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プレゼント 書評こぼれ話

  今年の春から始まった
  NHK大河ドラマ「八重の桜」を
  楽しみにしている。
  いよいよ明日は、鳥羽伏見の戦い。
  ドラマはこれから戊辰戦争、
  会津の悲劇へと
  前半のクライマックスとなっていくらしい。
  そこで今日は
  前半の主人公ともいえる
  松平容保を描いた
  司馬遼太郎さんの『王城の護衛者』を
  紹介します。
  ドラマの中でも描かれていた
  エピソードが随所に描かれていますから
  「八重の桜」ファンには
  うってつけの一冊です。
  さあ、これから容保はどうなるのか。
  知っていても
  知りたくなるのがファンの人情。
  ドラマより一足先に
  お楽しみあれ。

  じゃあ、読もう。

王城の護衛者 (講談社文庫 (し1-2))王城の護衛者 (講談社文庫 (し1-2))
(1971/10)
司馬 遼太郎

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sai.wingpen  大河ドラマで容保ファンになった人には必読の書                   

 歴史書などで見かける、会津藩第9代藩主松平容保の容姿は、いまだ少年の俤を残した初々しい青年である。
 会津のジャンヌ・ダルクと称され、のちに同志社大学創設者新島襄の妻となった山本八重の生涯をドラマ化したNHK大河ドラマ「八重の桜」でも当然重要な役どころとなっている。
 演じるのは、新鋭の綾野剛。写真で見る容保に、雰囲気はそっくりだ。
 容保役に綾野剛を配役したのはNHKの手柄といっていい。

 この物語は、松平容保の人間像を描いた司馬遼太郎の歴史小説である。
 雑誌「オール讀物」3月号に大矢博子の「この新撰組小説がすごい!」という記事があった。その中で、新撰組全体がわかる背景として推奨されていたのが、この物語だ。
 司馬の作品ではあくまでも容保の生涯を追っているが、大矢いわく、「どのような状況で新撰組が会津藩お預かりとなったのか、それが何を生んだのかがよくわかる」としている。
 但し、これはいささか過剰な評価だろう。
 この物語は純粋に、松平容保がいかに幕末という時代に翻弄されたかを描いたものとみていい。

 「オール讀物」のこの記事では、司馬がこの小説を書いて松平家ののちの当主からお礼の電話をもらったというエピソードが紹介されている。
 賊軍として会津藩の崩壊とともに降伏した容保だが、先の孝明天皇からどれほど慕われていたかが、司馬の感情を抑えた文章でもよくわかる。
 維新後、生き残った容保が孝明天皇からの書面を肌身離さず持っていたというエピソードを最後に持ってきたのは、司馬のロマン嗜好の現れだろう。
 徳川慶喜に対する恨みだけでなく、それほどに自分に信頼を寄せてくれた孝明天皇の期待に応えられなかった自身の不甲斐なさ。けれど、それにあまりある天皇の書面の温かさは、晩年の容保の拠り所だったにちがいない。

 司馬作品としては短編小説に属するこの物語は、容保の初々しさだけでなく、慶喜の性格の厭らしさをよく描いている。
 ちなみに、司馬は代表作の一つである『街道をゆく』の「白川・会津のみち」の中でも「容保記」という章を設けている。
  
(2013/05/18 投稿)

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