05/04/2009 多読術:書評

今回は「本の話」。
松岡正剛さんの『多読術』。
書評の中でも書きましたが、松岡さんといえば
すごい量の本を読まれる人です。
そんな人を「酒豪」に比して「本豪」と書かれています。
そして、「本豪」っていう人は、「やっぱり本が大好き」とも。
確かに「酒豪」と呼ばれる人は、あまり酔わないですよね。
平気な顔をして、ぐいぐいと呑まれる。
あと、みだれない。
なにより美味しそうに呑む。
その点、私なんかは、乱れる、みだれる。
赤くなったり、青くなったり、泣くは、笑うは・・・
最悪はせっかく体内におさめたものを、もう一度世の中に
戻したりなんかして。
やれやれ。
せめて、なりたや、「本豪」に。
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松岡正剛氏の『千夜千冊』全七巻(求龍堂)はすごいとしかいいようのない本だ。偉容でさえある。ぜひ書店なりで現物を見て頂きたいのだが、イメージでいえば、「広辞苑」級の本が七冊並んでいると思っていただきたい。そして、それらがすべて「本の案内」だから、すごい。
あえて「書評」と書かなかったのは、、松岡氏自身が「書評じゃありません」と語っているからで、では何かと問えば、これは氏の「読書法」にも関係するのだが、「旅行感想記」のようなものと答えている。そうであったとしたら、それはそれで果てしもない旅の記録ではあるのだが。
05/03/2009 本田式サバイバル・キャリア術:書評

本田直之さんの講演を聴きに行ったのは、
今年の初めです。(その時のことは講演記録に書いていますので、
未読の方はぜひ)
その時に「今、サバイバルの本を執筆中」と話されていましたが、
それが本作『サバイバル・キャリア術』。
こうして読み終わってみると、けっこうあの講演で
話されていたことがはいっています。
きっと本田さんの頭の中で整理中の状態だったのでしょうね。
その時に紹介されていた、ジョセフ・ケネディ(あのケネディ大統領の父)の
言葉もちゃんと載っています。
When the going gets tough,the tough gets going.
(タフな時代にはタフな奴が伸びていく)
この本でもそうですが、本田さんはけっして難しいことを書いていません。
書評にも書いたように、
あとはどのように実践していくかです。
そうそう。昨日の『ザ・ベストテン』の答えでしたね。
あれは、工藤静香さんの「黄砂に吹かれて」でした。
わかりましたか。
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「私は自分のおかれている立場にたいして、暗い見通ししかもつことができなかった」。
なんだか最近の新聞や雑誌に載ってる失業者の声みたいですが、これはかのロビンソン・クルーソーの言葉です。
ロビンソン・クルーソーといえば難破船から投げ出され絶海の孤島に漂着したものの、見事に生還を果たした「サバイバル」の見本のような人物。そんな彼でも、冒頭の言葉のように弱音を吐いていました。
でも、続けて彼はこう云っています。「どんな悪いことでもそのなかに含まれている良いことを除外して考えてはいけない」と。こういう心の強さがロビンソンの「サバイバル」の基本です。長くなりますが、もう少し続けると「つまり、私は初めから、不慮の事態にどう備えるかということはもちろん、やがて襲ってくる、今後のこと、弾薬が尽きてしまったあとだけでなく健康や体力が衰えてしまったあとのことまで慮っていたのである」とあります。
このように、実は私たちは十八世紀にしてすでに「サバイバル」の方法を手にいれていたのです。
近い例でいえば、バブル崩壊後、たくさんの企業が倒産したはずです。そうして投げ出された人が多くいました。その時、私たちは何を学んだのでしょう。
05/02/2009 ザ・ベストテン:書評

いやぁ、この本、山田修爾さんの『ザ・ベストテン』は、
面白かったですね。
一気に読んでしまいました。
番組ができあがるまでの苦労、番組を作っていくまでの苦心、
歌い手たちの横顔、あの時の中継エピソード、
中島みゆきさんが出演しなかった理由までが、
興味がつきないというか、
ライブ感があるというか、
ひっぱられる本でした。
書評の中でもちょこと触れましたが、
巻末付録の「全603回ベストテンランキング」はあの時代を知る
貴重な資料だと思います。
こっそり書きますと、
第1回(1978年1月19日)の第1位は、
ピンク・レディーの「UFO」でした。
では、ここで問題。
最後、第603回(1989年9月28日)の第1位は、
なんだと思います。
答えは、
・・・・・明日、書きます。
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かつて『ザ・ベストテン』という人気音楽番組があった。
黒柳徹子と久米宏が司会進行役を務め、1978年1月から1989年9月までの約12年間、603回続いた(そのうち久米が司会をしたのは最初の7年間だが、やはり印象としては黒柳・久米の番組であった)。その期間の視聴率がほぼ35~40%だったというから、その人気の高さが窺いしれる(ちなみに最高視聴率は1981年9月17日の41.9%だった)。
あの時代をともにした人なら、久米の甲高い「第○位、中森明菜、セカンドラブ、○○○○点」という声とともに、空港のフライトボードを模した「得点ボード」がパタパタと変わり、画面後方の「ミラーゲート」から歌い手たちが登場する場面を覚えているのではないだろうか。
こうして今振り返ると、自身、この12年間というのは学生から社会人として働きはじめ、結婚をし、子どもが生まれた、考えてみれば、人生の大きな変動期だったことに気づく。
その頃の私の人生は「得点ボード」に何点で表示されるのだろう。そして、番組が終わってから20年、ランクは少しでもあがったのだろうか。
05/01/2009 禁煙セラピー:書評

この『禁煙セラピー』という本との出会いは、
書評にも書きましたが、勝間和代さんの
『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』に紹介されていたからなんですが、
なんで「禁煙」と「時間管理術」が関係するのか、
読んでいる時はなかなかわからなかったのですが、
確かに煙草をやめてみると、結構時間が余るんですよね。
今回の書評は、自分が実験材料みたいになっていますが、
本当は「この本で禁煙できました」と書きたかったですが、
こればっかしはしょうがないですね。
でも、「禁煙」なんか少しも考えなかった私が、
やってみようと考えただけでも、
ほめてあげたいですが、
やっぱりダメかな。
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初めて自身で煙草を買い、吸った日のことを、よく覚えている。
高校三年の秋、文化祭の日だった。
買ったのがどこで、その銘柄は何だったのかということも覚えているのだが、どうしてあの日吸おうとしたのか、その理由が思い出せない。
煙草はちっともおいしくなかった。何本か吸って、残りは箱ごと、校舎の屋根に投げ捨てた。
でも、残念ながら、それから何年もしないうちに、りっぱな喫煙者に仕上がってしまった。爾来三十数年、日々煙草を吸い続けて齢を重ねてきた。
結婚をした時。子どもが生まれた時。新居を持った時。身体をこわした時。何度か禁煙できる機会はあったが、「いつだってできる」とたかを括っているうちに「やめる気もない」永遠のニコチン中毒者になろうとしていたのである。