プレゼント 書評こぼれ話

  私はいわゆる「定年関連本」が好きである。
  きっとそんなことを書いたら、
  今日紹介する『定年バカ』の著者
  勢古浩爾さんにバカにされるだろうが、
  放っておいて欲しい。
  いろんな人生を見ているようで
  楽しいではないか。
  この本でいろんなことに文句を言っている
  勢古浩爾さんだが、
  それで何か間違ったとしても
  「それはしかたがない。自分で選んだことである」と
  いさぎよい。
  この本を読んだのも
  自分で選んだこと。
  だから、文句を言っては
  申し訳ない。
  いっぱい言ったけど。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  突然性格が変わり出したら要注意                   

 年をとると、性格が変わる人がいるといいます。
 それまで大人しかった人が攻撃方になったり、その逆もまたあったりして、認知症の予兆とか前兆とかいわれたりしていますが、逆ギレは若者だけでなく老人にもあります。
 2017年、内館牧子さんの『終わった人』や楠木新さんの『定年後』といった、いわゆる「定年関連本」がヒットし、自身すでに『定年後のリアル』という著作もある著者が、きっと優秀な編集者さんの誘いを受けて、バッサバッサと文句の言いたい放題。
 もし、この本の企画がなければ、きっと勢古さんはこれらの本のほとんどは読まなかったのではないだろうか。
 何故なら、興味がないから。
 それが必要に駆られて読むわけで、文句のひとつもふたつも、いやいや全面否定も言いたくなるわけです。
 なんなら自身の『定年後のリアル』もバッサリお斬りなったらいいのに、それはそうで別の話なのでしょう。

 勢古さんが言いたいことは結局「自分の好きにすればよい」ということで、だったら他の書き手がどう書こうと黙っていたらいいものを、そうなれば本として成立しないから、好きにしているところに嘴を突っ込んでいることになる。
 あまり文句を言っていると、勢古さんと同じ兆候になってしまうので、そこまでにするが、
 全9章の中で読み応えのあるのは最後の章ぐらい。
 それと、この本で紹介されている「定年関連本」の評価一覧はうまくまとまっている。
 もっとも、その中にも『定年後のリアル』がないのは、これらの本と比べたくもないということだろうか。
  
(2018/02/10 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今年にはいって
  映画「人生フルーツ」を観て感動し、
  その勢いのまま、
  つばた英子さんとつばたしゅういちさんの本
  『あしたも、こはるびより。』を読み、
  ふと本屋さんで
  先月出た文春文庫の一冊に
  今日紹介する
  『ときをためる暮らし』を見つけた時は
  こんな風にして
  多くのことに引き寄せられていくのだと
  驚くばかりです。
  きっとそのことで
  私は何か大切な時間の過ごし方を
  教えてもらっているに
  ちがいありません。
  それは人生といってもいいのでは
  ないだろうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  寄り添いながら                   

 2012年に自然食通信社という出版社から刊行されたこの本が、文春文庫の一冊として年明け早々出版されたのは、やはり2017年にこの本の語り手であるつばた英子さんとしゅういちさんの暮らしぶりをカメラにおさめたドキュメンタリー映画『人生フルーツ』が評判となったからだろう。
 映画の中でも描かれているが、ご主人のしゅういちさんは2015年6月、90歳で亡くなったが、もちろんこの本ではまだ元気で、自身の若い頃のことや英子さんとの暮らしぶりについて多くを語っている。

 そもそもこの作品は「ききがたり」とあるように、つばたさんたちの暮らしぶりを雑誌で見かけた水野恵美子さんが「これから高齢化していく日本にあって、つばたさんの暮らしぶりを紹介することは意味があるのではないか」と手紙を出したのがきっかけだったそうだ。
 そこから水野さんと写真を担当した落合由利子さんが一年間、深夜バスを乗り継ぎながら、名古屋のつばた家まで何度もなんども通ったという。

 水野さんたちの思いが、つばたさんご夫妻の心を開いていったのでしょう。
 そのせいか、英子さんもしゅういちさんも、かなり踏み込んだ生活の話をしている。特に半田の老舗の造り酒屋に生まれた英子さんの若い時分の生活は恵まれたもので、そういう優雅さがしゅういちさんとの結婚後も場面場面で生かされていったように感じた。
 「りっぱな肩書きを手にする、大きな財産を手にする、そういうことがなくても、人は幸せになれると思っていた」というのはしゅういちさんの言葉だが、それはそういうものをそぎ落としてきた人生ゆえに手にした感慨だろう。
  
(2018/02/08 投稿)

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  今日から2月
  まだまだ寒いですが
  立春までもう少し。
  まさに今が春隣

    叱られて目をつぶる猫春隣     久保田 万太郎

  厳しい冬だから
  余計に春が待ち遠しくなるもの。
  もうすぐですよ、春。
  先日は白根山が噴火して驚きましたが
  両親と草津温泉に遊んで
  白根山に行ったことがあります。
  もう随分前のことです。
  知っているところで
  災害が起こると
  心配の度数もあがります。
  今日は磯田道史さんの
  『天災から日本史を読みなおす』。
  天災は忘れた頃にやってきますから
  気をつけましょう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  人間は現代を生きるために過去をみる                   

 人気の歴史学者磯田道史さんは、小学生の頃から歴史学者になりたかったそうだ。
 だから、若い頃より古文書を読んできたから、その範囲は広い。
 磯田先生の人気が高いのか、その切り口が新鮮ということと文章語り口が爽やかということだと思う。
 一躍その名を高めた『武士の家計簿』も経済がひっ迫していた時代にうってつけの一冊だったといえる。
 そして、この本、タイトルの通り「天災」をキーワードにして古文書を読み解き、これからの防災につなげようという目論見は、初出が2013年から2014年の朝日新聞、つまり2011年に起こった東日本大震災がきっかけとなっている。

