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01/04/2009    書評:数学のおさらい
プレゼント 書評こぼれ話
  
  「数学」というのは子供の頃から苦手というか、
  嫌いでした。
  予備校のテストで全く解けなくて、あれで完全自信喪失というか
  「数学」的な才能がないことを自覚したことを覚えています。
  まあそれで生きていくことに支障があったかというと、もちろんありませんでしたが、
  案外世界を狭くしたかもしれませんね。
  だから、今でも「数学」が得意な人をみると、尊敬というか、憧れというか、
  そういう気持ちになります。
  小川洋子さんの『博士の愛した数式』という作品も
  もしかして「数学」がわかっていれば、
  もっと違う読み方ができたのではないかと今でも思っています。

数学のおさらい (おとなの楽習)数学のおさらい (おとなの楽習)
(2008/05)
土井 里香

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sai.wingpen  数学嫌いなあなたを癒してくれる一冊           矢印 bk1書評ページへ

 このシリーズの惹句は「なんで中学生のときにちゃんと学ばなかったんだろう…」だが、おそらく多くの人がその筆頭にあげるのが「数学」ではないだろうか。だから、大人のための新しい教科書シリーズ「おとなの楽習」の、堂々たる第一冊目。
 反省と後悔と再挑戦の気持ちで読み始めたが、やはり「数学」の壁は頑強であった。
 たぶん「数学」が好きな人にはどうってことのないことが書かれているのだろうが、冒頭から「単項式」とか「次数」とか、「数学」嫌いにはもう渦巻き状態である。

 しかし、もう私はこどもではない。
 解けなくても、理解不能でも、どんどん進むことができる。
 「通分」「約分」の森を抜け、「素数」の風をよけ、「二次方程式」の谷を渡る。そして、巻末の「おわりに」という湖にいたる。
 ここは穏やかな場所。もう数式はない。
 著者の土井里香さん(今回も著者のことを調べた。学生時代に数学を勉強されているようだが、やはり詳しい略歴は出版社できちんとフォローしてもらいたいという注文は以前同シリーズの書評でも書いたとおり)もこう書いている。
 「数学の解答は、あくまでも解答例です。命にかかわったり人を傷つけることにつながらなければ、正解にたどり着けなくても自分を責める必要はありません。そこに至るまでにどんなふうに考えたかということこそ、数学の本質なのです。正解は後からついてくるおまけです」(155頁)。
 「おまけ」というのが実にいい。

 「数学」嫌いな人でも、めげない一冊である。
 「なんでおとなになってもちゃんと学べないんだろう…」という反省つきではあるが。
  
(2009/01/04 投稿)