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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  田島征三さんの『いろいろあってもあるきつづける』は
  あさのあつこさんの『ようこそ、絵本館へ』で
  初めて知った絵本です。
  あさのあつこさんはこの絵本について
  こんなことを書いています。

   これはもう、田島さんの迫力ある世界を
   たっぷり堪能してほしいだけ。

  書評にも書きましたが、
  書名がなんといってもいいですね。
  今、私たちは大きな困難の立ち向かっています。
  そこから前に進むためにも
  この絵本の力は大切です。
  こういう絵本を読んでみると
  絵本というのは
  心を前に向かせる
  強い力をもっていることがわかります。

  じゃあ、読もう。

いろいろあってもあるきつづけるいろいろあってもあるきつづける
(1999/05)
田島 征三

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sai.wingpen  きっと出会うよ、いいことに                 矢印 bk1書評ページへ

 3月11日の東日本大震災、それに続く福島原発事故と、私たちの生活は一変しました。終戦直後の生活を思い出せばいい、と識者はいいます。けれど、あの当時と状況はまったく違います。終戦後何十年もかけて作り上げてきた文明を生活の糧としてもってきた私たちにとって、それを失うことはもはやできないかもしれません。
 どこから私たちは再出発すればいいのか。そして、どこに向かおうとするのか。
 これは私たちの問題でもあり、未来の問題でもあります。

 絵本作家田島征三さんのこの絵本は、なんといっても書名がいい。「いろいろあっても あるきつづける」。何度でも口にだして言ってみる。「いろいろあっても あるきつづける」
 なんだか、少し前に進めそうな気分になる言葉です。
 本のなかのいくつかの文章もそう。「さがそう、さがそう、なくした夢を。さがそう、さがそう、わすれた歌を。きっと どこかに あるはずだ」「きっと 出会うよ、いいことに」
 これらの言葉があれば、前に歩きだせる。
 この絵本は私たちの背中をそっと押してくれる。

 田島さんの絵は大胆。抽象的であります。この絵本では逆にそういうわからないものが想像の翼の追い風になっています。
 悲しみの形も色も千差万別。それは特定などできません。だとしたら、田島さんの不思議な絵こそ、たくさんの悲しみの淵に届くのではないでしょうか。
 もう一度、声にだしていってみる。
 「いろいろあっても あるきつづける」
  
(2011/05/02 投稿)

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