 但し、磯田先生はそこから古文書を調べ始めたわけではない。
 この本にも書かれているが、磯田先生のお母さまが2歳の時、徳島県で津波に襲われた体験をしている。そのことが磯田先生のDNAにも受け継がれていて、その時の事績だけでなく、多くの災害の歴史を調べる動機となったようだ。
 つまり、「過去の「災い」の記録をひもといて、今を生きる人々の安全のために参考に供する」ということである。
 しかも、磯田先生の場合、その文章が難しくなく、誰にも(おそらくこのは小学生でも読むことは可能だろう)読めるようになっている。
 興味をもつことで、災害への備えができるということで、この本の存在意義は大きい。

 「人間は現代を生きるために過去をみる。」
 これは本書の「まえがき」にある磯田先生の一文だが、そう考えると、歴史は面白いし、歴史は人間に欠かせられない。
  
(2018/02/01 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日「人生フルーツ」という
  映画の話を書きましたが
  その映画を見終わった
  本になっていないだろうかと
  図書館の所蔵検索をしたら
  なんと
  何冊も出てくるではありませんか。
  夫の名が津端修一さん。
  妻の名が津端英子(ひでこ)さん。
  しかも
  たくさんの人が予約をされていて
  二人の本が
  とっても有名で
  しかも人気が高いのを
  知りました。
  うかつでした。
  さっそく手に入れたのが
  今日紹介する
  『あしたも、こはるびより。』。
  とっても
  いい本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  老夫婦からもらった、おすそわけ                   

 スローライフという暮らし方がある。
 効率やスピードを重視するのではなく、のんびり、ゆっくりした暮らしの中で人生を楽しむという生き方だ。
 ただのんびりやゆっくりはだらだらとは違う。あるいは、何をしたらいいかわからないというのでもない。
 もっとはっきりとそういう暮らし方がベストだという、生き方の選択のような気がする。
 だから、効率を重視する人がいても、声高に批判することもないだろう。
 あくせくする人がいても、とがめはしない。
 それぞれが、そういう生き方を選んだというだけだ。

 一組の夫婦がいた。
 かつて夫は自身の仕事で愛知県のニュータウンの開発に携わった。
 それは高度成長期の猛烈な勢いで進んでいった。
 夫はその近くに小さな平屋の家を建てた。
 夫婦はそこに木を植え、畑を耕した。そうして出来たのは、200坪のキッチンガーデンと30坪の雑木林。
 そこで野菜70種、果実50種を栽培するという。
 もちろん、はる。なつ。あき。ふゆ。一年かけて。
 夫婦の名は、つばた英子さん。つばたしゅういちさん。
 この本が刊行された2011年ではしゅういちさん86歳、英子さん83歳であった。

 二人の間には「お互い、何ごとをも強要しない」という暗黙の了解がある。
 それはたぶん、二人の間だけでなく、他者との関わりでもそうだろう。
 二人は家で採れた野菜や果実を子や孫に送り届ける。知人にもそうだ。しかし、それは強要ではない。
 おすそわけ。
 そういう二人の生き方、暮らし方に教えられることは多い。
 いえいえ、二人はそのことさえ強要しているわけではない。
  
(2018/01/17 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  千尾将さんの『24時間利用法』という本を
  紹介しますが
  この本はなんと昭和48年(1973年)の児童書なんです。
  だから、
  書影のあるデータがなかったので
  写真にしました。
  どうしてこんな昔の本を今さらと
  思われるでしょうが
  実はこの本昨年だったと思いますが
  結構前、
  日本経済新聞の夕刊で紹介されていたんです。
  そこで
  図書館の出番です。
  ちゃんと所有されていました。
  読んでみてびっくり。
  とてもきちんと時間について
  書かれていました。
  もちろん、半世紀近い昔の本ですから
  相当に古いのですが
  今でもりっぱに時間管理の一冊として
  読めますよ。

  じゃあ、読もう。

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  sai.wingpen  24時間戦わなくてもいいんだよ                   

 栄養ドリンクのCM「24時間戦えますか」は1980年代後半から90年代前半にかけて巷間に広まったことで記憶に残っている。
 今なら非常識といわれること間違いないが、当時それが当たり前のように叫ばれた。
 それとよく似たタイトルのこの本は児童向けに書かれた「ポプラ・ブックス」というシリーズの一冊で、奧付を見ると昭和48年(1973年)1月発行とある。
 私が読んだのは1984年の9刷のもので、結構売れたようである。
 まさにあのCMでお父さんたちを奮い立たせ、子どもたちにも24時間をめいっぱいガンバレと鼓舞する。
 すごい時代だったものだ。

 著者の千尾将(ちおまさる)氏はこの本の略歴によれば「日本でいちはやく「動作・時間研究」を手がけ、経営評論家として活躍」とある。
 ウィキペディアで調べると、本名大坪檀で、1929年生まれでまだご健在のようである。ブリヂストンで重責をこなされたあと学校関係に多く関係している。
 ビジネス本や自己啓発本など多くの著作を上梓されている。

 この本の中ではまだ電卓が「卓上小型電子計算機」と表記されているぐらいだから、さすがの著者もコンピューターやスマホが子どもたちにまで普及するとは想像もしていなかっただろう。
 けれど、ここの書かれている時間に対する考え方は今でも十分使えるし、正しい時間の使い方を知っていれば「24時間戦えますか」なんていうこともなかったかもしれない。
 何故なら、千尾氏は「時間を有効に使用することによって生じた余裕時間を、より豊かな人間生活のためについやそう」と記している。
 どこで私たちは間違ったのだろう。
  
(2018/01/12 投稿)

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