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本私の好きな作家たち」の第八回は、 
 ちょっと唐突のような感じもしますが、「倉橋由美子」さんです。

倉橋由美子
本 これには理由があって、実は
 今月号の「文学界」(4月号)で、その倉橋由美子さんの特集を
 しているんですよね。
 題して、「倉橋由美子の魔力」。
 魅力、じゃあなくて、魔力。すごいですよね。
 でも、本当に久しぶりに「文学界」を手にしたというか、開きました。
 一時期毎月買っていたこともあるんですよね。
 なんだか、私の性癖を語るようで恥ずかしいですが。
 でも、仕事を始めて、やっぱり「文学界」じゃないよねって、
 買うこともなくなりました。
 別に「文藝春秋」に鞍替えした訳でもありませんが。
 で、今回久しぶりに手にしたのは、倉橋さんの特集があったからなんですよね。
 倉橋由美子さんの作品をずっと読み続けてきたのではないんですが、
 いつまでも、気にかかる書き手であったことは事実です。

本 今回の「文学界」の特集のメインは、
   「大江と村上」の間を生きた孤高の作家 
 と題された、加藤典洋さん(文芸評論家)と関川夏央さん(作家)、
 それに川上未映子さん(作家)による座談会です。
 加藤さんがご自身の体験として「大江、安部(公房)、倉橋というのが
 新しい小説家の御三家みたいなところがあった
」と書かれていますが、
 私もまったく同じですで。
 地続きというか、必然的に、そういう流れにあったように思います。
 私の場合でいうと、倉橋さんを初めて読んだのが、『パルタイ』でした。
 多分、文春文庫の出始めの頃だと思います。
 その前には、もう大江とか安部は読んでいたように思います。
 でも、ほとんどよくわからなかったというか、
 まったく理解できなかったですね。
 今回の座談会で、川上未映子さんが「『パルタイ』はいわゆる「感動」というものが
 まったくなかったんです。投影も共感もないし、面白かったのかと聞かれても、
 よくわからない
」と話されていますが、これは現代の読み手の感覚でしょうね。
 当時読んだものからいえば、「わからない」からよかった。
 安部公房も同じだと思います。
 高校生程度でわかるはずもない。今でも自信はないですが。

 今回の特集では、北杜夫さんがエッセイを書かれたりしています。
 面白かったのは、元「文学界」の編集者だった豊田健次さんが「パルタイ」誕生という、
 当時25歳だった倉橋由美子さんをゲットする話が面白い。
 芥川賞落選の経緯とか、記録としても貴重じゃないでしょうか。

本 今回蔵出し書評で、倉橋由美子さんが亡くなった時に書いた(2005.07)書評を
 掲載しておきます。
 私の「好きな」理由がおわかりになるかもしれません。

ぼくを探しにぼくを探しに
(1979/04)
シェル・シルヴァスタイン

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sai.wingpen  追悼・倉橋由美子−十八歳のぼくを探しに                矢印 bk1書評ページへ

 作家倉橋由美子さんが六月十日亡くなった。六十九歳だった。
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