03/18/2009 書評:それでも会社を辞めますか?

会社を辞めて9ケ月になります。
夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬になり、
そして春の日差しがさす頃になって、
ようやくむくむくと「また仕事がしたい」と
思うようになりました。
ところが、本書にもあるように、
中高年の再就職はかなり厳しいのが現実です。
まして、このような不況ともなれば、なおさらです。
もし、辞める前に本書を読んでいたら、
辞めるのを躊躇ったかといえば、おそらくそれでも
辞めたと思います。
ただ自分の中では「潔い」と思ったことも、
世間ではなかなかうまく受けとめてもらえないのも
事実です。
あるいは「キャリア」があっても、
それがどれだけ次の会社に合致するかもわかりません。
会社にはしがみつくことが大事です。
しかし、それは居座ることではありません。
きちんと仕事をすることでしがみつくのです。
仕事もしないでしがみつくのは、
その人の人間性の問題だと思います。
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私の経験からいって、中高年(40歳以上)の人は、会社の倒産という不幸な場合以外は、何がなんでも今の仕事を辞めてはいけません。転職で新しいキャリアが生まれることは稀だし、年齢の壁は厚い。今以上のことは望めないと覚悟すべきなのです。
それでも、「今の仕事がどうにも合わない」という人もいるでしょう。精神的に追い詰められているかもしれません。そういう人こそ、「明るい明日」ばかりではないことを知るべきだし、本書に書かれている「厳しい現実」を凝視した方がいい。そのうえで、辞めることを決断しても遅くはありません。
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