前回の「雑誌を歩く」で
 女性誌の「ミセス」を歩いてみましたが、
 今回も女性誌です。
 「an・an(アンアン)」3/3号です。
 なんで、55歳のおじさんが「an・an(アンアン)」かというと、
 この号の特集が「本とマンガ」。
 表紙の蒼井優さんが本棚の前でにっこりと
 微笑んでくれています。
 まさに、「その世界に、ずっとひたっていたい」。

アンアン

 蒼井優さんは映画『フラガール』を観てから
 すっかりお気に入りの女優さんなんですが、
 彼女は読書通でもあるんですよね。
 蒼井優さんが語る「読書の醍醐味」という記事では
 こんなことも語っています。

   どんな本でも、読むと”何か新しいもの”に触れられる感じがします。

 ね、しっかりしてるでしょ。
 そして、

   本棚って、ちょっとしたアルバムみたい。

 うーん。いいこというな。
 そんな蒼井優さんのおすすめ本のなかに、
 星野道夫さんの『旅をする木』があったりして、
 もっとうれしくなりました。

 そのほかにも、
 「泣きたい! 泣ける!? 号泣本29選」だとか、
 「分野別・実用書セレクション31」だとか、
 マンガでは「理想の男はマンガの中に!!」とか
 ほんと、まるごと一冊「本のマンガ」なんですよね。
 なにしろこの「an・an(アンアン)」のなかに紹介されている
 本とマンガは全部で276冊ですから、
 きっと読みたくなる本に出会えるんじゃないかな。

 そして、
 あの村上春樹さんの独占インタビューまで
 ついているんです。
 「an・an(アンアン)」と村上春樹さんといえば、
 『村上ラヂオ』というエッセイが連載されていたのが
 この「an・an(アンアン)」だったんですよね。
 それがちょうど10年前。
 そして、その新しい連載がこの春からまた始まるんだとか。
 なんだか、いい春になりますよね。

 ところで、雑誌のおわりについている星占いは
 やっぱり女性が対象なのかな。
 水瓶座の人は
 「いつになく甘い風情やアダルトな色香が漂い、男心を
 ソソります」
 ですって。
 やっぱり女性対象なんですね。
 男はどうすりゃいいのかな。

 じゃあ、読もう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今回の松下幸之助さんの『道をひらく』の
  書評を書いていて、
  途中で、あれ、これ、まるで
  トヨタ自動車の豊田社長にむけて
  書いているみたいだなって
  自分でもおかしくなりました。
  私は自分では車を運転しないので
  自動車のことは詳しくありませんし、
  トヨタの車種もよくわかりません。
  ただ、今回のリコール問題や
  米国議会の公聴会のニュースを見ていると
  本当に経営者というのは
  大変だなぁと感じます。
  車は道を走ります。
  そのことを忘れずに、
  豊田社長も自身の道を自信をもって
  歩かれたらいいのではないでしょうか。
  今回も400字書評です。

  じゃあ、読もう。
  
道をひらく道をひらく
(1968/05)
松下 幸之助

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sai.wingpen  心の杖                矢印 bk1書評ページへ

 リーダーの条件には色々あるが、くじけないこともそのひとつだろう。もっともリーダーとはいえ人間だから、悔やむこともし、心が折れることもあるだろうが、リーダーがリーダーたるためには、誰よりも早く立ち直ることだ。勇気をもって前を向くことだ。
 それには人より優る信念が必要である。自身に信念があれば立ち直れるはずだ。それでもだめなときには支えが必要となる。経営の神様と賞賛される松下幸之助のこの本は、そういうくじけそうになった心の杖の一冊として読み継がれてきたものだ。
 松下幸之助は成功者だが、この本には成功の秘訣など書かれていない。書かれているのは、ごく当たり前のことだ。それでもこの本が多くの読者を勇気づけるのは、くじけそうになった時にはその当たり前のことすら見えなくなっているということだろう。
 杖をつくことは恥ずべきことではない。それでも歩こうとするリーダーの姿も人々は勇気づけるのではないだろうか。
  
(2010/02/27 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日の本は、朝日新聞日曜書評欄の「百年読書会」(重松清ナビゲーター)の、
  3月の課題図書、三島由紀夫の『金閣寺』。
  書評にも書きましたが、これは三島由紀夫の31歳の作品なんですよね。
  年譜を見ると、
  この年には『永すぎた春』も書いています。
  もっとも三島由紀夫が衝撃的な自決で、
  自らの命を絶ったのが45歳の時ですから、
  早熟であったことはわかります。
  もし生きていたら、その後どんな作品を
  発表していたのでしょうね。
  三島由紀夫が亡くなったのは、
  1970年の11月。
  私が15歳のことです。
  高校1年だったかな。
  やはり驚きでしたね。
  その時には、もう『金閣寺』は読んでいたのではないかな。
  今回も書評句つきで
  お楽しみください。

  じゃあ、読もう。
  

金閣寺 (新潮文庫)金閣寺 (新潮文庫)
(1960/09)
三島 由紀夫

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sai.wingpen  天才が残したもの                
  
   金閣や ますぐのびたる 天の河

 この作品は、当時(昭和25年)日本中を驚愕させた実際の国宝金閣寺の放火事件をモデルとしている。事件からわずか五年余りの期間でこれほどに完成度の高い文学作品として発表した三島の、並々ならない筆力と才能に感服する。これは時代におもねる興味本位の物語ではない。事件はあくまでも背景である。三島が描こうとしたのは主人公の心の奥底にある青春の苦悩であり、成長への葛藤である。そして、美と認識についての根源的な問いかけである。
 久々に再読したが、こういう作品を読むと、物語があるだけの現代の作品の薄っぺらさを痛感せずにはいられない。文学を取り巻く事情だけでなく、この作品を書いた時まだ31歳だった三島の天才を称賛すべきなのかもしれないが、私たちは何か重要なものを失ってきたような気がする。似非(えせ)の輝きではなく、主人公の心までも支配した金閣寺の煌きのような、現代の物語が読みたくなる。
  
(2010/02/26 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  本は、
  作品で読むものだろうか。
  作者で読むものだろうか。
  私はどちらかといえば、作者派のような気がします。
  ひとつの作品を読めば、
  同じ作者が書いた別の作品を読みたくなります。
  一作で終わりということは少ない。
  今日紹介した吉田篤弘さんの『十字路のあるところ』も
  今年初めて触れた、吉田篤弘さんという作家に
  ひかれて手にしたものです。
  これで、三作目になります。
  そういう読み方をすることで、
  作者の持ち味や個性といったものが
  つかみやすくなるように思うのですが、
  あなたは作品派?
  それとも、作者派?
  この『十字路のあるところ』には、
  坂本真典さんの素敵な路地の写真も
  収められています。
  これもいい。

  じゃあ、読もう。
  
十字路のあるところ十字路のあるところ
(2005/12)
吉田 篤弘坂本 真典

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sai.wingpen  街という物語                     矢印 bk1書評ページへ

 街は物語に似ている。
 ビルや木立や住居は言葉のつらなりである。物語でよく行間を読むといわれるが、道はその行間であろうか。人が行き来するところ、街が街として成り立つところ。だとしたら、十字路のあるところとは、人の感情が交じり合う、濃縮な場所といえるかもしれない。
 本書には吉田篤弘の、街をテーマにした六つの短編が収められている。そして、それらは、街のなかの水を求めてさまよう、短編「雨を聴いた家」の主人公に課せられた「どんなテーマでも構わないのです。ただし物語であること」と同じように、物語とは何かということを問いかけてもいる。
 まず、それは面白くないといけない。そこに生きる人々が生き生きとしてないといけない。感情がひしめいていないといけない。問いは千差万別であり、答えもまた多様でないといけない。
道を閉ざしてはいけない。
 これらは街の話だろうか、それとも物語の話だろうか。
 物語は街に似ている。
  
(2010/02/25 投稿)

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 「本の雑誌」という雑誌は
 本好きの人なら有名な雑誌で
 その号のネームもまたふるっていて、
 たとえば、今日紹介する3月号は
 「梅が咲いたら駆け出し号」ってついています。
 そして、その特集が
 「いま書評はどうなっておるのか!」。
 この「おるのか」っていいですよね。
 「いるのか」じゃあなく、「おるのか」。
 そう、書評はどうなっておるのか!

本の雑誌 321号本の雑誌 321号
(2010/02/11)
本の雑誌編集部

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 特集冒頭のリード文を引用します。

   書評ブログにカスタマーレビューと、書評花盛りの今日この頃。
   では、いまの日本の書評は、どうなっているのか。
   (中略)
   堂々の24ページで、さあ、いくぞ!

