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 清掃というのは、単にホウキや雑巾を動かすことではない。
 きれいにすること。その一点である。
 よく日本は世界でも有数の清潔な国と評されるが、
 中でも羽田空港は「世界一清潔な空港」といわれる。
 そこに「日本一の清掃員」がいて、NHKの番組でも取り上げられた。
 その人こそ、この『世界一清潔な空港の清掃人』の著者新津春子さんだ。

  

 この本は2015年に出版され、2023年7月に文庫化された。
 文庫版では巻頭に「文庫化によせて」という新たな文章がついているが、
 この一文「座っていれは、何も見つからないんですよ」がいい。
 というのも、最初の出版から文庫化される間に
 羽田空港もコロナ禍で激変したからだ。
 ほとんど人が歩いていない空港ロビーの様子など
 ニュース映像で見た人も多いはす。
 そんな状況下で、新津さんはどう思ったか。
 「この状況は変えられない。だったらこの時間を使って、
 今までできていなかったところをきれいにしよう、って。

 この本には新津さんの教えがたくさん紹介されていますが、
 要はどんな時であっても、前を向くことが大事。
 「文庫化によせて」の一文のおわり近くにこうある。
 「どうしよう、どうしよう、と言ってても、誰も助けてくれないんですよ。
 自分で行動しないと。
 多くの示唆に富んだこの本は、できれば文庫本で読むのがいい。

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プレゼント 書評こぼれ話

  朝日新聞の書評欄は毎週土曜日掲載で
  今日紹介する
  スティーヴン・ガイズさんの
  『小さな習慣』は
  5月21日の書評欄の「つんどく本を開く」というコラムで
  早稲田大学の都甲幸治先生が紹介していました。
  私もいろんなことが長続きしません。
  特に英語の学習については
  毎年始めては挫折の繰り返し。
  そして、今年始めたのが
  中学生1年レベルの基礎英語。
  還暦を過ぎて
  いまさら中学1年の基礎英語かと
  笑われようとかまいません。
  今日で5月もおしまい。
  なんとか続いています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  小さいことはいいことだ!                   

 昔は「三日坊主」といえば、日記がその代表格でした。
 今は「ダイエット」とか「筋トレ」とか「英会話の学習」あたりでしょうか。
 何故続かないかと自問すること何十年、多くの人は自分の心の弱さとか飽きっぽいとかを言い訳にします。
 では、一層、目標を小さくしたらどうでしょう、というのが、この本。
 2017年に出て、ベストセラーになった本ですが、今でも評価は高い。

 何しろこの本の著者も、もともとは何をやっても続いたためしがなかった。ところが、目標を「腕立て伏せ1回チャレンジ」にしたら、いつの間にかそれが習慣になったどころか、自然と腕立て伏せの回数も多くなっていたという。
 つまり、(以下、本書ではゴチックで書かれている)「小さな習慣とは。毎日これだけはやると決めて必ず実行する、本当にちょっとしたポジティブな行動」ということだ。

 本にはちょっと難しい「人間の脳の働き」などについても書かれているが、先を急ぐ人はそのあたりはどんどん飛ばしても構わない。
 特に重要なのは、第7章の「「小さな習慣」を失敗させない8つのルール」あたりだろうか。
 そこにある「ステップが小さすぎるとは決して考えない」は、「小さい」に加えて「簡単」すぎることを馬鹿にしないことを説明している。
 そして、著者はいう。(以下、ここのゴチックで書かれている)「人生の最強のツールとなるのは継続する力」だと。
 継続できない人にとっては、振り出しにもどったようでもあるが。
  
(2022/05/31 投稿)

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  半年ほど前になりますが
  木俣正剛さんの『文春の流儀』という本を
  読みました。
  木俣正剛さんというのは
  かつての「週刊文春」の編集長だった人で
  今日紹介するのは
  「週刊現代」の元編集長だった
  元木昌彦さんが書いた
  『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』。
  さすがに
  お二人とも激戦の週刊誌の世界を生き抜いた戦士と
  いえます。
  かつて週刊誌が元気だった時代を
  振り返るには最適な2冊。
  読み比べるのも面白いかも。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あのニュースの裏側にいたものたち                   

 4大週刊誌と呼ばれるのが「週刊文春」「週刊新潮」「週刊現代」「週刊ポスト」であるが、先の2誌とあとの2誌はだいぶ肌合いが違う。
 特に「週刊現代」と「週刊ポスト」はかつてヌードグラビアやセックス記事で多くの男性読者を引き付けていたが、最近では老後の暮らしノウハウのような記事が続く。
 それが2誌ともなのが気になるところだ。

