プレゼント 書評こぼれ話

  今日はバレンタインデー

    いつ渡そバレンタインのチョコレート    田畑 美穂女

  バレンタインという言葉だけで
  6文字ありますから
  俳句を詠むのもなかなか難しいですが
  上の句、
  見事にその情景を描いています。
  女性は
  この気持ちよくわかるのではないでしょうか。
  そんな恋の日に
  ぴったりの本を紹介しましょう。
  益田ミリさんの『すーちゃんの恋』。
  再録書評ですが
  甘い恋のお話です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  すーちゃんってこんなひと                   

  益田ミリさんの「すーちゃん」シリーズの4冊目。今回は主人公すーちゃんの切ない恋が描かれます。
 すーちゃんを知らない人にプチ知識。
 すーちゃんの本名は、森本好子。そういえば、亡くなった元アイドルグループキャンディーズのメンバーのすーちゃんは田中好子さんでしたね。
 好子さんって、全国的に「すーちゃん」と呼ばれてるんでしょうか。余談ですが。
 年令は37歳。「エーッ、すーちゃんってもうそんな年なんだ」と思った人は、長年の「すーちゃん」ファンですね、きっと。ご自身もそれだけ年令を重ねていることをうっかり忘れてることってよくありますよね。これも、余談ですが。
 出身は鹿児島。鹿児島の女性の気質は、しっかり者らしい。
 もともと男尊女卑の根強い国だったらしくて、女性は控え目で真面目。もっとも根性は座っているようです。すーちゃんを見てると、結構メゲたりしますが、最後は自分をしっかり見ています。そのあたりは鹿児島の女性らしいのですかね。

 持っている資格は、調理師免許。
 この巻では以前働いていてお店を辞めて、保育園の給食調理師としてがんばっています。
 意外なのは、そろばん4級。普通だったら、3級まで取りますよね。どうして4級でやめたのかわからないけど、すーちゃんらしいといえば、調理師より、そろばんの方かも。
 趣味は料理。保育園の給食調理師になったすーちゃんは子どもたちに楽しんで食べてもらおうと、家に帰っても勉強熱心。趣味を生かしています。
 友人はそんなに多くはない。親しいのは、さわ子さんとまい子さん。
 さわ子さんは41歳で未婚。すーちゃんが結婚で悩んでいる以上に、さわ子さんの方がもっと深刻。「子供を産まない人生なら、あたしの生理ってなんのためにあったんだろ」なんて、ため息をつく。男性読者にとっては、ドキッとするようなせりふ。
 「すーちゃん」シリーズは女性に人気だけど、男性諸君、さわ子さんのこの名言忘れてはなりませぬぞ。
 まい子さんは一児の母。だけど、これでいいのかなぁ、と悩みはつきない。

 さて、問題の一項目。
 すーちゃんは独身。好きな人? います、います。
 以前働いていたお店の近くにあった本屋さんの店員の土田君。33歳ですから、すーちゃんより年下。しかも、恋人あり。あれれ。すーちゃんつらいよね。
 というわけで、プチ知識ですまなくなりました。
 すーちゃんの切ない恋は、本書で、じっくり。
  
(2013/01/26 投稿)

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  今日は
  益田ミリさんの
  『オトーさんという男』を
  紹介しますが、
  読みながらつい笑ってしまいました。
  文章もいいですが
  なんといっても
  益田ミリさんの漫画が
  とってもいい。
  よく見ると
  益田ミリさんの絵は
  その名前の通り
  ミリ単位の線とか影とかで
  表情を変えるのですから
  すごいものです。

  じゃあ、読もう。

 

sai.wingpen  何をどう書いてもオトーさん愛全開!                   

