プレゼント 書評こぼれ話

  4月から始まった
  NHKの朝ドラ98作目、
  「半分、青い。」、見てますか。
  「恋愛ドラマの神様」みたいにいわれる
  北川悦吏子さんのオリジナル脚本。
  第1週が終わったところですが
  「マグマ大使」や「あしたのジョー」が出てきたり
  私はすっかりはまっています。
  これからが楽しみです。
  そして、
  全国「カーネーション」ファンの皆さん、
  お待たせしました。
  いよいよ今日夕方4時20分から
  毎日2話ずつ再放送が始まります。
  NHK朝ドラ初の
  夕方の時間帯の再放送です。
  もう朝ドラとはいえない。
  夕ドラ。
  でも、朝見ても
  夕方見ても
  「カーネーション」はいい。
  今からわくわく。
  そこで、今日は
  『ぼくらが愛した「カーネーション」』という本を
  再録書評で。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  余熱                   

 放送が終わって随分経ちますが、まだ余熱の中にいます。
 佐藤直紀さんのテーマ曲を毎晩聴きながら眠りについたりしています。
 2011年の下半期に放送された、NHKの朝の連続テレビ小説「カーネーション」は、そんな私だけでなく、放映後にこうして書籍化されるほど、余熱の中にいる人がたくさんいる、人気番組でした。

 もし、このドラマが私の出身地大阪・岸和田と同じでなければ、きっと観ていなかったと思います。
 それほど朝ドラは私には遠い存在でした。
 たまたま舞台が岸和田であったおかげで、朝ドラ最高傑作とまでいわれたドラマを全話見逃さなかったことは、とても幸運だったといえます。
 とにかく、このドラマは渡辺あやさんの脚本もいいし、佐藤直紀さんの音楽もいい。
 糸子役を演じた主演の尾野真千子さんも、また糸子の晩年を演じた夏木マリさんもよかった。
 あるいは糸子の父を演じた小林薫さん、母親役の麻生裕未さんといった脇役陣の好演もひかった。
 女性の活躍、戦争の姿、子供たちの成長など、そのどれひとつとっても新鮮だった。
 「カーネーション」が放送されていた毎日が、私にとってはドラマでした。

 そんな「カーネーション」をこよなく愛する人たちが集まって生まれたのが、この本です。
 まず、「心を震わせた名台詞30」がドラマの進行にあわせて紹介されています。
 私が好きな台詞は、糸子が幼馴染の勘助の母親からなじられる、「あんたの図太さは毒や!」です。この台詞に打たれた人はたくさんいます。
 本書で対談をしている評論家の宇野常寛さんも「あのひと言があるおかげで、どれだけ「カーネーション」っていう作品の世界が広がったか」と、評価しています。
 正しいと思って行動する主人公を一刺しする台詞ですが、朝ドラの善を良しとしていた視聴者の胸にも突き刺さる台詞だったと思います。

 その他、なぜこのドラマが「それまで朝ドラなんてほとんど見たことがなかった」中年文系男子に受けたのかを分析したコラムニストの石原壮一郎さんの評論や、脚本家渡辺あやさんの手法をみる大学の先生による評論など、いたって真面目に「カーネーション」を読み解いています。
 また中年期の糸子を愛した北村を演じたほっしゃん。さんのインタビューもあったり、余熱を感じさせてくれます。
 できれば、キャスト・スタッフ一覧といった資料編があれば、もっとよかったのですが。
  
(2013/02/07 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日大屋尚浩さんの
  『日本懐かし映画館大全』を
  紹介したので
  今日は映画館つながりで
  高瀬進さんの
  『映画館物語 - 映画館に行こう!』を
  再録書評で紹介します。
  書評の中で
  銀座並木座のことを書いていますが
  今でもとっても懐かしい
  名画座です。
  時代が違うので
  閉館も仕方がないでしょうが
  できれば
  ずっと残って欲しかった
  映画館でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  思い出箱                   

