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 三月になりました。
 三月といえば、卒業シーズン。
 「仰げば尊し」とか「蛍の光」なんかは
 今でも歌っているのかしら。
 「仰げば尊し」に「わが師の恩」なんていう歌詞が出てきますが、
 そんな恩なんか受けていないという人も多いでしょうが、
 著名人の自伝とか評伝を読むと
 必ずその人に影響を与えた教師がいることに気付かされます。
 学生時代は友との出会いだけでなく、
 そういう先生との出会いもとても大切ですし、
 そういう先生と出会えた人をうらやましく思います。
 そのせいでしょうか、映画でもドラマでも
 先生と教え子との関係を描いたいい作品がたくさんあります。
 今日はそんな中から、
 映画「いまを生きる」の話です。

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 映画「いまを生きる」は1989年公開のアメリカ映画です。
 第62回アカデミー賞で脚本賞を受賞しています。
 監督はピーター・ウィアー
 主人公である型破りな英語教師を演じるのは
 ロビン・ウィリアムズ
 この人の出演作品を調べると
 綺羅星のようでいかに人気があった俳優だったということがわかります。
 残念なことに彼は2014年に64歳で自死してしまいます。
 うつ病だったとか言われていますが、
 名優だっただけに残念です。

 物語は全寮制の優秀な男子校に赴任してきた英語教師が
 破天荒な授業で多感な生徒たちとともに生きる姿を描いています。
 そんな教師に影響されて自分の好きな道を歩き出そうとした一人の生徒が
 父親に反対され、自殺をしてしまいます。
 生徒たちを扇動したとして英語教師は退官させられますが、
 ラスト、教師を慕う生徒たちが彼らなりのパフォーマンスで
 教師を送り出します。

 この映画の中でロビン・ウィリアムズ扮する英語教師が話す
 さまざまな言葉に感銘することが多いですが、
 中でも気に入ったのは、
 父親との確執に悩む生徒に向かっていう、こんな言葉。
 「家来になるな」
 そんなことを言ってくれる先生って
 やっぱりいいですよね。
 その生徒を救えなかったことが
 おそらくこの教師にとってどんなに悔しかったことか。
 ロビン・ウィリアムズの演技から目が離せない作品です。

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 東京・京橋に「国立映画アーカイブ」という
 日本で唯一の国立映画機関があります。
 「映画を活かす、映画を残す」というミッションのもと
 映画の保存とか上映をしている施設です。
 今、そこの企画展として開催されているのが
 「和田誠 映画の仕事」展です。

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 和田誠さんといえばイラストレーターとして多くの業績をあげてこられましたが、
 映画に関してもたくさんの著作やイラスト、
 さらには映画監督としても何作かメガホンをとっています。
 和田誠さんは「評論家」としてでなく、
 一映画ファンとして映画に向き合ってこられた人です。
 和田誠さんが活躍されたたくさんのジャンルから
 映画の仕事だけを取り出したこの展覧会、
 和田誠さんファン、さらには映画ファンにはとてもうれしい企画です。
 先日(2月9日)その展覧会に行ってきました。
 しかもシニアの人は無料で見ることができるというおまけつき。
 3月24日までですから、この機会を逃さないように。
 この展覧会のポスターに使われているのが
 映画「巴里のアメリカ人」。
 ということで、今日は映画「巴里のアメリカ人」の話です。

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 映画「巴里のアメリカ人」は1951年公開のアメリカ映画。
 第24回アカデミー賞では作品賞をはじめとして6部門で受賞した名作です。
 監督はヴィンセント・ミネリ
 女優ライザ・ミネリのお父さんです。
 音楽はアメリカが生んだ作曲家ジョージ・ガーシュウィン
 主人公の貧乏な絵描きのアメリカ人青年をジーン・ケリーが、
 彼が恋する女性をレスリー・キャロンが演じています。
 映画のジャンルでいえば、ミュージカルということになるのですが、
 むしろダンス映画といいたくなります。
 特にラストのシンフォニー「巴里のアメリカ人」にのせて踊るダンスシーンの見事なこと、
 気がついたら魅入っている自分がいました。

 また。アメリカ青年の友人の売れないピアニスト役を
 オスカー・レヴァントという人が演じているのですが、
 この人のピアノのうまいことといったら。
 和田誠さんの『お楽しみはこれからだ PART3』の中に
 彼が実際にガーシュウィンの親友だったと書かれています。

 この名作、今ではアマゾンプライムでも視聴できます。
 機会があれば、ぜひ。
 ダンスの魅力。音楽の楽しさを堪能できる、ゴキゲンな作品です。

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 この前の日曜日、『わたしにまかせて!』という
 数学者のキャサリン・ジョンソンさんを描いた伝記絵本を紹介しました。
 その際につけたタイトルが
 「映画「ドリーム」もまた観たくなります」でした。
 映画は公開されたあと観ていて、
 今回あらためて観直したのですが、
 やっぱりいい映画でした。
 今日は映画「ドリーム」の話です。

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 映画「ドリーム」は2017年に公開されたアメリカ映画。
 この映画の主人公は数学者のキャサリン・ジョンソンさんですが、
 彼女だけでなく、彼女とともに黒人の、また女性の地位向上のために
 ともに活躍する2人の仲間の姿も描かれています。
 この映画の原題は「Hidden Figures」で、「隠された人たち」という意味です。
 数々の人種差別で仕事上の評価を受けなかったり、
 表舞台での活躍が認められなかったりということを含めているのでしょうが、
 それを「ドリーム」という日本語タイトルにした感覚は
 情に重きをおく、日本人特有の感性かもしれません。

