fc2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日の絵本、
  板橋雅弘さんの『パパのしごとはわるものです』は
  bk1書店から献本された一冊です。
  表紙をごらんになればわかりますが
  なんとインパクトのある作品です。
  さて、パパの仕事ってなんでしょう?
  わるものってどんな悪者でしょうか。
  父の仕事は
  この絵本でもそうですが
  やはりきちんと何をしているのか
  見せてあげるべきかもしれません。
  会社で仕事をしていると
  なかなか子供たちにわかってもらえません。
  そのようなことを
  書評に書いたつもりです。

  じゃあ、読もう。

パパのしごとはわるものです (えほんのぼうけん27)パパのしごとはわるものです (えほんのぼうけん27)
(2011/04/23)
板橋 雅弘

商品詳細を見る

sai.wingpen  野風僧                     矢印 bk1書評ページへ

 河島英五が唄う「野風僧(のふうぞ)」という歌が好きだ。作詞は伊奈二郎で、「野風僧」とは中国地方の方言で「やんちゃ坊主」という意味らしい。
 「お前が二十歳になったら/酒場で二人で飲みたいものだ」という歌詞で始まるこの歌は、父親が息子にあてた応援メッセージだ。最後には「いいか男は 生意気ぐらいが丁度いい/いいか男は 大きな夢を持て」と繰り返される。
 板橋雅弘さんのこの絵本(絵は吉田尚令さん)に登場する「わるもの」が仕事のパパもお酒がまわってくると、なんだかこの「野風僧」を唄っているんじゃないかしらん。きっととっても下手だけど、しんみりさせているような気がする。

 学校の宿題で「おとうさんの仕事」を調べるために、ある日、パパの車にこっそり乗りこんだ「ぼく」。着いたのはプロレス会場でもある大きな体育館。
 そこで「ぼく」が見たのは、正義のレスラーにずるいことをする覆面レスラー「ごきぶりマスク」。でも、なんだかパパに似てる。そう「ぼく」のパパは悪役レスラーだった。
 「パパはわるものだったんだね」と涙を流す「ぼく」に、パパはこう言った。
 「わるものがいないと、せいぎのみかたがかつやくできないだろう? みんなのために パパはがんばってわるいことをしてるんだ」って。
 夕日のなかを一緒に帰る父と子は、なんだかとても仕合せそうだ。

 だって、なかなか「おとうさんの仕事」ってわからない。
 大きなビルで働いていても、何をしているのかわからない。電話にむかって頭をさげているって変だし、パソコンをどうしてにらんでいるのかもわからない。それに比べたら、「ぼく」のパパの仕事はとてもわかりやすいい。覆面はしているけれど、りっぱに「わるもの」している。
 「ぼく」はきっと胸はっていいんじゃないかな。「おとうさんのしごと」がきちんとわかるってことに。パパもきっと胸はっていいんじゃないかな。「わるもの」に理解をした息子がいるってことに。

 「いいか男は 大きな夢を持て/野風僧 野風僧 男は夢を持て」
 今夜もいいお酒にちがいない。
  
(2011/05/29 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス