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プレゼント 書評こぼれ話

  またまた最後の日になってしまいました。
  すみません。
  毎月一冊ずつ
  「向田邦子全集<新版>」を読んでいるのですが
  ついつい
  新しい本や話題の本、
  いま読みたい本にかまけてしまtって
  気がつけば
  月も終わり。
  まったくもって。
  これが12月なら大晦日じゃないですか。
  慌ただしい上に
  慌ただしくならないとと反省しています。
  ということで、
  11月も今日でおしまい。
  今年もあと一ヶ月。
  早いですね。
  向田邦子さんじゃないですが
  ヒトっていう動物は面白い。
  今回はエッセイ「霊長類ヒト科動物図鑑」です。

  じゃあ、読もう。

向田邦子全集〈新版〉 第八巻向田邦子全集〈新版〉 第八巻
(2009/11/21)
向田 邦子

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sai.wingpen  向田が愛した人間(ヒト)                   

 向田がタイのチェンマイの動物園に行った話がある。(「写すひと」)。ベンガル虎が泥まみれになっているのを見て憤慨するのだが、それが「野生動物の自然の姿」とやがて気づく。
 「向田邦子全集<新版>」第8巻はエッセイ集の4として、「霊長類ヒト科動物図鑑」が収められている。
 向田にとって、自分も含めた人間(ヒト)そのものが面白かったにちがいない。
 怒り、泣き、笑い、嘆く。ぼやき、歯ぎしりし、ため息をつく。あくびをし、うたたねをし、ガバッと起きる。忘れ、思い出し、記憶違いにあ然とする。
 そういうかわいい人間(ヒト)を向田は愛してやまない。

 特に向田邦子という人間(ヒト)は作家向田にとって興味がつきない動物だった。
 その生まれ、その環境、親きょうだいのことを含め、けっして卑下することなく、じっと凝視している作家がいる。
 ドジでおっちょこちょいの婚期を過ぎた女性を愛情を込めてみている。
 このエッセイは昭和55年から翌56年にかけて、週刊誌「週刊文春」に連載されたものだが、きっと大人の読者たちに人気があったと思われる。なかなか女性の本音を聞けない時代にあって、向田の文章の小気味いいことといったらない。

 連載の途中で直木賞受賞があり、そのことに触れて、昔痴漢を捕まえた話を書いている。(「警視総監賞」)。 ある夜、刃物を持った男にいきなり暗闇に連れ込まれ、あわやというところで逃げ出した向田。その後、なんと彼女はその痴漢を捕まえてしまう。
 警察は表彰ものだというが、父親が強硬に反対する。女としてみっともないと。向田は仕方なく警視総監賞を断念するのだが、そのあとさっぱり賞に恵まれなくなったとぼやく。
 そして、直木賞。
 「警視総監の仇を直木三十五という方に討っていただいたような不思議な気持ちでいる」と最後にさりげなく書く。
 けっして自慢するわけでもなく、感謝の気持ちをこういう文章で書けるなんて、やはり並み大抵ではない。

 それもこれも、向田が人間(ヒト)という動物が好きだということだろう。
  
(2012/11/30 投稿)

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