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プレゼント 書評こぼれ話

  勝間和代さんの『会社に人生を預けるな』という本は、
  とてもうまい書名をつけたものだと感心しています。
  同じ光文社新書で『お金を銀行に預けるな』という作品があるとはいえ、
  雇用情勢が悪化しているこの時期に、
  『会社に人生を預けるな』はうますぎます。
  これなら絶対売れますね。
  『週刊読書人』という新聞があって、
  その4月3日号で、この『会社に人生を預けるな』の特集をしていて、
  勝間和代さんのインタビュー記事が掲載されています。
  その中で、書名について勝間さんはこんなことを話しています。

   本当は「リスク管理入門」みたいな題名が一番近いと思いますね。
   ただ、そんなタイトルにすると、何のことかよくわかりませんし、
   誰も読みたいとは思わないでしょうから。(笑


  そのとおりですね。この書名を見ただけで、
  しかも「勝間本」ということで、
  若い人が飛びつきそうですよね。
   
  
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)
(2009/03/17)
勝間和代

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sai.wingpen  勝間本・リテラシー              矢印 bk1書評ページへ

 本書は「リスク」について「終身雇用制」という大きなキーワードを核に縷縷論じられているのだが、副題にある「リスク・リテラシー」の後ろ半分の、「リテラシー」という言葉にも「リスク」に劣らない重要な意味がある。
 もともと「リテラシー」(Literacy)というのは、「読み書き能力」という意味だが、他の言葉と組み合わさって「使いこなす能力」というふうに解釈される言葉である。例えば「メディアリテラシー」などはインターネットが普及して、しばしば耳にするようになった言葉だ。
 ちなみに「メディアリテラシー」とは「メディアが発信する大量の情報に対して、その真偽を見抜き、正しい情報を活用する能力」ということになろうか。ここでいう能力とは、この言葉の意味する文脈をみればわかるとおり、情報の受け手である側に求められる能力である。このことはきちんとおさえておく必要がある。
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