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 いよいよ夏本番。
 夏ですから、暑いのは当たり前なんですが、
 最近の暑さは、猛暑、酷暑とこたえます。
 昭和の夏も暑かったけれど、
 どことなく風情があったように思います。
 縁台、うちわ、浴衣、風鈴、線香花火、
 井戸水で冷やしたスイカ、縁日、盆踊り。
 そんな昭和の夏を楽しむのに
 この雑誌なんかどうでしょう。
 AERAの臨時増刊「サザエさん 2023年夏」号。
 これまでは「週刊朝日」の臨時増刊でしたが、
 6月9日号で休刊になったので
 今回からAERAの臨時増刊になったようです。

  

 読んでいて「不快指数」という言葉が出てきて、
 そういえば昭和の時代にはよく耳にしたことを
 思い出しました。
 「不快指数」とは日中の蒸し暑さを表す指標のようですが、
 最近あまり耳にしません。
 令和の時代では「熱中症警戒アラート」とかで注意を喚起しています。
 「サザエさん」にはまだ「熱中症」は出てこないのでは。

 昭和の夏は風情があると書きましたが、
 そうとばかりいえないのが「ハエ」。
 最近あまり見かけなくなりましたが、
 昭和の時代は普通にそこかしこで飛んでいました。
 「サザエさん」だけでなく、
 同時収録されている「エプロンおばさん」傑作集でも
 「ハエ物語」とタイトルのついた漫画もあったりします。

 ハエは風情とはいいにくいですが、
 ハエたたきはなんとなく昭和の風情かも。

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 いよいよ明日からゴールデンウィーク
 8連休なんていう人もいたりするのでしょうか。
 この春の連休を「ゴールデンウィーク」もしくは「黄金週間」と言い出したのは
 映画会社による宣伝用語だったというのは有名な話。
 昭和26年(1951年)のこの時期に封切られた映画がヒットして
 正月やお盆以上に観客動員ができたところから、
 翌年あたりからこの春の連休をそう呼びだしたそうです。
 つまり、明日からの大型連休は
 昭和の休日そのもの。
 それに、明日29日は昭和世代にとって、
 「昭和の日」ではなく「(昭和)天皇誕生日」の祝日の気分が残っているのでは。

  

 そこで、今日紹介するのは
 週刊朝日の臨時増刊の「サザエさん 2023春」号。
 特集が「昭和の休日」ですから、
 まさに今読まないでどうする、そんな一冊です。
 この雑誌は
 「戦後から高度成長に至る昭和の日本人の心を明るく照らし続けた」
 漫画家・長谷川町子さんの作品を
 「サザエさん」を中心にして特別編集され、
 年4回発行されていたものです。
 以前から、買おうかどうしょうか迷っているうちに
 買いそびれていたのですが、
 今回は特集が「昭和の休日」ということで
 手にいれることにしました。

 この号では、「サザエさん」に登場する
 ノリスケさんの結婚秘話のマンガとかも収録されていて
 一気に読んでしまいました。
 「サザエさん」のほか「エプロンおばさん」の傑作集もあって
 この一冊でなんと171本の作品が楽しめます。

 大型連休といっても
 どこも混雑してるだろうし、
 家でゆっくりしたいという人には
 451円のお手軽な楽しみになること間違いなしの一冊です。

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 「コミカライズ」という言葉は
 「小説やドラマなどを漫画化すること」と定義されます。
 「月光仮面」や「七色仮面」といったテレビ創成期の子供向け番組の多くが
 当時の月刊漫画誌で漫画化されていましたから、
 歴史的にはテレビとともに生まれた文化といえます。
 石ノ森章太郎さんの「仮面ライダー」をはじめとした
 多くの「コミカライズ」漫画を描いてきたすがやみつるさんの
 この『コミカライズ魂』は、
 副題に「『仮面ライダー』に始める児童マンガ史」とあるように、
 自身の関わった「コミカライズ」史だけでなく、
 初期の「コミカライズ」の大御所であった一峰大二さんの業績まできちんと描く
 「児童マンガ史」でもあります。

  

