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プレゼント 書評こぼれ話

  先月、エルキュール・ポアロの長編小説を読破しましたが、
  今回はミス・マープルものの長編小説を読破する
  最後の作品を紹介します。
  『スリーピング・マーダー』です。
  もちろん、そうはいってもミス・マープルの長編小説は12篇ですから
  ポアロの方が多いのですが。
  アガサ・クリスティーが生み出した、この二人の主人公のうち
  どちらが好きかと問われれば、
  私はミス・マープルの方かな。
  だってポアロってちょっと性格傲慢じゃないですか。
  いつもの霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』によれば、
  この作品は★★★☆の評価。
  私なら、ミス・マープル最後の事件ということで
  もうひとつ、つけちゃいます。

  じゃあ、読もう。

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sai.wingpen  ミス・マープル最後の事件                   

 アガサ・クリスティーが創出した二大スターというと、エルキュール・ポアロとミス・マープルだが、それぞれの最後の作品は刊行時での執筆ではなく、自身にもしものことがあっても大丈夫なように第二次世界大戦中に書かれたものだという。
 1976年に刊行された、ミス・マープルものの最後の作品『スリーピング・マーダー』もそうで、実際には30年以上前に書かれたもので、そのせいか、ミス・マープルは作品とともに年をとっていく感じがあったが、この作品ではあまり年老いた感じはしない。
 原題は「Sleeping Murder」で邦題はそのままの表記で、直訳すれば「眠れる殺人事件」ともなるのだろうか。

 グエンダという女性が新婚生活をおくる家を探していて、偶然見つけたその家に何故か既視感をもつところから物語は始まる。
 次々と記憶が甦ってくるうちに、彼女は女性の死体まで、しかもその女性の名前まで思い出す。実はこの家はグエンダがまだ小さい頃に住んだことのあった家で、彼女と彼女の夫はその真相をたどっていく。
 過去に何があったのか。当時行方不明となったグエンダの継母がその死体だったのか。
 そして、継母に関係する怪しい3人の男たち。
 それとも、まったく別の犯人がいるのか。

 ミス・マープルが積極的に犯人を追い詰めることはないが、ラスト、彼女の活躍で新たな殺人を回避するようになる。
 この時のミス・マープルの動きは、確かにまだまだ若い。
  
(2024/03/21 投稿)

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  今日はアガサ・クリスティーの『予告殺人』という作品を紹介しますが、
  これはミス・マープルもの。
  アガサ・クリスティーといえば、エルキュール・ポアロと
  このミス・マープルが双璧の主人公で、
  ポアロが活躍する長編小説はすでに完全制覇しましたが、
  ミス・マープルものの長編小説もこの作品を含めて
  あと2作となっています。
  もっとも作品数でいえば、ポアロは33作品、
  ミス・マープルは12作品と少ないのですが。
  いつもの霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』では
  この作品の評価は低く、★★なのですが、
  私はとても面白くて、★★★★はつけたいところ。
  あなたなら、どちらでしょうか。

  じゃあ、読もう。

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sai.wingpen  人殺しも、とても人間的なんですね                   

 アガサ・クリスティーが1950年に発表した「ミス・マープル」ものの長編小説で、この作品がアガサ・クリスティーの50作めとなるそうだ。
 しかも、1890年生まれの彼女にとって、60歳の節目の年齢でもある。
 そして、アガサお気に入りのジェーン・マープルの作品と、色々な要素が重なり、面白い作品となった。
 原題は「A Marder Is Announced」で、「殺人は予告される」という意味。
 邦題はこれを『予告殺人』としているが、原題のままでもよかったように思う。

 ある日、新聞の片隅に「殺人をお知らせします」という告知文が掲載される。
 それによれば、小さな村に住む一人の老嬢の家で殺人があるようで、村に住み住民たちもどんな面白い出し物があるのか興味をそそられて、その時刻に老嬢の家に集まってくる。
 ところが、なんと本当に老嬢は拳銃に狙われ、撃ったと思われる男が逆に死んでしまう。
 そののち、老嬢には近々大金となる遺産が入ってくることが判明し、そのために命が狙われていることがわかってくる。
 老嬢のまわりにいる怪しい人物たち。
 そこにやって来たのが、ミス・マープル。

 実はこの作品に呼応する作品があって、それはポアロものの『象は忘れない』。
 この『予告殺人』の最後で脚本家の青年が書く芝居のタイトルが「象は忘れる」となっていたり、この事件の真相と『象は忘れない』の真相が似ていたりする。

