プレゼント 書評こぼれ話

  台風が来そうですが、
  そろそろ秋の行楽シーズン。
  行楽といえば
  お弁当。
  おにぎり、卵焼き、ウインナー、サンドイッチ…。
  にぎやかなことです。
  私のたまご好きは
  前にもこのブログで書きましたが
  ゆでたまごも好き。
  そこで、今日紹介するのは
  苅田澄子さんの『ゆでたまごひめ』。
  ゆでたまごがお姫さまになって
  大活躍。
  ウィンナーとかプチトマトとか
  お弁当箱の人気者も登場。
  もちろん、おにぎりも出てきますよ。
  お子さんといっしょに
  ランチを楽しんで下さい。

  じゃあ、読もう。
  
ゆでたまごひめゆでたまごひめ
(2011/10)
苅田 澄子

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sai.wingpen  たのしいランチ、ご一緒にいかが                   

 こつん、こつん。
 ゆでたまごの食べ方はまずこの音から始まります。
 殻を割る音です。
 最初にどこにひび割れをつくるかはあなたの自由。私は横っ腹からいきますね。
 ひびの一角から、さあどこまで一気にむけるか。緊張の一瞬です。
 大きくぺろっとむけた時のうれしさといったら。おお、やったね。
 なかなかむけない時は、ついイライラして、ええいどうにでもなれとなる。
 人生の明暗はこれに尽きる。
 殻がむけたら、細い先っぽに塩をふりかけ、ぱくっと。
 ここで、太い方の先っぽから食べる人もいるでしょうが、どうみてもそれってお尻でしょ。
 おしりかじり虫じゃあ、ないんだから。

 そんなかわいいゆでたまごですが、お弁当箱のお城ではお姫さまらしい。あの色白ですから、お姫さまとして十分やっていけます。
 ところが、このお姫さま、とってもわがままで、ある日、「わらわは そとで あそびたいのじゃ」と、お城を飛び出します。
 お世話役のソーセーじいや女中のプチトマトは大あわて。
 しかも、怪しい三角頭の男たち、サンドイッチ兄弟に誘拐されてしまうのです。
 そこで、お城で一番力持ちのおにぎりたろうがゆでたまごひめの救援に向かいます。

 お弁当箱の主役たちが大活躍する、楽しさいっぱいの絵本。
 こういう絵本を読んだあとで、お弁当箱を開けたら、なんと楽しいランチタイムを過ごせることか。
 ゆでたまごが姫ならたまご焼きは十二単を着飾った紫式部でしょうか。
 書いたのは「源氏物語」ならぬ、「ランチ物語」。
 はてさて、後世に残る名作となるかどうか。
 まあ、少なくともたまごの隆盛は続くでしょうが。
  
(2012/09/30 投稿)

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 昨日のこぼれ話にも書きましたが、
 NHKの朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が
 今日最終回を迎えます。
 この前の作品「カーネーション」が
 私にとっての朝の連続テレビ小説完全制覇第1号だったのですが
 その勢いで「梅ちゃん先生」も見始めました。
 最初はどうもなじめなかったのですが
 中盤頃からはまって
 面白いじゃないかと
 毎日が楽しみでしたね。

梅ちゃん先生 完全版 DVD-BOX1【DVD】梅ちゃん先生 完全版 DVD-BOX1【DVD】
(2012/09/21)
堀北真希、高橋克実 他

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 舞台は終戦間もない東京・蒲田。
 大学教授の下村先生には3人の子供がいて
 上から松子、竹夫、そして梅子。
 つまり、松竹梅。
 落ちこぼれだった梅子が医者になりたいといいだし、
 周囲を驚かせます。
 そんな梅子ですが
 町医者として立派にやっていく話です。
 昭和30年代前期の、
 ちょうど日本が高度成長期にはいっていく
 庶民の暮らしが描かれています。
 洗濯機、冷蔵庫、そしてテレビ。
 梅子の夫となる信郎は町工場の息子ですが
 夢の超特急の部品作りに
 明日を夢見ます。

 日本が元気のあった時代。
 今やすっかり見るかげもありませんが、
 この頃は誰もが明るい未来を信じていた時代でした。
 この番組の視聴率が高かったのは
 そういう時代を描いたからともいえます。

 主演の堀北真希さんもよかったですが
 信郎役の松坂桃李くんも大ブレーク。
 私は梅子のお姉さん松子役の
 ミムラさんがよかった。
 竹夫くんの奥さん役の木村文乃さんもよかった。
 つまり、
 このドラマでは美人がたくさん出ていたということですよね。

 高橋克実さん演じる梅子の父も
 片岡鶴太郎さん演じる信郎の父も
 そういえば昭和の父親ってこういう感じだったなぁと
 思わせるところがありました。
 家の中では父親が一番偉かった時代です。

 今日最終回ですが
 早くも10月13日(土)と20日(土)に
 スペシャル番組があります。
 題して、
 「結婚できない男と女スペシャル」。
 NHKもなかなか商魂たくましくなりました。

 ありがとう、梅ちゃん先生。
 お疲れさま、堀北真希さんと共演者の皆さん。

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プレゼント 書評こぼれ話

  NHKの朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が
  明日最終回を迎えますね。
  このドラマ、視聴率もよかったようで
  終戦から戦後の復興(昭和30年代前半)までの
  蒲田の人々の
  懸命に生きる姿が共感を呼んだのかも
  しれません。
  歴史は
  政治や強いものだけを描くだけでなく
  どこにでもいる人々の暮らしを
  たどる方が面白いといえます。
  今日は
  『昭和・平成家庭史年表』という本を
  蔵出し書評で紹介します。
  多分この本を開くと
  夢中になるのではないでしょうか。
  それぐらい面白い一冊です。
  今回の書評の冒頭で
  「昭和30年代のコロッケの調べ物で」と
  書いていますが、
  この時何を調べようとしていたのか
  さっぱり思い出しません。
  一体、何だったのかなぁ。

  じゃあ、読もう。

昭和・平成家庭史年表昭和・平成家庭史年表
(2001/03)
不明

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sai.wingpen  昭和30年代のコロッケ                   

 昭和30年代のコロッケの調べ物で手にしたのがこの本。
 年ごとに<衣・食・住><家計・健康・教育><文化・レジャー><社会・交通・一般>に区分されたことがらが並んでいる。
 これがめっぽう面白い。
 調べものをうっちゃって、すっかりはまってしまった。
 豊富な図版(特にごく普通の写真、たとえばみなさんの家にあるアルバムの中の一枚のような、がいい。僕自身でいえば昭和37年の項で取り上げられていた<シェー>の写真がお気に入りだ。僕のアルバムにも、赤塚不ニ夫の「おそ松くん」に登場したイヤミ氏のギャグと同じポーズをした僕の写真がある)や流行語、それにはやり唄と至れり尽せりである。

 まずは自分が生まれた年のページを開く。
 きっとこの本を手にした人のうち97%ぐらいの人がそうするのではないだろうか。
 そして、思わず女房や子供を呼び寄せるに違いない。これは54%ぐらいの人がそうする。独身の人や女房と離婚したりした人がいるからだ。
 「おい、見てみろよ。俺の生まれた年はこんなことがあったんだぞ」と、いいことも悪いこともいっしょくたにして自慢する。
 次に、「お前、○○年だったよな」とまるで余りよく覚えていないふりをして、女房の生まれた年のページを開く。
 いいことは無視して悪いことだけを読み出す。「お前、こんな年に生まれたんだ」。言葉の裏に、かわいそうにみたいな同情が混ざるのは何故だろう。

 この本を手にした人が陥る、こういった行為は心理学的に解明されているのだろうか。
 そんなことを思っていたら、調べようとしていたことがなんであったかすっかり忘れていることに気がついた。昭和30年代のコロッケで、僕は何を知ろうとしていたのだろう。
  
(2002/08/31 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  暑さはともかく、
  気がつけばすっかり陽が短くなった。
  夕方の6時にはうす暗い。
  夕暮れの時間を
  逢魔が時と呼ぶが
  今までが明るかった分、
  まさに魔に出会いそうだ。
  今回の「百年文庫」は
  第81巻めの「」。
  今の時期に手にするにはちょうどいい。
  鷹野つぎの『悲しき配分
  中里恒子の『家の中
  正宗白鳥の『入江のほとり』、の
  三篇が収められているが
  私はその中でも『悲しき配分』が
  好きだ。

  じゃあ、読もう。

夕 (百年文庫)夕 (百年文庫)
(2011/06)
鷹野 つぎ、正宗 白鳥 他

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sai.wingpen  夜が深まる前にそっと読みたい三篇                   

 辻田克巳という俳人に「学校の鶏鳴いてゐる秋の暮」という句がある。
 秋の夕暮れの澄んだ風情をしみじみと感じる佳句だ。
 夏の暑さがとれ、夕暮れのひんやりとしたひと時に、思わず人生の淡いを思わないでもない。そんな夕には、いい短編を読みたいものだ。
 「百年文庫」81巻めのタイトルは、「夕」。
 鷹野つぎの『悲しき配分』、中里恒子の『家の中』、正宗白鳥の『入江のほとり』の三篇が収められている。
 秋の夕暮れが舞台になっているわけではないが、作品がもっている静謐感は、秋の暮れそのものといっていい。

 鷹野つぎという作家はこの「百年文庫」で初めて知った。
 島崎藤村に師事し、日常生活などを描いた私小説を得意とした作家だそうだ。その生活ぶりをよく知らないので収録作品『悲しき配分』が私小説かどうかはわからないが。
 夫が仕事で家をでている間、女手ひとつで育ちざかりの三人の子どもの面倒をみる桂子。やがて夫は戻ってくるが、いつの間にか桂子の立場は妻という向こう側に追いやられてしまう。
 家族のなかにあって、妻とは何かをじっと凝視める。

 中里恒子は女性初の芥川賞受賞作家。『家の中』は物語というより随筆のようなタッチの作品。
 一つの家の色々なものと暮らす生活を描くうちに、自身の強さが滲み出てくる。
 「身のまわりのもの凡て、命あるものとして人間同様に、或いは、わたし以上にわたしは扱ってきた」という作者が二か月の病中に丹精こめて育てていたハイビスカスが枯れてしまう。仕方なく掘り起し、庭の隅にうっちゃるのだが、それは見事に蘇生する。
 さりげない挿話ながら深い味わいをもたらす。
 一言でいうなら、生きる強さ、だ。

 正宗白鳥の『入江のほとり』は瀬戸内海の入江の旧家の六人の兄弟の姿を描く家族小説。
 できのいい兄たちにはさまれて何をしてもうまくうかない辰男。ついには火の不始末で小さな火事さえ起こしてしまう。
 家長制度が生きていた時代。家という重い屋根の下で生きる兄弟を描いた佳作である。

 夜が深まる前にそっと読みたい三篇だ。
  
(2012/09/27 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  職業に貴賤はありません。
  働くという行為が尊いからです。
  しかし、時に
  人は憎んだり蔑んだりします。
  例えば、東京電力への
  福島原発事故以降の風あたりの
  強さはすごいものでした。
  当然あれだけの事故を起こしたのですから
  責められても仕方ないところかもしれません。
  でも、もしあなたの家族が
  その会社の従業員だったら。
  昼夜問わず、働く姿を目の当たりにしている家族なら
  そんな責めを理不尽なものと思うのも
  当然かもしれません。
  今日紹介する
  森達也さんと毎日小学生新聞編による
  『「僕のお父さんは東電の社員です」』は
  父親が東電社員の少年から寄せられた
  一通の手紙から始まります。
  もし、みなさんに
  この少年と同じ年頃のお子さんがいれば
  ぜひ、一緒に考えてみて下さい。
  
  じゃあ、読もう。
    
「僕のお父さんは東電の社員です」「僕のお父さんは東電の社員です」
(2011/11/25)
森達也 著+毎日小学生新聞 編

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sai.wingpen  子供たちの真摯なまなざし                   

 毎日小学生新聞に小学6年生からの一通の手紙が掲載されたのは、東日本大震災から二か月ばかり経った2011年5月18日のことでした。
 「突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です」で始まるその手紙は、東日本大震災の際に事故を起こした福島第一原子力発電所を運営管理していた東京電力に批判が集まる中、「原子力発電所を造るきっかけをつくったのは誰」かと問いかけ、多くの電力供給を望んだ「みんな」にも責任があるのではないかと書かれていました。
 その手紙をきっかけにして、多くの小学生(ばかりではなく、中高生や大学生、大人にいたるまで)からたくさんの意見が届きます。
 この本は新聞編集部に集まった手紙を紹介する前半と森達也さんによる「僕たちのあやまちを知ったあなたたちへのお願い」という論説とを収録しています。

 子供たちの意見はさまざまです。
 「みんなの責任」という賛成意見や「やっぱり東電が悪い」という反対意見や、意見ではなく感想を綴ったものもあります。
 私の意見を書いておくと、東電の責任は大きいと思います。生活に電気は欠かせませんし、余分な大量の電気を求めたのは私たちです。
 しかし、だといって、生命に重大な危険を招く恐れのあった原発を「安全神話」の名のもとにあやふやな管理を行ったのは、東電という会社であったのは事実です。
 安全安心であることは会社の責務です。そのことが杜撰であったがゆえに、東電という会社は責められても仕方がありません。
 ただ難しいのは、その会社で働く従業員です。その会社で働いているというだけで、その人たちを責めることができるでしょうか。もちろん会社の経営層はその責任を負うでしょうが、一人ひとりの従業員に責任を問うのはおかしいでしょう。

 多くの小学生がこの手紙をきっかけにして、自分たちの生活を国を政治を考えます。そんな意見の中で、子供たち自身が「勉強」の必要性を書いているのをたくさん見かけました。
 外からの情報を評価するためにも、また今後のエネルギー対策や事故防止のためにも、「勉強」が必要であることを、子供たちが自ら認識していることに感心しました。
 大人である私たちも子供に負けることなく、この国のありようを真剣に考えるべきです。
 大人たちの虚栄に意見するのは、いつも子供たちの真摯なまなざしだといえます。
  
(2012/09/26 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  毎月紹介しています
  「向田邦子全集・新版」も
  今月で6巻めとなります。
  今回はエッセイその二の
  『眠る盃』。
  表題作のエッセイは
  いわゆる言い間違い、記憶違いの
  面白いお話ですが、
  誰にもそんな間違いありますよね。
  私もセレブという言葉を
  ついセブレって言ってしまいます。
  サブレっていうお菓子の印象が
  強すぎるんでしょう。
  まったくいじましい。
  とにかく向田邦子のエッセイの
  口あたりの良さときたら
  まさにおいしいサブレみたいなもの。
  秋の夜長に
  じっくり味わいたい名品です。

  じゃあ、読もう。

向田邦子全集〈新版〉 第六巻向田邦子全集〈新版〉 第六巻
(2009/09/25)
向田 邦子

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sai.wingpen  身すぎ世すぎ                   

 「向田邦子全集・新版」第6巻は、エッセイ二の『眠る盃』である。
 初めてのエッセイ集である父のこと、家族のことを書いた『父の詫び状』を出したのが昭和53年(1978年)で、この『眠る盃』はその一年後に刊行されている。『思い出トランプ』で第83回直木賞を受賞するのが昭和55年(1980年)だから、この時期の向田はまだ「テレビの脚本を書いて身すぎ世すぎをしている売れのこりの女の子(?)」(「水羊羹」より)と書いているように忸怩たる思いで原稿用紙を埋めていたようである。
 それでも、このエッセイ集に収録されている作品がさまざまな雑誌を掲載誌にしているところを見ると、雑文書きとしての向田は一定の評価をされていたのだろう。
 本書に収録されているいくつかの作品で、向田はこの「身すぎ世すぎ」という言葉を使っている。
 生計なり生活という意味のことばであるが、ストレートにそう書かないところに向田の負い目と意地を感じる。

 表題作の「眠る盃」はこの作品集以降色々なところで取り上げられている、エッセイの好篇である。
 滝廉太郎の名曲「荒城の月」の一節、「春高楼の 花の宴/めぐる盃 かげさして」(土井晩翠作詞)の「めぐる盃」を「眠る盃」と間違って記憶していたという自身のおっちょこちょいぶりを描いたものだが、それだけでなくこの歌に喚起される酔った父の姿や家族の情がうっすらとのぞく。
 向田は家族を描くのがうまい。

 それに昭和の匂いが絶妙である。
 おそらく昭和39年の東京オリンピックを一場面を描いた文章としてこれからも何度も紹介されるだろうエッセイのひとつは、このエッセイ集に収録されている「伽俚伽」だろう。
 父と言い争いをした向田が家を出たのが、東京オリンピックの開会式の日。不動産屋に連れていかれたところから、まさにいま聖火台に駆け上がるランナーが見える。それをみながら、向田は涙をこぼす。
 「オリンピックの感激なのか、三十年間の暮らしと別れて家を出る感傷なのか、自分でもわからなかった」と描く、その日。
 昭和のひとつの姿が静かに描かれ、胸をうつ。

 こういう文章の書き手は向田以後、なかなか現れてはいない。
  
(2012/09/25 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  9月末に中間決算を迎える会社も
  多いのではないでしょうか。
  景気が厳しい中、
  最後のやりくりに今週は忙しいことと
  思います。
  今日は、そんなガンバるビジネスマンに
  最適な一冊、
  ロビン・シャーマさんの『書店員が教えてくれた人生で最も大切なこと』という
  リーダーシップについて書かれた本を
  紹介します。
  この本では主人公に
  リーダーシップの極意を教える四人の師匠が
  登場します。
  この四人の極意を書きとめておきますね。
  
   ①リーダーに肩書は必要ない
   ②混乱の時期が優れたリーダーを育てる
   ③人間関係の強化がリーダーシップを高める
   ④まずは優れた人間になれ

  この本を読んで
  ぜひあなたもよいリーダーを目指して下さい。

  じゃあ、読もう。
  
書店員が教えてくれた人生で最も大切なこと書店員が教えてくれた人生で最も大切なこと
(2012/07/06)
ロビン・シャーマ

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sai.wingpen  リーダーに肩書は必要ない                   

 ビジネス本といってもさまざまなジャンルのものがあります。その中でも「リーダーシップ」に関わるものは一定の人気があるようで、多くのビジネスマンにとって「リーダーシップ」は大きな課題だと考えているのでしょう。
 本書もそんな一冊で、「リーダーシップの手法を物語形式」で描かれています。
 ただ他の本と大きく違うのは、本書で取り上げられている「リーダーシップ」が単に経営者や組織の上層部のものではないということです。
 この物語の主人公である書店員のブレイクに「リーダーシップ」の必要性を説くトミーはこう言っています。「(企業の)競争力をもつためには、社員全員のリーダーシップを伸ばすことだ」と。
 つまり「社員の地位に関係なく、その社員も担当するすべての仕事を自分でリードできるようにする」ことが、「リーダーシップ」の在り方だということです。

 主人公のブレイクは経営者でもなく店長でもありません。一人の29歳の書店員でしかありません。しかも、愛する両親をなくし、兵役から戻ったあとはやりがいも気力もなく、ただ生活のために働いているだけの青年です。
 そんな彼の前に、亡くなった父の友人であったというトミーが現れます。彼はブレイクと同じ書店の優秀な店員です。
 トミーは彼自身が教わった四人の師匠たちに逢わせることで、ブレイクに「リーダーシップ」とは何か。どのような行動や意識を持つべきかを、教えていきます。
 トミーは四人の師匠に合わせる前に平凡に生きることによる悲惨な代償をブレイクに示します。それは素晴らしい仕事をこなす能力を持ちながらそれを使わなずに最後の日を迎えるという悲惨な姿です。そんな最後の瞬間を迎えていいのかと、トミーはブレイクに迫ります。

 「リーダーシップ」とは組織上でいえば上位の階層にいる人たちが必要とする能力のように思われがちですが、本書では肩書きは関係ないと書かれています。
 またお金でもなく、貢献することで利がついてくるのだと説きます。だから、どのような立場の人であっても「リーダーシップ」が必要だと強調されます。
 若い人だけでなく、契約社員やパート社員であっても、本書を読めば、どのように人生に取り組むべきかが理解できるでしょう。
 営業ウーマンとして人気の高い和田裕美さんが監修を担当。
  
(2012/09/24 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日秋分の日を迎え
  いよいよこれから秋本番にじはいります。
  そんな日に見つけた絵本が
  今日紹介する、かんのゆうこさんの
  『あきねこ』です。
  絵本を読む楽しみはいろいろありますが
  季節にあった絵本を見つけると
  うれしくなります。
  今日の絵本は
  まさに秋の絵本といっていいですね。
  秋という季節は
  さまざまな色があふれかえる季節。
  赤、黄、緑・・・。
  絵の具いっぱい塗られたキャンパスのようなもの。
  あなたなら
  何色を塗りますか。

  じゃあ、読もう。

あきねこ (講談社の創作絵本)あきねこ (講談社の創作絵本)
(2011/08/26)
かんの ゆうこ、たなか 鮎子 他

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sai.wingpen  草花を画く日課や                   

 俳人高浜虚子は『俳句への道』という本の中で、「自然現象(花鳥)はわれわれの生活にゆとりを与える」と書いている。それゆえに「花鳥(自然)諷詠という事は俳句それ自身の謂である」とまでしている。
 この国にはありがたいことに、春夏秋冬という四季があって、それを愛でる生き方の素晴らしさは、単に俳人だけでなく、多くの人たちが実践してきた。
 夏には夏の過ごし方、秋には秋ののめり方。
 それはどこか魔法のような、不思議ともいえる。

 ある日、かの(これがこの絵本の主人公の女の子の名前)は公園でベレー帽をかぶった一匹のねこに出会う。
 名前は「あきねこ」。
 ちょっときどったねこ。「あきのふうけいをかいていくところ」だという。
 あきねこが取り出した絵の具でさあっと描くと、あたり一面「うすべにいろや ももいろのコスモス」が広がる。
 かのはびっくり。
 でも、とってもうれしくなって、あきねこの絵の具の彼女もあきのふうけいを描きだします。
 黄色というよりも黄金色。しかも森の木たちは赤や黄色に葉っぱを染めています。