 気合がはいっていますよね。
 それに一応このブログの書評ブログの範疇にはいるでしょうから、
 興味深々で、読みました。

 まず、最初は書評家豊崎由美さんと作家の絲山秋子さんの対談。
 そのなかで、豊崎由美さんが「書評と批評のちがい」について
 こう話しています。

   批評は当該作品を読んだ後に読むもので、書評は
   読む前に読むもの

 と、わかりやすく解説しています。
 豊崎由美さんが嫌いな、ネタバレ書評に先制攻撃した感じです。
 つづいて、アマゾンに代表されるカスタマーレビューの
 ありかたにも一石を投じています。

   書いたものを不特定多数の人に読ませる怖さを
   一般の人はもっと知るべきじゃないかな。

 これはブログについてもいえることですよね。
 私的な発信方法であったとしても、読んでもらうのですから
 書き手としての責任は自覚すべきだと
 私も思います。
 だから、私も結構精一杯書いているんですよ、
 こうみえて。

 次に、坪内祐三さんが「今こそ新聞書評は必要だ」と題して、
 書評だけでなく、

   かつての書店は新刊だけでなく、旧刊が充実していた

 と、書店のありかたについても問題提起しています。
 ここは書店の問題だけでなく、
 出版社がやみくもに新刊を出しているので、
 書店の棚から旧刊が押し出されているんですよね。
 書評というのは、本の紹介という機能もそうですが
 さらにいえば、読んでもらうための機能も大きいと思います。
 出版社さんだけでなく、本屋さんも
 書評というものをもっと大事にしていいのではないでしょうか。

 そのほか、永江朗さんの「書評はどのようにできるのか」という
 新聞や雑誌、それにTVの現場を取材した記事も
 面白かったですね。
 そのなかで、NHKの「週刊ブックレビュー」の本の選考に触れていて、
 あれはNHK側では本を選んでいないそうです。

 書評に関心のある人は、
 「本の雑誌」3月号を読んでみてはいかがでしょうか。

 じゃあ、読もう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  哲学エッセイストの池田晶子さんが亡くなって
  今日でまる3年が経ちました。
  池田晶子さんの小さな死亡記事のことを
  今でも不思議とよく覚えています。
  その時は特に愛読者でもなく、
  え、亡くなったんだという程度だったのですが、
  その死亡記事のことは
  頭に残っています。
  そのあとしばらくして読んだのが、
  今日紹介した『14歳の君へ』です。
  今回の書評はその時に書いた蔵出し書評です。
  bk1書店に投稿した際には、
  タイトルに「追悼・池田晶子」とつけましたが、
  今回はそれははずしています。
  ただし、文中の年令などは当時のままにしています。
  あれから、3年。
  池田晶子さんの年令は変わりませんが、
  読者である私はまちがいなく3年年を重ねました。
  ただ、だからといって
  生きることの意味がわかったということでは
  ありません。
  ずっとわからないままかもしれません。
  それが、生きるということなのでしょうか。

  じゃあ、読もう。

14歳の君へ―どう考えどう生きるか14歳の君へ―どう考えどう生きるか
(2006/12/23)
池田 晶子

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sai.wingpen  池田晶子さんが伝えかったこと        矢印 bk1書評ページへ

 人生の、おそらく中間地点も過ぎた年令になっても、生きるってどういうことかわからないでいる。
 幸福って何か、実感できない。だから、何度か池田晶子さんの著作に挑戦するのだが、そのつど挫折、つまり読みきることができなかった。難しいのである。
 大変よく売れた(実際に読まれたかどうかは知らないが)という『14歳からの哲学』も数十ページで前に進めなくなった。だから、自信をもっていうわけではないが、14歳の君が池田さんの著作を読めないからといって嘆くことはない。52歳のおじさんも読めなかったのだから。
 ただわかってほしいのは、生きるってことはそれくらい難しいということだ。

 そして、『14歳からの哲学』よりは「もう少し柔らかく、ある意味で読みやすく、エッセイふうに」書かれたこの本はなんとか最後のページまで読みきった。
 でも、それでもなんとかだ。
 「友愛」とか「道徳」とか「人生」といった16の単元で書かれた内容は、いくら読みやすく書かれていても難しいものだ。難解だ。
 それでも読みきろうと思ったのは、池田さんが突然亡くなったからだ。今年(2007年)の2月。46歳だった。
先に書いた著作をはじめ、池田さんは彗星のごとく現われ、一躍人気文筆家になっていた。ある意味絶頂期の、突然の訃報だった。
 池田さんの著作に何度も挑戦し、そのたびに途中で投げ出していた一読者として、なんとか一冊でも読んでしまいたい。そういう思いで本を読むっていうのは不純な動機かしら。

 そんなことはない。どういう気持ちであれ、一冊の本を読みおえることは大切なことだ。
 想像してほしい。もし、君が14歳だとしたら、池田さんは君のお母さんぐらいの年令の人だ。そんな人がどのような気持ちで亡くなったか、その人が生きている時、どのようなことを書いていたのか知りたいと思わないか。「なんだかんだといっても死んじゃったら終わりだよ」って思っていないか。
 そうかもしれない。死んだら生きていないのだから。でも、池田さんだってそう書いている。「いいかい、生きている者は必ず死ぬ。それは絶対的なことだ」(182頁)
 これはある意味すごい文章だ。
 池田さんが自身の死についてどこまで自覚があったのか知らない。しかし、「不思議を知り、それについて考えるなんて、これ以上の面白さが人間の人生にあるものだろうか」(186頁)と続く文章は池田晶子という人間の、高らかな勝利宣言みたいなものだ。

 生きていくことは難しい。
 きっと池田さんが書いてきた多くの著作よりも、本当は比較できないくらい難しいものだ。
 でも、きっと生きていくということはその難しさ以上に素晴らしいものがあるはずだ。
 簡単にいってしまえば、そんなことを池田晶子さんは伝えたかったのではないだろうか。だからこそ、この本は池田晶子さんが若い人に読んでもらいたいと強く願った、一冊に違いない。
  
(2007/03/27 投稿)

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 この週末に
 病気の母を見舞いに大阪に
 戻ってきました。
 たまたま病院の待合室で見つけたのが
 今回紹介する、「ミセス」(文化出版局)3月号です。
 雑誌の読み方って色々あって、
 こういうふうに病院の待合室で普段手にしない
 女性向けのものも
 時間にまかせて手にすることもあるんですよね。
 毎月購読しているのではないものだけに
 興味深く読みました。

ミセス 2010年 03月号 [雑誌]ミセス 2010年 03月号 [雑誌]
(2010/02/06)
不明

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 表紙は桐島かれんさん。
 かれんさんだけあって、可憐(かれん)なんていうと
 おやじギャグになってしまいますね。
 おやじなんだけど。
 その桐島かれんさんがモデルとなって
 さまざまな白の服に挑戦しているのが、
 今号の特集でもある「春、優しい気分になれる色」。
 やはり女性誌ですから、
 ファッション情報ははずせないですよね。
 今年の色は、
  「見た目にわかりやすいビビットな色ではなく、
   明るい透明感のあるヌードカラーや、灰みがかったパステルカラーなど
   ナチュラルで、穏やかなニュアンスの色が注目

 らしいですよ。
 ミセスの方、がんばってくださいね。

 誌名の「ミセス」らしく、
 「入園、入学の日に選ぶ晴れやかなセレモニースーツ」の特集も
 はずせないですよね。
 私が小学校に入学した時は、
 母は着物で出席してくれました。
 授業参観なんかでもそうでした。
 今から40年以上前のお母さんは
 まだ着物を着る人が多かったのではないでしょうか。
 病床で眠る母を見ていても
 当時の母の顔や姿を思い出すことはあまりありませんが、
 やはり、今は、感謝しています。

 そのほか「ミセス」3月号では、
 「家をきれいにする方法」や「春野菜でごちそうレシピ」など
 衣・食・住の、春らしい記事が満載です。
 女性誌ってこういう点では充実していますよね。

 気に入ったのは、
 作家川上弘美さんの「今でも指を折りながら」という
 俳句についての談話記事。
 まあ、川上弘美さんの名前を見つけて
 この「ミセス」を読もうとしたのですが。
 そのなかで、川上弘美さんは俳句について
 「
最初から何でもありよりも、ある程度の制約があることが、
  かえって人を自由にさせるものなのでしょう

 と、語っています。
 同感です。
 最後にそんな川上弘美さんの俳句を紹介しておきますね。

   マーブルチョコ舐めて色とる日永かな

 勉強になるな、女性誌は。

 じゃあ、読もう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する『少年の木』は、絵本です。
  絵本の読者は大抵子どもです。
  あるいは、子育て中のお父さんお母さんも
  読者になりやすい。
  でも、それではなんだかもったいないですよね。
  おとなもちゃんと絵本と触れ合える、
  そんな場もあっていいかもしれません。
  『少年の木』は、
  「文藝春秋」3月号で、作家のあさのあつこさんが
  「おとなの絵本館」という連載のなかで
  紹介していた一冊です。
  作者はマイケル・フォアマンさんで
  訳はノンフィクション作家の柳田邦男さん。
  「文藝春秋」のようなおとな向けの雑誌で
  こういう良質の絵本が紹介されるって
  いいですよね。
  今日は書評詩にしました。

  じゃあ、読もう。

少年の木 ~希望のものがたり~少年の木 ~希望のものがたり~
(2009/08/27)
マイケル フォアマン

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sai.wingpen  世界って、どんな色なんだろう                     矢印 bk1書評ページへ

