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プレゼント 書評こぼれ話

  今でも和田誠さんが亡くなったなんて
  信じられないでいる。
  だって、いたるところで
  和田誠さんが描いた表紙絵とか挿絵とか
  まだ見かけるもの。
  特に本の装幀なんかも
  たくさんされているから
  本棚からひょっと抜き出したら
  それが和田誠さんの装幀した本なんてことも
  よくある。
  今日はそんな和田誠さんの
  多彩な一面が本になった
  『和田誠切抜帖』を紹介します。
  やっぱり
  和田誠さんってすごいや。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  和田誠さんはいくつの顔を持ってたのかな                   

 昔「七つの顔を持つ男」と呼ばれた多羅尾伴内という探偵を主人公にした映画や漫画があったが、昨年(2019年)10月に亡くなった和田誠さんも七つぐらいの顔を持っていたかもしれない。
 イラストレーター、装幀家、エッセイスト、絵本作家、映画監督、作詞家、脚本家、まだまだありそう。
 そんな多彩な才能をもった和田さんの仕事の一端を覗ける貴重な一冊がこの本。

 2007年に刊行されたものだが、エッセイだけでなく、和田さんお得意の似顔絵や週刊文春の表紙を飾った何枚かのイラストも見られる。
 漫画家赤塚不二夫さんとの面白い対談もあれば、和田さんの愛猫シジミの話もある。
 読書のこともあれば、父親のことを語った文章もある。
 和田さんの父親は和田精といって日本の初期の放送界にあって欠かせない人物であったようだ。そんな父親だが、あまり和田さんにその功績を自慢することもなかったし、和田さんもまたそんな父親を自慢したりもしなかった。
 そんなところが和田さんのえらいところ。

 そして、この本の極めつけは四歳の時に描いたという絵本だ。(バラバラに描き散らかしていたのを母親がまとめて綴じておいてくれたというから、お母さんもいい人だったにちがいない)
 絵心というのは幼い時からあるものかどうかわからないが、こういう作品? を見せられると、やはり和田少年は成長してイラストレーターになるべくしてあったのかもしれないと思ってしまう。
 まさかその子が七つの顔を持つまでになるとは、さすがにお父さんもお母さんも思わなかったのでは。
  
(2020/03/31 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨年のNHK大河ドラマいだてん」は
  物語としては面白く見たが
  視聴率が振るわず
  大河ドラマ始まって以来のワーストを
  更新したようです。
  今年の「麒麟がくる」は見始めたばかりだが
  きっと「いだてん」は大河ドラマらしくなかったのだろう。
  では、大河ドラマとは何かといわれたら
  困ってしまいますが。
  今回の「麒麟がくる」の主人公は
  明智光秀
  今出版界ではちょっとした明智光秀ブームに
  なっている感があります。
  今日紹介する
  山名美和子さんの『本能寺前夜』も
  出たのが2019年11月ですから
  そんな中の一冊なんでしょうね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  大河ドラマを10倍楽しむために                   

 明智光秀といえば、「本能寺の変」がすぐさま浮かぶ。
 それに「三日天下」という言葉も思いつく。あるいは、「敵は本能寺にあり」といった言葉も光秀が言ったといわれるが、真実はどうだろう。
 どうしても映画やドラマの印象が深いのだが、特に強いのは昭和40年(1965年)に放映されたNHKの大河ドラマ「太閤記」のその場面だ。
 織田信長を演じたのは高橋幸治さん。この時の明智光秀役は佐藤慶さん。
 それから半世紀以上経って、今明智光秀が脚光を浴びているのは、やはりNHKの大河ドラマの影響だろう。
 しかも、今回光秀は主役であるから、どのような新しい光秀像ができあがるだろうか。

 この本の著者山名美和子さんは歴史小説作家。だからといって、この本は創作ではない。
 資料を駆使しながら、光秀の謎に迫っていく。
 といっても、光秀の場合その出自からあまりよくわかっていないそうだ。
 ただ信長にかわれて外様ながら相当の地位にまで出世したわけだから、秀吉の出世話ほどではないにしろそれに近いものがある。
 最近世間を賑わせた自動車会社ではないが、自身の地位を守るため、あるいは現状のままでは組織が破綻する危機感などでクーデターが起きないわけではない。
 さらに著者が記しているように当時は下克上は当たり前のようにしてあったわけだから、光秀だけが歴史上の悪人ではない。

 果たして光秀は何故信長を討ったのか、大河ドラマがどう描くか楽しみだ。
  
(2020/02/05 投稿)

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  今日紹介する
  『欲望の名画』の著者中野京子さんといえば
  絵画にまつわるエッセイなどで人気の作家です。
  人気の『怖い絵』シリーズは
  そこで紹介されていた絵画の展覧会も
  大人気だったとか。
  残念ながら私は見逃しましたが。
  今回の新書が
  新しいシリーズになるかどうかわかりませんが
  連載雑誌に書き溜めている作品も多いから
  続編あたりは出るかもしれません。
  中野京子さんの本を手掛かりにして
  絵画美術に親しむのも
  いいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ちょっと贅沢な気分になってみませんか                   

 芸術というのは、美術にしろ音楽にしろ文学にしろ、それがなくても生きていくのに支障はない。
 それでも、もしそれらがなければ人生はまったく違う景色になるだろう。
 多くの人はそのことを知っている。だから。展覧会や音楽会に足を運ぶし、本屋さんの棚を眺める。
 総合誌「文藝春秋」は総合誌と呼ばれるだけあって、政治や経済、社会に芸能、実にさまざまなジャンルの情報を提供している。
 もちろん、芸術もそうで、この本の初出は「文藝春秋」に掲載されている「中野京子の名画が語る西洋史」。
 最近は印刷技術も進んでいて、雑誌連載もカラーページである。