 かのが出会ったのは「あきねこ」ですが、本当は自然に出会ったのでしょうね。
 でも、自然を見つけるのは容易なことではありません。
 高浜虚子の言葉では自然が生活にゆとりを与えるとありますが、その逆もあって、ゆとりがないと自然も見つけられないのです。
 かのが「あきねこ」に会ったのは、彼女にゆとりがあったからです。だから、秋と出会った彼女のうれしそうな表情ったら。

 「草花を画く日課や秋に入る」。
 これは高浜虚子を育てた正岡子規の句です。
 病床六尺の中にいた子規ですが、きっとこの絵本のかののように、「あきねこ」に出会ったのかもしれませんね。
 子規なら会いそうですものね。
  
(2012/09/23 投稿)

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  いつまでも暑いですが
  今日は秋分の日

   湯あがりの母の坐しゐる秋彼岸  阪田昭風

  彼岸という季語は春の部。
  よって、秋の彼岸はわざわざ秋をつけないといけません。
  暑さ寒さも彼岸まで、と
  よく言われますが
  今年ほどこの言葉を願う年も
  珍しいのでは。
  今日は秋らしく
  第109回直木賞を受賞した時代小説を
  紹介します。
  せめて、気分だけでも。
  北原亞以子さんの『恋忘れ草』。
  先日(9.14)の日本経済新聞に広告で
  時代小説の魅力を
  文芸評論家の細谷正充さんが
  「私たちは時代小説を読むことで、
  知らず知らずのうちに、勇気づけられています」と
  書いていました。
  この作品でもそうです。
  いい休日を。

  じゃあ、読もう。
  

恋忘れ草 (文春文庫)恋忘れ草 (文春文庫)
(1995/10)
北原 亞以子

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sai.wingpen  女、がんばる                   

 第109回直木賞受賞作(1993年)。
 この回は高村薫の『マークスの山』とのダブル受賞となったが、選考でいえば高村の作品の方が圧倒的に優位といっていい。その中で、五木寛之と平岩弓枝の二人の選考委員が強くこの作品を推している。
 同じ時代小説を書く藤沢周平は積極的な推薦ではないにしろ、「たしかな江戸の手ざわりがある」と評価もしている。

 江戸後期の時代を背景にした六篇の連作短編集である。
 それぞれ私塾の師匠、筆耕者、娘浄瑠璃語り、小間物問屋の老舗の主人、女絵師、料理屋の主人といった職業を持つ女たちの苦悩や寂しさを描いた作品である。
 例えば、表題作となった『恋忘れ草』の主人公おりきは女絵師である。おりきは自分の作品の彫師をつとめた才次郎とただならぬ関係にあるが、才次郎には妻子がいる。いわゆる不倫の関係だ。
 やむにやまれず才次郎の家をたずねるおりき。そこで出会った才次郎の妻と子。それ以上におりきの前ではみせたことのない父の表情をした才次郎におりきは絶望する。
 しかし、この連作に登場する女性たちは強い。おりきは「今に後悔するなってんだ」と、たすきの紐を締め直す。
 舞台は江戸時代であっても、1990年代初めの日本の社会事情を組みとったような作品群である。
 今でもそうだが、婚期に遅れた、あるいは離縁をした女性たちが生きるためには、『恋忘れ草』のおりきのような強さが必要だろう。
 北原のこの作品に登場する女性の姿に共鳴した女性読者も多いにちがいない。

 作品の出来としては小間物問屋の老舗の娘お紺を描いた『恋知らず』がいい。
 父と兄の死後店を継いだお紺は斬新な簪で町の評判をとるが、そのあとの商品が売れない。そんなところに現れた幼馴染の秀三郎。いつしかお紺と秀三郎は枕をかわす仲になるが、それは秀三郎の嫉妬によるものだとわかる。
 強がる一方で寂しさに揺れる女ごころ。それにつけこむ男の業。切なさがつのる作品である。

 選考委員の一人井上ひさしが「爽やかさがゆっくりと立ち上ってくるような佳品揃い」と評しているのが印象に残る。
  
(2012/09/22 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  日本国憲法には
  と、突然すぎますが
  22条に「職業選択の自由」が定められています。
  全文を引用すると

   何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

  「公共の福祉に反しない限り」というところに
  気をつけないと。
  なぜこんな話から書き始めたかというと
  今日紹介する本が
  中村淳彦さんの『職業としてのAV女優』という
  一冊だからです。
  まじめに業界研究をしています。
  最近のAV業界はかなり不況な状況らしいですね。
  そりゃあ巷にそういう世界があふれていますからね。
  だから、AV女優といっても
  大変です。
  生身の体が勝負ですからね。
  女工哀史というのがありましたが
  AV女優哀史というのも
  ありそうです。

  じゃあ、読もう。

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)
(2012/05/30)
中村 淳彦

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sai.wingpen  職業選択の自由                   

 若い人たちの就職状況は依然厳しい。そのせいか、就職に強い大学や専門学校への進学に人気が高まる。
 よくいわれることだが、現代の若い人たちに働くということがあまり実感されていないようだ。そのせいで、大学入学と同時に働くことはどういうことかといったキャリアガイダンスを行う学校も多くなった。
 就職するためにはエントリーシートや履歴書の作成、面接など色々な関門が待っている。
 そのためにも自分がどういった職種に就きたいのか、希望する業界はどんなところなのかを研究する必要がある。その上で希望の会社は自分と合っているのかを決めていく。
 つまり、就活の第一段階は業界研究といっていい。

 本書は書名の通り、「職業として」AV業界はどういうものなのか、AV女優とはどういう仕事なのかを論じた一冊である。
 「ハローワークや求人誌では説明してくれない」実態を解説しているが、こういう本は残念ながら大学の就職課に並ぶことはないだろう。
 そうはいっても職業としてAV女優が存在する限り、それになりたいという人も間違いなくいる。キャリアを誤らないためにも、業界研究をしておくことにこしたことはない。

 かつてAV女優という仕事は高収入がはいるものだった。それはなり手がいないという、需要と供給のバランスから生じたものだ。
 それが今では毎年6000人の新人AV女優が誕生するというから人材過多といってもいい。
 当然顧客が求める美貌なりスタイルをもっていないと採用にも至らない。
 幸運にも採用されたとしてもトップスターになるのは極めてマレだ。
 プロダクションに採用されても、しかも採用面接は一般企業と比べて過酷であることは想像できるだろう、撮影までいけないことも多い。つまり、収入がほとんどないということもある。
 さらに、仕事柄、売れたとしてもその絶頂期は短いし、過激な撮影でトラブルに巻き込まれることもある。
 著者も最後に書いているように、「たとえアルバイト気分でも、職業は現実を知ってから選ぶべき」である。

 しかし、それはAV女優だからではない。どのような仕事であっても、表向き華やかな面だけで選ぶべきではないだろう。
 それがまずは自分にあっているか、将来も働きつづけることができるか、よくみて判断すべきだ。
本書はひとつの業界研究本なのだ。
  
(2012/09/21 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日スマートフォンの話を書きましたが
  最近電車の中でスマートフォンを見ている人
  多いですよね。
  確かにあの小さな機器があれば
  電車に乗っている時間などは
  あっという間に
  過ぎてしまいます。
  私もつい見てしまったりしています。
  そうなれば、
  なかなか本も読めなくなります。
  ぐっと我慢して
  電車の中では本を読むようにしているのですが
  これからの時代、
  どうなっていくかわかりません。
  でも、「読む」ことはどんな時代になっても大事です。
  特に情報量が多くなればなるほど
  重要になってきます。
  そこで今日は
  小宮一慶さんの『読む力ドリル』を紹介します。
  この本を読んで
  「読む力」をアップさせて下さい。

  じゃあ、読もう。

読む力ドリル (ビジネスマンの「必須スキル」シリーズ)読む力ドリル (ビジネスマンの「必須スキル」シリーズ)
(2012/08/09)
小宮一慶

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sai.wingpen  花マルめざして                   

 本書は先に出版された同じ著者の『「読む」「書く」「考える」は5分でやりなさい!』の「読む」にスポットをあてたトレーニーング版です。
 あの本を読んで、「そうはいってもなかなかできない」と悩んでいる読者には最適に一冊です。
 「書く」とか「考える」にはトレーニングが必要だというのはわかりやすいですが、「読む」は誰もが普段していることですからどうしてそれにトレーニングが必要なのかわからないかもしれません。
 身近な例でいえば、新聞はどの面から読みますか? よくいるのは、TV面からという人。私も小宮一慶さんの本を読むまではそうでした。小宮さんは「新聞は一面から読みなさい」と毎回書いています。
 その理由を「社会の関心事に、自分の関心事を合わせるため」といいます。現代は大変な情報社会です。自分の好みの情報だけではいい仕事ができません。そのためにも新聞は一面から読むことが大事です。それと、当然一面には重要な記事が掲載されています。まず何よりも重要な記事を押さえることが肝心です。
 それが「速読」につながります。

 本書では、読み方としてこの「速読」以外に「通読」「熟読」を使い分けるよう、書かれています。
 忙しい時に部下から出された出張報告を「熟読」する必要はありません。「速読」しながらも要点をはずさず読むことが求められます。
 資格取得のために買ったテキストは「通読」します。それで過去問題をやってみて間違ったところなどの解説は「熟読」します。
 読む本によって読み方を使い分けることが、時間の節約にもつながります。

 それにしても「ドリル」って懐かしい響きですね。
 大人になって「ドリル」をするっていうのは新鮮です。
 本書では各項目ごとに「問題」がついています。当然「解答」もありますので、自分で答え合わせしながら読むことができます。できれば、やさしい先生がそばにいて「花マル」なんかをつけてくれたら、もっと勉強が進むのですが。
 著者の小宮さんは最後に「「読む」とは何と発見が多くて楽しいことか」と書いています。そういう点では、小宮さんはやさしい先生といえるでしょう。
  
(2012/09/20 投稿)

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 8月の終わりに
 待望のスマートフォンを買いました。
 サムスンの最新機種「GALAXY SⅢ」。
 ちょっと大きいかなと心配していたのですが
 実際使ってみるとそれほど気になりません。
 第一に軽いのがいいですね。
 スマートフォンを使っている人は普段どこにしまっているのでしょう?
 私はワイシャツの胸ポケットにいれたり
 ズボンのポケットにいれたりしてるのですが
 やはり大きいですから少し嵩張ります。

 それよりまだまだ使い方がわからないのが
 大きな問題。
 最初は電話の取り方もわからずに
 大慌てしました。
 そこで、今回の「雑誌を歩く」は
 「必ず使える! スマートフォン2012年秋号」(日経BP社・680円)を
 歩いてみたいと思います。

必ず使える! スマートフォン2012年秋号必ず使える! スマートフォン2012年秋号
(2012/09/06)
日経PC21

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 なんといっても、想定している読者層は
 初めてスマートフォンを使う人とか
 まだまだ使いこなせない人が対象ですから
 私のようなほとんど素人にはうってつけの一冊。
 表紙に大きく
 「アンドロイドを万能ツールに!」とあるように
 「使っているのは電話とメールだけ・・・。それでは宝の持ち腐れ」と
 まるで私に言われているようで
 ここは頑張ってスマートフォンの達人にならないと。
 スマートフォンを買ってわかったのですが
 アプリの数のなんて多いことか。
 どんなアプリがいいのかまったくわかりません。
 この雑誌では編集部厳選のアプリがたくさん紹介されています。
 たくさんというのは、
 初心者にとっては、まるで無限と同じような意味になりますね。
 いやはや。