 「人殺しも、とても人間的なんですね」。
 作品に書かれたこの言葉が、もしかしたらアガサ・クリスティー作品の魅力を集約しているような気がする。
  
(2024/02/21 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  ついにこの時がやってきました。
  読み続けてきたアガサ・クリスティー
  名探偵エルキュール・ポアロものの長編小説全33巻読破の瞬間です。
  最後に紹介するのは32作めの『象は忘れない』。
  この作品のあと『カーテン』が刊行されますが、
  書評にも書いたように実際にアガサ・クリスティーが書いた
  最後のポアロものはこちらの方。
  しかも、読み応えもあり。
  いつもの霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』でも
  ★★★★の高評価です。
  それで、33作めの『カーテン』ですが、
  このブログでは2018年11月28日(わー、4年も前だ)に紹介していて、
  今日は特別にその時の書評も載せてしまいましょう。

  じゃあ、読もう。

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sai.wingpen  本当はこれが最後のポアロものの長編小説                   

 ミステリの女王、アガサ・クリスティーが生み出した名探偵エルキュール・ポアロが活躍する長編小説は全部で33篇ある。
 但し、最後の作品『カーテン』はアガサが亡くなる前年(1975年)に刊行されたが実際の執筆は第二次大戦中であったことから、実質的にポアロの最後の長編小説は1972年に刊行されたこの『象は忘れない』ということになる。
 原題は「Elephants Can Remember」で、その意味について作中にこの「象は忘れない」逸話が描かれている。それは、仕立屋に自分の鼻を縫い針で刺された象がそのことを覚えていて、次にその仕立屋を見かけた時象が水をぶっかけたという話で、どんなに昔のことであっても象のように覚えている人がいるものという意味だ。
 そして、この作品でポアロはまさに十数年前に起こった奇妙な心中事件の謎を解くことになる。

 初期のポアロの作品ではポアロの相棒としてヘイスティングズが登場するが、後期になると推理作家のミセス・オリヴァがしばしば登場する。
 この作品でもきっかけはオリヴァに持ち込まれた事件の真相を知りたいという夫人からの依頼で、オリヴァはポアロを頼ることになる。
 が、オリヴァは実に積極的な人物で、自身多くの「象」を訪ね歩くことになる。
 事件の謎を解くカギは二つある。
 一つは心中事件で夫とともに亡くなったといわれる夫人が所有していた「かつら」。
 もう一つは、夫人には双子の姉がいたこと。しかも、その姉は精神を病んでいたこともあったという。

 なんとなく、かつての心中事件の真相が判明しそうだが、その動機はむしろとても感動的。最後にして、アガサはポアロに素敵な作品を贈ったといえる。
  
(2024/01/23 投稿)

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sai.wingpen  ポアロはどうなってしまうの?                   

 「ポアロ最後の事件」とサブタイトルがついたこの長編推理小説が発表されたのが1975年。それからわずか1年後の1976年1月作者のアガサ・クリスティーは亡くなる。
 死の直前に彼女の代表作であった「ポアロ」シリーズに終止符をうった形だが、実際にこの作品が執筆されたのは亡くなる30年以上前で、本来は彼女の死後発表される予定だったという。
 アガサが『スタイルズ荘の怪事件』でミステリ作家としてデビューしたのが、そしてそれはポアロの初登場でもあるが、1920年のことでそれからわずか20年ほどでその最後の事件を執筆していたことになる。

 それにしても心憎いのは、ポアロの最後の活躍の場所を思い出多き「スタイルズ荘」にしたことだ。
 そこにいるのは「関節炎のためほとんど立居にも不自由」となった老いさらばえたポアロであり、そんな彼が「スタイルズ荘」に招きいれたのは最初の事件以来何度もポアロと行動をともにしてきたヘイスティングズだ。
 今度の事件も難問で、しかもポアロはほとんど動けないとあって、彼の手足となるべくヘイスティングズが呼ばれた訳だが、えー! 彼で大丈夫なの? と多くの読者は思うにちがいない。
 ヘイスティングズの思い込みの強さや勘違いでどれだけ事件をややこしくしてきたか、その一方で彼の行動が事件に解決にもつながっているのだが。

 今回もヘイスティングズの行動や言論にヤキモキすることになる。
 彼はまったく「道化役」ともいえる活躍? をすることになる。しかも、今回は娘の恋のジャマまでするのだから。
 そして、結末。
 なんとも驚くべきその結末に、ヘイスティングズ以上に読者は驚くに違いない。
  
(2018/11/28 投稿)

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  今日は二十四節気のひとつ、冬至
  一年で最も昼が短い日。
  南瓜を食べたり柚子湯に入ったりする日。

