プレゼント 書評こぼれ話

  関西の人にとって
  桂枝雀の落語ほど印象に残る笑いはないのでは
  ないか。
  ある時期単身赴任をしていた頃
  桂枝雀の落語を録音して
  寝る前に聞いていたことがあった。
  笑い過ぎて
  眠るどころではなかったが。
  そのあたりが私の落語ブームの第一次、
  そして今が第二次だろうか。
  そこで今日は
  柳家花緑さん監修の
  『やさしい落語』。
  いつか寄席デビューをしたら
  報告したいと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  最近の客はやりづらくってしょうがないや                   

 今私の中では人生何度めかの「落語ブーム」を向かえています。
 きっかけはこの春からNHKEテレで始まった「超入門!落語THE MOVIE」で、この番組は落語家の噺にあわせて俳優たちがアテフリを行うというもの。落語の鑑賞としては邪道でしょうが、噺も情景もわかりやすいので入門編として楽しんでいる。
 もうひとつ、こちらもNHKEテレの「日本の話芸」。こちらでは30分じっくり落語を楽しめる本格派。
 そして、手にしたのがこの本。しかも「マンガで教養」とあるくらいだから、きっとわかりやすいんだろうと思った次第。

 これが期待以上によかった。
 全編マンガかと思いきやマンガの部分は落語家志願の青年の修行生活を描いているだけで、その他はきちんと文字で書かれています。
 それが「定番落語演目紹介45」(読み応え十分でいい)であったり「落語界のレジェンドたち」であったり「今、面白い落語家30」であったりと、まるで落語の参考書のような一冊なのです。
 まさか参考書を持って寄席に行くことはできないでしょうが、寄席に行く前の予習、噺を聞き終わってからの復習にぴったし。
 いやあ、最近の客はやりづらくってしょうがないや、というぼやきが聞こえてきそうだが、

 そしてなんといっても寄席に足をはこぶためのガイド本にもなっている。
 市民寄席など最近では多く開催されているが、一度寄席の雰囲気を味わいたいと考えている人には欠かせない。

 それでは、おあとがよろしいようで。
  
(2017/05/23 投稿)

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  年をとってくると
  最近太ったね、よりも
  お、痩せたんじゃない、は
  危険な言葉のような気がする。
  云われた方も
  なんだかビクッとして
  そうかな、そんなに変わんないだけどと言ったり
  ジムに通ったりしてるからなんて言い訳めいたことを
  言ったりする。
  あとで、こっそりあいつ大丈夫かなんて
  言われてなんかいないか。
  そういうデリケートな年頃なんだぞ、
  60歳を過ぎると。
  そこで明るく、
  東海林さだおさんのように言わないと。
  ガンになっちゃったって。
  『ガン入院オロオロ日記』。
  面白いですぞ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ガン見舞いはむづかしい                   

 ガンの人をお見舞いというのはむづかしい。
 なんか顔に「あとどれくらいの命なんですか」みたいな表情が出るのではないか、もしその人がガンの告知を受けていなかったら、「ガン」なんて言葉は使えない。
 昨日の晩ごはんは「がんもどき」なんて絶対言えない。昔見た「さすらいのガンマン」も言えない。「ガンばって」もあぶない。
 そうなのだ、ガンの人を見舞うのは難しいのだ。

 ところがこの本、あの東海林さだおさんが自ら「ガン」であることをカミングアウト、しかも人生初の長期(40日は長いかという問題はあるが)入院を少し(というか、かなり)誇らしげに綴ったエッセイをメインに(書名にもなっているからメインなんだけど、17篇あるエッセイや対談の3篇をもってメインと呼んでいいのかと思わないでもないが)なっているエッセイ集。
 まあ入院といっても3篇なんだから、あんまりやばい話に踏み込んでも困るので、話を変えると、やはり東海林さんは食べ物のエッセイが面白く、この本では「粉もん」とか「ミリメシ(ミリタリーメシということらしい)」とか「肉フェス」突撃レポートとか蕎麦街道の旅とか、がやはり面白い。

 この本は雑誌「オール讀物」に連載されている「男の分別学」の2014年4月号から2016年4月号までをまとめたもので、そうなると食べ物の話も入院の話も「男の分別」の範疇になるのであって、男子たるもの一度は長期入院で治験を高める必要もあるようだ。
 残念ながら健康という人は、この本でお腹の皮をねじってみてはどうだろう。
  
(2017/05/12 投稿)

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  今日は憲法記念日
  今年は施行から70年にあたります。
  先日ニュースをみていると
  憲法改正に賛成の人が
  反対の人より多いということを報じていました。
  日本国憲法は
  平和憲法といわれる
  第9条の戦争放棄がうたわれていて
  そのことに対する思いは
  今でも強いですが
  それでも改正派の方が多いということを
  受けとめる必要が
  あるかもしれません。
  今日は
  清水潔さんの『殺人犯はそこにいる』という
  ノンフィクションを紹介しますが
  この中に描かれている冤罪だって
  基本的人権を著しく阻害するものです。
  それがこの憲法下で
  行われていたのですから
  ぞっとします。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この作品こそ「文庫X」の正体だ!                   