 世界って どんな色なんだろう

 花々の きいろ
 ブドウの木の みどり
 鳥たちの あか

 海と空の あお
 朝の だいだい
 夜の くろ

 兵士たちの はい
 鉄条網の はい
 瓦礫の はい

 ミルクの しろ
 子供たちの にじ
 おとなたちの にじ

 世界って どんな色なんだろう

 いのちって どんな色なんだろう


 この絵本はイギリスのマイケル・フォアマンが反戦をテーマに描いたものですが、場所の特定はありません。爆撃にあって鉄条網で閉ざされた街が舞台です。
 それはあなたの知らない、外国のどこかの街かもしれないし、あなたの近くの小さな町かもしれません。でも、それは今も世界のどこかにある街なのです。
 少年が大切に育てた一本のブドウの木がこの物語の主人公です。捨てられても、焼かれても、何度も何度も芽を出し、大きく育つ、それは「希望」の木です。
 「希望」の木が大きくなるにつれ、絵本のなかに色があふれてきます。色がこの世界から消えないことを願っています。
  
(2010/02/21 投稿)

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 昨日(2.19)はバンクーバー五輪で
 期待の男子フィギュアスケートの高橋大輔選手の銅メダル
 日本中が沸きましたが、
 そんななか、私も心を沸騰させながら
 念願の勝間和代さんの講演会に行ってきました。

 場所はおなじみ丸善丸の内店
 勝間
 どんなカツマーたちが集合するのか
 そちらの方も楽しみだったのですが、
 会場いっぱいのおよそ150人の聴衆のなかで
 あまりそれらしき人ってよくわからなかったですね。
 生え際がポイントなのはカツラーですが、
 カツマーはよくわからない。
 なんとなく、ツイッターしてそうな彼かな、彼女かな。

 今回の講演は『チェンジメーカー』(講談社)という本の
 刊行記念に催されたもので、
 題して、
 「みんなで日本を変えよう 私がチェンジメーカーを書いたわけ」。
 さあ、そろそろ時間です。
 生(なま)の勝間和代さんの登場です。

 来ました、来ました。
 このあたり、ツイッターだと臨場感があるのかな。
 今までTVとかで拝見していましたが、
 ついに私の前にご光臨です。
 赤いカーディガンに中は縞のシャツ、それとパンツスタイルは
 カジュアルな感じ。
 『チェンジメーカー』の本の帯の写真よりも
 生(なま)の勝間和代さんの方が親しみがわきます。
 これは講演を聞いていて全体にいえることですが、
 話はとてもわかりやすく、
 勝間和代さんの信念のようなものが
 その著作以上に伝わってきます。
 たぶん、勝間和代さんは聴衆を前にしたプレゼン能力が
 非常に高いのだと思います。

 講演は、
 パワーポイントを使って、『チェンジメーカー』のことを
 わかりやすく説明する感じで進みましたが、
 その話はまるでマシンガンのように、
 ばばばばばばーん
 って感じの早口で撃ちまくり。
 私なんか生(なま)勝間和代さんに見惚れながら、
 もうすっかり瀕死状態。
 これが企業のプレゼンなら、
 いっぱつOKしちゃいますね。

 講演の内容は、
 勝間2
 『チェンジメーカー』をゆっくり読むとして、
 あっという間の、1時間超でした。
 そのあとに、
 サイン会があって、
 その時いただいたのが横の写真。
 実は、この日私は
 朝日新聞の土曜別刷に連載している
 「勝間和代の変わる言葉」のスクラップノートを持参していて
 こちらの方にもサインいただきました。



 勝間3  勝間4

 この連載、秋にも書籍化されるそうですよ。
 サインのあと、丁寧にお礼をされる勝間和代さんを見て思ったのですが
 この人、絶対生(なま)の方がいいですね。
 本では色々誤解や誹謗があるようですが、
 勝間和代の柔らかさも恐さもおどけたところも
 会ってみないとわからないんじゃないかな。

 等身大の勝間和代さんは
 案外どこにでもいる、がんばっている女性のように
 感じました。
 この日の勝間和代さんは
 金メダルでした。

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プレゼント 書評こぼれ話

  いよいよというか、
  ついにというか、
  やっとというか、
  今夜、生(なま)勝間和代さんの講演に行きます。
  『チェンジメーカー』(講談社)という本の刊行記念の
  講演会とサイン会が、
  おなじみ丸善丸の内本店で開催されます。
  実はちょうど去年の春にも
  勝間和代さんの講演会に行く機会があったのですが、
  私の都合がつかなくなって、
  聞きそびれたことがあります。
  あとは、抽選にはずれたり、
  気がついたら締め切りが過ぎていたり、で
  これは縁がないのかなと思っていました。
  それがやっと叶うことになりました。
  さあ、生(なま)勝間和代さんは
  どんなお姿をされているのでしょう。
  わくわくしています。
  まずは
  『勝間さん、努力で幸せになれますか』という
  香山リカさんとの討論を
  お楽しみください。

  じゃあ、読もう。

勝間さん、努力で幸せになれますか勝間さん、努力で幸せになれますか
(2010/01/08)
勝間 和代香山 リカ

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sai.wingpen  朝青龍は引退したけれど            矢印 bk1書評ページへ

 相撲の話である。
 相撲の技はよく言われるように82手あって、小兵力士が技を駆使して大きな力士を土俵にたたきつけるのも面白いが、やはり両者土俵の中央でがっぷり四つに組んで互いの呼吸を聞きながら一瞬のすきをねらっている、そのような取り組みが面白い。
技の勝負というよりは、気の勝負といっていい。
 こういう取り組みほど、勝ち名乗りを受けた力士は息が荒い。技や体力ではない、精神的なものを感じる。
 たまに横綱が下位の力士に立ち会いでかわすことがある。それも勝敗をかけた戦法のはずだが、横綱としてあるまじきのような論評になるのも、82手の技をもった相撲というスポーツであっても、その王道は両者押しに押されず、引くにひけない、そういう取り組みだろう。

 本書はいまや人気抜群の経済評論家でありカツマーと呼ばれる多くの支持者を有する勝間和代さんと、そういう<勝間和代>的生き方に疑問を投げかけ話題を呼んだ『しがみつかない生き方』を著した精神科医香山リカさんとの、350分に及ぶ激闘の対談記録である。
 横綱どうしの対戦とは言い難いが、人気大関に小兵小結の大一番ぐらいは盛り上がっている。どちらがどうこういうのではないが。
 まず、立ち会い。香山リカさんが「勝間さん、自分と違う人がいるということ、わかります?」と張り手で勝負にでる。これには、見ている方が驚いたが、勝間和代さんは少しも動ぜず、まわしをさぐる。
 全般的に勝間和代さんは自分の得意とする技に持ち込もうとしきりにまわしを取りにいくが、香山リカさんはそれをかなり嫌って、土俵せましと動き回る。さらに足技、手わざ、色々な技を駆使しようとして、押しの勝負、四つの勝負を避けている感じだ。
 途中、両者まわしがゆるんだり、水入りになりかかったり、物言いがついたり、がっぷり四つの大一番を期待していたのですが、どうもそこには至らない。
 では、この勝負どちらが勝ったのかというと、行司の軍配に物言いがつき、審判長の「ただいまの取り組みの協議の結果・・・・」の声のあとは館内の歓声でよく聞こえない。

 しかも対戦後には試合のダメージを感じさせない勝間和代さんの<堂々たる>コメントと、「今後は、遠くからご活躍をお祈りしています」と突き放す香山リカさんのコメントとがあって、一体この両者はどちらが勝ったのだろうか、と考えさせらるのである。
  
(2010/02/19 投稿)

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 文明とは「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」をいい、
 アメリカとは文明だけでできあがっている社会だと
 司馬遼太郎さんはかつて『アメリカ素描』という著作のなかで書きましたが、
 そして、人は文明だけでは生きられない、
 だから彼らは「文化」を探しているのではないか、とつづけています。
 アメリカという国がもっていた合理的なもの・機能的なものは
 時に過剰に膨れ上がり、この国だけでなく
 世界を巻き込んで、病み、疲弊させてきました。
 だから、1年前に初の黒人大統領となったオバマ氏の登場に
 アメリカだけでなく、全世界が歓声をもって迎えいれたはずです。

 だれもが「CHANGE(変化)」を信じ、「HOPE(希望)」を夢見たのです。

 今回の「雑誌を歩く」は、おなじみ「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)」3月号の
 堤未果責任編集による、読み応え十分の
 「オバマ大統領就任から1年 貧困大国(アメリカ)の真実」です。
 いつものように、講談社さんとレビュープラスさんからの献本です。

COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 03月号 [雑誌]COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 03月号 [雑誌]
(2010/02/10)
不明

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 堤未果さんは『ルポ貧困大陸アメリカ』(岩波新書)というベストセラーを
 書いた注目のジャーナリストですが、
 今回の特集記事では冒頭にこの堤未果さんのインタビューが
 収められています。
 そのなかで、熱狂的な支持で迎えられたオバマ大統領が
 就任から1年にして支持率が50%程度まで落ちたことに対して
 堤未果さんはこう答えています。

   今、米国の人たちは厳しい問いに直面しています。
   なぜこの手に掴んだはずの「HOPE」がこんなに色褪せてしまったのか。
   (中略)
   この問いかけは自己責任という形で返ってくる。