 コミック・エッセイのトップランナー(ワァ、カタカナばかり!)の益田ミリが自身のオトーさんの姿をコミカルに描いた本作品を読んでいると、これは益田ミリさんのオトーさんのことではなく、読者であるワタシのことではないかと勘違いしてしまいそうになる。
 大阪出身の益田さんだから、オトーさんも大阪人ということになるから、大阪出身のワタシに似ていておかしくもないが、もしかしてワタシの娘たちも益田さんのような視点で観察しているのではないかと、思わず顔をあげてしまった。

 では、どのあたりが似ているか具体的に示そう。
 まず、「定年後、父は家の近所で畑を借りた」とある。ワタシもそうだ。
 わざわざ「父の野菜作り」という項目があって、そこに野菜作りに勤しむオトーさんの愛すべき姿が描かれている。
 その項目の最後の文章、「借りた畑で野菜を育てている父は、とても生き生きしている」。
 娘たちよ、ワタシも「生き生きしている」か。

 次の似ている点は「よそいきの顔」にある。
 その書き出しがすごい。「恥ずかしかった」なのだから。
 つまり、オトーさんと出かけるのが恥ずかしかったと益田さんは綴る。
 何故か。「道を歩いているときも平気でオナラをするし、お店でご飯を食べているときも、「これ、あんまりウマないな~」などと、発言してしまう」とある。
 ワタシそのままだ。
 そういえば、外出時に娘たちの顔がひきつるのが何度もあった。アレはコレか。

 まあ、そうはいっても、この作品、益田ミリさんのオトーさん愛全開の一冊だから、ワタシも大丈夫かもと思っているが。
 はて。
 さて。
  
(2018/01/27 投稿)

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  昨日「赤塚不二夫」展での
  編集者武居俊樹さんと赤塚りえ子さんの
  トークショーのことを
  書きましたが、
  その中で赤塚不二夫さんが生前しきりに
  武居俊樹さんがいなかったら
  あれらのギャクマンガができなかったと
  語っていたことも
  話されていました。
  武居俊樹さんにとって
  赤塚不二夫という漫画家に出合ったことは
  自身の人生さえも
  変えたのだと思います。
  それぐらい
  編集者と作者の関係は密なもの。
  今日紹介する
  川崎昌平さんの『重版未定2』でも
  それはよくわかります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  編集者という仕合せな仕事                   

 弱小出版社の編集部員の仕事をコミカルに描いて、見事「重版出来」まで版を重ねた前作に続く、これがその続編。
 主人公は前作と同じ弱小出版社・漂流社の編集部員。
 いきなり「転職」というタイトル章で始まるこの巻だが、彼だって「売れる本も編集したいと思っています」(というのが、この巻のサブタイトル)。
 売れ残った本を「断裁」する現場に立ち会い、これではいけないと一念発起した主人公、「売れる本より残る本をつくります!」と新しい企画に挑戦することに。

 企画を進める過程で、さりげなく出版業界の業務や「取材」の極意を入れ込むあたり、お仕事漫画らしい描き方になっている。
 中でも主人公が見つけてきたライターに言うセリフが決まっている。
 曰く、「編集者が信じなかったら誰が著者を信じるんですか」。
 作品を生み出すのはライターで、編集者はあくまでも黒子なんだろうが、ライターが作品を生み出す力を与える重要な役割も持っているのは、しばしば耳にすること。
 もちろん、だからといってライターの存在意義まで否定することではない。

 ところが、この物語ではとうとうライターは執筆に頓挫してしまう。
 さあ、そうなると出版はどうなるのか。
 ここから主人公がとったような行為が本当に行われているのかわからないが、いずれにしても編集者の仕事は大変だとわかる。
 ただいえることは、そんなきつい仕事以上にいい本が生まれた時の満足感はほかでは味わえないものなのだろうということ。
 仕合せな仕事なんだろうな、きっと。
  
(2017/10/04 投稿)

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  今から思えば
  どうも私は働くということでは
  自覚が足りなかったような気がする。
  本が好きだからとか
  書くことが好きだからとか
  だから漠然と出版関係の仕事につきたいなと
  思ったりしていたのですが
  それは単なる憧れで
  本当ならどんな業界なのか
  どんな仕事なのかを
  研究しないといけなかったんでしょうね。
  就職とは関係ない年齢になって
  ようやくそんなことに
  気がつくなんて。
  今日紹介する
  川崎昌平さんの『重版未定』が
  昔に出ていたら
  よかったのに。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  編集者という仕事は大変だ                   

