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プレゼント 書評こぼれ話

  星野道夫さんの新しい写真集が出版されるのを
  知った時には、本当にびっくりしました。
  星野道夫さんが亡くなったのは1996年ですから、
  もうたくさんの水が流れ、星は動いています。
  でも、こうして、私たちは新しい星野道夫さんからの贈り物、
  『カリブー 極北の旅人』を
  手にできるわけです。
  なんと幸福でしょう。
  そして、それは星野道夫さんの幸福でもあります。

    浅き川も深く渡れ

  これは星野道夫さんが小学生の卒業文集に書き残した言葉ですが、
  星野道夫という生き方を象徴しているように思えてなりません。
  星野道夫さんにとって、44年という生涯はけっして短いものではなかった。
  星野道夫さんは、その生涯をとても深く渡っていったのでは
  ないでしょうか。
  私にはそう思えてなりません。
  ぜひ、みなさんもこの写真集を手にして、
  カリブーの躍動感とアラスカの自然を満喫してください。
  そして、かれらとつながる
  私たちを感じてください。
  それが、星野道夫さんの願いだったのではないでしょうか。

カリブー 極北の旅人カリブー 極北の旅人
(2009/08/26)
星野 道夫

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sai.wingpen  空をささえるもの                矢印 bk1書評ページへ

  天にのびた おまえの大きな角は
  まるで 落ちてくる 空を 支えているようだ

  おまえの太い四本の足が
  アラスカの凍土を駆けめぐる時
  おまえはどのような衝動に
  突き動かされているのだろうか

  休養せよ

  おまえの仲間たちの長い隊列が
  緑の谷を越える時
  おまえには 何が見えているのだろうか
  先頭を行く 仲間の声か
  群れから堕ちていく 弱き友か
  生まれくる 新しい生命か

  おまえは 走る
  おまえは 闘う
  おまえは 渡る

  おまえが残した 大きな角に
  アラスカの大きな空の匂いが するようだ

 1996年に不慮の事故で逝去した写真家星野道夫があれほどの情熱を傾けながらも生前一冊の本としてまとめることができなかった幻の写真集が刊行された。被写体は「マイナス五十度までに下がる極北の自然の中で」「唯一そこに適応したシカ科の動物」、カリブーである。
 アラスカの大地を移動するカリブーの群れは毎年同じルートをたどるとはかぎらない。その出会いを求めて何日もテントに閉じ込められる星野の様子は、この写真集の巻末に収められて「カリブーの撮影日誌」で窺い知れる。やがて、群れと遭遇する歓喜。
 星野が残したカリブーとアラスカの写真の数々は、そのような歓びの贈り物であるとしかいいようがない。
  
(2009/10/19 投稿)

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