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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する絵本は
  谷川俊太郎さんと和田誠さんの
  ゴールデンコンビによる
  『あくま』。
  私なんか
  悪魔ときくと
  思い出すのは
  キャンディーズ
  「やさしい悪魔」という楽曲。

    あの人は悪魔
    わたしをとりこにする
    やさしい悪魔

  思い出しました?
  若い人は
  やっぱり無理かな。
  この曲
  作曲したのは
  吉田拓郎さん。
  作詞は「神田川」の喜多條忠さん。
  谷川俊太郎さんと和田誠さんみたいに
  すごい組み合わせだったんですね。
  キャンディーズ
  歌もうまかったし
  楽曲にもめぐまれていました。
  なつかしいなぁ。

  じゃあ、読もう。

あくまあくま
(2007/10)
谷川 俊太郎

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sai.wingpen  やさしい悪魔                   

 誰も悪魔なんか見たことがないはずなのに、悪魔のことを知っているのはどうしてだろう。
 黒ずくめで、触覚のような角(つの)があって、お尻には矢印記号の尻尾がついていて、というのが、誰もが頭に浮かぶ悪魔像ではないかしらん。
 悪魔は見たことがないはずだが、悪魔に会ったことがある人はいるだろう。
 「あの人は悪魔だ」なんて、よく口にする。
 つまり、悪魔を見たことがないが、悪魔には会っているんだ、私たちは。
 でも、会った悪魔は、きっと普通の人間の姿をしているんだろうな。

 谷川俊太郎さんが文を書いて、和田誠さんが絵を描いた、この絵本に登場する「あくま」は黒い定番衣装ではない。
深いオレンジ色の「あくま」だ。
 しかも、緑色のつばさまでついている。
 主人公の少年が「あくま」に会ったのは、「むかしばなしのなかのみち」だという設定がいい。
 確かに「「むかしばなしのなかのみち」だと、「あくま」に会う確率は高いだろう。
 まして、絵本だから、現実の世界でも悪魔に会うことがあるなんていえない。

 少年がまず会うのは「まじょ」だ。
 そういえば、魔女も見たことがないはずだ。
 けれど、悪魔と同じように黒ずくめで、定番の三角の帽子、さらにホウキを持っているというのが、魔女の姿。
 見たことはないのに。
 でも、悪魔と同様、魔女にも会った人はいる。
 最近では「美魔女」なんていう人もいる。
 この絵本では定番型の魔女が登場する。
 「ともだちになりたい」って。
 少年はこれを断って、魔女を退治しようとするのだが、「まじよ」は強い。
 そこに現れるのが、「あくま」だ。

 「まじょ」を倒した「あくま」は、少年に「ともだちになりたい」という。
 少年はそれも断って、「むかしばなしのなかのみち」から抜け出すのだが、あとで思う。
 「あくまとともだちにならなくて そんしたんじゃないか」って。
 どうかな。
 もう少ししたら、悪魔と会えるんだから。
 でも、くれぐれもいっておくけれど、本当に会う悪魔は怖いんだよ。
  
(2014/03/16 投稿)

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