 「映画館を私は時々、思い出箱と呼ぶことがある」

 私は大阪の地方都市に生まれ、育った。
 その街の中心地にも邦画五社の専門館がすべて揃っていたが、どこか暗く汚い感じは否めなかった(六〇年代後半の頃の地方の映画館はみんなそういういかがわしさがあったのではないだろうか。今は懐かしいが)。
 だから、洋画を観る時は大阪ミナミの繁華街に出ることが多かった。すべてに肩肘を張っていたような、高校生の頃である。
 その当時観た映画で今でも忘れられないのが「愛とはけっして後悔しないこと」で大ヒットした「ある愛の詩」だ。
 この映画を松竹座で観た。松竹座はこの本の中でも紹介されているが、大阪ミナミの映画館の中でも大きくておしゃれな映画館だった。そんな松竹座で観たのがいけなかったのかもしれない。周りがほとんどカップルばかりで、私は一人この悲しい恋愛映画を観た。
 死んでいったヒロインよりも、つらい気分だった。

 映画に夢中になった高校生の私は「キネマ旬報」という映画雑誌を購読し、いっぱしの映画青年きどりだった。その雑誌に載っていた東京の映画館の上映番組を観てはため息をついていた。
 銀座並木座、池袋文芸座、渋谷全線座、飯田橋佳作座…。それらの映画館は当時の私にとって、綺羅星のような存在だった。大学を東京にしたのも、そんな映画館に行きたかったからかもしれない。

 上京して初めて行った、銀座並木座。
 観た映画は黒澤明の作品だったように思うが、それ以上に並木座という映画館そのものが記憶に残った。想像した以上に狭い館内、小さな銀幕、観客の熱気。そして、上映番組の情報を載せた並木座の小さな冊子は、今でもどこかに仕舞われたままだ。
 肩まで髪を伸ばした、学生時代の私の写真とともに。
 そんな並木座も、黒澤明の死と同じ年の九八年秋に閉館した。

 青春の映画館。
 この本に紹介された多くの映画館の写真を見ながら、私はしばし青春の日々を彷徨した。
 あの頃、どうして私は映画館が好きだったのだろう。
 あの暗闇と光の中に映し出された夢の数々。夢を見る時間はいくらでもあった。
 多くの夢をなくしたように、今はそんな時間さえ失ってしまっている。
 次の休日には、久しぶりに映画館に行ってみようかな。
  
(2003/03/30 投稿)

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  有楽町の駅前にあった
  TOHOシネマズ日劇が閉館になって
  寂しくなったが
  日比谷はなんといっても映画の街。
  そこに3月29日にオープンするのが
  TOHOシネマズ日比谷
  なんとここは11スクリーンで
  全部で2300席というから
  すごい。
  一度は行きたいもの。
  そこで
  今日は新しくはないけれど
  懐かしい映画館を紹介する
  大屋尚浩さんの『日本懐かし映画館大全』を
  読んでみました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  映画館には人を魅惑するものがきっとある                   

 私が生まれ育った大阪の地方都市にも昭和30年代には映画各社の専属映画館があって、だから5つばかり小屋があったように記憶している。
 高校生になって行動範囲が広くなると、大阪ミナミの繁華の映画館まで足を向け始めた。
 その頃が洋画と呼ばれる作品との出会いであった。
 そうしてすっかり映画の魅力にはまって、「キネマ旬報」に掲載されていた東京の名画座のラインナップに誘われるようにして、上京することになる。
 あの頃、映画館の暗闇はどうしてあんなに魅力的だったのだろう。
 あの暗闇があって、どんなにたすけられたことか。

 映画館には人を魅惑するものがきっとあるのだろう。
 この本の作者大屋尚浩さんもその一人だ。1964年生まれというから私より10歳ほど若いが、観た映画はよく似ているのは同時代感覚なんだろう。
 というのも、この本には大屋さんが収集している前売り券とかパンフレットなんかも載っていて、それだけであの頃、60年代から70年代が彷彿とされるのだ。
 しかも、大屋さんの映画館にかける情熱は都会だけにとどまらず、全国、どうしてこんなところに映画館があるのっていう小屋まで取材を敢行しているから、映画館愛は半端じゃない。

 読んでいて気がついたが、結構多くの映画館がすでに閉館においやられている。
 町から本屋さんが消えているように映画館もまちがいなく消えている。
 その一方で新しい映画館が誕生しているのも、本屋さんによく似ている。
 そういえば、映画館も本屋さんも夢にあふれているのも同じだ。
  
(2018/03/15 投稿)

