04/29/2010 長い終わりが始まる(山崎 ナオコーラ):書評詩

今日は昭和の日。
そして、いよいよゴールデン・ウィークですね。
私の予定は
母の五〇日祭で大阪に帰省。
(私の家は神式なのでそう呼びます。
仏式でいえば四十九日ですね)
母がなくなって
もうそれだけの日数が経ちました。
時間というのは
「もう」なのか「まだ」なのか、
受けとめ方ですね。
例えば、昭和という日々のことを
考えても、
もうあれから22年経ったのかと
思えます。
母はその時、まだ62歳だったんだ。
今日紹介する山崎ナオコーラさんの題名が
『長い終わりが始まる』。
なんとなく、時間ってそういう
感じがしています。
今日は書評詩ですが、
山崎ナオコーラさんの本は
詩としてイメージがしやすい。
じゃあ、読もう。
![]() | 長い終わりが始まる (2008/06/26) 山崎 ナオコーラ 商品詳細を見る |


世界は、ジグソーパズルのよう。
私は68億分の1の、小さな片(ピース)。
いまだにどんな図柄の片(ピース)なのか
自分でもわからない。
どんな片(ピース)が隣にくるのか
全然わかっていない。
これ かな。
あれ かな。
合いそうだけど
どこかしっくりこない。
合わないけれど
無理やり嵌め込みたい片(ピース)もある。
でも、やっぱり合わない。
合うわけはない。
いつか
私の図柄がはっきりして
隣の片(ピース)もぴったり合うことがあるだろう。
世界は、ジグソーパズルのよう。
私は68億分の1の、小さな片(ピース)。
山崎ナオコーラが2008年に発表した作品である。大学のマンドリン部に所属する女子大生小笠原を主人公にして、彼氏との拙いセックスや部員たちとの葛藤が描かれている。読み終わったあとの感想として浮かんだのが、大きなジグソーパズルの小さな一片。なかなかうまく嵌らない苛立ちは、おそらくその一片自身が感じているものかもしれない。
山崎ナオコーラはそうやっていつも一片を探しつづけている。
(2010/04/29 投稿)

応援よろしくお願いします。
(↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)


レビュープラス
| Home |