 私の子供の頃、
 「まことちゃん」で有名な、あの楳図かずおさんの「ウルトラマン」を見て
 驚いたことをよく覚えていますが、
 この本でもすがやさんが同じような思いを持ったと書かれています。
 すがやさんは1950年生まれですから、ほぼ同世代。
 そのすがやさんが石ノ森漫画と出会い、夢中になり、
 そこで石ノ森漫画の「コミカライズ」を描いていく過程は、
 1970年代から80年代にかけての石ノ森漫画の隆盛をよく物語っています。
 その当時の子供たちが読んだ「仮面ライダー」作品の多くは
 すがやさんたちによる「コミカライズ」作品だったといえます。

 「コミカライズ」の仕事は、
 当時、一流の漫画家がやる仕事ではなかったという風潮が強かったと
 すがやさんは書いていますが、
 それでも多くの子供たちを夢中にしたその歴史を残すことは
 とても意義のあることです。

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 先ごろ発表された今年(2022年)の漢字は
 「」でした。
 やはりロシアのウクライナへの軍事侵攻やアジアでの中台緊張など
 一気に戦争を意識する年になりました。
 結果、日本も防衛費を大幅に増やすことにもなりましたが、
 どうも拙速のような気がします。
 戦争の不安が増すことで、軍備が整えられていく。
 世界の潮流といってしまえばそうなるのでしょうが、
 とても気になります。

 そんな時に読んだのが、
 水木しげるさんの『漫画で知る 戦争と日本』です。

  

 水木しげるさんといえば、
 「ゲゲゲの鬼太郎」など妖怪漫画で有名ですが、
 戦争漫画もたくさん描いています。
 自身、太平洋戦争中激戦地ラバウルに出征、爆撃で左腕をうしなったことは
 よく知られています。
 そんな水木さんの戦争漫画からこの本では
 貸本時代の1961年に発表した「壮絶!特攻」から
 後期の1995年に青年誌に描いた「鬼軍曹~それは何だったのか~」まで
 全部で7篇の漫画が収録されています。

 後期の作品では反戦の思想はかなり整理されていますが、
 初期の頃は絵のタッチもそうですが、
 勢いそのもので描かれているように感じました。
 昭和39年作と記された「白い旗」という作品は
 硫黄島での悲惨な戦いを描いたものですが、
 その最後に水木さんはこんな文章を書いています。
 「戦争という大きな運命の中にまき込まれた者のみが知る、
 戦争を悲しむ涙であった。

 誰もが戦争など望んでいないはず。
 それでも、人類は戦争をやめることはない。
 ならば、どうするか。
 未来の子どもたちに残すのは、軍備であっていいはずはない。

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 それがいくつの頃であったか覚えていないのだが、
 はっきり記憶しているのは、
 表紙のとれた漫画雑誌で石森章太郎さんの「怪傑ハリマオ」を読んだこと。
 調べると、この漫画が連載されていたのは「週刊少年マガジン」で
 連載は創刊間もない1960年(昭和35年)4月からだという。
 「週刊少年マガジン」が創刊されたのは、
 1959年3月17日。
 その後熾烈な販売部数を競うことになる「週刊少年サンデー」と
 同日日付の創刊日となった。
 それからほどなくして、私は「週刊少年マガジン」を体験したことになり、
 それは漫画との出会いでもあったはずだ。

   

 それから時を経て、「少年マガジン」は半世紀以上も漫画雑誌を牽引してきた。
 1967年生まれの伊藤和弘さんの
 『「週刊少年マガジン」はどのようにマンガの歴史を築き上げてきたのか?』という
 タイトルにあるように、
 「少年マガジン」の歴史をたどることは
 マンガの歴史を知ることでもある。
 同時に「少年サンデー」やのちに漫画雑誌のトップの座につく「少年ジャンプ」との
 編集方針の違いを知ることでもある。
 伊藤さんは「マガジン」のそれは「編集部主導方式」で、
 「サンデー」は「一流の作家に自由に書いてもらう」方式、
 「ジャップ」は「アンケート至上主義」と、記している。
 これらを知ることはあの漫画はどのようにして誕生していったかを知る面白さといっていい。

 この本は2022年7月に刊行されたが、タイトルにあるように2009年までのことで終わっているのは、
 あまりにももったいない。
 それが残念だ。

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