 この連載も贅沢で、すでに7年も連載していて、本になる予定もなかったようだ。
 そのため、出版化にあたってはその中から厳選した26作が紹介され、作品ごとの導入部分では作品の一部分を拡大掲載する方法は雑誌掲載と同じだが、文章は初出時よりも3、4倍増やしているという。
 それに合わせて「欲望」というくくりで章立てされ、書名もそれに合わせた形となっている。

 紹介されている作品はブリューゲルの「子どもの遊び」やアングルの「グランド・オダリスク」、フェルメールの「真珠の首飾りの女」など有名な絵画もあるが、レーピンの「ヴォルガの船曳き」など初めて目にする絵画もあった。
 なかでもあのドストエフスキーが46歳の時何度も通いつめたという挿話が紹介されているラファエロの「サン・シストの聖母」はよかった。
 もちろん、この作品を知らなくても人生に支障はないが、やはりちょっとは得をした気分になれる。
  
(2020/01/21 投稿)

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  今日紹介する
  中野京子さんの
  『中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない』の
  表紙を見て
  びっくりしました。
  12月15日まで
  東京・上野の東京都美術館で開催されている
  「コートールド美術館展 魅惑の印象派」の
  目玉作品でもある
  マネの「フォリー・ベルジェールのバー」では
  ないですか。
  絵画鑑賞前にこの本を読むか、
  鑑賞後に読むか。
  どちらでもいいですが
  とりあえずは会期が迫っているので
  急ぎましょう。
  まずは、本物を。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  逃れられないのは、私?                   

 美術展の開催スケジュールはどのように決まるのだろうか。
 作家でドイツ文学者、というより「怖い絵」シリーズや「名画の謎」シリーズなどで、今では絵画エッセイストの方が有名かもしれない中野京子さんが「オール讀物」で連載している「運命の絵」シリーズの2巻めにあたるこの本の表紙は一人の少女である。
 少し憂いを含んだ、しかしどこかしらつまらなさそうに見える少女を描いたこの絵は、印象派の先人としてのマネの最晩年の傑作といわれる「フォリー・ベルジェールのバー」である。
 この絵画が所有しているコートールド美術館の至宝の展覧会が、2019年秋から日本で鑑賞できるのだ。
 中野さんには開催の予定がわかっていたのだろうか。
 せっかくの名画なのだから、その絵にまつわる多くの情報を手にいれている方がいいだろう。
 実際展覧会の会場では、この絵を前にして多くの人がその不思議な世界観に魅了されていたのだから。

 この絵に限ったものではない。
 中野さんは他の作品の文章でこんな風に記している。
 「絵画美術は現実そのままの切り取りではないのだから、訴えたい主題を強調するための工夫が必要だ」。
 だとしたら、この「フォリー・ベルジェールのバー」でマネが訴えたかったのは何だろう。
 それこそ、運命なのかもしれない。

 この本に付けられた「もう逃れられない」というのは、画家そのものなのか、あるいはモデルなのか、それとも絵画を観る私たちなのか。
 ここにはそんな絵画17作品が紹介されている。
  
(2019/12/13 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  東京・上野にある東京都美術館で開催されている
  「コートールド美術館展 魅惑の印象派」展のことを
  書きましたが、
  その日今日紹介するこの本を
  予習のように読んでいました。
  それが原田マハさんの
  『原田マハの印象派物語』です。
  巻末にある対談に
  こんな言葉が出てきます。

    人生でただ一度しかない展覧会

  展覧会は一期一会だとありました。
  つまり
  展覧会というのは絵の配置にしろ
  会場の設営にしろ
  その展覧会でしかないものだというのです。
  そういわれれば
  確かにそう。
  そのたった一度の展覧会だからこそ
  名画たちもまたそれ以上に
  輝くのでしょう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いい展覧会を見終わったあとのような                   

 「とんぼの本」は、1983年に創刊された新潮社のビジュアルブックのシリーズの総称です。
 とんぼの特性のように、軽やかで幅広い視野をもった本でありたい、という思いから名づけられたといいます。
 ビジュアルブックですから写真図版が多用され、しかも写真集のように奇麗です。
 重厚感はありませんが、さまざまなジャンルの入門的な役割を果たしています。

 そんなシリーズの一冊として刊行されたこの本は、タイトルでもわかるように、今やアート小説の第一人者でしかも多くのファンをもつ原田マハさんが印象派絵画の魅力を美しい作品図版とともに綴ったものです。
 しかも単なる解説ではなく、原田マハさんによる印象派7人の画家たちのショートストーリーが添えられています。
 ビジュアルブックだけれど、短編集としても楽しめるようになっています。

 印象派7人の画家。
 モネ、マネ、ドガ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、そしてゴッホ。
 ある画家はまだ芽が出るまでの姿を、ある画家は死の直前に絵筆を持つ姿を、ある画家はその妻の視線から、ある画家は自分は正気であるという姿を。
 中でも、あまり知られていないカイユボットはその絵とともに魅力を感じました。
 現在では画家というよりも貧しかった印象派の画家たちを支援し続けたパトロン的な存在ながらも、その絵の構図は思わずハッとさせられる。

 巻末には原田マハさんと三菱一号館美術館館長である高橋明也氏との対談もおさめられています。
 いい展覧会を見終わったあとのような、極上の一冊です。
  
(2019/11/20 投稿)

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