 昨年(2016年)本屋さんで話題となった一冊の文庫がある。
 著者名どころか書名まで伏せられて「文庫X」。
 カバーにはびっしりとこの文庫を薦める書店員の熱いメッセージが書かれている。
 初めてこの文庫を書店で手にした人は驚いたにちがいない。
 一体この文庫には何が隠されているのだ?
 その正体こそ、この本、報道記者清水潔氏が書いたノンフィクション作品だった。(すでに「文庫X」の正体は公になっているのでここまで書いても大丈夫)

 この作品が「文庫X」として隠されていたと書いたが、実はここで描かれた犯罪もまた警察や司法の手によって隠されてきたといえる。
 「隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」と副題にある通り、この作品では1979年から1996年の間に栃木県足利市と群馬県太田市という隣接する場所で起こった幼い女の子の誘拐殺人犯を追跡している。
 中でも、1990年に起こった足利事件では冤罪事件として社会に激震が走ることになる。
 著者の清水氏は5つの事件の類似性から、ただ一つ犯人が検挙された足利事件に不審を持って、冤罪立証にも力を発揮していく。
 清水氏は刑事でも探偵でもない。報道記者である。
 だからこそ、「小さい声にこそ耳を傾け、大きな声には疑問を持つ。何のために何を報じるべきなのか」を常に考え続けているという。

 この作品は冤罪を糾弾することを目的としていない。
 あくまでも真犯人を追い詰めること。もちろん真犯人の名前などは明かされない。暗号のような「ルパン」という名で書かれた犯人が逮捕される時が来るのか。
 悲惨な事件を描きながら、不謹慎とは思いつつ書くならば、読書として面白かったというしかない。
  
(2017/05/03 投稿)

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  今日は先週に続いて
  『ブラタモリ』を紹介します。
  この巻は4で
  松江・出雲・軽井沢・博多/福岡の
  4カ所をぶらっています。
  うれしいことに
  この4カ所とも云ったことがあります。
  ただ福岡は
  まったく仕事でしたから
  ほとんど観光してません。
  よかったのは
  やはり出雲かな。
  あそこは大昔から名所と思っていたのですが
  そうでもなかったようです。
  ブラタモリで知りました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  街は人びとの発想で成長する                   

 NHKの人気番組が書籍化され、この巻はその第4弾。
 そもそもこの番組を知らない人もいるだろうから簡単に説明すると、タモリとNHKの女子アナウンサー(この巻に収められた放送でいうと桑子真帆アナウンサー)が与えられたお題を解明するべく、その土地をブラリと歩くというもの。
 旅番組に括られるのかもしれないが、単に観光地を歩くとか名産品を食べ歩くとも少し違う。
 この巻では四つの街が紹介されているが、街それぞれお題が違う。

 松江は「国宝松江城の城下町はどうつくられた?」、出雲は「出雲はなぜ日本有数の観光地になった?」、軽井沢は「軽井沢はなぜ日本一の避暑地になった!?」と「軽井沢への道 人はどう「峠」を越えてきた?」。
 そして、福岡と博多は「博多誕生のカギは「高低差」にあり!?」と「福岡発展のカギは「鉄道」にあり!?」である。
 ちなみに福岡と博多であるが、この本を読むまで博多は福岡の古称ぐらいに思っていたが、もちろんこれは大きな間違いで、中洲をはさんで博多は中世以降の商人の街、一方福岡は黒田長政が開いた城下町ということだ。
 ガッテン!

 私たちは現代の街の姿しか知らないので、例えば出雲であればずっと観光地のように思っていたりするが、実際にはそうではなくて今に至るまでの街の人たちの発想と苦労がたくさんあったということだ。
 もちろんそれは出雲だけでなく軽井沢もそうだし、今では大都市である福岡や博多もそうだ。
 そういう視点から街を歩くのも楽しいではないか。
  
(2017/02/25 投稿)

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  昨日
  和田誠さんの『Book Covers in Wadaland 和田誠装丁集』を
  紹介したので
  今日は安西水丸さんの装幀本を
  見ていきたいと思います。
  安西水丸装幀作品研究会が書いた
  『安西水丸さん、デザインを教えてください!』。
  教えてといっても
  安西水丸さんは2014年に亡くなっていますから
  残された作品から
  私たちが自分で勉強していかないと
  いけません。
  デザインを勉強している人にとっては
  和田誠さんとか
  安西水丸さんとかは
  まさに神みたいなイラストレーターなんでしょうね。
  デザイン志向でない私にとっても
  二人は神なんですもの。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  安西水丸さんのイラストが好きだ                   

 2014年3月19日に亡くなった安西水丸さんのイラストが好きだ。
 水丸さんの先輩で友人でライバルでもある和田誠さんのイラストも好きだが、和田さんのタッチとは違う都会的なセンスを感じる。
 和田さんもたくさんの装丁をつくっているが、水丸さんも数々の装幀をこしらえてきた。
 ちなみに装幀という漢字であるが、和田さんは装丁にこだわってきた。『装丁物語』という著作もあるぐらい。
 水丸さんはどうであったか知らないが、ここでは「安西水丸装幀作品研究会」とあるので、装幀としておく。

 この本は水丸さんの装幀作品を見ながら、デザインとしてどこがすごいのかをアートディレクターの水口克夫さんと新人デザイナーのオザキエミさんが掛け合いながら解いていく仕掛けになっている。
 テーマは8つ。「キャンパス」「構図」「モチーフ」「線」「色」「文字」「視点」「顔」。
 デザインと言われても、読む方がその世界に疎いのだから、「ふむふむ」とお二人の話を聞いているしかないが、しばしば出てくる言葉が「神装幀」。
 そんな「神装幀」のひとつが、村上春樹さんの『中国行きのスロウ・ボート』。
 「線を使わずに色面だけ独特の世界観を立ち上がらせた」と、水口さんは言う。
 水口さんにとってこの装幀は「宝物」でもあるのだ。

 この本の最後に「水丸さんの本ギャラリー」というページがあって、ここでは200冊近い水丸さんの装幀本がずらりと並ぶ。
 それらを見ながら、つくづく水丸さんが逝ったのは早いと残念でならない。
  
(2017/02/23 投稿)

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