 初心者でもうれしいのが
 「おこづかいで買える珠玉の40製品 スマホ向けグッズ」。
 初心者はつい形からはいってしまうんですよね。
 やれやれ。
 その他、
 「電池切れの不安解消 完璧バッテリー対策」や
 「無料で使える Wi-Fiフル活用法」など
 これでしっかり勉強します。
 でも、あまり夢中になると
 いったいいつ本を読んだらいいのでしょうか。
 これって結構深刻な悩みです。

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プレゼント 書評こぼれ話

  今IMGiCA BS
  「7のつく日は007」という企画をしていることは
  以前このブログでも書きましたね。
  ボンドシリーズ全22作を放映する企画。
  007映画はこれまでにも何度か観ているのですが
  全部観たかあまり自信がなくて
  この企画で全部観るつもりです。
  ところが、その原作であるイアン・フレミングの作品を
  まだ読んだことがなくて
  それではと開いたのが
  今日紹介する『007/カジノ・ロワイヤル』。
  原作ではボンドはどう描かれているのか。
  結論からいうと
  映画の方が面白いですね。
  特にこの作品を原作とする
  2006年公開のダニエル・クレイグ主演の
  ボンド映画はずっと面白い。
  ボンド・ガールのエヴァ・グリーン
  魅力でもあるのですが。

  じゃあ、読もう。

007/カジノ・ロワイヤル 【新版】 (創元推理文庫)007/カジノ・ロワイヤル 【新版】 (創元推理文庫)
(2006/06/27)
イアン・フレミング

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sai.wingpen  まずは仕事、そのあとに美女                   

 007のボンド映画シリーズではダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンド役を演じた『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)が好きだ。
 話の展開のスピーディさ、ド派手なアクション、それになによりもエヴァ・グリーンが演じたボンド・ガールがいい。
 おそらく彼女は歴代のボンド・ガールの中でも屈指の美しさだ。
 しかも、この作品はイアン・フレミングの原作として初めてボンドが登場した原作の映画化であるので(時代背景は大きく変えられているが)、まさに正統007映画といっていい。

 フレミングがこの作品を発表したのは1953年で、そのあとすぐに映像化されているがボンド初登場作としてはあまりめぐまれない経緯をたどっている(そのあたりのことは本書の解説の中で詳しく書かれている)。
 そういう意味ではダニエル・クレイグのボンド映画までこの原作を堪能できる映像が作られなかったということだ。
 ボンド像は、初代ボンド役のショーン・コリーの印象が強い。タフでしかも女性にもてる諜報部員。歴代のボンド俳優たちもそれを踏襲してきたといえる。
 しかし、原作のボンドはそれほどスマートとはいえない。
 仕事のコンビを組むことになったヴェスパーという女性を最初は嫌う。しかも、彼女の上司はボンドのことを「仕事一本槍の男」と評している。男ぶりは「ちょっといい男」だが、「やさしい気持ちなんてあまりないだろう」とみている。
 つまり、原作に初めて登場した時のボンドは日本人も驚く、「仕事の鬼」だったのだ。

 この作品ではソ連(こういう呼び方も今では懐かしいが)の大物工作員がカジノでの大勝負で使いこんだ資金を回収しようとしている。
 それを阻止すべく派遣されたのがイギリスの諜報部員ジェームズ・ボンド。ボンドを支援するために送られたのがヴェスパーという美女。ボンドは最後の土壇場で辛くも勝負に勝つが・・・。
 カジノでの勝負のあとがこの作品の読みどころといっていい。
 果たしてヴェスパーは味方か敵か。「仕事の鬼」のボンドが大仕事を終えたあと、この美女にどう迫っていくのか。
 やはり、ボンドには美女は欠かせない。
  
(2012/09/18 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は敬老の日

    おのが名に振り仮名つけて敬老日  長谷川双魚

  少し前までは
  敬老の日といえば9月15日と決まっていたのですが
  そういうことを知っている人も
  だんだん少なくなってきたかな。
  ともかく、今日は敬老の日。
  自分にはまだまだうんと先だと
  思っていましたが
  気がつけばけっして遠い未来ではなく
  現実として
  もうすぐ、
  といってもまだですよ、念のため、
  シニア世代になるのはまちがいありません。
  今日は、アン・ボーウェン
  『おばあちゃんとおじいちゃんの家にいくときは』という
  絵本を紹介します。
  もう父も母も亡くなりましたが
  今でも帰省するたびに
  ごちそうをつくって迎えてくれた
  父と母がいたことに感謝しています。
  ありがとうね、
  おとうさん。
  おかあさん。

  じゃあ、読もう。
  
おばあちゃんとおじいちゃんの家にいくときは (わくわく世界の絵本)おばあちゃんとおじいちゃんの家にいくときは (わくわく世界の絵本)
(2010/10)
アン ボーウェン

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sai.wingpen  故郷は遠くなる                   

 亡くなった母が生前「親が元気なうちに実家に何度でもおいで」と語っていたのを思い出す。母のあと、父も亡くなり。故郷の家は今兄夫婦が暮らしている。
 母も父も亡くなって、それは兄の家になった。自分の生まれ育った家だが、もう自分の家とはいえない。
 母が言っていた意味を今頃になって気づく。

 この絵本はおばあちゃんとおじいちゃんの家に行く女の子が小さい弟に話しかける形で描かれている。「おばあちゃんとおじいちゃんの家に行くときはね・・・」と。
 おばあちゃんとおじいちゃんの家に行く車には「たくさんの本に、ゲームを三つ、それからクレヨンをぜんぶもっていく」。
 だって、おばあちゃんとおじいちゃんの家はとっても遠いから。
 車の中で女の子は小さな弟に、おばあちゃんとおじいちゃんの家で過ごす日々がどんなに楽しいかをきかせてあげる。春の雨の日にはおじいちゃん自慢の手品が見れたり、夏の夕暮れには暗くなるまで「かくれんぼ」をすることや、秋には庭いっぱいの枯葉で遊ぶことや冬にはおばあちゃんとおじいちゃんの家にたくさん雪がつもることを。
 そんなたくさんのお話をしてあげても、まだまだおばあちゃんとおじいちゃんの家には着かない。とっても遠いから。
 でも、家のそばまで行くと、いつも玄関の石の階段をおりて迎えてくれる人がいる。
 おばあちゃんとおじいちゃんだ。

 そんな家は誰にだってある。
 しかし、いつか誰もがそんな家をなくしてしまう。遠い道を車で向かっても迎えてくれる、おばあちゃんもおじいちゃんもいなくなる。
 故郷は遠くなる。
 やがて、自分の住む家、おかあさんとおとうさんの家が故郷になって、いつか、その家を出ていくことになる。子供が生まれれば、その家は「おばあちゃんとおじいちゃん」の家になる。
 きっとその日まではうんと遠いだろう。でも、それはきっとやってくる。
 私たちはそんなふうにして、変わっていく。
  
(2012/09/17 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日も暑かったですね。
  学園祭1
  昨日、東京新宿にある東京調理師専門学校
  「食美学園祭」に行ってきました。
  入り口では
  りっぱな氷彫刻が涼しげ。
  ちょうど、
  イベント会場では中華料理の先生が
  一本麺の調理実習をしていました。
  先生は女性。
  麺が先生の手元からスルスルとのびて
  まるで魔法のよう。
  会場では「がんばろう!東北」を合言葉に
  東北支援の物産展や
  オリンピックイヤーの五大陸料理など 学園祭2

  暑さもふっとぶ賑わいでした。
  今日紹介する本は
  武田美穂さんの「たべもの絵本」の第三弾、
  『オムライス・ヘイ!』。
  料理がうまい人は
  楽しい時間をおくれて
  幸せでしょうね。

  じゃあ、読もう。

オムライス・ヘイ!オムライス・ヘイ!
(2012/07)
武田 美穂

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sai.wingpen  今夜はオムライス、どう?                   

 たまごが大好きだ。
 あの、なめらかな曲線の、形もいい。
 昭和30年代の子供の頃は、細い方のてっぺんにちょこっと穴をあけて生のままのみこんだりしていた。滋養がつくと病気の時などは特別に飲ませてもらった。
 今から考えたら、普通にぱかんと割ってのめばよかったのに、あのさきっぽに穴をあけるという方が効き目があったのかしらん。
 生たまごをごはんにかけて食べるのもいい。子どもの頃はおかずもなく、たまごとしょうゆだけで食べていたものだ。
 ゆでたまごもいい。
 固いのより半熟かげんの方が好きだ。手にもったぷにゅとした柔らかさときたら、たまらない。ぱくっと噛めば、黄身がこぼれそうでこぼれない程度がいい。
 そんなわけだから、たまご料理は大好きだ。
 目玉焼き、厚焼きたまご、出し巻たまご。もちろん、武田美穂さんの「たべもの絵本」第三弾の「オムライス」にも目がない。

 この絵本は題名からしてリズムがあるが、わざわざ「リズムにのってよんでね」と注釈がつくくらい、文はラップ感覚で書かれている。
 たとえば、「オムライス、ヘイ! ざいりょうだ!」「まずは なかみだ ケチャップごはん」っていう調子。
 この絵本ではたまごは一人に二個使う。
 フライパンにたまごを流し込んで半熟かげんの時に、先に作っていたケチャップごはんをのせる。それから、たまごをくるりんとひっくり返してごはんを包み込む。
 子供の頃母はたまごを別に焼いてごはんの上にのせていたような気がする。半熟焼きでのオムライスではなかったなぁ。
 半熟たまごのオムライスの方が高級そうに見えるのはどうしてだろう。

 最後の決め手はやっぱり、ケチャップ。黄金色のオムライスに赤いケチャップの合うことといったら。
 この絵本では赤い星をケチャップで書いたオムライスが描かれているが、ハートを書いた人って多いのじゃないかな。

 「今夜はオムライス、どう?」なんていったら、「日の丸の旗でもさしましょうか」といわれそうだ。
 そういえば、昔のお子様ランチのオムライスには小さな国旗がささっていたが、あれにはどういう意味があったのだろう。
  
(2012/09/16 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日から武田美穂さんの「たべもの絵本」を
  紹介していますが、
  私自身はまったく料理ができません。
  学生の頃は
  下宿暮らしで人並みにフライパンとかお鍋とか
  持っていましたが
  したのはキャベツと豚肉の炒め物ぐらい。
  卵でとじます。
  このメニューは今でも我が家では貧乏炒めとして
  とおっています。
  ですから、調理ができる人にはいつも
  感心していますし、
  食美祭
  ある種尊敬もしています。
  特にこれからの時代は男子もしっかり
  料理の勉強が必要ですね。
  今日から東京新宿の東京調理師専門学校では
  毎年恒例の学園祭が
  始まりました。
  調理師をめざしたい人、
  もっと料理がうまくなりたい人、
  一度出かけてみるのも
  いいですよ。

  じゃあ、読もう。

パパ・カレー (ほるぷ創作絵本)パパ・カレー (ほるぷ創作絵本)
(2011/03)
武田 美穂

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sai.wingpen  今夜はカレー、どう?                   

 カレーは夏にかぎる。
 特に辛いカレー。はふはふしながら食べては水を飲み、ハーハーいいながら水を飲む。食べ終われば、後頭部から汗がどばってでてくるあの感じ。あれこそ夏の醍醐味だ。
 絵本作家武田美穂さんの「たべもの絵本」第二弾は、カレー。オーソドックスだ。
 そこで、今回は、お父さんが作るということで、「パパ・カレー」。しかも、お父さんは隠し味として、バナナを使うという。

 最近でこそカレーは専門店やチェーン店がたくさん出てきたが、日本の家庭料理の王様とでもいえる料理だ。
 おそらくカレーのルーは市販のものをどこの家庭でも使っていたはずなのに、子供の頃に食べた母のカレーの味に再会することはない。
 母のことだから何か特別なことをしていたはずもないが、どうして子供の頃に食べたカレーはあんなにおいしかったのだろう。

 武田さんが描くこの絵本の表紙のカレーの描き方のうまさにびっくりする。最初は写真を使っているのかと思ったくらいだ。
 カレーが発するこの光沢の見事さ。日曜の夕方ともなればどこかしらから匂ってくるカレーの匂い。それがこの表紙からも立ち上るようだ。
 まずは材料。牛肉にたまねぎ、じゅがいも、にんじん、そしてカレーのルー。パパ・カレーにはにんにくもしょうがもはいるようだ。それから、隠し味のバナナがでーんと描かれている。
 お肉は「ごろん ごろん」と大きく、たまねぎは「さくさく」、にんじんは「こっとんこっとん」、じゃがいもは「ざっくざっく」、にんにくとしょうがは「とっとっとっとととと」。音にも材料たちの個性が出る。
 炒めて煮て、カレーのルーをいれてぐつぐつと。最後は、バナナをつぶしてお鍋の中に。
 これって試していないが、おいしそうだ。今度、作ってもらおう。

 「今晩、カレーはどう?」なんていったら、「たまにはあなたも作ってみたら」といわれそうだ。
 カレーがつくれるお父さんはかっこいいなぁ。
  
(2012/09/15 投稿)

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  まだまだ残暑は厳しいが
  それでもひょっこり秋の気配を感じる時がありますね。
  早く秋らしくなってもらいたい。
  なんといっても、読書の秋。
  気持ちいい季節に本のページが進むといいなあ。
  それに、食欲の秋。
  『となりのせきのますだくん』を書いた
  武田美穂さんにとってもおいしい、
  といいても実際に食べれないですが、
  絵本があります。
  今日から三日間、
  そんな「たべもの絵本」を紹介していきます。
  ちょうど、東京新宿にある東京調理師専門学校では
  明日から「食美学園祭」という楽しい企画も
  開催されるようです。
  ぜひ、興味のある方は行ってみてはどうでしょう。

  じゃあ、読もう。

ハンバーグハンバーグハンバーグハンバーグ
(2009/12)
武田 美穂

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sai.wingpen  今夜はハンバーグ、どう?                   

 主婦が一番頭を悩ますのが、晩ごはんの献立だという。
 家でゴロゴロしている夫に「今夜の晩ごはん何がいい?」と訊くと、「なんでもいい」と答える夫に腹が立つらしい。
 そんなに怒るのなら、本棚にたくさん並んだレシピ本を「エイヤア!」と開けばいいのに、と夫は思うが、それは口にはしない。
 子供に訊くと、大抵は「ハンバーグ」と答える。それほど、ハンバーグは子供たちには人気が高い。少なくとも、家でゴロゴロしているお父さんよりは人気がある。

 『となりのせきのますだくん』で人気のある絵本作家武田美穂さんの、これはおいしい「たべもの絵本」。
 まず、表紙のでっかいハンバーグのおいしそうなことといったら、ない。子供でなくても「今夜はハンバーグ」と叫びたくなる。
 絵本によるハンバーグのつくり方である。
 まずは、材料が並ぶ。ひき肉、たまご、パン、たまねぎ、などなど。
 次のページでは、たまねぎがむかれていく。その次では、みじん切りに切られて、といったように、武田さんのやさしい絵とリズムカルな短い文が、まるで包丁で刻む「トントントン」という音のように軽快だ。
 ひき肉をまぜる「わしわし」という音も、手のひらでたたく「パンパンパン」という音も楽しい。
 料理の好きな人は、こんな素敵な音楽をいつも楽しんでいるのだろうなぁ。

 フライパンの中で「ジュージュー」焼かれるハンバーグ。もうすぐ出来上がりだ。
 最後はケチャップをかけて、さあめしあがれとなるのだが、この「ケチャップ」というのがいい。
 子供たちにとって「ケチャップ」はどんな手の込んだソースよりも大好きだ。あの赤い色といい、チューブからプチューとでてくるところもいい。
 さすが武田さんは子供たちが大好きなところをよく見ている。

 「今夜はハンバーグ、どう?」なんていったら、「いつまでも子供ね」とからかわれるだろうか。
  
(2012/09/14 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日、春日太一さんの
  『仁義なき日本沈没 東宝VS.東映の戦後サバイバル』という
  本を紹介しましたが、
  かつて東映は時代劇で活況を呈したことが
  あります。
  任侠映画の前の路線が時代劇だったのです。
  その名残りとして
  京都・太秦の映画村があります。
  片岡千恵蔵さんとか中村錦之介さんとか
  かっこいい立ち回りで
  人気を博しました。
  小説の世界では今でも時代小説は人気ですが
  どちらかというと小ぶりでしょうか。
  映画館の大きなスクリーンに
  合わないかもしれませんね。
  もっとも藤沢周平さんの世界を映画化した
  山田洋次監督の作品などは好きですね。
  そう、『たそがれ清兵衛』とか。
  今日は蔵出し書評ですが
  川本三郎さんの『時代劇ここにあり』を蔵出し書評
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

時代劇ここにあり時代劇ここにあり
(2005/10)
川本 三郎

商品詳細を見る

sai.wingpen  チャンバラへラブソングを!                   

 痛快な一冊である。
 五九〇頁の大冊ながら、近年こんなに楽しく読めた本も稀である。
 本書に倣って時代劇風に紹介すれば、初老の剣豪川本(川本三郎は若い頃から映画評論を書いていたからいつまでも若い評論家という印象があるがすでに六十歳を過ぎた大家なのには意外な感じがする。それでいて本書の前口上「股旅もの映画の魅力」に中原中也の<汚れちまった悲しみに>と副題をつけるあたり、まだまだ若い感性は健在だ)が次から次へと現れるチャンバラ映画を斬って、斬って、斬りまくる! その数なんと一〇五本!

 初出は青年漫画誌の二冊で、連載当時の題名が「チャンバラへラブソングを!」と「燃えよ! チャンバラ」だった。
 青年漫画誌の記事ものは普通そんなに面白くないが、この作品は連載当時から群を抜いて面白かった。
 それがこうして一冊にまとめられるとその数に圧巻する。
 紹介されているのは一九三九年製作の『鍔鳴浪人』(この作品の主演は阪東妻三郎という戦前の剣豪スターだが、彼を紹介するのに「若い世代には田村正和の父親といったほうがいいかもしれない」と川本は注釈をつける。このような細かい目配りが随所に見られることもこの本の魅力である)から二〇〇四年公開の山田洋次監督の『隠し剣 鬼の爪』までの一〇五本の時代劇(チャンバラ)映画である。

 この本を読んでいると映画が娯楽の王様として君臨していた昭和三〇年代は同時にチャンバラ映画の全盛期であったということに気づかされる。
 市川雷蔵や勝新太郎、中村錦之助といったスター達がそれぞれの持ち味を生かしながら多くの観客を魅了したのだ。
 それらの映画に影響された子供たちが木の枝を刀に見立ててチャンバラごっこに夢中になったのもその当時の懐かしい光景だ。今ではチャンバラなんていう言葉も知らないかもしれない。(ちなみにチャンバラの語源は刀と刀がぶつかる時の音からきているらしい)

 この本の魅力は川本の細かい目配りにあると書いたが、川本は単に作品の紹介や評価を書くだけでなく、主演のスターの魅力にも言及し、それだけでなく共演の女優や脇役、監督から殺陣師、カメラマンにいたる多くの人々にもあたたかな視線をおくる。
 あとがきに書かれているように「本書は時代劇論と書いたが、<論>というより、彼らの<壮絶>な戦いへのオマージュである」。
 川本がいう彼らとはチャンバラ映画の主人公たちだが、その映画を作った多くの映画人だと言っても間違いではない。
 最後にほとんどの作品についている公開当時のポスター図版も忘れてはならない本書の魅力であることも記しておきたい。(できればカラー図版で見たかったと思うのは一読者のわがままだろう)
  
(2005/10/30 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  先日、今話題の
  高倉健さん主演の『あなたへ』という
  映画を観てきました。
  高倉健さんの熱狂的なファンということでもありませんが
  この作品は評判もいいようなので
  映画館に出かけました。

あなたへ 映画パンフレット 監督 降旗康男 キャスト  高倉健、田中裕子、佐藤浩市あなたへ 映画パンフレット 監督 降旗康男 キャスト  高倉健、田中裕子、佐藤浩市
()
不明

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  結論からいえば
  とてもよかった。
  高倉健さんの魅力というのでしょうか、
  あの朴訥な感じが男を表現しててとてもいい。
  さすが男、高倉健です。
  最近の映画はかなりハデなアクションものが多いですが
  この映画はじっくり魅せてくれます。
  泣くことも笑うことも少ないですが
  ゆっくり染み渡る作品でした。
  共演の田中裕子さんも原田美枝子さんも
  みんないい。
  話題作とあって
  映画館はかなり賑わっていましたが
  さすがに年齢層は高かったですね。
  そういう私も高いですが。
  ということで、今日は
  春日太一さんの映画の本、
  『仁義なき日本沈没 東宝VS.東映の戦後サバイバル』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)
(2012/03/16)
春日 太一

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sai.wingpen  あなたは東映派? それとも東宝派?                   

