03/15/2009 書評:心と響き合う読書案内

ブログの中で、ここ何回か、丸谷才一さんの本をテキストにしながら、
「書評とは何だろう」って考えてきました。
そんな時に、偶然読んだのが、今回紹介しました小川洋子さんの
『心と響き合う読書案内』という本でした。
この本で紹介されている52篇は、それぞれが字数にして、
おおよそ3500文字くらい。
ちゃんと数えましたよ。
それだけの分量は書評としては長いでしょうね。
読む方とすれば、著者の略歴とかちょっとしたエピソードとかも
はいって楽しめますが、
書く方としては、しんどい分量かもしれません。
そして、読みながら、考えていたのは、
もし、この文章を1000文字程度にするなら、
つまり三分の一ですよね、
どの箇所を削るだろうか、ってことでした。
それでも、人に「読みたい」という思いを伝えきれるか。
書評にも書きましたが、この本は、
読む楽しみとともに、書くことのいいお手本です。
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書評めいたものをずっと書いてきて、いまさらながらに「書評とは何だろう」と思うことがある。それで、子ども向けの「読書感想文の書き方」みたいな本を何冊か読んでみることにした。
それらの本が「まずどんな本を読むか」というようなことから書かれていることに少なからず驚く。
感想を書く以前にどんな本を読んでいいのかわからない。そういうものなんだ、現実は。
これはおとなだって同じかもしれない。そういう人たちに、この本はここが面白いんだよ、ここが感動するんだよ、と教えてあげられるもの、それが書評なのかもしれない。
だから、書評は、道に迷った人たちへの「読書案内」なのだ。
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