 そして、この問いかけは残念ながら、
 民主党政権を誕生させた、私たちの国でも同じです。
 雑誌「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)」は、
 世界の1500を超えるメデイアの中から記事を選び、
 翻訳・編集しているのですが、
 それは単に世界の動きをウォッチするのではなく、
 私たちのこの国の、政治や経済や社会あるいは文化を
 逆射する機能をもっていることを示しています。

 確かに、アメリカは大国です。
 アメリカの動向は、あらゆる国に影響を及ぼすでしょう。
 そして、それは司馬遼太郎さん的にいえば、
 文明というものがもっている苦悩であり、病巣ともいえます。
 私たちのこの国が文化を蔑(ないがし)ろにし、
 文明一辺倒になりつつあることに危機感を募らせるしかありません。
 今回「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)」が
 アメリカを特集した意味は大きいと思います。
 いまだに「政治と金」の問題ばかりが取り上げられる
 私の政治の現場の貧困は残念です。
 そのことを興味本位にとらえるのではなく、
 もっとクールな視点で、政治をとらえるよう、
 日本のメディアに期待します。

 じゃあ、読もう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日紹介した『プロフェッショナルの脳活用術』は
  NHK生活人新書という、新書でした。
  今日は新書の魅力いっぱいの、
  奥野宣之さんの『だから、新書を読みなさい』。
  大学生になった当時、
  友人のひとりが「岩波新書を全部読破してやる」と
  云っていたことがあります。
  すごいな、って思いましたね。
  当時はまだ岩波新書の青版だったように
  記憶していますが、ちがったかなあ。
  その友人が読めたかどうかわかりませんが、
  それくらい岩波新書は魅力がありました。
  今それがないということではありませんよ。
  でも、今回の書評にも書きましたが、
  今から40年近く前の新書が持っていたものと
  最近のものとでは、
  随分へだたりがあるような気がします。
  はっきりいって、
  うすっぺらい新書が増えたように感じます。
  みなさんはどうですか。

  じゃあ、読もう。

だから、新書を読みなさいだから、新書を読みなさい
(2009/09/11)
奥野 宣之

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sai.wingpen  だから、新書を疑いなさい                     矢印 bk1書評ページへ

 新書には本書にもあるように魅力がたくさんある。廉価、携帯性、コンパクト、読みやすい、などなど。だから、新書は嫌いではない。
 ただ、昨今の出版事情をみていると、あまりにも安易に新書が作られているように思う。
 ひと昔前であれば、新書は専門書一歩手前の入門書的信憑性の高いものであったが、今書店にあふれる新書は玉石混交になりすぎている。
 新書だから信用できるというレベルにはない。読者は新書であったも、よく吟味しないといけない。

 しかも、これは読者側の問題になるかもしれないが、安易に新書に解答を求めすぎているように感じる。
 それは読書という場におけるインターネット検索に近い。インターネット検索は便利である。その効用は十分評価していいが、学びの場での振幅が限られている。
 これは氾濫するビジネス本にもいえるが、問いを自身で考え解くのではなく、答えを優先しすぎている。最近の新書事情もそのように見えてしまう。

 著者が推奨する「新書を三冊同時にまとめて購入し、会社帰りに喫茶店で三時間ほどかけて拾い読みし、メモをつくる」方法を否定しないが、「だから、新書を読みなさい」とまではいえない。
 これは出版社へのお願いであるが、出版不況のなか、なんとか売上げを確保したいという企業事情はあるだろうが、安易な新書作りにながれるのではなく、じっくりと腰のすわった内容の新書出版を心掛けてもらいたい。
 新書が出版界のデフレ対応型商品になってはいけない。
  
(2010/02/17 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  バンクーバー冬季オリンピックが始まりましたね。
  やっぱり期待はフィギュアスケートでしょうか。
  そんななか、スノーボードの國母和宏選手の、
  服装の乱れ、いわゆる「腰パン」姿が
  ニュースになりましたね。
  今日紹介する『プロフェッショナルたちの脳活用法(2)』では
  ありませんが、
  國母和宏選手も五輪代表に選ばれるのですから、
  プロフェッショナルだと思うんですよ。
  若いスポーツだから、なんでもしていいというのは
  やはりおかしいんじゃないでしょうか。
  プロフェッショナルの自覚の問題だと思います。
  では、彼のあの髪型はどうなのといわれると
  それもNoなのか。
  そういうこともキチンと整理しないと、
  論評したことにならないでしょうね。
  ところで、ああいうスタイルを「腰パン」ということを
  初めて知りましたし、
  公式服装でなければ、
  私も一度はしてみたい気分ですが、
  おじさん、ズボンずってますよ、と
  言われるにちがいありません。

  じゃあ、読もう。  
  
プロフェッショナルたちの脳活用法〈2〉育ての極意とアンチエイジング (生活人新書)プロフェッショナルたちの脳活用法〈2〉育ての極意とアンチエイジング (生活人新書)
(2010/01/10)
茂木 健一郎NHK「プロフェッショナル」制作班

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sai.wingpen  プロフェッショナルたちの魔法の言葉           矢印 bk1書評ページへ

 プロフェッショナルとは何か。
 そんな問いに落語家の柳家小三治さんはこう答えています。「周りから見ると、すごいなあ! 立派だなあ! ということです。だけど本人たちはそんなことは思ってないと思います。そんなことより、いまのことで夢中だと思います。それがプロフェッショナルじゃないかな」(172頁)

 本書にはNHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられた、たくさんの世界のプロたちが紹介されていますが、小三治さんの言葉は彼らが決して生まれついての天才ではなく、我々凡人とそれほど変わらないことを示唆しています。
 もし、彼らに少し違いがあるとすれば、本書の著者である茂木健一郎さんがいうように、「「いま」にどれだけ夢中になれるか」ということでしょう。そして、彼らが特に脳の使い方を意識しているのではなく、彼らの考え方なり行動のありかたが脳科学という面からみて妥当であるということです。
 人はその生き方でいくらでも脳を成長させることができるのです。

 本書では副題にあるように「育ての極意とアンチエイジング」をテーマにプロフェッショナルの生き方と発言から脳の働きを解き明かしています。
 どちらも興味のある内容ですが、私は「育ての極意」の方に興味を持ちました。
 書かれているのが、子供の子育てであったり仕事場における部下の指導であったりしますが、自分自身の成長もまた自身を育ての対象とみた場合有効だと感じます。もっともそろそろ私も「アンチエイジング」を気にしないといけない年齢なのですが、自分がまだ育とうという気持ちがあるかぎり、それもまた「アンチエイジング」でしょう。

 本書に収められたプロフェッショナルたちの何げない言葉の端々から何を感じ、何を学ぶか。それが彼らに近づくための、まず一歩ではないでしょうか。
  
(2010/02/16 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日はメルヘンチックな作品でしたが、
  今日はいきなり大人の世界です。
  R15(15歳未満禁止)にしたいくらい。
  こっちの方がいいって、
  今思った読者のみなさん、あせらない、あせらない。
  渡辺淳一さんの小説は
  読んだことあります?
  『失楽園』とか『愛の流刑地』とか。
  私なんか日本経済新聞に連載されていた頃は
  まっさきに、
  あ、いえ、その
  まずは一面経済記事を熟読してから、
  こそっと読んでいました。
  今日紹介する本は、
  そんな渡辺淳一さんの男女小説に描かれる
  あの場面をピックアップした読本。
  ああ、そんなにあせらなくても。

  じゃあ、読もう。
  
渡辺淳一の性愛の技法を研究する渡辺淳一の性愛の技法を研究する
(2009/09/19)
渡辺淳一研究会

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sai.wingpen  豊崎由美さん、怒らないでください        矢印 bk1書評ページへ

 書評家の豊崎由美さんならゲェッとひと吐きするような書名と内容の本ではあるが、渡辺淳一の「男女小説」(こういう呼び方は1983年に刊行された『ひとひらの雪』あたりからだと、本書で説明されている)が好きな男性読者としては、その系統の作品で数多く取り上げられ、渡辺の情緒感いっぱいの表現方法で描かれた男女の性の姿を一望できるのであるから、これはこれでおおいに楽しめる一冊といっていい。

 渡辺ファンの誤解のないようにいっておくと、渡辺淳一の「男女小説」の、それに至るまでの男女の心の機微や折々にはさまれる日本の風情を評価しないものではない。過激な性描写はひとつの特徴ではあるが、それが全部ではないとわかっているつもりである。
 しかし、何はともあれ、物語の核に男女の性のありようが描かれているかぎり、それを追求してみるのも面白い趣向といえる。

 もちろん、こんなことを書いたら、豊崎由美さんは怒るだろうが。
  
(2010/02/15 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、バレンタイン・デー
  女の子から好きな彼にチョコをあげる日。
  その他大勢の男子は義理チョコをもらう日。
  残念ながら、今日は日曜で、
  義理チョコはもらえないですね。
  もちろん、本命の彼氏は曜日には関係ありません。
  今日紹介するのは、
  そんなバレンタインにぴったり。
  山崎ナオコーラさんの新刊、『あたしはビー玉』。
  かなりメルヘン、
  かなり軽め、
  一日で読めてしまうんじゃないでしょうか。
  かわかみじゅんこさんが描いた表紙絵の、
  カワイイ女の子を想像しながら
  読むのもいいですよ。
  高校生とか大学生といった若い人たちは
  こんな物語でもすっと感情移入できるのかな。
  チョコ代わりにいかが。
  お気に入りの、山崎ナオコーラさんでは
  ありますが、
  今回はさすがにキツめの400字書評になりました。