 週刊誌はかつて多くの読者をもっていたが、雑誌の売上げの凋落とともにその黄金期はとっくに過ぎたのかもしれない。
 本書の著者元木昌彦氏は副題にあるようにかつて「講談社・雑誌編集者」だった。
 しかも講談社の「週刊現代」の編集長を1992年から1997年にわたって務めた剛腕編集長だった。
 時代の勢いもあっただろうが、元木氏が編集長だった時期の平均実売率は82%だったというから、多くの読者をひきつけていたことが間違いない。
 そんな元木氏が講談社という出版社に入社し、写真誌「フライデー」の編集長、「週刊現代」の編集長という要職を歩きながら、役員になることもなく、子会社へ出向、そして定年。そのあともジャーナリズムの世界で生きる、そんな半生を綴った一冊である。
 「スクープのためなら刑務所の塀の内側に落ちても悔いはない」、そう語る元木氏だからこそ、面白い紙面づくりができたのだろう。

 今では当たり前のように使われる「ヘア・ヌード」という言葉も元木氏が編集長時代に生まれたという。
 そんな裏話が面白い、回想記でもある。
  
(2021/12/03 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  元「週刊文春」「文藝春秋」の編集長だった
  木俣正剛さんが書いた
  『文春の流儀』という本を紹介します。
  この本は書評にも書きましたが
  木俣正剛さんの仕事史のようなものですが
  あちらこちらに
  やはり若い人たちへのメッセージがはいっています。
  そのうちのひとつ。

    日本人全体が物分かりのいい国民になってしまったあげく、
    どんよりした閉塞感に満ちた国になってしまったような気がします。

  木俣正剛さんは昭和30年生まれで
  私と同い年。
  だからなのか
  この言葉よくわかります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  仕事を辞めたら自身の仕事史を書いてみよう                   

 人生100年時代といわれ、さらには少子化による労働人口の低下もあり、この4月から「高年齢者雇用安定法」が施行されました。
 これによって、企業は定年を70歳まで引き上げたり、70歳までの継続雇用制度の導入が求められます。
 働く側からすれば、多くの人はこれによって半世紀近い歳月を企業内で過ごすことになります。
 つまりは、人生のほとんどということになります。
 かつて定年退職した人たちが、それまでの自身の半生を省みて「自分史」を綴ることが流行りましたが、これからは自身の職務経歴を文章で残す人が増えてくるかもしれません。

 出版社の文藝春秋一筋、「週刊文春」や「文藝春秋」の編集長を務め、常務取締役を最後に退社した木俣正剛さんが書いたこの本も、そういう点では自身の仕事史を綴った著作です。
 読み手の興味を引くのは、文春砲と呼ばれる週刊誌であったり芥川賞直木賞の選考会の司会といった、あまり普通の人が体験しない仕事のことが綴られているからです。
 出版業界の人の仕事史は、裏話がふんだんにあって面白いのも事実で、この本にも松本清張さんの話とかオウム事件のような世間を驚かせた大きな事件の裏事情が書かれていて、それは週刊誌の面白さに似ています。

 最後には後輩社員たちへのエールや文藝春秋への応援が記されているのも、長年そこで仕事をされてきた人だからこそ書ける思いではないでしょうか。
  
(2021/06/17 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  柳澤健さんの『2016年の週刊文春』という本を
  紹介しましたが
  その中でスポットがあたっていたのが
  2016年当時の「週刊文春」の編集長だった
  新谷学さん。
  その年には誰もが注目するスクープ連発だったので
  編集長の新谷学さんも脚光があたりました。
  そこで、出版されたのが
  『「週刊文春」編集長の仕事術』。
  今日は昨日の続きの気分で
  新谷学さんの本を
  再録書評で紹介します。
  でも、ニュースのスピードがあまりに早すぎて
  2017年に何があったか
  ちっとも思い出せないのは
  困ったものです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  スクープ記事だけではありません                   

 週刊誌の新聞広告なり吊り広告を見るのは楽しい。
 広告だけで仲間内の話が盛り上がったりするくらい面白い。
 特に「文春砲」とまで言われる「週刊文春」と「週刊新潮」。
 発売日によって両誌の広告が並ぶと、「文春」頑張ってるな、「新潮」やるなと、つい比べてしまう。
 「週刊文春」の場合、右側の大見出しを「右トップ」、左側を「左トップ」と呼んで、右は政治などの硬めの記事、左は芸能などの軟らかめの記事だという。
 それがわかるだけで、あの広告も見る楽しさが倍増する。

 これだけで「週刊文春」の編集長が書いた本を読んだ価値がありそうだが、滅相もない。
 この本はタイトルに「仕事術」とあるとおり、仕事に向かうモチーベーションとか組織のあり方、何よりもリーダー論として優れた一冊になっている。
 だから、単に「週刊文春」のスクープ記事がどのように生まれているのかといった下世話な本ではなく、純粋に良質なビジネス本として読むことをオススメする。

 なかにこんな一文がある。
 「自分に異論を言う人に冷たく当たるのは絶対にダメだ」。
 まさか今の政治リーダーの言論を見越して書かれていた訳ではないだろうが、まさにここに書かれているそのことが国民にそっぽを向かれることになっている。
 リーダーとしての権力が停滞するとどうしてもそうなる。
 もちろん、これは政治だけの話ではない。大企業の不祥事の多くも同じような構造で起きているように思う。

 就活中の人たちにも読んでもらいたい一冊であることを書き加えておく。
  
(2017/07/21 投稿)

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