 突然ですが、あなたは東映派? それとも東宝派?
 それ、何っていわないで。二つとも映画会社のことです。
 だったら、日活が大好きだとか寅さんの松竹だとか大魔神の大映だろうと、いわないでください。ここは話の展開上、つまりこの『仁義なき日本沈没』という本の都合、どちらかに決めてもらいたいのですが。
 東映といえば高倉健に鶴田浩二、菅原文太兄イに藤純子。東宝は三船敏郎に加山雄三、それになんといってもゴジラがいます。
 私が映画にはまりこんだ1970年代は藤純子の絶頂期の頃で、東映の任侠映画に多くの人がマイっていた頃。片や東宝は森谷司郎監督や出目昌伸監督の都会的な青春映画を作っていましたが、酒井和歌子や内藤洋子といった青春スターの時代は終わっていました。明らかに東映の方に勢いがあった時代です。

 映画館の入場者数は1958年(昭和33年)には11億人あったといいますから、作品は作るたびに観客が集まったのだと思います。そこからTVの影響もあって急激に入場者数は減少し、たちまち斜陽産業となっていきます。
 映画は戦前から作られていましたが、この本では戦後の映画史を東映と東宝という二大映画会社でたどっていきます。
 それは、戦後間もない有名な東宝の労働争議に始まり、栄光と凋落、そして挫折と復活、さらには現在にいたる経営方針の違いなどを克明に追いかけた作品です。
 映画史としても面白いし、ビジネス本としても読める一冊です。
 特にこの2社の場合、東映の大川博や岡田茂、東宝の藤本真澄といった個性的な経営者を輩出していて、経営者のありようとして読んでも興味をひきます。

 現在の東映も東宝も子供向けのアニメ映画が主流になっている印象もありますが、若い才能がかつての東映や東宝といった映画会社に束縛されることなく作品を発表しているのはやはりこの本で描かれた時代を経た結果でしょう。
 映画とはやはり混沌を描きながらそこから生まれるエネルギーを表現するもので、それには若い才能が必要であるとすれば、やはり戦後の栄枯盛衰は必然だったともいえます。

 ちなみにこの本のタイトル『仁義なき日本沈没』は、1973年にともに大ヒットした東映の『仁義なき戦い』と東宝の『日本沈没』を合わせたもの。
  
(2012/09/12 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日、東日本大震災から1年半を迎える。
  今でも復興の遅れや原発事故による避難者たちの問題など
  解決されていない問題は多い。
  おそらく被災された人には
  この時間の長さに苛立ちを感じる人もいるだろう。
  あるいはうすれていく記憶にとまどいもあるだろう。
  今日紹介する本は森健さんが編集した
  『つなみ 被災地の子どもたちの作文集 完全版』である。
  完全版とあるのは
  従来の雑誌形式のそれには
  福島の子どもたちの作文がなかったからで
  今回はじめて掲載されたものだ。
  避難地で「福島から来た」というだけで
  いじめにあった子どももいる。
  それでもやがて友達ができるのも
  子どもゆえの体験だろう。
  それでもまた別の避難地へ転校していく子ども。
  東日本大震災が生み出した悲しみは
  いつまでも続く。
  それが一日でも早く解決することを
  望んでやまない。

  じゃあ、読もう。

つなみ 被災地の子どもたちの作文集 完全版つなみ 被災地の子どもたちの作文集 完全版
(2012/06/13)
森 健

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sai.wingpen  三月十一日、ぼくは、一生忘れられない体験をしました。                   

 この本のもととなった「文藝春秋」8月臨時増刊号『つなみ 被災地のことも80人の作文集』(2011年6月刊)は第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど大いに注目を集めた出版物となった。
 この「完全版」は、これに福島の子供たちの作品が加えられている。
 ただ、福島の子供たちの場合、震災から11か月を経た時点での作文となっているから、震災から2か月余りで書かれた宮城や岩手の子供たちとは印象が違う。
 また、福島の子供たちには原発事故からの避難生活も描かれていて、震災そのものよりも「失われた故郷」への思いが強くでている。
 宮城や岩手と比べることなどおかしいが、福島の子供たちの場合、それはいまでもつづく悲しみともいえる。

 こうした被災地の子供たちの作文にふれると、「作文」の持つ力を痛感せざるをえない。
 編者である森健氏は最初辛く悲しい経験をした子供たちに震災体験を書かせることにためらいもあった。実際、それを書かない子供たちもあったはずだろう。
 しかし、自ら「書きたい」を手をあげた子供たちのそれは、悲惨な体験をその年齢に応じた表現として精いっぱい描かれている。
 作文が集まったあと小児科の専門医に意見を求めると、「大人であれ子どもであれ、人間は自分の体験を理解してほしいと思う」もので、そのようにして、人間は悲惨な体験を乗り越えていくと、語ったという。

 この本ではいくつかの作品が活字ではなく、子供たちの生原稿の写しの形で掲載されている。
 幼くまだたどたどしい字で「じしんとつなみはとてもこわいです。」と書いた保育所の通う子供もいれば、美しい字で原稿用紙をうめた子供もいる。
 小さな学年の子供の作文には飾りがなく、高学年になっていくほど当然読ませる技術が高くなる。
 「震災で私が学んだことが三つある」とまとめた少女は中学2年生だ。彼女は「今やるべき事は今やる」「津波を甘く見ないこと」「笑顔で生きる事」と、大人以上に冷静にまとめきった。
 まさに「作文の力」はそうした年齢に応じた言葉を表現できることにあるのだと思う。

 「三月十一日、ぼくは、一生忘れられない体験をしました」という南三陸町の小学6年生の作文の書き出しにすべて集約される、子供たちの作文集である。
  
(2012/09/11 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  ショーン・タンの作品は
  前に紹介した『アライバル』でもそうだが
  どのジャンルにいれるべきか迷ってします。
  絵本というには
  確かに絵がたくさんあって
  判型も大型で絵本ぽいのだが、
  内容は深く、
  やはり大人が読む本ということになる。
  今日紹介する『ロスト・シング』は
  『アライバル』より以前に
  書かれた作品で、
  これがショーン・タンの本格デビュー作らしい。
  この作品を
  ショーン・タンはアニメにして2011年の
  アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したそうだ。
  その作品は観ていないが、
  この絵本を
  あ、つい絵本っていっちゃいますね、
  自分で動かしてみるのも面白いかも。

  じゃあ、読もう。

ロスト・シングロスト・シング
(2012/06/23)
ショーン タン

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sai.wingpen  石ころにだって存在している意味がある                   

 『アライバル』で注目を集めたショーン・タンの、これはそれに先立つ2000年の発表された作品。(日本では『アライバル』の人気を受けて出版されることになったが)
 『アライバル』は言葉をまったく持たない不思議な、それでいて誰もが想像の翼を自在に広げられる作品であったのと違って、この作品にはちゃんと文章がついているし、ストーリーもある。でも、きっと、読者の心は自由だ。
 この本に登場する<迷子>をどう読みとっても構いはしない。

 ある日、ボトルの王冠集めを趣味にしてる主人公の「ぼく」は、海辺で奇妙な<迷子>を見つける。
 大きくて赤くて、しかも奇妙な、それはまるで大きなポットのようでもあるし何かの軟体生物でもあるが、<迷子>に、海辺で楽しむたくさんの人は気づかない。
 この<迷子>は一体なんだ?
 物知りのピートに訊くと、これは「ただ居場所がないもの」かもしれないなんて言う。
 居場所がないものなんて、この世界にあるのだろうか。存在がないものなんて。
 確か、フェデリコ・フェリーニ監督の映画『道』の中で主人公の男が「石ころにだって存在している意味がある」みたいなことを言っていたはずだ。
 この<迷子>にだって、本当は居場所があるはず。存在している意味はあるはず。
 わけのわからないものは理解不能としてうっちゃっておく。いつの間にか、私たちはそんな習慣をつけてしまったのかもしれない。

 「ぼく」はついに<迷子>の居場所を見つける。そこには「ぼく」の<迷子>以上に正体不明の生物がたくさんいて、なんとなく幸せそうにしていた。
 きっと、読者はこの<迷子>の意味を探ろうとするだろう。難しく考えなくても、自分の心にあるささいなものともいえる。
 それだって、とっても深い意味があるように、やっぱり映画『道』の「石ころにだって…」というせりふは正しいと思うのだが。

 岸本佐知子さんの翻訳が絵柄に合って、気持ちいい。
  
(2012/09/10 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日は『すーちゃん』という
  益田ミリさんの漫画を紹介しましたが、
  今日は益田ミリさんが
  絵本の文を担当した
  『はやくはやくっていわないで』という
  絵本を紹介します。
  書評にも書きましたが
  本当に素敵な絵本です。
  仕事が嫌になったり
  人間関係がうまくいかなくなったり
  そんなモヤモヤを
  とりはらってくれる絵本です。
  「すーちゃん」なんか
  読んだら
  「そうそう、そのとおりだよ」と
  泣くんじゃないかな。
  もう、大・大・オススメの一冊です。

  じゃあ、読もう。

はやくはやくっていわないではやくはやくっていわないで
(2010/10/30)
益田ミリ

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sai.wingpen  わらったり しない?                   

 益田ミリさんはイラストレーターだ。漫画も描く。絵本の絵も描く。
 つまりは、絵を得意とする人だ。しかし、この絵本のように、絵本の文も書く。しかも、とってもすてきな文を書く。ということは、文も得意とする人だ。

 この絵本では絵は平澤一平さんが担当している。一面の青を背景にちょっと気弱そうな、小さな船。船のお話だけど、その船は、私であり、あなただ。
 「ひとつ ひとつ じゅんばん ちがう」んだから、「はやくはやくっていわないで」と、大きな魚や大きな船のあとを、小さい船がはしっていく。
 みんな様々なのに、「くらべられると どきどきする」。「できること ちがう」のに、みんなまるで同じみたいに比べてしまう。
 隣の家は大きくて、お兄ちゃんは勉強ができて、同期のあの娘は男の人に人気がある。みんなそれぞれ違うのに、どうして比べてしまうのだろう。
 他人だけじゃなくて、自分自身も比べている。自慢したり、卑下したり。「ひっぱらないで」、「おさないで」。

 益田さんの文をおいかけていると、胸がきゅんとなる。
 それは女の子(人)だけでなく、男の子(人)もそう。
 どこかに覚えがあって、比べられたり、比べたりしている自分に気づく。
 どうして益田さんはこんなにも人の気持ちがわかるのだろう。きっと、自身もそうやって比べられたり、比べたりしたからだろうか。
 「ゆっくりいくよ」と、ちゃぷちゃぷ進む船の絵の次のページにある、「わらったり しない?」という文が切なくなるほど胸をうつ。
 おそくたって、小さくたって、「わらったり しない?」。
 みんな違う。でも、違うということでは、「みんな いっしょ」。

 とっても素敵な絵本、ありがとう。
  
(2012/09/09 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  以前このブログで
  益田ミリさんの本を取り上げた時
  友人から『すーちゃん』は
  知ってたんですが、と
  言われたことがあります。
  益田ミリさんと『すーちゃん』。
  そんな有名な関係なんだと
  名作『すーちゃん』を
  読んでみることにしました。
  なるほど、
  女性なら気になる主人公ですね。
  益田ミリさんの漫画は
  どこか哲学的なところがあって
  女性に人気なのもわかります。
  世の男性は
  益田ミリさんの『すーちやん』を読んで
  もっと女性心を
  勉強しないと。

  じゃあ、読もう。

すーちゃんすーちゃん
(2006/04)
益田 ミリ

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sai.wingpen  おそろしや、二本の線                   

 頬に二本の線を書きくわえると、ある程度の年を表現できる。ほうれい線だ。
 益田ミリさんがそんなことを何かの文章で書いていたのを読んだことがある。益田さんのイラストもついていたような気がする。なるほど。さすがイラストラレーター、うまいことをいう。
 たった二本のなんということもない線。それだけで年を表現できるなんて。
 鏡をのぞくと、確かに自分の頬にも口元にかけて、みごとなほうれい線。ちょっと顔の皮をひっぱると、消える。たった二本の線が消えるだけで、顔の表情が若くなる。
 おそろしや、二本の線。