    柚子湯して柚子とあそべる独りかな       及川 貞

  夜が長いと
  ミステリ小説を読んでみるのもいいかもしれません。
  今日はアガサ・クリスティーの『第三の女』という
  ポアロものの長編小説30作めの紹介です。
  いつもの霜月蒼さんの
  『アガサ・クリスティー完全攻略』での評価は
  ★★★☆とまずまずでしたが、
  私はいまひとつ退屈でした。
  ★★ぐらい。
  そして、私のポアロの旅も残すところあと一作となりました。
  来年そうそうには達成するつもり。

  じゃあ、読もう。

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sai.wingpen  ポアロ対ビートルズ世代                   

 原題が「Third Girl」というこの作品、ポアロものの長編小説30作めとなるが、発表されたのは1966年。
 エルキュール・ポアロが初登場した『スタイルズ荘の怪事件』が書かれたのが1920年だから、さすがのポアロも年をとったのがよくわかる。
 しかも、この作品には「ビートルズ」という言葉も出てくるくらいで、年を重ねた人たちには「若者の長髪やジーンズ、金ぴかな衣装」といったものはとても理解し難いものだったに違いない。

 今回の事件は、そんな若い世代の一人の娘が「自分は殺人を犯したかも」とポアロの事務所に相談に訪れるところから始まる。
 しかも、彼女は「(ポアロが)年をとっているから」と酷い言葉を残し立ち去ってしまう。
 さすがのポアロも世代のギャップを感じるしかない展開の始まりである。
 今回の事件の面白さ、そして、それは反面退屈さでもあるが、「死体」がなかなか出てこないということだ。
 娘の告白は妄想から出たことなのか。
 ポアロは彼女の周辺、父と継母のこと、ロンドンでの共同生活している仲間などを探っていくことになる。
 ちなみに「サード・ガール」というのは、ひとつの貸家に何人かで住んで家賃を分担する、その三番めの住人ということで、ポアロも相棒となる推理作家オリヴァ夫人に教えてもらっている。

 ポアロが欲しがっていた「死体」だが、終盤間際ついに出てくる。
 しかし、この事件のもとになった娘が犯したかもしれない殺人は、実はもっと前にでている。
 なんともわかりにくい展開だった。
  
(2023/12/22 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年も残りわずかとなってきました。
  そして、アガサ・クリスティーの名探偵ポアロの長編小説も
  残すところあと3作。
  今日はそのうちのひとつ、『複数の時計』を紹介します。
  いつもの霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』での評価は
  最低の
  ポアロものの長編小説でこれだけ低い評価は
  『ビッグ4』とこの作品だけ。
  しかも、「これは、ひどい。」とまで書かれています。
  ひどいことはひどいけれど、ここまで酷評しなくても。
  ただ思うのは、あえてポアロものにしなくても
  作品としては成立したのではないかな。

  じゃあ、読もう。

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sai.wingpen  ポアロ、元気がありません                   

 1963年に発表された名探偵エルキュール・ポアロの長編小説29作めの作品。
 原題は「The Clocks」で、『アガサ・クリスティー完全攻略』を書いた霜月蒼氏はこれに『複数の時計』と邦題をつけたのは見事としているが、どうも邦題も原題も気にいらない。
 あまりにもそっけないタイトルにアガサ・クリスティーの熱意が感じられない。
 それはタイトルだけではない。
 この作品のポアロはまるでどこか体の具合でも悪いのか疑いたくなるほど精気がない。
 もちろん、ポアロが活躍する作品だから、事件の解明は彼が行うのだが、どうも覇気を感じられないのだ。
 アガサはこの時73歳。さすがに旺盛な執筆はできなくなってきた感じだ。

 事件は派遣タイピストの依頼から始まる。
 出かけた先にあった男の死体。彼は誰なのか? 何故殺されていたのか?
 死体のそばには、同じ時刻を指示した「複数の時計」が置かれて。
 しかも、死体のあった家の主はタイピストの派遣など頼んでいないの証言。
 深まる謎の事件に関わってくるのが、秘密情報部員の男で、どうも彼はある任務のため、殺人事件があった街を調べていたようなのだ。
 さらに起こる第二、第三の殺人…。

 事件を解くカギとなるのが、タイピスト会社に勤める女性(彼女はのちに殺されるのだが)のヒールのとれた「かかと」。
 これだけですべての謎が解けるはずもないが、大いにヒントにはなるはず。
 それにしても、ポアロはどうしてしまったのだろう。
  
(2023/11/29 投稿)

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