FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  松本平さんの『日活 昭和青春記』。
  副題は「日本でもっとも長い歴史をもつ映画会社の興亡史」。
  書評の中で、
  題名との印象の違いを書きましたが、
  悪いのは
  早合点した私で
  松本平さんには関係ありません。
  読むまでに
  本屋さんでパラパラ読みをしたつもりだったのですが
  うっかりでしたね。
  こういうことは
  時々あります。
  よくあるのは
  文庫本になった時にタイトルを変更するケース。
  初めて読んだつもりが
  途中で「アレ?」って気づきます。
  あれは痛い。
  本を読む時は
  題名だけで選ばないこと。
  教訓です。

  じゃあ、読もう。

日活 昭和青春記 日本でもっとも長い歴史をもつ映画会社の興亡史日活 昭和青春記 日本でもっとも長い歴史をもつ映画会社の興亡史
(2012/08/27)
松本 平

商品詳細を見る

sai.wingpen  本は題名だけで選んではいけません。                   

 この本の書名をみて、どんな内容だと思います?
 私はてっきり石原裕次郎や小林旭、吉永小百合や浅丘ルリ子といった日活の綺羅星のごときスターたちの撮影裏話だとばっかし思い込んでいて、あまりの勘違いに愕然としました。
 本は題名だけで選んではいけません。
 本書は「日本で最も古い映画会社である日活という企業の中で繰り広げた悪戦苦闘の歴史」を生々しく描いた企業史であり、労働組合の活動史なのです。
 それはそれなりに面白かったですが。

 映画会社は終戦後華々しい復活を遂げていきます。大衆が娯楽に飢えていたこともあるでしょう。そして昭和33年に入場者数11億人という絶頂期を迎えます。
 しかし、そこを境にして、凋落していきます。
 テレビの台頭が大きな原因だとよくいわれますが、好景気で次の戦略が遅れたということもあったと思います。
 当然過剰な人員を抱え、経営側の誤った判断は労働組合側と過酷な闘争を演じるようになります。
 この本の著者はその当事者として不当な解雇にもあいます。(その後裁判にてそれは無効になりますが)。
 また、資金につまった経営側は映画会社の心臓部である撮影所まで不透明な契約により売却しようとします。
 日活を戦後復活させた堀久作という経営者を片方の軸としてその対峙者であった労働組合側からの視点ですから、当然堀がとった施策に対する批判が多くあります。

 経営者は順風満帆の時はその経営資質を問われることはありません。むしろ、下降し始めた時からどう会社を立て直すかが重要になります。
 どう経営資源を有効に活用するか、時代の風をどう読みとるか。
 一歩間違えば、失政となります。
 そして、多くの従業員が露頭に迷うことになります。
 華々しいスクリーンの向こうにそういう闘いが繰り広げられていたのです。

 経営の破たんから「ロマンポルノ」という花が開花したのも、それでも映画を作りたいという映画人たちの思いだったし、その後一旦は持ち直す日活が倒産してしまうのも時代の流れでしょう。
 会社更生法により再建の道を選んだ日活が、今年創立100年を迎えたのも、歴史のひとつです。
  
(2012/11/28 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス