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プレゼント 書評こぼれ話

  シリーズも3冊めともなると
  貫禄がでてきた感じがします。
  新聞広告でみつけて
  「あ、また出たんだ」と
  さっそく手にしたのが
  今日紹介する
  永江朗さんの『広辞苑の中の掘り出し日本語3』。
  今回は「花鳥風月編」。
  このシリーズの面白さは
  書評にも書きましたが、
  昭和の気分が満載というところでしょうか。
  そもそも「広辞苑」そのものが
  すでに昭和的ともいえます。
  今なら電子辞書、かな。
  「電子辞書の中の掘り出し日本語」では
  面白くないですものね。
  やはり、ここは「広辞苑」でないと。
  今回もすっかり堪能しました。

  じゃあ、読もう。

広辞苑の中の掘り出し日本語3花鳥風月編広辞苑の中の掘り出し日本語3花鳥風月編
(2013/06/26)
永江朗

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sai.wingpen  よほどラッキーな本                   

 「風花(かざはな)」という、美しい日本語を知ったのはいつだったろうか。
 広辞苑では、「晴天にちらつく雪」とされているようだが、漢字といい、語感といい、なんともいいようがない。
 日本は四季が豊かだ。あわせて、言葉もあふれんばかりだ。
 かつて朝日新聞に連載されていた大岡信さんの「折々のうた」には単に短詩に紹介だけでなく、美しい日本語もまた多く教えられたものだ。
 その時に、広辞苑を開く癖でもあれば、もっと美しい日本語に堪能できたはず。
 あとの祭りだ。

 永江朗さんの『広辞苑の中の掘り出し日本語』もこの「花鳥風月編」でシリーズ3冊めとなる。
 単に言葉の紹介というよりも、その言葉につけられた永江さんの短文の面白さが好評の要因だろう。
 それと、永江さんの短文にある昭和の香りも、また、人気の秘訣だと思っている。
 永江さんは1958年、昭和33年生まれである。
 遅れてきた団塊の世代ではあるが、短文のはしばしに、昭和30年代のあの頃がひそんでいる。

 例えば、「にわたずみ」という言葉がある。
 「にわたずみ」というのは「路上の水たまり」のことらしい。
 その紹介短文の中で永江さんはこんな光景を書きとめている。
 「子どもの頃過ごした田舎町は、まだ舗装されていない道路が多く、(中略)水たまりと水たまりをつなぐ水路を作ったりもした」とある。
 私は昭和30年生まれだが、私もこの「水路」を作って遊んでいた。一体何が面白かったのだろう。単にこっちの水たまりの水があっちの水たまりに移動するだけなのに、よく遊んだ。
 今では舗装されていない道路を探すのが難しいくらいだが、昭和30年代にはまだまだ土の道があった。
 これもいまではめったに見られない風景といっていい。

 また、本屋での勤務が長かった永江さんらしいひとことも随所にあり、この点も読書人には魅力になっている。
 「現代の書物の運命は蝉の一生に似ている」という文章があるのは、「蟄居」という言葉につけられた短文。
 「七年かけて書いても、書店の店頭に並んでいるのは一週間ぐらい」と続く。
 つまり、永江さんのこのシリーズは、「よほどラッキーな本」といえる。
  
(2013/08/22 投稿)

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