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プレゼント 書評こぼれ話

  今回紹介したスペンサー・ジョンソンさんの、『頂きはどこにある?』は
  表紙の雰囲気からもわかるとおり、
  あの『チーズはどこへ消えた?』による作者の最新刊です。
  覚えている人も多いと多いと思いますが、
  『チーズはどこへ消えた?』は当時(2000年)大ベストセラーになって、
  『バターはどこへ溶けた?』みたいな類似本がバンバンでました。
  裁判にもなったぐらいですから、
  世の中、チーズなのかバターなのか
  わからないくらいになっちゃて、それはそれは大変でした。
  まあ、もともとの本が童話みたいな寓話でしたから、
  そういう点でも類似本が出やすかったのだと思います。
  でも、そういう騒動があって、
  販売に支障がでたというより、宣伝効果として
  大きかったかもしれません。
  そういう本って、「どれどれ」っていう感じで
  読みたくなるでしょう。
  そういうベストセラーのできかたもあるのではないでしょうか。
  では、この『頂きはどこにある?』の類似本がでるかどうかですか、
  これはちょっと出ないと思います。
  まあ、せいぜい歳暮の季節になって、
  ご亭主が奥さんに、
  「頂き物はどこにある?」っていう程度だと思います。
  ちがうかな。
  
頂きはどこにある?頂きはどこにある?
(2009/09/08)
スペンサー・ジョンソン

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sai.wingpen  わたしがいるところ                矢印 bk1書評ページへ

 自分はどこにいるのだろう、と思い悩むときがある。
 山頂の素晴らしい風景を手にいれたとは思わないが、谷の厳しさにいるとも思っていない。他人のからみれば、あなたは山頂に住んでいますよと言うかもしれないし、可哀想に谷の生活ですかと同情されているかもしれない。
 だとしたら、いったい、自分はどこにいるのだろう。

 著者のスペンサー・ジョンソンによる前作『チーズはどこに消えた?』(2000年)は日本で370万部を売り上げた大ベストセラーだが、あれから9年経って、もう少し物語風の構成で書かれたのが本書である。
 今回のテーマは、人生や仕事における良い時期と悪い時期をどうコントロールするか。
 人生は山あり谷あり、とはずっと昔から言われつづけていることだから、その点では前作よりもとっつきやすいかもしれないし、書かれている内容も理解しやすいということでは、前作よりはおすすめかもしれない。

 この本のなかでは、谷に生きる若者が山頂で暮らしたいとあこがれ、すでに山頂に暮らす老人からさまざまな知恵を授かるのだが、山や谷というのはわかりやすいようでわかりにくい。
 谷に暮らす若者の両親は、自分たちの住んでいるところを谷だと認識していただろうか。あるいは、若者が思いを寄せる彼女にとってはどうだろう。
 案外、彼らは自分たちの住む世界を頂きだと感じていたのではないだろうか。若者の大きな間違いはそこにありはしないだろうか。

 メーテルリンクの『青い鳥』は幸せを招く青い鳥をさがすチルチルとミチルの物語だが、結局青い鳥は自分たちの家の鳥かごにいることに気づく。『頂きはどこにある?』に登場する谷の若者はいつまでも青い鳥を探し求める兄妹に似ている。
 彼は自分の居場所の頂きに気がついていないようにもみえる。そして、多くの人がその過ちに陥ってしまう。
 谷は谷のまま頂きにもなるし、頂きは谷にでもなりえる。
 谷にあるのはエゴと恐怖心だと、本書には書かれている。その惑いが頂きの風景を谷に変えてしまう。

 あなたはいま、どこにいるのだろう。
 それは山頂だろうか、谷だろうか。
  
(2009/10/23 投稿)

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