06/26/2010 書評でふりかえるbk1書店と私 第五回 「書評の鉄人」に選ばれました

「書評の鉄人」のコーナーがあります。
どのような選考がされているのかはわかりませんが、
たぶん何本か書評を投稿して、
それが充分に読みごたえがあれば、
bk1書店の編集部から推薦があります。
この「書評の鉄人」が始まったのが2005年。

続きます。
私はこの年の終わりに「書評の鉄人」に選ばれました。
13人目の「鉄人」になります。
いまでは「鉄人」の数も230人を超えましたから、
私なんか初期も初期、そろそろ錆びついてきた「鉄人」というところですね。

「文芸書、人文書、ビジネス書を中心に書評を書かれています。
まるで随筆のような、味わい深い文章です」なんていう
うれしいような、恥ずかしいような
推薦文を書いていただきました。
私は次のようなコメントを書きました。
三田誠広の芥川賞受賞作で「僕って何」という小説があったけれど
本を読んだり書評を書いたりするのは私にとっての「僕って何」であり、
自分さがしだと思っている。五十歳を過ぎても本当の自分を見つけられなくて
未だうろうろしているのだ。
「もういいかい」「まあだだよ」
私と本たちのかくれんぼはまだまだつづきそうだ。

でも、正直「書評の鉄人」に選ばれたのは
うれしかったですね。
新しい「鉄人」のみなさんも、
それぞれの書き方でがんばっていますから
私も現役「鉄人」としてまだまだ書きますよ。

「書評の鉄人」にしてはさびしいかぎりです。
今回斎藤美奈子さんの『誤読日記』の書評を選んだのは、
なんだか私らしい、
bk1書店風にいえば、「随筆」のような作品かなということで
選んでみました。

山田真哉さんの『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の
書評も書いていたりします。
![]() | 誤読日記 (2005/07/15) 斎藤 美奈子 商品詳細を見る |


今年の夏は暑い。まあ夏だから暑いのは当然だし、毎年そのようなことを言っているような気もするが、真夏日が何日間連続とか今夜も熱帯夜でとか報道されるとげんなりする。この時期熱中症という言葉をよく聞く。これは身体の外と内の熱さによって引き起こる体調の不調を総称した症状らしい。昔よく言われていた日射病は熱中症の軽度の症状で、重度になると死亡ということもあるから夏の暑さも侮れない。予防としては、暑い時の過度な運動を避けることとか爽やかな服装とか適度に水分を補給するとからしいので、緑陰読書でもした方がいいかもしれない。
でも、読む本はちゃんと選ばないと、本の熱中症になりかねない。斎藤美奈子の『誤読日記』は175冊のさまざまな本の書評集なのだが、斎藤自身が書いているように「質はともかく量だけはたっぷり、飽きるほど」あるし、紹介されている本の選書はドラマの原作本があったり実用書があったりベストセラーがあったり「いかにもたこにもミーハー」で、それに斎藤自身の毒素が加わるのだからたまらない。決して涼しげな読書体験とはならないに違いない。そこで予防のために<斎藤美奈子熱中症>の特徴を整理しておこう。
この症状にかかりやすい人だが、性格的にまじめな人とか引っ込み思案な人は気をつけた方がいい。斎藤の熱をそのまま受け止めかねない。だから、斎藤の著作がこれが初めてという人はもう少し無難な『読者は踊る』とか『趣味は読書。』といった作品で斎藤の口調とか毒素に慣れてからがよろしいかと思う。体力の弱い人や体調不良の人は読書体力をつけてからの方がいいだろう。熱中症は急に暑くなった時などに起こしやすいが、<斎藤美奈子熱中症>も同じ。斎藤美奈子を少しずつ馴れていくことが必要だ。
でも、もし万が一<斎藤美奈子熱中症>にかかった場合は早めに頁を閉じるしかないかもしれない。または水分補給してからもう一度読み始めては。でも、この効果は保証の限りではない。○○本文
(2005/08/14 投稿)

応援よろしくお願いします。
(↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)


レビュープラス
| Home |