 この漫画の主人公34歳、未婚のすーちゃんにはまだほうれい線はない。
 酒井順子の『負け犬の遠吠え』を読んで元気になるが、しばらくすると「負け犬の中のさらに負け犬」とめげたりする。
 「今のままの自分では嫌だけど、なりたい自分もわからない」と悩むすーちゃんに共感する同年代の女性は多いにちがいない。もっとも、そんなすーちゃんの悩みはいくつになってもあるような気がする。

 すーちゃんにはバリバリのキャリアガールのまいちゃんという友達がいる。不倫中で、仕事に充実しているようで疲れてもいる。すーちゃんとは違うタイプながら、彼女に共感する人もいるだろう。
 大げさな話が展開するわけではないが、益田の漫画はそんな二人を描かれることで女性に支持されている。
 生きていくことはいつも何か事件があるわけでない。友だちと食事をしたり、小さなキッチンでおならをしたり、大きなあくびをしたりで過ぎていく。気がつけば、ほうれい線がでているのが、生きていくことだ。

 益田の漫画には等身大の女性が描かれている。そんな女性を描かれるイラストラーターを同時代に共有できた今の女性たちはなんて幸せだろう。
 最後に「違う誰かになりたいと思わないのは、いい気分だ。あたしも悪くない感じ」と背をのばす、すーちゃんの笑顔がとても素敵だ。
 すーちゃんに二本の線がはいるのは、まだ、もう少し先だ。
  
(2012/09/08 投稿)

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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は小宮一慶さんの
  ビジネス本を紹介します。
  『こんな時代に会社を伸ばすたった一つの法則』です。
  小宮一慶さんの出版のスピードは
  とてつもないというか
  続々と続いています。
  読む方も大変です。
  もちろん、書く小宮一慶さんの方が大変でしょうが。
  だから、どうしても同じような話が
  多くなります。
  量産は時に顧客離れを起こす危険もあります。
  しかし、逆にそのことで
  反復になることも確かです。
  私は小宮一慶さんのいうことが
  自分の言葉で語ることができるようになるまで
  読み続けたいと思っています。
  
  じゃあ、読もう。

こんな時代に会社を伸ばすたった一つの法則こんな時代に会社を伸ばすたった一つの法則
(2012/07)
小宮 一慶

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sai.wingpen  魔法の呪文                   

 本書は「経営者が正しい考え方を身につけて、正しく会社を方向付けるためのコツ」を紹介した、経営者向けのビジネス本です。
 だからといって、経営者でもない、ましてや管理職にもなっていない若い人には参考にならないかというと、もちろんそんなことはありません。
 若い人、これから社会に出る人も大いに読んで下さい。
 従業員全員が経営者の感覚で仕事に取り組むことほど、強いものはありません。若い人たちもそう教えられているはずです。
 でも、なんだ、やっぱりうちの経営者はやっぱりダメなんだと嘆かないでください。
 この本にはこう書いていたから、そうではない経営のやり方は間違っている、とまるで錦旗のように振り回さないでください。
 ダメな経営者のもとであなた自身が何ができるかをしっかり見極めて、がむしゃらに働いてみることが大事です。それでも会社が変わらない時はキャリアを変えることもあるでしょうが、まずはあなた自身が「素直」になることです。

 これまでも多くのビジネス本を上梓してきた著者小宮一慶さんは、この本でも「経営の定義」をこう説明しています。
 まずは、「企業の方向付け」、次に「資源の最適配分」、そして「人を動かす」です。
 「経営の定義」のこの三つは、小宮さんの著作の中でも何度も出てきたものですから、小宮ファンにとっては耳にタコのような言葉です。
 だから、小宮さんの本は数冊読めばそれでおしまいという読者もいるでしょう。しかし、私はこう考えます。
 ビジネス本の多くは心に迷いが出てきたり、時に傲慢になった時に、初心にかえるための必読書であると。そのためには、お気に入りの本を繰り返し読むか(実際小宮さんは松下幸之助さんの著作やJ・C・コリンズの『ビジョナリーカンパニー』などを何度も取り上げています)、常に新しい本を読むしかありません。
 小宮さんの著作の魅力は、ある意味反復のそれです。何度でも同じテーマを、いろいろな角度から繰り返す、そんな魅力です。

 この本でも松下幸之助さんのことや『論語』のことなどを含め、これまでにも何度も書かれています。でも、はたしてどれだけ私たちはそれを覚え、血肉にしているでしょう。
 何度でも読む。
 奢らないためにも、何度でも読む。
 経営とはそれほどに難しいものだと、小宮さんは教えています。
  
(2012/09/07 投稿)

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  今日は先に第147回芥川賞を受賞した
  鹿島田真希さんの『冥土めぐり』を
  紹介します。
  若い頃は肉料理が好きでしたが
  ある程度の年令になると
  淡白な魚料理に好みが移るのによく似て、
  最近は芥川賞よりも
  直木賞にひかれるものがあります。
  かといって、
  芥川賞が肉料理かといわれれば
  それもどうかと思いますが。
  ただ、
  あまり観念的な小説よりも
  わかりやすい小説の方が
  本を読むということでは
  楽しみがあります。
  年令とともに
  読書の好みが変わるのも仕方ないですが
  そればかりだといいのですが
  読んで面白い、
  そんな芥川賞受賞作を読みたいとも
  思います。

  じゃあ、読もう。  

冥土めぐり冥土めぐり
(2012/07/07)
鹿島田 真希

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sai.wingpen  小説は先入観で読むものではない                   

 第147回芥川賞受賞作(2012年)。
 小説は先入観で読むものではない、と思っている。しかし、先入観というのは巧妙に回り込んでそこにあるから、先入観と呼ばれる。
 それを雑音と呼んでいいのかそれはわからないが、芥川賞のように社会的に大きく取り上げられる賞ともなれば、そういうものを遮断するのも難しい。
 第147回芥川賞を受賞した鹿島田真希の『冥土めぐり』は、宗教的な意味合いが強いとしばしば論じられているようである。しかし、それがわからなかったというのが私の本音だ。
 それはお前の読む力のなさだ、と先入観がいう。それでなくても、芥川賞という権威ある文学賞の受賞作という先入観がつきまとう。
 本当にこの作品でいいのか。芥川賞はどこに行こうとしているのか、ちっともわからない。

 頭に病気をもつ夫を連れて、主人公の奈津子はかつて裕福であった子供の頃に行ったことのある高級リゾートホテル、今はお手軽な保養所になってはいるが、でかける。
 奈津子にはかつて裕福であった頃をひきずる母と同じように遊び癖のついた弟がいる。そんな二人から逃げるようにしてまじめな太一と結婚したが、太一が発症して、奈津子の計画は大いに狂ってしまう。
 それでも、太一のどこか純朴な言動は奈津子の心に染みているのだが。

 太一の清潔さは、母と弟の醜さを過剰に描くことで際立ってみえる。しかし、これは現実だろうか。
 選考委員の高樹のぶ子は「経済力以外のアイデンティティを持ち得ていない日本の縮図としても読める」と選評に書いているがあまりにも深読みしすぎているような気がする。
 寓話など現代の人々は求めていない。現代の読者は、レトリックがあったとしても、レトリックもなく読める作品を求めているように思う。
 今回の受賞に関して不思議な雰囲気があるのは、選考委員たちがこの作品を推奨しながら、その選評において多くを語っていないことだ。
 何故かさらりとかわしているような気配がある。
 選考委員の一人村上龍にいたっては、「ノー」の票ながら、その理由もわずか数文字で終えている。

 小説を先入観で読んではいけない。たとえ、それが芥川賞受賞作であっても同じだ。
 常に判断を下すのは、読者一人ひとりといっていい。
  
(2012/09/06 投稿)

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  久しぶりに「百年文庫」の紹介です。
  今回はその2巻めである、「」。
  書き手のしっかりそろっていますから、
  「百年文庫」の中でも
  屈指の巻かもしれませんね。
  私は特に
  コナン・ドイルの『五十年後』という作品と
  山本周五郎の『山椿』が気にいりました。
  山本周五郎
  今でもたくさんファンがいる作家の一人ですが
  私は残念ながら
  あまり読む機会がありませんでした。
  きっと、大切な一作家を
  読み落としているにちがいありません。
  この「百年文庫」では、
  そういう作家たちにも触れることができますから
  とても重宝しています。

  じゃあ、読もう。

(002)絆 (百年文庫)(002)絆 (百年文庫)
(2010/10/13)
海音寺潮五郎、コナン・ドイル 他

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sai.wingpen  絆を軽薄な言葉にしないためにも                   

 東日本大震災以来、「絆」という言葉がありとあらゆるところで使われている。昨年の漢字にも選ばれたほど。
 言葉にも流行があるから、それは仕方がないが、ひと頃流行った「優しい」という言葉のように安易に使われるのはどうかと思う。それこそ、しっかりと結ばれた「絆」もゆるくなっていないか気になるところだ。
 「百年文庫」の第2巻めの表題は、その「絆」。こちらの方は2010年10月の刊行だから、今の流行とは関係がない。むしろ、100冊にも及ぶこのシリーズの2巻めに「絆」という表題を選んだ編集者の先見の明に感心する。
 しかも、この巻には、海音寺潮五郎の『善助と万助』、山本周五郎の『山椿』という時代小説の大御所二人の作品と、「シャーロック・ホームズ」でおなじみのコナン・ドイルの『五十年後』が収められていて、読み応え十分。

 まずはコナン・ドイルの『五十年後』を紹介すると、「シャーロック・ホームズ」の作者が書いたものだからついそんな目で読んでしまうのだが、「些細なでき事がいろんな結果を生」むという書き出しから読者をひきつけてやまない。
 コルク工場の貧しい職工の主人公が会社の破たんから遠いカナダの地に旅立つことになる。愛する恋人に「必ず迎えに来る」と約束して。ところが、彼は異国の地で消息を絶ってしまう。地元の警察に問い合わせても彼らしい死体もでない。
 ここまで書くと、やっぱりホームズに依頼したくなるが、彼が何故恋人を五十年間も連絡を寄越さなかったのかの理由も彼を待つ恋人はどうなったのかも含め、実に心地よい作品だ。

 ミステリー仕立てでいえば、山本周五郎の『山椿』も最後の仕掛けに驚く。
 作事奉行に勤める主馬は28の年に嫁を迎える。しかし、妻となったきぬは主馬を拒み、同衾を拒絶する。理由を問う主馬にきぬは若い頃心に定めた人がいるというではないか。その男、良三郎は才能があるものの出世せず、きぬに「ひとかどの人間になる」と約束したが、親にその仲をさかれたという。
 主馬はきぬに自害を命じた。さらに、きぬの亡きあと、良三郎を自分の部下に取り立て、彼の才能を試そうとまでする。事情を知った良三郎は改心し、才能を開花させていく。そんな良三郎の目の前にあらわれたのは。
 堪能する、という言葉はこの作品に合う。
 海音寺潮五郎の『善助と万助』は友情を描いた時代小説。しかも年老いてまでの友情の深さを描いて、これも読ませる短編である。

 ここには、流行ではないしっかりとした「絆」が描かれている。
  
(2012/09/05 投稿)

