02/02/2012 人は仕事で磨かれる(丹羽 宇一郎):書評「不自由を常と思えば不足なし」

正月休み、成人の日の連休と
なかなか仕事のリズムがとれなくて
ようやくなんとか通常の生活に戻りそうになったのに
父の突然の死があって
また仕事の現場を離れてしまいました。
それでもまだまだ
本調子ではなく
気分を高めるためには
ビジネス書を読むしかありません。
そこで、
今日は丹羽宇一郎さんの
『人は仕事で磨かれる』を
紹介します。
この本の中にこんな言葉があります。
独断と決断とはちがう。
多くの経営者はこのことを
よく間違えます。
悪い経営者は、決断が早いことを自慢しますが
それ、独断じゃないですか。
気がつけば、
多くの社員が遠く離れていませんか。
そんなことになってなければ
いいのですが。
じゃあ、読もう。
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総合商社伊藤忠商事の元社長・会長である著者の、社長就任時の経緯や就任後の大規模な買収や損失計上などの裏話(といっても、書かれた時点で表話となるのだが)とビジネスマンとしての心得が説かれている。
伊藤忠商事のような大会社の社長の話など雲の上の話と思う人もいるだろうが、ここに書かれているのは小さな規模の会社であっても、あるいはもしかすると企業でもない団体活動でも活かせる内容である。
例えば、入社してから経理一筋に働いてきた人がいたとする。その出来がよく、営業の第一線で役職が与えられたら、もともと営業でがんばってきた人たちは面白くない。
「経理に営業がわかるはずはない」「営業も知らないで仕事ができるのか」なんていう妬みの声があがることはよくある。
著者は「一つの仕事を極めれば、だいたい仕事のやり方というのはそう大きく間違えることはないんです」という。「スペシャリストこそ優秀なゼネラリストになれる」と。
私はその意見に賛成する。
やっかみをいう人は、そのことを理解できない。優秀だからこそ、まったく畑違いの部署でもやっていけるのであって、もしそれでできないようであれば、その人が優秀でなかったというだけだ。
このように、ここに書かれているのは大企業だからの訓話ではない。
要は、著者の話をどこまで自分の環境に落し込めることができるかだ。そのまま使うのができなければ、自分の環境の特長に合わせればいい。それができて、初めてこの本が生きてくる。
がんばっても評価されない、どれだけ自己啓発に努めても第一線の仕事が与えられない。そう嘆く人は多いだろう。
この本の中でも紹介されているが徳川家康は「不自由を常と思えば不足なし」と言ったそうだ。
なかなか評価されない、それもまた仕事の常である。そんなことに一喜一憂することなく、仕事で自身を磨けと丹羽宇一郎氏は教えている。
(2012/02/02 投稿)

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