  じゃあ、読もう。
  
あたしはビー玉あたしはビー玉
(2009/12/10)
山崎ナオコーラ

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sai.wingpen  ビー玉は恋する女の子               矢印 bk1書評ページへ

 ある日突然ビー玉が喋りだす。まるで漫画のようなお話だ。女の子はガラス玉でしかないビー玉にもそんな夢みたいな気持ちを抱くことがあるのだろうか。しかも、彼女(ビー玉のこと)は幼稚園の頃から宝物のように大事にしてくれた清順君に恋してる、というのだから、訳がわからない。
 山崎ナオコーラはそんなとんでもない話で、十六歳の少年の成長物語を書こうとした。
 こういう物語はそれがあたかもありえるように描くことで、読者を夢の世界にいざなうものだが、喋るだけでなく、ファストフードが好きだったり、浴衣を着ての花火見物だったり、いったいこのビー玉は今どんな姿でいるのだろうかと悩んでしまうのはいただけない。
 作者はその時々に色を変えるビー玉に今の高校生の気分のようなものを感じたのかもしれないが、いくら物語だとしてもいささか無理がある。
 今度、じっくりビー玉を見てみよう。「あまり見つめないで」と彼女はいうだろうか。
  
(2010/02/14 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  仕事をしている人のほとんどは
  本当によく頑張っていると思います。
  でも、そんな一生懸命が、
  お客様に届かないんですよね。
  やっぱり、それがどうすれば伝わるのかを
  考えないといけません。
  今日はのっけからマジメですが、
  何故そんなことを書いたかというと、
  このブログでもそうなんですよ。
  記事の最後にあるブログランキング。
  なんとなくバナーを貼っていますが、
  読者の皆さんによく伝わっていないのじゃないかな。
  そもそもブログランキングって何?
  という説明からしないといけないんですよね。
  まず、下のバナーをクリックしてみてください。

  

  ほら、画面が変わったでしょ。
  これがランキング。
  これは日々の累積ですから、
  応援だと思って毎日クリックしてもらうと
  ありがたい。
  もう一つのバナーも同じ。
  もう一度やってみましょう。
  下のバナーをクリックしてみてください。

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  ほら、別のランキング画面になりましたよね。
  これも日々の累積ですから、
  毎日クリックしてもらうと
  ランキングがあがるんですよね。
  みなさん、
  こういう風に、
  仕事の工夫はお客様によくわかるように
  しましょうね。

  じゃあ、読もう。

それからはスープのことばかり考えて暮らしたそれからはスープのことばかり考えて暮らした
(2006/08)
吉田 篤弘

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sai.wingpen  とにかく、おいしい!             矢印 bk1書評ページへ

 文章というのは、本作品の「名なしスープのつくり方」にあるように、「これを外せないというものを何かひとつ。」いれることで、味がぐっとひきしまる。
 書評でも同じで、「かつき」さんがこの作品の書評をbk1書店に掲載されていたのだが、その書き味にうなってしまった。引用させてもらうと「『つむじ風食堂の夜』が優しい夜の物語ならこれは午後の物語。ちょっっと遅めのランチはサンドイッチ。そして名もないスープ。」とある。納得。これ以上の何も求めてはいけないような、見事な読み方だ。おそらく、この作品のすべてをわずか数文字で言い切っている。
 この文章以上のものは書けないと思いつつ、「本当は完成などないが、まぁ、いいや」という「スープのつくり方」に倣って、書くことにする。

 就職活動をしている僕が出会った、街のサンドイッチ屋の安藤さん。安藤さんは僕に働くことを勧める。でも、僕には熱中している、あることがある。それは昔の日本映画に出ていた、脇役専門の女優松原あおい出演の作品を観ること。やがて、僕は映画館の同じ暗闇のなかでいつも出逢う、緑色の帽子をかぶったおばあちゃんに妙に心ひかれる。
 僕が住むこんな街はどこにも存在しないだろう。主人公の僕も、僕にかかわる人たちも、安藤さんがつくるサンドイッチも、僕がつくるスープも、どこにも存在しないだろう。
 それでも、心の片隅で、この街は世界のどこかにきっとあって、主人公の僕も、僕にかかわる人たちも、サンドイッチもスープもあるかもしれないと、信じたくなる気持ちが捨てきれない。

 映画はある時間が過ぎれば、すっと光が消え、闇がほどける。でも、どこかで観客は映画の世界をひきずっている。この物語もそうだ。読み終わっても、この世界にとどまりたいと思いたくなる。
 そして、「名なしスープのつくり方」にあるように、「ただひとこと念じればいい。とにかく、おいしい!」と。

 指のあとの残っていない、じゃがいもサラダのサンドイッチが食べたくなる物語である。
  
(2010/02/13 投稿)
02/12/2010    芥川賞選評を読む
 「該当作なし」となった、
 第142回芥川賞の選評が掲載された
 「文藝春秋」3月号が発売されました。
 先に候補作5作のなかで最後まで競い合った3作の書評を
 このブログで書きましたが、
 さてさて、9人の選考委員はどう評しているのでしょう。

文藝春秋 2010年 03月号 [雑誌]文藝春秋 2010年 03月号 [雑誌]
(2010/02/10)
不明

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 目をひいたのが大御所石原慎太郎委員。
    「これがこの国の現代における新しい文学の可能性の表示
     なのだろうか。何かがおかしい、何かが衰弱している、何かが
     見当違いだ

 オリンピック落選余波なのか、のっけから厳しい。
 というか、今回は全委員きつめの選評です。

 宮本輝委員はこう書いています。
    「十数年間も毎回受賞作を出してきた我々はじつに親切で
     甘い選考委員だったということになる。(中略)そのような委員
     たちですら、今回は受賞作を出すことはできなかった

 よく読むと、暗澹たる気持ちになる選評です。
 その一方で、池澤夏樹委員はこう反省しています。
    「かつて芥川賞は村上春樹、吉本ばなな、高橋源一郎、
     島田雅彦に賞を出せなかった

 「賞を出さなかった」ではないですよ。「出せなかった」。
 池澤夏樹委員は舞城王太郎さんを強く推したようですから、
 このような表現になったのだと思いますが、
 先の宮本輝委員のコメントと合わせ読むと、
 芥川賞の面白さ、苦さ(限界)を感じますね。

 若い選考委員はどう読んだのでしょう。
 小川洋子委員。
    「どこかに甘えがあると思う
 山田詠美委員。
    「何なの? 若い作者に蔓延するこのクウィッキィな「文学的」シンドロームは?
 山田詠美委員のいう、「クウィッキィ」ってどういう意味なのか、
 よくわからなかったのですが。
 川上弘美委員は、『ビッチマグネット』と『老人賭博』を
 少し推したとしながらも、
    「気弱でチャーミングでほんの少し、ぐず。そういう人と昔つきあった
     ことがあったように記憶があります。けっこう、苦労したなあ

 と書いています。
 それでも、私はそんな彼がうらやましくありますが。

 さて、最後に私がもっとも信頼をおく村上龍委員の
選評はどうなっているかというと、
    「今回は全般的に低調で、選考会も盛り上がりに欠けた
 とあります。
 さらに、
    「作品に力がないとき、わたしはどうしてこんなことをやって
     いるのだろうと不条理のようなものを感じることがある

 「不条理」ですよ、「不条理」。
 そこまでいうか、って感じですね。

 出版業界は何故不況に陥っているのか。
 読ませるだけの作品を書き手が提供してこなかったことも
 一因だと思います。
 だから、今回の芥川賞「該当作なし」はかなり深刻です。
 読むべき作品がないのに、本は売れるはずもありません。
 きっと、今回の「文藝春秋」3月号の売れ行きは厳しいんだろうな。

 がんばれ、作家たち。
 がんばれ、本屋さん。

 ちなみに、受賞作掲載がない「文藝春秋」には
 舞城王太郎さんの『ビッチマグネット』が掲載されています。

 じゃあ、読もう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、建国記念日
  お休みの人が多いかしら。
  そんな日にうってつけの一冊。
  この本を本屋さんで見つけたとき、
  飛びつきました。
  人はいくつになっても青春時代の尾っぽを
  ひきずっているのかもしれません。
  懐かしさでいっぱいになる、
  今日はそんな一冊、
  富澤一誠さんの『あの素晴しい曲をもう一度』。
  書評にも書きましたが、
  本書の第二部で「名曲ガイド50」がついていて
  たとえば、岡林信康の「友よ」だとか
  井上陽水の「心もよう」だとか
  の「22才の別れ」、イルカの「なごり雪」なんていうのが
  あるわ、あるわ、でつい読みながら
  唄ってしまいました。
  それぞれに思い出があって、
  それはなんだかいつも哀しい思い出なんですよね。
  人生が二度あれば、って唄ったのは井上陽水ですが、
  もし本当に人生が二度あったとしても
  この歌たちに出逢えないのでしょうね。

