生活」は昭和の頃と現代ではかなり変わってきています。
 しかし、「先祖たちのなした生活にまつわる季語は、日本人の暮らし辞典として、生活文化の継承の導として、歳時記に留めておいてほしい」と、宇多さんはいいます。
 そういう点から見れば、「歳時記」は今やタイムマシンでもあるのです。

 そして、「最少の嵩にして最高の量のこの国の人々の衣食住や民間行事の情報を蔵した書物である歳時記は、子孫に残す文化遺産の最たるもの」と綴って終わります。
 番組の最後に、そしてこの本にも書かれていますが、宇多さんは昭和の暮らしを振り返ってこう語っていました。
 「おおくを手でこなすという生活はまことに不便でしたが、不幸ではありませんでした。」
  
(2020/06/17 投稿)

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  今日は
  昨日につづいて
  詩人茨木のり子さんの本を
  紹介します。
  『茨木のり子集 言の葉1』です。
  私が持っているのは
  2010年発行のちくま文庫版ですが
  元々は
  2002年に単行本として
  刊行されています。
  自選作品集ですから
  茨木のり子さんが元気な頃に
  刊行されたものになります。
  全3巻なので
  残り2巻も
  おいおい紹介していきます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  詩人茨木のり子をもっと知るために                   

 「現代詩の長女」と呼ばれる詩人茨木のり子さんが詩集『倚りかからず』で一躍注目を集めたのは1999年(平成11年)のことです。
 この時、茨木さんは73歳。
 遅咲きというよりも、詩集が多くの読者を得ること自体、稀有なことでした。
 その詩が朝日新聞の「天声人語」で紹介されたことが多くの読者を獲得する要因にもなったでしょうが、そうして出会った詩人が読者を裏切らない本物であったということが大きかったのではないでしょうか。

 その勢いもあったのでしょう、茨木さんに全集を編まないかという話があったと聞いたことがあります。
 残念ながらその話は実現しませんでしたが、茨木さん自身選による「自選集」3冊が生まれました。
 それが、この本。そして、これがその一冊めにあたります。
 茨木さんが1950年から60年に発表した詩集『対話』『見えない配達夫』『鎮魂歌』から詩が、「はたちの敗戦」「「櫂」小史」などのエッセイ、さらにはラジオドラマや童話『貝の子プチキュー』など、茨木さんの初期の活動を堪能できるようになっています。

 最も興味があったのはエッセイ「「櫂」小史」です。
 茨木さんが詩を書き始めたのは結婚後のことでした。ほとんど無名の彼女に川崎洋さんが一緒に同人誌をやりませんかと声をかけて始めたのが「櫂」でした。
 その後この同人誌には谷川俊太郎さんや吉野弘さん大岡信さんなど今では考えられないような人たちが集まってきます。
 そんな渦の中にいた茨木さんだから描けた、現代詩のこぼれた花弁のような文章です。
  
(2020/04/30 投稿)

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  今日は
  祝日、昭和の日
  元々は昭和天皇の誕生日でしたので
  この日を「天皇誕生日」と覚えている
  昭和生まれの人も多いのではないでしょうか。

     名画座の三本立てや昭和の日     原田 紫野

  今日紹介する
  詩人茨木のり子さんは
  まさに昭和と生きた人でした。
  戦争が終わった昭和20年、
  茨木のり子さんは二十歳の頃でした。
  『茨木のり子 自分の感受性くらい』は
  「別冊太陽」の一冊ですが
  とても豪華な一冊です。
  昨年12月に本屋さんの店頭で見かけた時は
  ドキッとするくらい魅せられたものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  わたしが一番きれいだったとき                   

 「別冊太陽」は1972年に平凡社が創刊したもので、ムック本の先駆けとも言われています。
 「ムック(mook)」というのは、雑誌(magazine)と書籍(book)から作られた造語だそうですが、雑誌と違う大きな点は「ムック」にはISBNコードが付いていることです。
 ISBNコードというのは、出版社などが本を管理するために書籍1冊1冊につける番号のことですが、これがあると本を検索したりしやすくなります。
 なので、「ムック」はどちらかといえば、書籍に近いかもしれません。

 「別冊太陽」は平凡社が発行する雑誌「太陽」を「より、デラックスな雑誌」として編集されたもので「美しいビジュアルと豊富な資料」というのが惹句になっています。
 実際手にとると、その美しさにうっとりします。
 詩人茨木のり子(1926年~2006年)の79年の生涯をたどったこの本でも、その豊富な図版に圧倒される。
 茨木さんには凛とした美しさがあるが、代表詩「わたしが一番きれいだったとき」に添えられた21歳のお見合い写真の美しさはどうだろう。
 あるいは、最愛の夫であった三浦安信さんと笑いながらカメラを向いている何気ない姿、茨木さんが書き残した日記の文字、安信さんが描いた茨木さんのスケッチなど、詩人の何気ない、けれど確かに生きた時間が、ページに凝縮されている。

 表紙の茨木さんの写真は、かって同人誌「櫂」で仲間であった谷川俊太郎さんが撮ったもので、その表紙を繰ると、最初に「茨木さん」という谷川さんの詩が載っている。
 茨木さんのファンには欠かせない「ムック」である。
  
(2020/04/29 投稿)

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