06/27/2013 ぼくらの60~70年代宝箱(黒沢 哲哉):書評「「メンコ」と「ベッタン」」

今日紹介する
黒沢哲哉さんの『ぼくらの60~70年代宝箱』も
昨日紹介した『なつかしの昭和30年代図鑑』と同じく
いやもう
私にはたまらない本です。
子どもの頃に目の前にあったモノのオンパレードなんですから。
しかも、この本は
当時の漫画やおもちゃの写真図録が
てんこもり。
いやもう。
書評にもチラッと書いた
「スーパージェッター」や「狼少年ケン」ですが
それ以外に宇宙エースとか
風のフジ丸とか
大好きなアニメもいっぱい。
すぐ思い出すのは
いかにたくさん見ていたかということですよね。
ゲームとかスマホとかなかった時代、
ぼくらにはたくさんのアニメがありました。
じゃあ、読もう。
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昭和30年代の男の子たちの遊びとして人気の高い「メンコ」。大阪の子どもだった私には「べったん」という方が懐かしい。
「メンコ」なんて気障ったらしい。
1960年代から70年代の懐かしい漫画やおもちゃや文具などを紹介したこの本の著者黒沢哲也さんは昭和32年東京葛飾で生まれたからもちろん「メンコ」派。
「メンコ!!ながめるだけでこんなに楽しい」の項を読むと、呼び名はちがっても「地面に置いたメンコに、自分のメンコをぶつけ、裏返したら相手のメンコがもらえる」と、遊び方の基本は同じ。
地面に叩き付ける音から「ベッタン」となったのだろうか。実際は「パシッ!」という感じだが、関西風になまったとか。
「ベッタン」(東京の人は「メンコ」に読み替えて下さい)の魅力はその図柄にもあって、当時流行っていた漫画やテレビのヒーローが多く印刷されていた。
この本の秀逸なのは、冒頭に「鉄腕アトム」ではなく、「鉄人28号」のことから書き始めていること。
この二つの漫画はともに昭和30年代を代表する漫画雑誌「少年」に掲載されていたもので、男の子たちの人気を二分していた。
作者は「アトム」が手塚治虫で、「鉄人」は横山光輝。二人とも昭和の巨匠だ。
ともにTVアニメにもなっているが、面白いのは提供会社が二つともお菓子メーカーだということ。ここでもライバルである。
そういえば、当時のアニメの提供はほとんどお菓子メーカーだったような気がする。何故かそういうこともよく覚えている。
その頃の漫画の主人公なら今でもソラで描ける。「鉄人28号」なんてバッチリだ。
ロー石(といってもわからない人が多いだろうが、この本にももちろん載っている)とか棒きれで道とかにでっかい「鉄人」を描いた世代は、白紙の紙がふんだんになかった世代だし、車も今のように多くはなかったから道で遊んでも平気だった。
何しろ著者が同世代ということもあって、「スーパージェッター」の項や「狼少年ケン」の項など懐かしさに感涙もので、特に「楳図マンガ」の項は少女漫画雑誌に掲載されていた「まだらの少女」などを男の友達に見つからないようこっそり読んでは恐怖に陥っていた話で、よくぞ書いてくれましたと拍手したくなる。
「ベッタン」と「メンコ」のちがいはあっても、なんだ、あの頃の子どもはどこに住んでいても、やっぱし同じなんだということを実感させられた宝物本である。
(2013/06/27 投稿)

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