  じゃあ、唄おう。

あの素晴しい曲をもう一度―フォークからJポップまで (新潮新書)あの素晴しい曲をもう一度―フォークからJポップまで (新潮新書)
(2010/01/20)
富澤 一誠

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sai.wingpen  思い出だけが美しい              矢印 bk1書評ページへ

 あれは兄が高校一年の、今からざっと40年以上前の、クリスマスの朝だった。起きると、一本のギターが兄の枕元に置かれていた。
 両親がくれたクリスマスの贈り物。
 兄のものではあったが、それはとてもまぶしく輝いていた。兄も弾き、私もつまびいたあのギターはどうしただろう。結局兄も私もお決まりの「禁じられた遊び」を弾いたぐらいだったと思うが、あのギターはどこへいってしまったのだろう。
 せめて、拓郎の「結婚しようよ」ぐらいは弾きたかったが。

 本書は音楽評論家富澤一誠氏が「およそ四十年にわたって間近に見つめてきたJポップの歴史」、1960年代のフォークからニューミュージック、そして最近の音楽事情までを、時代ごとにまとめあげた音楽史である。
 自身の記憶をたどる読み物としても楽しめる一冊だ。
 そのことを富澤は「それは青春私小説ならぬ、自分の人生を弾き語る「青春四小節」」と洒落てみせる。
 もちろん平成生まれの若い人なら、昨年(2009年)亡くなった加藤和彦の伝説のグループだったザ・フォーク・クルセダーズのことは知らないし、高校や大学のキャンパスで高らかに歌われた「遠い世界に」のたぎるような思いは理解できないかもしれない。
 それとは逆に、本書でいえば、後半の1990年代から2000年代にかけての音楽事情の、私の方がついていけない。
 歌はいつだって、そこにありながらも、時に寄り添うこともし、時にそしらぬ顔をする。

 本書の第二部は音楽シーンを変えた50曲の「名曲ガイド」で、誕生秘話や発売当時のジャケット写真などがおさめられている。これもまた貴重な資料である。同時に、あの頃の思い出が次々に蘇る、心の玉手箱みたいだ。
 しかし、それはもう帰ってこないことも知っている。
 そういえば、加藤和彦と北山修が唄った「あの素晴らしい愛をもう一度」にこんな歌詞があった。
「あの時 同じ花をみて 美しいと言った二人の 心と心が 今はもう通わない」。
 ただ、思い出だけが、美しい。
  
(2010/02/11 投稿)

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 外で働いていると、
 帰りの駅売りの夕刊紙の見出しが
 気になるもの。
 昨日も帰りになにげなく見ると、

   立松和平氏、急死。

 の見出しにびっくりしました。
 帰って朝日新聞の夕刊を読みましたが、
 どうも間に合わなかったようです。

   「遠雷」「道元禅師」などの小説やテレビリポーターとしても知られた
    作家の立松和平(たてまつ・わへい、本名横松和夫〈よこまつ・かずお〉)さんが
    8日午後5時37分、多臓器不全で死去した。
    62歳だった。

 立松和平さんといえば、代表作『遠雷』(1980年)
 これは映画にもなって(1981年 根岸吉太郎監督)、
 ヒロイン役の石田えりさんの体当たりの演技が評判に
 なりました。

 私は小説家立松和平さんの作品はあまり読んでいません。
 初期の『たまには休息も必要だ』『遠雷』ぐらい。
 でも、TVのニュース番組で
 立松和平さんがレポーターをしている姿は
 よく見ました。
 もしかしたら、
 多くの人にとって
 作家立松和平よりもレポーターの方がなじみが
 あるかもしれませんね。
 なにしろ独特の栃木弁が印象的でしたから。

 その印象があまり強すぎたかもしれませんね。
 実はものすごい数の著作がある作家で、
 この1月に全30巻の「立松和平全小説」の
 刊行が始まったばかり。

青春の輝き (立松和平全小説)青春の輝き (立松和平全小説)
(2009/12/15)
立松和平

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 謹んでご冥福をお祈りします。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、私の誕生日です。
  そんな日に、いい本を紹介できるのは
  本当にうれしい。
  これからもそばに置いて、
  何度でも読みたい、
  そんな一冊。
  小宮一慶さんの『人生の原理』。
  表紙とびらにこうあります。

    人生がうまくいくかどうか、それはあなた次第です。

  私は55歳になります。
  多分、人生の折り返し点は過ぎています。
  でも、人生のほんとうのことは
  これからどんどん気がついていくのだと思います。
  この本がくれた、多くの言葉を糧にして
  いい人生をまだ少し生きてみたいと思います。

  じゃあ、読もう。  

人生の原理人生の原理
(2010/01/18)
小宮一慶

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sai.wingpen  経営は哲学であり、詩である                     矢印 bk1書評ページへ

 信念のある言葉は、人の気を動かし、人の心を強くする。
 それには決して長い文章は必要ではない。短くても人をうつ。人を奮い立たせる。
 経営コンサルタントの小宮一慶さんのこの本を読んで、つくづくそう思いました。

 書かれている内容は、今まで小宮さんがいくつかの本で書かれたことや講演で話されたことですが、今回はそれらの内容がより純にろ過されていて、詩のように、声をだして読みたくなります。
 会社を経営するということと詩とはまったくかけ離れたもののような気がしますが、実は根本では同じものかもしれません。
 それは「感動」です。
 企業経営者は日々どのようにすればお客様から支持され、物やサービスが売れるだろうかと悩みます。お客様の心をどう動かすか。従業員にどうやる気を起こさせるか。
 そのひとつのヒントが「感動」です。
 「感動」を人の気持ちを素直にさせます。
 「感動」は信頼を生みます。
 詩もおなじです。
 いい詩に私たちはどれだけ心を揺さぶられるでしょう。そして、そんな自分自身ときちんと向かい合おうとします。

 小宮さんは自身の仕事を「企業経営者のコーチ」と語っています。
 だから、この本はコーチからの激励のエールです。
 仕事にいきづまったとき。
 人間関係に悩んだとき。
 なにごともうまくいかないとき。
 この本に書かれた短い文章が、もう一度、顔をあげ、歩きださせる、勇気をくれます。
 うまくいきすぎて自分を見喪いかけたとき。
 最愛の人をなくしたとき。
 この本に書かれた短い文章が、立ち止まって自分をみつめなおす、時間をくれます。

 何度でも、何度でも、読みたい一冊です。
  
(2010/02/09 投稿)

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 お待たせしました。
 (待っていたかはともかくとして)
 年に一度の、ベストテン。
 今回の「雑誌を歩く」は、
 一年にたった一回刊行される、
 「キネマ旬報決算特別号です。

キネマ旬報 2010年 2月下旬決算特別号キネマ旬報 2010年 2月下旬決算特別号
(2010/02/05)
不明

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 なにしろ、「この一冊で2009年の映画、そのすべてがわかる!
 というぐらいですから、
 まさに永久保存版の一冊です。
 早く、本屋さんに走らないと、
 売り切れちゃいますよ。

 若い頃から、この時期にはずせない雑誌で、
 発売日間近になると、
 本屋さんに行って、「まだキネ旬はいっていませんか」と
 訊ねたものです。
 それで、発売日に本屋さんで、
 その年の主演男優さんと主演女優さんが並んだ表紙を見つけると、
 これこれ、って買うのも弾むような心持ちでしたね。
 それで、買って帰って、
 ベストテンの作品を見て、
 今年はこれは観たけど、これは観逃したとか、
 この順位はおかしいんじゃないとか
 ぶつぶつ云っていたものです。

 では、さっそく今年の内容を。
 なんといっても、
 主演男優賞笑福亭鶴瓶さん(映画『ディア・ドクター』により)。
 これには失礼ながら、驚きました。
 主演女優賞は、松たか子さん(映画『ヴィヨンの妻』により)。
 そして、今回のベストテンではすっかり話題をさらってのが、
 新人女優賞の、川上未映子さん。
 芥川賞作家が新人女優賞ですからね。
 今、作品『ヘヴン』で本屋大賞にもノミネートされていて、
 川上未映子さん絶好調です。

 さて、作品賞をみてみましょう。
 まずは邦画、ってあまり言わなくなりましたね、
 日本映画の第1位は、『ディア・ドクター』(西川美和監督)。
 洋画はクリント・イーストウッド監督の『グラン・トリノ』。
 映画評論家のみなさんだけでなく、
 読者が選ぶ第1位も、邦画洋画ともに同じですから、
 この2作品は観る価値十分じゃあないでしょうか。
 残念ながら、私は観落としましたが。
 昔は一回観損なうとなかなか観ることができませんでしたが、
 今はレンタルとかTVとかあるので、
 そういうケアがしやすくなりましたよね。
 こうして、権威ある「キネマ旬報」のベストテンに選ばれた作品なら
 やはり観ておきたいですね。

 私は、木村大作監督の『剱岳 点の記』が
 第1位に選ばれるのかなって思っていましたが、
 残念でした。
 ただ、木村大作さんは監督賞を受賞。
 やはり、こういう骨太な作品は大事にしないとね。

