FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昨日に続いて
  柳田邦男さんが訳された
  ティエリー・デデューさんの『ヤクーバとライオン 2 信頼』を
  紹介します。
  とてもシンプルでわかりやすい。
  けれど、奥深い作品です。
  絵本は子供との会話にうってつけです。
  「どうしてヤクーバとライオンは戦うふりをしたの?」
  「それはね、パパとママみたいに仲よしだからだよ」
  みたいな。
  いい会話ができる絵本は
  きっといい絵本ですね。
  この『ヤクーバとライオン』は
  いい会話ができる絵本です。
  柳田邦男さんが
  いっぺんで惚れ込んだ作品だけのことは
  あります。
  
  じゃあ、読もう。
  
ヤクーバとライオン 2 信頼 (講談社の翻訳絵本)ヤクーバとライオン 2 信頼 (講談社の翻訳絵本)
(2008/07/08)
ティエリー・デデュー

商品詳細を見る

sai.wingpen  忘れ物、届けにきました                   

 ノンフィクション作家柳田邦男には絵本の著作も多い。
 柳田は、「大人こそ絵本を」という。
 「絵本は人生に三度」という著作もある柳田は、絵本は幼児や子どもだけのものではなく、大人の殺伐とした心こそ必要だといいます。
 「簡単な物語のように見えていて、実はとても大事なメッセージがちりばめられている」絵本を、子どもの世界だけにしておくのはもったいない。
 複雑なことを簡単にして示すことこそ、本当の大人ができることではないでしょうか。

 柳田は絵本の評論紹介だけでなく、実際たくさんの絵本作りにも参加しています。
 フランスの絵本作家ティエリー・デデューの作品であるこの絵本は二部作です。
 そのうちの前半部分となる『ヤクーバとライオン Ⅰ勇気』を柳田はパリの出版社で偶然知り、深い感動を得ました。その時にはこの『Ⅱ信頼』の存在を知らなかったといいます。
 あらためて2巻を合わせ読んでみて、「感動がいちだんと膨らんだ」そうです。
 この作品は2つの物語でより深みがでるのです。

 前作で瀕死のライオンに「勇気」を試された少年ヤクーバは、ライオンを殺せなかったものとして村はずれで牛の世話をさせられてしまいます。だからといって、ヤクーバは腐りません。
 自分の役目を、この本の中では「任務」と訳されています、守っています。
 ある年、飢饉が動物たちを襲います。ライオンも同じです。
 ヤクーバが命を救ったライオンの王者キブウェもまたお腹を空かせた仲間たちをひきつれて困っていました。
 やってきたのは、ヤクーバのいる牛たちの囲い。
 また、ヤクーバとライオンは対峙することになるのです。
 ただ、一つ、前作と違うのは、彼らの間には前作で得た「信頼」があることでした。
 戦うことは仕方がない。けれど、互いに命をとろうとはしません。
 「ふたりは、ともに相手をふかくふかく尊敬する心で結ばれていた」のです。

 大人にとって絵本は忘れ物を見つけた時に似ています。
 それはいつ忘れたものなのか、でも、こうして絵本を読むことで、また手にすることができる。
 柳田は、そんなことを読者に伝えようとしているような気がします。
  
(2013/05/25 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス