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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から三日間にわたって、
  2007年2月に46歳という若さで亡くなった池田晶子さんの、
  この春刊行された3冊の本を紹介していきます。
  3冊の本というのは、今回紹介する『死とはなにか』(毎日新聞社)と、
  『私とはなにか』(講談社)、『魂とはなにか』(トランスビュー)です。
  この3冊はごらんのように出版社が違います。
  それでいて、池田晶子さんが記した自身の墓碑銘、

   さて死んだのは誰なのか

  を共通のサブタイトルとし、
  装丁も菊地信義さんの同じもので出来上がっています。
  こういう出版は極めて稀有です。
  しかも、「哲学書」なんですから。
  これは、池田晶子さんの人柄や著作に感銘した編集者の皆さんや
  たくさんの仲間の人たちが池田晶子さんからの
  「精神のリレー」に応えて、出来上がった、
  美しい本たちだといえます。
  「哲学」の本の書評を書くのは難しいし、
  私の中でこなれていないものもたくさん(ほとんど?)あります。
  でも、こんな美しい本たちなのですから、
  たくさんの人に読んでもらえたら、と願います。
  さあ、「哲学」しましょう。
  
死とは何か さて死んだのは誰なのか死とは何か さて死んだのは誰なのか
(2009/04/04)
池田 晶子

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sai.wingpen  「考える」とは何か               矢印 bk1書評ページへ

 彼女は「考える人」であった。

 本書は、2007年2月に亡くなった文筆家池田晶子さんの、未発表原稿や書籍未収録原稿を三つのテーマにして編まれた三冊のうちの一冊です。
 日常の言葉で「哲学」を語り、「哲学エッセイ」という分野を確立した池田晶子さんですが、本書は同時刊行された他の二冊と比べてその色合いがもっともよく出ているといえます。
 書かれている内容は「死とはなにか」「私とはなにか」といった、それぞれにたいへん重いテーマですが、それを読ませ、ともに考えるという池田さんの個性がよく出た文章が続きます。
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