 「キネマ旬報」の決算特別号には、
 その年公開作リストや映画界の総決算がはいっていますので
 資料としても保存したいところ。
 雑誌だからといって、
 読んだらポイではなく、
 我が家の本棚にきちんと並んでいます。

 じゃあ、読もう。

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 それでは、昨日のお約束どおり、
 今日は、経営コンサルタント小宮一慶さんが
 大塚商会さん主催の「実践ソリューションフェア2010」で行った
 講演のことをレポートします。

 なんだかすっかり小宮一慶さんの「代弁者」みたいに
 なっていますが。
 これは今回の講演のなかで、
 小宮一慶さんも話していましたが、
 「リレーションシップマーケティング」として重要なキーワードです。
 つまり、お客様(本でいえば読者ですよね)とどういう関係を
 つくるかということです。
 よく「得意客」といいますよね。
 「代弁者」はそれよりももっと上位概念なんですよね。
 お客様自身が積極的に広めてくれる、そういう関係です。
 書評というのも、本当はそうでないといけませんよね。
 お客様(読者)とそういう関係を構築するためには、
 お客様が主観的に見てそこが一番であると思うようにすること、
 「あなた」(お客様)は特別なんですよと思うようにすること、
 そして、感動を与えること。
 これが大事。(あ、このあたりからもうすでに講演の内容ですよ)
 本にたとえれば、感動した本は人に話したくなりますよね、
 さらに著者自身からお礼でも言われたら、「あなた」は特別です、となる。
 昨日も小宮一慶さんからコメントをもらいました。
 そうなると、色々な著者や本があるなかで、
 単に「得意客」や「支持者」ではなく、
 「代弁者」になる確率が高くなります。

 ところで、何故、私が小宮一慶さんの本を読みつづけ、
 講演を聞きにいくかといえば、
 感動とか記憶は忘れがちだからです。
 どんなに感動しても、やはりそれは薄れていきます。
 だったら、エネルギーを補給するように、
 何度も何度もそれを繰り返すことです。
 小宮一慶さんも今回の講演のなかで、
 松下幸之助さんの『道をひらく』をいつも手元において
 寝る前に何ページかを読む、ということを話しています。
 たくさんの経営をみて、本を書いてきた小宮一慶さんでもそうなんです。
 もっと凡人である私たちには、そういう繰り返しが必要だと思います。

 今回の講演のテーマは、
 「時代を生き抜く企業戦略
  ~あたりまえのことを バカになって ちゃんとやる~

 ですから、
 まず小宮一慶さんは、「経営者とは」ということを話しています。
 ここは重要ですから、メモしてくださいね。

   ①方向づけをつけること。

   ②資源の最適配分を行うこと。

   ③人を動かすこと。

 特に三番目のことでいえば、
 「指揮官先頭」ということです。
 人を動かしかったら、まず自分が「やる」ことです。
 「どうして部下は動いてくれないのだろう」と嘆く経営者は多いと思います。
 その時、自分にこう問いかければいいのです。
 「自分は動いているか」
 一方で、経営者が動くことに反発する部下もいます。
 (このあたりは小宮一慶さんでなく、私の意見です)
 よく考えてみれば、そういう部下が経営者が動けば
 自分も動かざるをえないので、
 きっとそのあたりが嫌なんでしょうね。
 そういう人には「厳しく」すること。
 小宮一慶さんは、「信念があればいえる」としています。
 つまり、
 「経営者は正しい信念をもつこと」です。

 今回の講演は約1時間半ありましたから、
 ここに書ききれない内容も含めて、
 充実していました。
 最後にこれだけは書いておきますが、
 「成功するかどうかは、ちょっとした踏み込みができるかどうか」
 だということです。
 本を読もうとする「踏み込み」、
 講演を聞きに行こうという「踏み込み」、
 それを書き留めておこうという「踏み込み」、
 その「踏み込み」が重要だと、
 小宮一慶さんは強調していました。

 最後に、
 こういう素晴らしい講演を主催してくれた
 大塚商会さんに拍手。
 ありがとうございました。

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あたりまえのことをバカになってちゃんとやるあたりまえのことをバカになってちゃんとやる
(2009/04/13)
小宮 一慶

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 昨日(2.5)、大塚商会さんが主催の、
 「実践ソリューションフェア2010」に行ってきました。
 会場は東京品川にあるホテルパシフィック東京。
 テーマは「ITで元気に ビジネスが動き出す。
 へええ、どうしてそれがこのブログで、と
 驚かれた人もいるでしょうが、
 実はこのフェアの特別セミナーで、
 あの小宮一慶さんの講演があったんです。
 そこで、いそしそと馳せ参じたわけです。
 ね、つながったでしょ。

 小宮一慶さんのセミナーにはいる前に、
 会場
 せっかく場を提供していただいたので
 会場の様子をレポートすると、
 いやあ、すごい人、人、人・・・。
 ビジネスマンがほとんどですが、
 みなさん、熱心にセミナー会場に向かったり、
 展示会場に足を運んだりされていました。
 大塚商会さんの従業員の人たちも
 汗を流しながら、
 声枯らしながら、
 がんばっていました。
 それだけでも拍手したくなりました。

 そんなフェアの、多分目玉として小宮一慶さんの講演が
 あったわけですが、
 会場にはおよそ600人の聴衆が集まっていました。
 びっしりという感じです。
 もちろん、ビジネスマンが多かったのですが、
 ところどころ年配の方や女性の姿もありました。
 私は前から3列目あたりに席をゲット。
 しかも、ほぼ正面。
 いい位置です。

 開演少し前に、小宮一慶さん登場。
 今日は縞のシャツに赤いネクタイ。(確か?)
 今年初めての講演参加の私の気分も少し高揚してきて、
 席につかれた小宮一慶さんに
 つかつかと近づいて、
 「こんにちは」と挨拶しちゃいました。
 小宮一慶さん、少し驚いたかもしれませんね。
 でも、こちらとすれば、何回かお会いしているという
 勝手な思い込みがありますから、
 平気、平気。
 小宮さんの方も暴漢だとは思わなかったようで、
 しかも少しは覚えてくれていたようです。
 名刺
 実はこの日、夜から丸善丸の内店で、
 小宮一慶さんは新刊の記念講演も予定されていて、
 「そちらの方に来てくれるかな、と思っていました」
 「すみません。ちょっと用事があって」
 みたいな、会話をはさんで、
 おまけに、名刺交換までしちゃいました。
 左が、頂いた名刺。(念のため、住所とかは伏せています)
 去年、小宮一慶さんが一番感動したのは、
 TVの番組で女優の仲間由紀恵さんと同席したことらしいですが、
 私の場合はベストセラー作家の小宮一慶さんと話ができたことかな。
 (そりゃ、仲間由紀恵さんだったら、もっとよかったですが)

 さあ、そろそろ開演です。
 小宮一慶さんの、今日の講演のテーマは、
 「時代を生き抜く企業戦略 ~あたりまえのことを バカになって ちゃんとやる~」。
 いい話でしたよ。
 その内容は、明日。
 乞う、ご期待。

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 ここしばらく、
 第142回の芥川賞の候補作を続けて読んできて、
 そういえば、「私の好きな作家たち」に
 芥川龍之介のこと書いていなかったことに
 気がつきました。

 そこで久しぶりの「私の好きな作家たち」は
龍之介 芥川龍之介
 まずは、左の写真をごらんください。 
 かっこいいですよね。
 今風の言葉でいえば、
 神経質なイケメンというところでしょうか。
 それにすごく知的な感じしますよね。
 私も若い頃は彼に近いくらいに
 痩せてたんですがね。

 文学青年なら一度は龍之介のポーズを
 してみたんじゃないかな。
 次が太宰のポーズ。
 漱石のポーズはしなかったなあ。

 たぶん私が龍之介の作品に初めて接したのは
 小学生の高学年か中学生の頃。
 なぜか家に日本文学全集みたいな本の一冊だけがあって、
 それが「芥川龍之介集」だったように
 おぼろげながら記憶しています。
 それには『蜘蛛の糸』とか『杜子春』とか『』とか載っていて
 挿絵もついていたのではないかしら。
 考えてみたら、それ以降、ほとんどの作品は
 読んでいるんですよね。

 では、龍之介のベストは何かと聞かれてら、
 『トロッコ』とか『蜜柑』あたりかもしれません。
 あるいは『手巾』も好きな作品です。
 晩年の『或阿呆の一生』とか『歯車』よりはずっと好きですね。

 最近の人は芥川龍之介を読むのかな。
 どうも教科書的というか、優等生的すぎて
 敬遠されていはしないか。
 もし、そうだとすれば、やっぱりもったいないですよね。

 ちょっとまた、読みたくなってきました。

 じゃあ、読もう。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、立春
  二十四節気のひとつ。
  暦の上では、今日からが春。

   立春の米こぼれをり葛西橋  石田波郷

  これからは段々気候もよくなり、
  植物も生き物も活発になります。
  
  今、私の83歳になる母が病床についています。
  3月の終わりには84歳を迎えます。
  そんな母に、
  こぼれるような春を味わわせてあげたい。
  満開の桜を見せてあげたい。
  柔らかな微風をおくってあげたい。
  そんな気持ちでいます。

