03/05/2009 書評:歳時記のある暮らし

今日は「啓蟄」です。
二十四節気のひとつであることは、今回の書評に書いたとおりです。
冬のあいだ土の下で眠っていた虫たちが、
春の気配を感じて地上に出てくる、そんな言葉ですね。
「啓」というのは「開く」という意味だそうです。
啓蟄の雲にしたがふ一日かな
俳人加藤楸邨の句です。
でも、今年はちょっと色合いが違うかもしれませんね。
地上に出てきた虫たちは、すっかり景気が低迷した世の中を見て
びっくりしてしまうかもしれません。
こんなはずじゃあなかった。
もう一度土の中にもぐりこみたくなるかもしれません。
それでは困ります。
やはり、冬の次は、春になる。
だからこそ、がんばれることも多いと思います。
虫たちにも頑張ってもらって、春の息吹を共有したいものです。
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この本は「歳時記」そのものでもありませんし、「和の暮らし術」そのものでもありません。どちらも寸足らずです。
それでいて、懐かしいような、手元に置いておきたくなるような、そんな温かい本なのです。
こんな本がそばにあって、冬から春への変わり目の、ぽかりとした暖かな陽だまりでゆっくり暮らせたらいいでしょうね。
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