03/15/2014 播磨灘物語(1) (司馬 遼太郎):書評「大河ドラマを面白く」

昨年のNHK大河ドラマの
「八重の桜」に関連して
新選組とか幕末の会津といった
関連本を
結構読みました。
今年の「軍師官兵衛」は
そこまで熱がはいっていないかも。
いや、まてよ。
そういえば、と
司馬遼太郎さんに黒田官兵衛の作品が
あったことを思い出しました。
それが今日紹介する
『播磨灘物語』です。
今日はその一巻め。
全4巻になりますから
これから順に紹介していきます。
但し、NHKの大河ドラマと
違うところが多すぎて
ちょっととまどいます。
黒田官兵衛の奥方の名前が違うのも
そのひとつ。
これはどうもNHKの大河ドラマの方が
正しいようです。
さて、これから岡田准一さん演じる
黒田官兵衛は
どのようになっていくか。
最後まで見続けることができるか
やや不安ではありますが。
じゃあ、読もう。
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今年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」は。戦国時代に軍師として高い人気をもつ黒田官兵衛が主人公だ。
そういえば。司馬遼太郎にも官兵衛を描いた作品があったことを思い出した。
司馬さんが描いた官兵衛はどのようであったのかを知ることも、大河ドラマを楽しむには面白いはず。
逆に、広大な司馬文学のこれが足がかりになるのも、またよしとすべし。
司馬遼太郎の『播磨灘物語』は昭和48年(1973年)5月から読売新聞に連載が始まった(完結は二年後の2月)。
司馬さんが50歳の時の作品である。
連載にあたって、「ときにふと、江戸期が暗く、戦国期は真夏の昼のように明るかったように思ったりする」という司馬さんらしい詩的な言葉で始まる、予告が残っている。
司馬さんはしばしば日本人の源流を室町期に求めたが、この短文の中でも「日本人の生活文化の光源は室町期にあるといえ」ると書き、こう続けた。
「そうした時代の表徴のような人物とその一家のことを書いてみたい」と。
室町末期はいうまでもなく戦国時代である。そんな「時代の表徴」と司馬さんが考えた人こそ、黒田官兵衛なのだ。
大河ドラマではほとんど描かれていなかったが、司馬さんのこの長い物語の始めは、黒田家の出自からである。
しかし、官兵衛の祖父や曾祖父のことはよくわからないという。仕方なく、司馬さんは「随想風」に書いているが、これは司馬さんが得意とした文体でもある。
それでも、司馬さんは黒田家の起こりともなった近江の地を自らの足で歩いているのは、この作家らしい。
それに最初のこの章「流離」は、官兵衛のDNAを知る上で面白い。
第一巻では、播州の小さな藩小寺家の家老でありながら、織田方に就くべきか毛利方に就くべきか迷う藩主に、天下いじりがしたいと思いがつのる官兵衛の姿までが描かれている。
これまで放映された大河ドラマと違う点も数多くある。
例えば、司馬さんの物語では官兵衛のキリシタン大名となる予感がすでに描かれているが、大河ドラマではそのことはまだほとんど描かれていない。
そのあたり、大河ドラマは今後どのように描いていくのだろう。
興味は尽きない。
(2014/03/15 投稿)

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