 キャサリン・ジョンソンさんの実際の功績として
 アポロ13号の危機の際に彼女が活躍したことは有名ですが、
 この映画で描かれているのは
 それ以前のマーキュリー計画まで。
 色々な差別を受けながら誰もが彼女の才能に拍手を送るまでを
 映画は見事に表現しています。
 彼女の才能を見つけ、評価していく上司の役で
 ケヴィン・コスナーが好演。
 この人が演じると、とってもいい人に見えるから不思議です。

 この映画が公開された時には
 まだキャサリン・ジョンソンさんは存命で
 (彼女は2020年101歳で亡くなっています)
 この映画の感想を聞かれて
 「よく出来た映画でした。主演3人は私たちを見事に演じきっていると思います」と
 答えたといいます。

 いい映画は何度観てもいい。
 これはそんな映画のひとつです。

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 昨年(2023年)10月、74歳で亡くなった谷村新司さんを追悼する形で
 日本映画専門チャンネル
 映画「Alice THE MOVIE 美しき絆」が放映されました。
 谷村新司さんが亡くなって
 楽曲のアルバムをレンタルしたり、
 グループ「アリス」として活動していた頃の楽曲を聴いたりしました。
 あらためて聴いてみて、
 やはり「サライ」とか「群青」とかがいいですね。
 アリス時代であれば、「帰らざる日々」とか「チャンピオン」とか。
 でも、アリス時代の活動が映画になっているのは知りませんでした。
 今日は映画「Alice THE MOVIE 美しき絆」の話です。

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 映画「Alice THE MOVIE 美しき絆」は1979年公開された日本映画です。
 アリスの1979年の夏のコンサートツアーを追ったドキュメンタリーです。
 監督は坪島孝。
 ドキュメンタリーといっても、ちゃんと脚本もあって、
 アリスの3人の、ちょっとユーモラスの演技も楽しめます。

 アリスの3人。
 谷村新司、堀内孝雄、矢沢透
 映画の途中で彼らそれぞれのモノローグが入るのですが、
 この時彼らは30歳を迎えていて、
 今観ると実にしっかりした見識を話していたりします。

 この映画の面白さというと、
 もちろんアリスの楽曲、しかもライブでも歌声を存分に楽しめるということ。
 「冬の稲妻」「君のひとみは10000ボルト」「帰らざる日々」「チャンピオン」・・・
 そして。映画のラストを飾る「美しき絆 ハンド・イン・ハンド」。
 ライブ会場だった横浜球場で繰り返し歌われるこの歌に
 やはり感動してしまいます。

 この映画ではコンサートに来た若者たちの姿と声が映し出されます。
 当時10代か20代であった彼らは今どうしているのでしょう。
 この時から40年以上も経ちます。
 彼らは今どうしているのかと、そんなことを思うことで
 この映画が持っている意味が深くなるように感じました。
 この映画で観客を魅了した谷村新司はもういません。
 この時にコンサートで手拍子をおくっていた若者たちも
 シニア世代になっているでしょう。

 随分遠くまで来てしまったように感じます。

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 今日は節分
 明日が立春で、冬と春の今日が境目。
 豆まきをする大きな声も聞かれなくなって久しいですが、
 それでも豆まきの風習は残っているようです。
 年の数だけ豆を食べるのも昔からで、
 さすがに今の自分の年の数まで食べきれません。

   年の豆わが半生のひと握り      長田 蘇木

 今週の木曜(2月1日)、映画雑誌「キネマ旬報」から
 第97回キネマ旬報ベストテンが発表されました。
 日本映画の1位が「せかいのおきく」(阪本順治監督)で、
 外国映画の1位が「TAR(タアー)」(トッド・フィールド監督)。
 主演男優賞役所広司さん、
 主演女優賞趣里さん。
 趣里さんといえば、お父さんは水谷豊さんで
 水谷さんも1976年に「青春の殺人者」(長谷川和彦監督)で主演男優賞を受賞していて
 親子で歴史ある映画賞の主演賞を受賞したことになります。
 今日は外国映画で1位となった映画「TAR(タアー)」の話をしましょう。

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 映画「TAR(タアー)」は2022年公開のアメリカ映画。
 日本での公開が2023年5月になったので、今回のベストテンの対象になりました。
 「タアー」というのは、主演のケイト・ブランシェット演じる主人公の名前。
 この映画、なんといってもケイト・ブランシェットがすごい。
 何しろ、監督で脚本も手掛けたトッド・フィールド
 ケイト・ブランシェットを念頭にして書いた作品だから、
 彼女なしでは成立しなかった作品。

 主人公のリディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、
 ベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命された女性。
 類まれな才能は時に激しく人にあたり、やがて彼女の指導に耐えれなくなる人も。
 次第に彼女は狂気に陥っていく。

 ターは私生活では同性のパートナーと暮らすレズビアンという設定で、
 そうなるとケイト・ブランシェットが主演した名作「キャロル」(2015年)を
 つい思い出します。
 私がケイト・ブランシェットに魅かれた作品が「キャロル」で
 その冷たい風貌と知的なイメージが好きです。
 その意味ではこの「TAR(タアー)」も、彼女にぴったりの作品です。
 評によっては、ミステリー映画のように書かれることもあるようですが、
 私には深い人間を描いた作品に思えました。

 なにより、キネマ旬報ベストテン外国映画1位おめでとうございます。

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