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06/19/2009    それぞれの太宰治
本 明治42年(1909年)6月19日、青森県北津軽郡で、彼は生まれました。
 そして、今日、生誕100年を迎えます。
 彼とは、そう、太宰治です。

本 ということで、もう新聞雑誌TVこぞって、太宰一色になっています。
 関連本の出版もぞくぞくと出ています。
 太宰
 既存の文庫本は装丁を変え、
 新たにラインナップに加える文庫本もあります。
 文春文庫で出た時はなんかイメージが違うなぁと感じました。
 私にとって、太宰治は新潮文庫でありちくま文庫ですね、やっぱり。
 そういえば、新潮文庫の太宰作品の出版部数が
 先日朝日新聞に出ていました。
 第1位が『人間失格』で628万部、2位が『斜陽』で360万部、
 私が初めて手にした太宰本である『きりぎりす』は64万部。
 でも、これってやっぱりすごいですね。
 まさに根強い人気です。
 そして、生誕100年の今年、それがヒートアップしています。

 関連本の話をすれば、
 ちくまプリマー新書から出た『女が読む太宰治』『若いうちに読みたい太宰治』などが
 人気を集めているようです。
 ちょっと異色だなと思ったのが『人間失格ではない太宰治』(新潮社)でしょうか。
 「爆笑問題」の太田光さんが編集されています。
 とにかく、『走れメロス』ではないですが、「走れ出版社」状態です。

本 出版社だけでなくて、旅行会社もがんばっています。
 生家の「斜陽館」をめぐる旅や作品『津軽』にちなんでの旅など
 あの手この手。こちらも「走れ鉄道」状態です。
 映画界もそうですね。
 『斜陽』に『ヴィヨンの妻』、さらには『パンドラの匣』、
 来年には『人間失格』も映画化されるとか。
 NHKも負けてはいません。
 先日(6.17)「歴史秘話ヒストリア」という番組で
 太宰を取り上げていました。

 とにかく みんな走る、走る

 せっかくだから、一緒に走ろうかという気分になったりして。

本 そして、今日は「桜桃忌」です。
 太宰最後の様子を『新潮日本文学アルバム 太宰治』から引用しますね。

   昭和23年6月13日夜半、(山崎)富栄の部屋に二人の写真を
   飾って間に合わせの仏壇をしつらえたあと、降りしきる雨の中
   を太宰と富栄は近くを流れる玉川上水に入水した。
   (中略)
   入水一週間後の6月19日早朝、投身推定箇所より2キロほど
   下流で二人の遺体が発見された。奇しくもその日は、太宰治、
   満39歳の誕生日に当たっていた。

 「桜桃忌」は俳句の世界では夏の季語です。
 俳人たちはどう詠んでいるのか。
 手元の「歳時記」を開いてみます。

   黒々とひとは雨具を桜桃忌  石川桂郎

   若者が墓と肩組む桜桃忌   石河義介

 石川桂郎さんの句にこんなのもあります。

   太宰忌の蛍行きちがひゆきちがひ

 なんだか太宰と富栄の魂のような作品です。

本 生誕100年、それぞれの太宰治を楽しめればいいのではないでしょうか。

   乳のみ子の乳房ほしがる桜桃忌

 これは私の句。
 なんとなく、太宰を考えていたら、こういう情景が浮かんできました。

   元気で行こう。
   絶望するな。
   では、失敬。
            『津軽』より