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  今日は大阪を舞台にした
  小説を紹介しまっせ。
  坂井希久子さんの『泣いたらアカンで通天閣』。
  アカンというのは、「いけません」という意味。
  そんなん、いちいち言わんでも
  わかるがな。
  そりゃあ、すいません。
  しかも、大阪は大阪でも
  ど真ん中、
  通天閣のある新世界。
  新世界ってゆうても
  あのドヴォルザークの名曲じゃおまへんで。
  大阪の新世界は
  ほんまに新しい世界でっせ、
  腰抜かさんときや。
  今はハイカラになったという噂でさかい、
  行った人も多いんとちゃいまっか。
  そこが舞台やから
  面白いに決まってま。
  しかも、涙ちょちょぎれますさかい
  ハンカチ、
  それ、雑巾やおはんか、
  白いハンカチが必要でっせ。

  ほな、読まひょ。

泣いたらアカンで通天閣泣いたらアカンで通天閣
(2012/05/15)
坂井希久子

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sai.wingpen  大阪をなめたらアカンで                   

 大阪で生まれ、育ったが、まだ通天閣にのぼったことがない。
 通天閣のある新世界という町には高校生の時分、もう40年以上前だが、歩いたことがあるが、とにかく怖い町という噂があって、目的地である名画座に向かって、あたしゃおのぼりさんじゃありませんよ、この町のことは十分知っていますよ、と脇目もふらず歩いたものだ。
 今はそうでもないようだが、その頃はこの物語の主人公のひとり、ゲンコのようないかつくて柄の悪いおじちゃんやお兄ちゃんがごろごろいる町という印象ばかりがある。
 とにかく「深刻ぶるのが似合わん町」で、「九八パーセントくらいがうさん臭いで構成」されている、というのが生まれてからずっとこの町に住む物語の主人公センコ(彼女は先ほどのゲンコの娘)の感想だ。では、残りの二パーセントはというと、「温かさや懐かしさといった、なんだかちょっとよいもの」ということになる。

 物語はそんな町を舞台にゲンコとセンコ(ちなみにこれは愛称)の親娘の笑いと涙と、ドタバタにあふれた「なんだかちょっとよいもの」だ。
 センコの母芙由子は彼女が小学生の頃亡くなった。母が一生懸命切り盛りをしていたラーメン屋はゲンコが跡をついだが味が悪く、今では閑古鳥が鳴いている。そんな店をセンコは陰ながら支えているのだが、ゲンコは今日も遊びほうけてばかり。町にまぎれこんできたうやんちゃな少年スルメの面倒までみる始末。
 センコは悲しい時があると、通天閣にのぼって涙をこらえる。彼女にとって、通天閣はそんな母親の懐のような場所でもある。

 ある日、センコの幼馴染のカメヤ(これも愛称)が仕事に挫折してこの町に戻ってきた。センコはセンコと妻子ある男性との恋に破れ、へこんでいる。
 この町は気性が悪いけれど、へこたれも多い。二人はいつしか寄り添うようになる。そして、センコの母やセンコのおじいさんが大事にしていたラーメンの味を取り戻していく。

 涙あり笑いありの物語だが、「大阪人がお笑いを好きなのは、どんなことでも笑いに変えてしまえば毎日楽しく生きていけると知っているから」、そう思っているセンコもまた大阪人の血を濃く受け継いでいるのだ。
  
(2012/09/04 投稿)

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 昨日の日曜、
 埼玉にある浦和西高校の文化祭に行ってきました。
 母校でも
 娘の出た学校でもない高校の文化祭に出向いたのには
 理由があります。
 駅で「清水マリさんの講演会」の案内を見かけたからです。
 清水マリさんというのは
 「声優の母」とも称せられる声優さん。
 国産アニメの第一号となった手塚治虫さんの「鉄腕アトム」で
 アトムの声を演じた声優さんです。
 ああ、あの声ときっと思い出される人も多いと思います。
 アトムといえば、清水マリさん。
 何しろアトムの声を40年演じたのですから、
 アトムの声はあの声しかありません。

鉄腕アトム Complete BOX 1 [DVD]鉄腕アトム Complete BOX 1 [DVD]
(2008/07/23)
不明

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 その清水マリさんは、
 浦和西高校の卒業生でもあって、
 母校での講演会ということになります。
 もっとも清水マリさんが通っていた頃とは校舎の場所が
 ちがっていたそうですが。
 清水マリさんは、
 まずそんな高校時代の思い出話からされました。
 卒業されたのはうんと昔ですが、
 びっくりしたのは当時の先生の名前をよく覚えていること。
 私なんか、高校の先生の名前なんて
 ほとんど覚えていないんですが。

 浦和西高校を卒業後、
 俳優をめざす清水マリさんですが、
 ひょっこりと「鉄腕アトム」の声優の仕事がはいってきます。
 「鉄腕アトム」がTV放映されたのが、
 昭和38年1月ですから
 清水マリさんが吹き替えのテストをしたのは昭和37年ということになります。
 講演マリ
 作者の手塚治虫さんは清水マリさんの声を聞いて
 アトムのイメージがより鮮明になったといいます。
 それまで漫画の中でしかなかったものが
 声を持つのですから、
 作者としても新鮮だったでしょうね。
 清水マリさんの声が気にいった手塚治虫さんは
 放送されるテレビ局が変わっても
 アトムの声だけは清水マリさんで、と注文をつけたそうです。

 そんな清水マリさんですが、
 話す声のはしばしにアトムの声が聞こえます。
 どちらかといえば、
 高い方の声がアトムでしょうか。
 その声を維持するために清水マリさんは
 風邪には気をつかったそうです。
 だって、「ロボットは風邪をひかないですものね」と
 笑っていました。
 ところが、さすがにお子さまの出産の時は
 お休みをしたそうです。
 「でも、手塚先生は妊娠には理解があった」そうです。
 当時「鉄腕アトム」は明治がスポンサーでしたが
 ああ、懐かしいな、マーブルチョコ、アトムシールがはいってて、
 赤ちゃんが生まれた清水マリさんのところにたくさんの粉ミルクが
 贈られてきたそうです。

 清水マリさんは2003年にアトムの声を引退? したのですが
 そのあとも、たくさんのアニメに声優として活躍。
 さらには、昔話の語りや朗読の会、と
 まだまだ活躍されています。
 お年的にいえば、おばあちゃんですが、
 そんな言葉が失礼なほど
 若々しい女性です。
 講演会では「わらしべ長者」などの昔話も
 披露してくれました。

 まさに充実の2時間。
 主催は、浦和西高校のPTAの皆さんでしたが
 いい講演会で
 すっかり気分のいい、日曜の昼下りでした。

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プレゼント 書評こぼれ話

  9月最初の日曜日。
  新学期が始まった学校では
  夏休みの宿題は月曜に提出してね、なんて
  いわれたところもあったのでは。
  だから、今日日曜は
  夏休みの宿題の最大の山場かな。
  そんな子どもたちに
  素敵な一冊を紹介します。
  高田静さんの『さつまあげの研究』です。
  この本のことは
  先日紹介した
  丸谷才一さんの『快楽としての読書[日本編]』の中の
  書評で知りました。
  高田静さんのがんばりに脱帽。
  夏休みの宿題が残っている子どもたち。
  この本を読んで
  夏休みの宿題の参考にして下さい。
  もう、遅いかなぁ。

  じゃあ、読もう。

さつまあげの研究 (科学はともだち)さつまあげの研究 (科学はともだち)
(1990/02)
高田 静

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sai.wingpen  Try!                   

 種をまきました。やがて、芽がでて、しばらくすると双葉になって。
まるで「サザエさん」の人気者カツオくんの毎年恒例のアサガオ観察日記のような、なんだか身のはいらない自由研究しか知らないものにとって、この高田静さん(当時小学三年生)の観察力、文章力は驚きです。
 現在もつづく「海とさかな」自由研究作品コンクールですが、この本のもとになった高田静さんの作品はソウル五輪のあった1988年に第3席である銅賞を受賞しました。「女の子らしい視点」が高く評価されたとあります。

 静ちゃんはこの時大阪に住む小学3年生でした。お兄ちゃんが鹿児島の中学にいたこともあって、鹿児島の名産「さつまあげ」を自由研究の題材に選びます。
 お兄ちゃんに会うことと自由研究をすること。静ちゃんのテーマ選びはとても自然です。やらされ感がありません。
 だから、自由研究ものびのびとしているといえます。だって、自然と見つけたのですから。
 鹿児島で静ちゃんは「さつまあげ」工場に行ったり、街の魚屋さんに行ったりして「さつまあげ」ができる工程を観察します。その間には、「さつまあげ」の材料となる魚の種類を図鑑で調べたりします。

 静ちゃんのすごいところは、大阪に戻ってから自分で「さつまあげ」づくりにトライすることです。
 工場や魚屋さんで観察した工程を見よう見まねで挑戦します。うまくできないので、自分なりの工夫もします。
 この本の解説を書いている杉浦宏さんはそんな静ちゃんの姿を「考えてみたり、お話を聞いてみたり、作ってみたり、匂いをかいでみたり、味わってみたりと高田静さんはたくさんのことみてきたのでした」と書いています。
杉浦さんの文章の中の「み」という言葉こそ、「Try!」です。
 静ちゃんの自由研究はその「「Try!」のかたまりです。

 本書にはその半年後、もっとおいしく「さつまあげ」を作ることに挑戦する静ちゃんの自由研究の続編も収められています。
 この作品が書かれて四半世紀。静ちゃんはどんな女性になったのでしょうか。
  
(2012/09/02 投稿)

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レビュープラス
 残暑厳しいですが
 今日から9月

  秋の航一大紺円盤の中

 有名な中村草田男の俳句です。
 秋といえば
 なんといっても、読書の秋。
 楽しみな季節です。
 そんな月のはじめにふさわしく
 今日の「雑誌を歩く」は
 第147回直木賞の発表号である
 「オール讀物」9月号(文藝春秋・1000円)を
 歩いてみます。

オール讀物 2012年 09月号 [雑誌]オール讀物 2012年 09月号 [雑誌]
(2012/08/22)
不明

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 芥川賞の発表媒体の「文藝春秋」は
 芥川賞作品の一挙掲載が売りですが
 直木賞は長編が多いですから
 全文というわけにはいきません。
 今回も部分掲載です。
 「受賞のことば」や「選評」はありますよ。
 辻村深月さんの「受賞のことば」がいいですね。

   本の世界に、これから少しでも恩返しができたら嬉しいです。

 なかなか言えませんよ。
 そのほか、
 受賞作家の辻村深月さんの全著作がわかる
   辻村ワールドは進化を続ける
 とか、林真理子さんとの同郷対談
   「私も若いときはそうだったのよ」
 とか興味深々の記事が目白押し。
 ちなみに辻村深月さんも林真理子さんも
 山梨の出身です。

 ほかにも
 ロンドンオリンピックが閉会してまもなくということもあって
 この号では
 生島淳さんの「ロンドン熱狂見聞録」や
 増田俊也さんの「日本柔道は本当に敗れたのか」といった
 記事もあります。
 ロンドンオリンピック関連の雑誌は
 これからもどんどん
 本屋さんに並ぶでしょうね。

 そのほか
 さまざまな作家たちによる短編競作があって
 はやく涼しくならないかと
 願っている、9月のはじめです。

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