05/12/2009 「第3回大江健三郎賞」公開対談に行ってきました 【後編】

今日は昨日の未来、昨日は今日の過去、なんてつまらないことを書いているから
いつも「講演記録」が長くなってしまいます。
反省しながら、つい書いてしまう。
さて、本当にさてです、今日は昨日の「公開対談」のつづきです。

そこまで、昨日書いたこと。
今日は「第3回大江健三郎賞」を受賞した、安藤礼二さんの
『光の曼荼羅』に書かれている折口信夫(1887-1953)について、まず書きます。

写真は折口信夫です。
ちなみに、この人「おりくち」なのか「おりぐち」なのか、
安藤礼二さんは「おりくち」って話されていました。
名前は「しのぶ」。
日本の国文学、民俗学の第一人者で、歌人としても有名です。
歌人としては「釈迢空」(しゃく ちょうくう)という号で詠っています。
私、この折口信夫に痛い思い出があって、
大学生の頃に、もう30年以上も前ですが、
中央公論の文庫、いわゆる中公文庫ですが、
そこから折口信夫の全集が刊行されたんですね。
何を血迷ったか、折口を読もうと、文庫にしては結構高かったのですが、
毎月きちんと買い続けました。
でも、まったく読めなかった。
そして、学生生活の終わりに新井薬師(東京中野区)の駅前にあった
古本屋さんに売ってしまいました。
安藤礼二さんも言ってましたが(やっと講演記録にもどった)、
「最初は何が書いてあるかわからなかった。でも、自分のなぞを解いて
いくことで見えてきた」
そうです。このあたりが私のような凡人とのちがいなんでしょうね。

大江健三郎さんが求めた「独学」というテーマと関係するのですが、
わからないことをそのままにするのではなく、
自分で解いてみることは、とても大事だと思います。
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