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プレゼント 書評こぼれ話

  春だというのに
  関東地方は2週連続の記録的大雪
  見舞われました。
  特に先日の15日の朝はひどかった。
  どうしても仕事場に行かなければならないので
  朝早く出たのですが、
  積もって雪に加えて、雨と風。
  車のタイヤのあとの轍が
  川のようになっていました。
  久しぶりに傘も折ってしまいました。
  しかも、熱っぽかったので
  医者で見てもらうと
  インフルエンザということで
  これも初めて? かもしれません。
  というわけで、
  医者からは今日まで外出しないように
  宣告されました。
  やれやれ。
  そんなふうな生活で
  なんかうつらうつらしていると
  ソチ冬季オリンピックでは
  日本人男子フィギアでは初となる
  羽生結弦選手が金メダルに輝いたり
  スキージャンプで
  葛西紀明選手が銀メダルといった
  日本人選手の活躍の
  ニュースが続々とはいってきています。
  なんだか、
  いろいろある2月です。
  そこで、
  今日は『俳句歳時記 第四版増補 春』を
  紹介します。
  季節を感じるに欠かせない一冊。
  ずっと手元においておく
  私の大切な一冊です。

  じゃあ、読もう。

俳句歳時記 第四版増補 春 (角川ソフィア文庫)俳句歳時記 第四版増補 春 (角川ソフィア文庫)
(2011/08/25)
角川学芸出版

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sai.wingpen  春だというのに                   

 かつて朝日新聞朝刊に、詩人大岡信による「折々のうた」という人気コラムがあった。
 俳句、和歌といった短詩に限らず詩歌全般を、引用の詩句を200字に満たない本文で紹介するコラムで、新聞掲載後岩波新書の人気シリーズにもなった。
 新書版の「あとがき」で、大岡は連載に至る経緯と新書版とすることの決意のような文章を書いている。その中の一節に、次のような文章が出てくる。
 「詩句を一日一日配列しながら、全体をゆるやかな連結方法でつなぎとめる場合、最も大きな枠組としては、春夏秋冬という枠組がある」
 日本の詩歌の伝統は、大岡のいうように、春夏秋冬を重んじていることは、誰にもわかる。日本人のDNAともいっていい。
 特に俳句の場合、季語というものを配さなければならないという決まりごととあいまって、その意識は強い。

 この本、「俳句歳時記 第四版」の「序」の冒頭に、「季語には、日本文化のエッセンスが詰まっている」とあるように、言葉一つひとつに、その情景なり支えていることがらがつまっているのが、季語といっていい。
 それゆえに。生活様式の変化によって、なじみのない言葉が増えてくるのも、仕方のないことだといえる。
 例えば、この「春」の部にある「炉塞ぎ」など、「炉」というものすら知らない人も多いだろう。
 その一方で、今やすっかり行事として定着した感のある「バレンタインの日」などは、旧版の第三版のそれには掲載されていなかった季語である。
 春夏秋冬は変わらずとも、私たち日本人の営みが変わってきた、それは証しでもある。

 この「第四版 増補」版は、一段作りであった第三版から上下二段となり、新しい俳人たちも多く採用されている。また、「バレンタインの日」のように、新しい季語も増えている。
 ただ、第三版の「序」にあった、「歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である」という、寺田寅彦の言葉がなくなっているのが、個人的には寂しい。
 もちろん、それ以前に、思いがけない春の大雪に、いくらひねって句のでない、自分の才能が、もっと寂しい。
  
(2014/02/17 投稿)

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