 この本のジャンルはといえば、やはり漫画になるのだろう。
 では、よく似たタイトルの松田奈緒子さんの『重版出来!』と同じお仕事漫画かというと、確かに業界漫画ではあるが、『重版出来!』が大手の出版社から出ている漫画雑誌の人気連載なのに対して、こちらは弱小の出版社で編集の仕事をしている著者は好きが高じて同人誌として作成したものだ。
 それがきっかけとなって、こうして河出書房新社という大手出版社から刊行された。
 しかし、描かれている内容は創業者一族の資産にもたれかかってなんとか赤字経営が続けられているような弱小出版社の、そしてきっとそのような出版社の方が多いのだろうが、編集者の身につまされるお仕事である。
 編集者という仕事は大変だ。

 出版社の数はどれくらいあるかというと、この本によれば2015年時点で3489社だという。こんなにあるのと驚くが、これでも1992年からすれば1000社近く減っているのだそうだ。
 出版不況といわれる昨今、それでもこんなに出版社があるとすれば、どうしても玉石混交にならざるをえない。
 ではこの本はどうかといえば、出版業界に就職したいと思っている人は一度は目を通しておく方がいい。
 そのハードな仕事ぶりに恐れをなすかもしれないが、著者はけっして残酷物語を描いたのではない。
 そういう過酷な仕事のなかにも出版業界で働くことの矜持を描きたかったのではないだろうか。

 きっとそんなことありませんと著者の漫画なら言いそうだが。
  
(2017/09/08 投稿)

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  今話題の呉座勇一さんの『応仁の乱』。
  今日はそちらではなく、
  石ノ森章太郎の「マンガ 日本の歴史」の22巻め、
  「王法・仏法の破滅―応仁の乱」を紹介します。
  実はこの「マンガ 日本の歴史」シリーズは
  かつて全巻読んだことがあります、多分。
  とてもよく出来たマンガで
  この当時石ノ森章太郎
  萬画ということを
  提唱していました。
  マンガという表現手段は
  あらゆる事象を表現できる万画というのが
  石ノ森章太郎の主張でした。
  こうして歴史書であっても
  マンガで表現できるという
  熱い思いがあったのでしょう。
  今は誰もがそう思っているのではないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  マンガから始めても悪くない                   

 今年(2017年)の上半期の出版界のニュースといえば、中公新書の『応仁の乱』(呉座勇一 著)の大ヒットもそのひとつ。
 そもそも中公新書は数多い新書レーベルの中でもいたって真面目で昔ながらの知的入門書の色彩が濃い新書で、しかも取り上げられているのが日本史の中でも極めて地味な応仁の乱。
 乱が始まったのは1467年ということで、今年550年めということもあるのか、この新書が売れに売れている。
 しかも、出版元の中央公論新社には石ノ森章太郎が描いた大作「マンガ 日本の歴史」シリーズもあって、その22巻めが「王法・ 仏法の破滅―応仁の乱」で、ならばということで本屋さんの店頭に2冊が同時に並ぶことになった。
 ならばと手にとったのが、石ノ森章太郎のマンガの方で、これがなかなか読み応えがあった。

 そもそもこの「マンガ 日本の歴史」は石ノ森章太郎が四年がかりで取り組んだ一大プロジェクトで、全48巻にも及んでいる。
 この22巻めが発行されたのが1991年だから、今から思えばマンガ文化の質を高めた、実に上質な出版物に出来上がった。
 だから、歴史をこのシリーズから学び始めたとしても決しておかしくない。
 いや、むしろいきなり中公新書より、ここから始めた方がいいかも。

 さて、応仁の乱である。
 室町時代後期の、京都を舞台にした11年に及ぶ内乱で、中学・高校の歴史で勉強したはずだが、日野富子という名前ぐらいは覚えている程度。
 今回その舞台背景をマンガで読んでも、どうもピンとこないのは、ヒーローがいないからではないか。
 みんながみんな欲の塊で、しかも愚かに見えてしまうのは、マンガだからか、それともそういう歴史だったか。
  
(2017/07/27 投稿)

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