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本 今日は昨日のつづき、
 「夏休み終了間近!まだ間に合う「読書感想文」」の二回めです。
 テキストは、昨日と同じ、
 吉岡日三雄さんの『読書感想文の書き方(高学年向き)』を
 使います。

読書感想文の書き方 高学年向き読書感想文の書き方 高学年向き
(2000/05)
吉岡 日三雄

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本 昨日は「書き出し」まで話しましたが、
 あれから「読書感想文」書いた少年少女はいるのかな。
 やっぱり、いないだろうな。
 本当にしりませんよ、
 「読書感想文」は怖いのだから。
 では、本文にはいりましょう。
 やっぱり本文がないと、いけません。当たり前です。
 台所にふたがしてあるお鍋があって、
 お、煮っころがしでもあるかと、ふたをとったら、
 なーんもなかったら悲しいでしょ。
 「読書感想文」も同じ。
 本文がなければ、先生は悲しむ。
 いや、先生は怒りだす。
 「おれの、煮っころがし食べたの誰だ」みたいに怒りだす。
 だから、本文がないといけない。

本 では、本文に何を書くかですが、
 吉岡日三雄さんは、

  ○感動をはっきりさせる
  ○考えたことをまとめる
  ○自分をみつめる
  ○自分を発見する 

 と書いています。
 それができれば、苦労しない。
 そう、そのとおり。
 「読書感想文」を書こうとすると、つい身構えてしまうことがいけないんです。
 あなたはあなた。
 あなた以上のことを書こうとしてもうまくいくはずがない。
 自分のことを、本にゆだねて書くのが一番。

本 たとえば、太宰治の『走れメロス』は友情物語だけど、
 もしイジメにあっている子があの物語の「読書感想文」を書くとしたら、

  友情なんて信用しない。

 って、書けばいい。
 あるいは、足の遅い人なら、

  私(または僕)はメロスのように走れない。

 って、書けばいい。
 そういう視点で、書いていけば、自分にそくした文章が書ける。
 でも、イジメにあっている子はこう思うかもしれない。
 もしかしたら、メロスのように全力で走っていないかもしれないな、
 友達を信じていないかもしれないな。
 これ、これ。
 物語を読んで、心に芽生えた思いを文章にすればいい。
 先ほどの文章、「友情なんて信用しない」のあと、
 どうして信用しないのか、自分の生活をそのまま書けば、
 何文字分かは書けるでしょ。
 そのあとに、心に芽生えた思いを書く。
 ここで、とっておきのヒント。
 この時に、「決めセリフ」をスパイスとして使う。
 たとえば、

  メロスはボルトみたいだ。

 読んでいる人は、おお、なんだ、なんだ、となる。
 そして、
 「そうだな、メロスはボルトみたいだな」ってうなづく。
 こういうスパイスがないから、
 普通の「読書感想文」はレトルトカレーの夜食用としてしか
 食用されない。
 せっかくだから、ディナーにしないと。

本 さあ、あと少し。
 最後はしっかり決めましょ。
 ここをしくじると、幽霊のしっぽみたいになりますよ。
 まず、定番を紹介すると、

  私(あるいは僕)もメロスたちのようになります。

 これは、どんな本でも使えますが、
 あまりぴりっとしない。
 言い方を変えてみましょう。

  来年、私(あるいは僕)はメロスになっているでしょうか。

 これなら、なれなくても責任ないし、夢があるし、応用がきく。

  来年、私(あるいは僕)は何冊宮沢賢治を読んでいるでしょうか。

 ほらね。

本 さあ、もう時間がありませんよ。
 さっそく「読書感想文」を書いてみましょう。
 「読書感想文」はたいへんだけど、
 いつか本の感想を書くことが楽しみになることを、
 おじさんは遠い空から祈っています。

  来年、子どもたちは「読書感想文」好きになっているだろうか。

 ほらね。

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