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  こんなご機嫌な本はない。
  今日紹介するのは
  『キャラクター大全 特撮全史1950-60年代』。
  私の子供時代に見た
  映画とかテレビとかが満載で
  特にテレビ編では
  いいたいこと山ほどあります。
  実写版の「鉄腕アトム」は見たことがありますが
  実写版の「鉄人28号」は
  知らないんだな。
  「マグマ大使」は大好きで
  よくマネして遊んだものです。
  もうっ、うれしくなっちゃう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  男はいつでも少年のまま                   

 表紙のキャラクターたちを見ているだけで胸躍るのは、まだ私の中に少年の時間が残っているからだろうか。
 ウルトラマンにゴジラ、マグマ大使、モスラ、ガメラもいればウルトラセブンも。月光仮面も懐かしいし、怪獣ブースカはどうしてあんなにユニークだったのだろう、なんてとめどもなく湧き出してくる。
 この本は1954年(昭和29年)に封切りされた「ゴジラ」を皮切りに、50年代と60年代、つまりは昭和30年代から昭和40年代なかばまで、子供だけでなく大人まで夢中にさせた特撮を使ったキャラクターを一挙公開した、その頃少年だった読者(つまり私)を夢中にさせる、ご機嫌な一冊なのだ。

 まず映画があって、もちろんメインとなるのは「ゴジラ」シリーズだが、記憶に残っているのは1967年封切りの「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」で、ミニラが登場する映画で、きっとそのあたりからゴジラ映画は当初の怖いイメージが薄れていったと思う。
 それでも見ている観客が幼児化していっていたのだから、仕方がないかもしれない。

 映画編が終わったあとはテレビ編で、これはもう涙がでるくらい懐かしい。
 実写版の「鉄腕アトム」が放映された1959年あたりは「まぼろし探偵」(今見るとパンダも驚く凄い仮面)「少年ジェット」「豹(ジャガー)の眼」と、名作ぞろいだ。
 特に好きだったのは「豹の眼」。正義のジャガーと悪のジャガーの対決なんかどきどきハラハラしたものだ。途中で日本編になってしまうのも、ユニークというしかない。

 つまりこの本さえあれば、タイムマシンもいらない。
 いつだって、男は少年に戻れるのだ。
  
(2018/03/14 投稿)

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  先日、今話題の
  ヒュー・ジャックマン主演の
  『グレイテスト・ショーマン』を観ました。
  なんといっても
  音楽が最高で
  やっぱりミュージカル映画はいいなと
  大満足でした。
  この映画のキャッチコピーが

    夢が、踊りだす。

  いいですね。
  ということで、
  今日は映画のキャッチコピーを学問する
  樋口尚文さんの『映画のキャッチコピー学』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  今日もこんな惹句にひかれて映画館へ                   

 まずは問題。
 このキャッチコピーは何という映画のものでしょう?
 1. 運命の恋。誰もそれを裂くことはできない。今世紀最後を飾る大スペクタルロマン。
 2. 生きろ。
 3. 全世界がひれふした!
 4. 読んでから見るか、見てから読むか。
 さて、答え合わせ。順番に「タイタニック」「もののけ姫」「ラストエンペラー」、そして「人間の証明」。
 全問わかった人はまさに映画通です。
 もっともここにあげたキャッチコピーは有名ではあるのですが。

 最近のネット事情からいえば、見たい映画の予告編はパソコンからすぐさま見ることができるが、少し前は予告編を見るのも劇場に行くしかなく、見たい気持ちをくすぐるのは予告編というより新聞や雑誌、あるいは街角に貼られたポスターということが多く、必然的に見る側の感情をいかに高めるかが重要になってくる。
 すなわち、キャッチコピー、惹句が興行成績を左右したといっても過言ではない。
 映画評論家でもあり、電通のディレクターでもあり著者ならではの視点から、そんなキャッチコピーの世界をまとめたのが、本書である。
 映画好きはもちろん、広告宣伝に興味のある人には欠かせない一冊だろう。
 樋口氏は映画のキャッチコピーは「景気よく映画館に呼ぶ込むという「興行」の言葉」という指摘は成程と納得させられた。

 なによりも、まるで思い出の玉手箱のようであった。
 そういえば、こんな惹句あったよな、あの映画はこんな惹句だったんだとか、あの映画のことが書かれてないよとか、夢中になって読み終えた、ご機嫌な一冊だ。
  
(2018/02/23 投稿)

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