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本 昨日の約束とおり、今日もクリスマスの本について書きます。
 そのまえに。映画の話を少し。
 映画の世界でもクリスマスの名画がたくさんあって、
 私のオススメは『素晴らしき哉、人生!』(1946年、フランク・キャプラ監督)です。

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(2002/08/25)
ジェームズ・スチュアートドナ・リード

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 この映画は今でもアメリカでは人気があって、クリスマスには一家で観る人が多い
 とか聞いたことがありますが、本当かしら。

 この映画ではジェームズ・ステュワート演じる青年実業家が資金に詰まって絶望して
 迎えるクリスマスの夜が最大の見せ場になっています。
 そんな彼を二級天使が励まし、救うっていうお話。

 生きているって素晴らしいんだって、いう、もう題名そのものの人生賛歌です。
 そういう映画をクリスマスの夜に観るのも素敵ですよね。

本 では、今日の本。
 トルーマン・カポーティの『あるクリスマス』。
 村上春樹さんの訳、山本容子さんの銅版画の挿絵という、おしゃれな本です。

あるクリスマスあるクリスマス
(1989/12)
トールマン カポーティ山本 容子

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sai.wingpen  最後に見る夢                     

 ときどき内容を的確に表現した本の帯に出合うが、これもそのひとつ。
 帯にこう書いている。
 <『あるクリスマス』の前年、トルーマン・カポーティは父を失っている。触れあうことの少ない父子だった。カポーティ自身、すでに酒とクスリに蝕まれていた。この作品の翌々年、彼はこの世を去る。最後にみる夢、だったのかもしれない>
 これはカポーティの少年時代の、別れていた父と暮らすクリスマスの話なのだが、父は少年にサンタクロースなんていないと告げる。
 それはある意味で、父にとって必要な宣言だったかもしれない。
 しかし、少年の心は痛む。
 それは、成長した大人の自分が、少年の日の自分を悲しんでいる構図だ。
 大人になるということは、そんな風なものかもしれない。
 少年は父と別れ、愛しいおばさんに聞く、サンタって本当にいるのって。
 「もちろんサンタクロースはいるのよ。でもひとりきりじゃとても仕事が片づかないから、主は私たちみんなにちょっとずつ仕事をおわけになってらっしゃるのよ。だからみんがサンタクロースになっているの」
 大人とは何だろうか。サンタなんていないと云わざるをえない存在であり、サンタを夢みていた少年の自分をいとおしむ存在なのだ。
 なんて哀しいんだろう、大人って。
 
(1989/12/19)

プレゼント 書評こぼれ話
  これも古い「読書ノート」からの蔵出し の一冊です。
  もう二〇年近い前のノートからです。
  すごいな。
  この本は本当に素敵な本のですが、文庫本にはなっていません。
  残念ですが。