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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昨日のつづき。
  川上弘美さんの「東京日記」の
  2巻め、『ほかに踊りを知らない。』。
  今回は2008年の年初めに書いた蔵出し書評ですが
  その書評のなかに
  「経済がどうあれ政治がどうあれ、こんなおめでたい気持ちが、
   『東京日記』の三冊目が上梓されるまで続けば、どんなに幸せだろう」
  と書いてあって、
  今回3巻めの『ナマズの幸運。』がでて
  果たしてずっとおめでたい気分が続いたかを
  振り返ってみましたが、
  そうでもなかったなと
  しょげかえっています。
  ここは川上弘美ワールドにどっぷり
  浸るしかありません。
  明日の「東京日記 3」の書評をお楽しみに。

  じゃあ、読もう。

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))
(2007/11/17)
川上 弘美

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sai.wingpen  おめでたい                     矢印 bk1書評ページへ

 年が明けた。なには兎も角、おめでたい。今年は平成になって二十年だという。人間でいえば、成人だ。成人式には晴れ着で着飾り、政治の世界に清き票を投じ、経済社会の未来をつくる。そんな年になったのかと思えば、これほど目出度き年もない。景気が悪かろうが、政治が閉塞しようが、干支は精励勤勉な子(ねずみ)なんだから、くよくよしてても仕方がない。まずはいい年であれと願わずにはいられない。

 今年最初に読んだ本が、川上弘美の『ほかに踊りを知らない。』で、読書好きには、おめでたい話だ。
 先の『卵一個分のお祝い。』もほのぼの系のシュールな作品だったが、今回も同様な雰囲気がいい。書名の最後の「。」がおめでたい感じがでていていい。ほらほらと、人にこすりつけたくなる気分。それが作品全体にあって、人と人との距離感を微妙に演出してくる。川上弘美の技量といえる。相撲技でいえば、「内無双」みたいで、読者がおっとととと転がりこむ姿が、春らしい。手をうち、おめでたいと叫びたくなる。

 趣味の欄に「読書」と書くのは平成二十年ともなればおめでたい話かもしれないが、本を読まない「読書」趣味は戴けない。せめて堂々と私めの趣味は「読書」といえるくらいの本は読みたいものだ。おめでたい年の初めに、青少年のような誓いを立てる中年男はみっともないかもしれないが、そういうおめでたい人間がいてもよい。この本の「あとがき」に川上弘美は「近く幸いが訪れますように」と書いているが、読み終わった今、まさに巫女のご神託のようで、おめでたい、おめでたいと胸震わせている。

 経済がどうあれ政治がどうあれ、こんなおめでたい気持ちが、『東京日記』の三冊目が上梓されるまで続けば、どんなに幸せだろう。おめでたい春の始まりである。
  
(2008/01/22 投稿)

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