06/16/2010 泣き虫ハァちゃん(河合 隼雄):書評詩「ぼくたちの秘密基地」

今日紹介する河合隼雄さんの
『泣き虫ハァちゃん』は
本屋さんの文庫新刊のコーナーで見つけました。
新潮文庫の今月の新刊です。
表紙の絵がすこぶる目をひきました。
書評のなかでは書けなかったのですが、
挿絵を担当しているのは
岡田知子さん。
本のなかにも何点も挿絵があるのですが
本当に心が温かくなるような絵です。
表紙の、今にも泣き出しそうな少年は
小さい頃の私にも似ています。
私も泣き虫でした。
今でもあまり変わりませんが。
谷川俊太郎さんの詩が収載されていて、
それに対抗したわけではありませんが、
今日は書評詩にしてみました。
ところで、
岡田ジャパン、頑張りましたね。
本田選手のゴールに
「泣き虫ハァちゃん」だけでなく
たくさんの人が泣いたんじゃないかな。
次も頑張れ!
じゃあ、読もう。
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それは草深い、あまりおとなが通らない
場所にあった
ぼくたちは そこを
秘密基地と 呼んだ
袋菓子
漫画本
こわれたラジオ
ぼくたちは そこで
秘密の指令を 発信した
おとなになんか なりたくない
あれから何十年も過ぎて
ぼくたちは いまだに
そこで 秘密の暗号を解読している
母のひざまくら
色褪せた写真
投函できなかったラブレター
ぼくたちは 秘密基地で
子どもにもどる研究をしている
本書は2007年7月に亡くなった心理学者河合隼雄さんの遺作となった作品です。子供時代の自身を回顧する自伝的物語ですが、残念ながら、小学校四年生までの未完となりました。
題名のとおり、何度も泣く場面が登場しますが、泣く意味合いが少しずつ変わっていくのがわかります。あるいは、たくさんの兄弟や学校の仲間たちに囲まれながらも、ふと孤独を感じるなど、成長の過程がよく描かれています。
本書の巻末には谷川俊太郎さんの詩「来てくれる 河合隼雄さんに」が収載されています。
(2010/06/16 投稿)

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