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08/14/2009    「芥川賞選評」を読む
本 第141回芥川賞受賞作が掲載された月刊誌「文藝春秋」9月号が
 本屋さんの店頭に並びました。
 今回の受賞作、磯崎憲一郎さんの『終の住処』は、
 「文藝春秋」より先に新潮社から刊行されていて、
 私もすでに読みおわりました。
     みぎ終の住処』の書評はこちら
 私の書評でもおわかりように、
 どうも自分ではもうひとつ納得できる作品ではなかったのですが、
 芥川賞の選者のみなさんは、この作品をどう捉えているのか、
 今日は「文藝春秋」に掲載された「芥川賞選評」を読んでみたいと思います。

文藝春秋 2009年 09月号 [雑誌]文藝春秋 2009年 09月号 [雑誌]
(2009/08/10)
不明

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本 9人の選考委員のなかで、私がもっとも信頼のおける選者と思っているのが、
 村上龍さん。
 (村上龍さんが『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞した時の
 騒動はすごかったですね)
 村上龍さんは、今回の受賞作を「感情移入できなかった」と評しています。
 なるほど、なるほど。
 「わたしはいくつかの死語となった言葉を連想しただけだった。ペダンチック、ハイブロウ」と、
 続きます。
 この「ペダンチック」という死語を使われている選者が、もう一人いました。
 初期の作品の完成度では抜群の、宮本輝さん。
 ちなみに芥川賞の選考委員としては、どうも私と波長が合わないきらいがあるのですが、
 宮本輝さんは、「鼻持ちならないペダンチストここにあり、といった反発すら感じたが」と
 書いています。
 ただし、このあとに、磯崎憲一郎氏のこれからの可能性にも言及されていて、
 これはこれで、今回は宮本輝さんと意見が一致しました。

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