05/22/2011 てがみがもしもとどくなら(池谷 剛一):書評「あなたは誰に手紙を書きますか」

今日紹介する
池谷剛一さんの絵本『てがみがもしとどくなら』も
あさのあつこさんの『ようこそ、絵本館へ』で
紹介されていた一冊です。
表紙の質朴な絵柄と
「てがみ」にひかれて
読んでみようと思った1冊です。
手紙っていうのは
なんとなくとっても遠いところから
届くイメージがあります。
もちろん実際に遠いところから届くのでしょうが、
そういう距離的なことではなく
もっと遠いところ。
このブログも
そんな手紙のように
みなさんのところに届いていたら
いいのですが。
じゃあ、読もう。
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最後に手紙を書いたのはいつだっただろう。
最近ではメールばかりで、手紙とはとんと縁がなくなってしまった。年始の挨拶でもパソコンで作成した味気ないものばかりだ。
ITが進化したことにかこつけても実際には筆不精なのだ。白い便箋を前にすると何も書くことがでてこない。本当は書きたいことがあったとして、自分の手書き文字のひどさに辟易してしまう。
死んだ母は手紙を書くのが好きだった。実家から何か荷物が届くたびに、荷物の隅に小さな便箋があった。学はなかったが、文章に個性がにじみでていた。母の手紙は折につけ私を勇気づけてくれた。
手紙とは人のこころの伝えようなのかもしれない。
「広い広い草原のまんなかに ちいさなゆうびんポストがありました。それは 天国にいる人のもとへてがみをとどけてくれる ふしぎなポスト」。
この絵本はそんな文章から始まる。主人公の少年は、だから、天国のおじいちゃんとおばあちゃんにてがみをだすのですが、何日たっても返事が届きません。やっぱりふしぎなポストなんてでたらめかもしれない。
ある雨の日、少年はポストにあらわれたゆうびんやのあとをついていくことにしました。そして、まっくらに森のなかに迷ってしまいます。そこで出会った不思議なことども。
さて、草原のちいさなポストは本当に天国にいる人へてがみをとどけてくれる「ふしぎなポスト」だったのでしょうか。
絵本ならではの温かな物語です。本当にこんなポストがあれば、母に手紙を書くだろうかとちょっと考えました。
やっぱり書かないだろうな。でも、天国の母から、もう一度だけ、手紙もらえたらどんなにかうれしいだろうに。
母はあきれているかもしれませんが。
(2011/05/22 投稿)

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