  今日紹介する長谷川櫂さんの、
  『決定版 一億人の俳句入門』は
  講談社現代新書として刊行された一冊ですが、
  もとは2005年に単行本として刊行されたもので、
  単行本から文庫本になるケースは多いですが、
  新書になるケースは珍しいですよね。
  購入する人はまぎらわしいと思うので、
  書きました。

  この新書版では、長谷川櫂さんのこれからの
  出版予定も書かれています。
  楽しみにまっています。

  ということで、単行本の方の書評を蔵出ししようと
  思ったのですが、
  このブログですでに掲載していましたので、
  興味のある人はこちらをどうぞ。

  じゃあ、読もう。

決定版1億人の俳句入門 (講談社現代新書)決定版1億人の俳句入門 (講談社現代新書)
(2009/12/16)
長谷川 櫂

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、節分
  冬と春の、節を分ける日。
  歳時記でいえば、節分までが
  「冬の部」。

    節分や鬼も医師も草の戸に  高浜虚子

  豆まきという風習も
  なんとなくあまり見られなくなりましたが、
  悪鬼を祓う日本の風習として
  残したいもののひとつです。
  今日紹介する、
  重松清さんの『十字架』は
  いじめという重いテーマが書かれています。
  いじめは心のなかの悪鬼の仕業かもしれません。
  鬼はそと。
  福はうち。
  ぜひ、『十字架』を読んで
  心のなかの悪鬼を祓ってください。

  じゃあ、読もう。

十字架十字架
(2009/12/15)
重松 清

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sai.wingpen  親友の名前                 矢印 bk1書評ページへ

 今ではそんなことはないだろうが、もう四十年以上前の小学生には、自分の長所欠点だけでなく親友の名前を書かせる、そんな調査があったように記憶している。それがとても嫌だった。
 親友。放課後に遊ぶ友だち、一緒に登下校する友だち、教室でふざけあう友だち。何人もの顔と名前が浮かぶのだが、親友というかぎりは相手もそう思っているはずで、相手がこちらの名前をもし書いてくれないと、それは親友でもなんでもなくなってしまう。こちら側の一方的な思い込みだ。恥ずかしい。
 調査表の、親友の名前という空白の前で、なんともつらく、なさけなく、凍りつくようであった。

 重松清の『十字架』を読みながら、そんな遠い昔のことを思い出していた。
 いじめにあって自殺してしまう同級生の俊介に「親友」と遺書に刻まれた中学二年生の裕(ゆう)は、親友にも関わらず俊介へのいじめをとめなかったと彼の父親に糾弾される。しかし、実際には裕は俊介から親友と呼ばれるほどの関係にはなかった。小学生の頃には遊んだこともあったが、中学生に進んでからは同級生の一人にしかすぎなかった。
 なのに、親友と呼ばれた裕は重い十字架を背負うことになる。
 「十字架の言葉は、背負わなくちゃいけないの。それを背負ったまま、ずうっと歩くの」と書く重松清は、この裕という主人公の少年になんとつらい十字架を背負わせたのだろう。そして、物語とともに裕のその後の人生をたどる、私たち読者にも。

 少年とともに物語を歩むうちに、読者もいろいろな問題を抱え込むことになる。いじめ、贖罪、親友、家族、恋人、過去、未来。
 裕がひとりでその十字架の重さを受けとめ、やがてそれを彼の心のうちに沈めこんでいったように、裕の背負った十字架の重さは、読者一人ひとりの心にゆっくりとゆっくりと沈んでいく。
 激しさではない。怒りでもない。
 ただ静かに、ゆっくりと落ちていく、それは深い悲しみだ。

 親友の名前、は。
 たぶん、今でも私には書けるはずのない問いだ。
  
(2010/02/03 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  第142回芥川賞の候補作のなかから
  最終選考になかで最後まで競い合ったという
  3作品を読み比べてきましたが、
  今日はその3つめの作品、
  松尾スズキさんの『老人賭博』。
  先に書いておくと、
  3作品のなかでは断然読み応えがあった作品で、
  私なら芥川賞をあげちゃいましたね。
  選考会のなかでも、
  「安心して読める手だれの作品」と多くの委員が
  認めたらしいですが、
  それが何故落選となったのか。
  今月発売の文藝春秋を楽しみに待つことに
  しましょう。
  果たして、私の意見は
  どの選考委員に近いのか、
  興味があるところです。

  じゃあ、読もう。

老人賭博老人賭博
(2010/01/07)
松尾 スズキ

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sai.wingpen  芥川賞は悲劇名詞?               矢印 bk1書評ページへ

 太宰治の『人間失格』に、登場人物たちが言葉を喜劇名詞か悲劇名詞かを答えあう場面がある。
 その遊びを踏襲するなら、芥川賞は喜劇名詞だろうか。悲劇名詞だろうか。主人公の言い草ではないが、「なぜそうなのか、それのわからぬ者は芸術を談じるに足らん」ということになるのだが、やはり芥川賞は悲劇名詞といっていいかしら。あるいは、悲劇の顔をした喜劇名詞と答えるべきか。

 松尾スズキによる本作は第142回芥川賞落選作だが、芥川賞の候補作でありながら、何度も吹きだし、それでもたまらず何度も笑ってしまった快作である。必ずしもしかめ面して読むことが芥川賞に該当するのでもなく、笑いの苦味が生きることのそれとして描けているとすれば、十分に受賞に値するはずで、松尾のこの作品は、その巧みな文章力といい、登場人物の性格描写といい、受賞作となっても不思議はない出来である。
 ニュートンは林檎の落下をみて引力を発見したというが、松尾の落選は何ごとを示唆しているのであろうか。

 物語は、マッサージ師の主人公と売れない脚本家の奇妙な師弟関係(ちなみに脚本家がセンセイ)が、78歳にして映画初主役となる小関老人の撮影現場で行う数々の賭博が巻き起こす可笑しくも哀しい連続である。
 そのなかで、主人公が脚本家のセンセイに「どうしてギャンブルが好きか?」と訊ねる場面がある。「もしこの世に神様というのがいるとしたら、すべての出来事は神の決定によるものだよな。(中略)神の視線の外側に出る。それがおもしろいんだ」と答えるセンセイは、わかったようなわからないような主人公に向かって「俺の言ってることなんてほとんど冗談なんだから」とスカしてしまう。
 真剣さが恥ずかしくなってふざけてしまうしかない生き方は、つまらないことに肩肘張るものより劣るとはいえない。

 多分笑いがどうのこうのということではないと思うが、こういう芥川賞受賞作があってもちっともおかしくはないと思うのだが。
  
(2010/02/02 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  第142回芥川賞候補作のなかから、
  最終選考で競いあった三作品を
  読み比べるという企画の、
  今日は2冊目。
  舞城王太郎さんの『ビッチマグネット』。
  舞城王太郎さんの作品は前々から気になっていたのですが、
  今回の『ビッチマグネット』が私にとって
  初舞城体験となりました。
  芥川賞の選考会では、
  「自分の物語を獲得していく成長物語」と
  評価を得たらしいですが、
  うーむ。
  って、ところでしょうか。
  この作品はかなり評価が分かれそう。
  あなたはどう感じました?

  じゃあ、読もう。


ビッチマグネットビッチマグネット
(2009/11/27)
舞城王太郎

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sai.wingpen  平成版『おとうと』                     矢印 bk1書評ページへ

 ビッチマグネット。ビッチ、酷いとかイヤなという意味、ばかりを引き寄せる磁石のこと。
 舞城王太郎の第142回芥川賞候補作『ビッチマグネット』は、そのように自身のことを嘆く友徳という弟をもった香緒里と、女をこしらえて家を出た父と静かにひきこもる母の、四人の家族が織りなす家族小説であり、その中心点ともいえる香緒里の成長物語でもある。

 舞城の文体そのものがビッチマグネット的で作品の前半はとても読みづらいが、頁を繰るごとにそれはそれでひとつの魅力に感じられてくるのは、舞城のうまさといっていい。現代をいう時代を描くにはこういうビッチな文体もありうるように思えてくる。
 香緒里という姉と友徳という弟の関係は、どことなく幸田文の名作『おとうと』の姉弟のそれによく似ている。幸田の作品でも不良にかぶれて荒んでいく弟はビッチマグネットだったが、あの名作を平成の時代に写しとると、こういう作品になるのかと、それもまたひとつの興味であった。

 結局は主人公の香緒里そのものがビッチマグネットなのである。父も母も弟も、父の愛人も彼女の恋人も弟の彼女も、すべてがビッチなのだ。そんなたくさんのビッチで、香緒里自身ができあがっている。
 香緒里だけではない。現代もまたたくさんのビッチでできている。そういう視点を作品に感じるが、それを作品として完成させるにはいささか小品になりすぎているように思える。
 もはや長編小説でしかこの時代を表現しえないかもしれないし、もし中短編小説としてまとめあげるには、もっと物語の整理が必要だろう。

 この作品の好き嫌いは読み手によってさまざまだろう。私は作品の中盤以降は嫌いではない。
  
(2010/02/01 投稿)

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